どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

人生を歩んでいく音

2011年10月23日 | 日記
このところ 週末というと雨

先週の土曜日に雨で延期されたため 今日も植木屋さんが来てくれている

彼のことはずっと以前に書いた

彼は高校の後輩にあたるが 彼の兄が私と同じ小・中学校に通った同期である

小学校に入学当初からすでに片腕を事故で失っていた

初めて植木屋さんに依頼して彼がやって来た時 顔が似ているのでもしやと思って尋ねてわかったことだった

その時 彼も彼の兄も独身だときいていた


植木職人には病気がある

難関校といわれる私立大学を浪人もせずに進み 一流企業といわれるところに就職までしたのにもかかわらず

それを辞めてこの道に入ったのは そんなわけがあったのだろう

彼が障害者であることを 先日初めて知った

更に 彼の弟は知的障害者だという

こんなことってあるんだなぁ~


まぁ 兄が収入が良いもので助けてもらってるような状態で・・・

あらあら 情けないねぇ~ と私は笑って言う

その兄が 今度結婚が決まって・・・相手は再婚で娘さんもいるんですけれど

あら いきなり姪御さんができちゃうのね~ と おめでとうを言ったあとで 私は付け加えた

相手は福祉関係の仕事をしている人で・・・

そうか 真面目で頑張りやの彼だったから 人生半ばも過ぎた今 ご褒美のようにしてめぐり合ったのだろうな


子供の頃は似たり寄ったりの生活をしていたはずの私たちだが それぞれが それぞれの自分だけの人生を歩み

そして今の自分を作り上げてきた

当たり前のことだが その年月の重さ 長さ 深さ 

喜びや悲しみ 痛さや快感 自信と挫折 先が見えない不安や苦悩 その視界が一気にひらけた時の爽快感


今 枝を伐る鋏の音が 静かな日曜の庭から聞こえている

人生を 一歩 一歩 歩んでいく音
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墓参りとナメクジ

2011年10月16日 | 日記
連休最後の日 お墓参りに出かけた

前日に持参する物のリストを作り 朝ちゃんとチェックをしたのに 一つ忘れ物をした

ガーデニング・グローブ!

めっちゃ大事なものなのに 今まで忘れたことなどなかったのに

そもそもリスト・アップの段階で 書き落としていた

前日に庭掃除をした時 洗って部屋に干しておいた

目に触れる場所にあったから まさかこれを忘れるとは思いもしなかったのだ


都霊園の中を1キロ以上も歩いて我が家の墓にたどりつく

父が根元から伐った百日紅の生命力に 今回も唖然とさせられる

毎回 私が枝という枝を根元から切り落としているにもかかわらず ひこばえがすごい

後ろ 隣 斜め向こうと ご近所さまお構いなしに 縦横無尽とはこのことか

長い枝が根元から何本も伸びている様は 父の想像をはるかに超えた有様で 

あとの者が大変だからという父の計算は見事に外れたとしか言いようがない

もっとも 高さが無いだけマシだったかも


というわけで さぁ~やるぞ!と思ったその時 グローブを忘れたことに気がついたのだ

太くても直径2センチ程度の枝ではあるが 天気の良い空の下 ノコギリで数本伐っただけで汗がポタポタと落ちる

仕方が無いと初めは雑巾を持ちながらやっていたのだが そんな事じゃ埒があかなくなってくる

面倒になって 素手でやり始めた


何とか伐り終えた枝を ゴミ捨て場に運ぶのがまた大変

置き引きに注意しろというアナウンスが始終流れるくらいなので 一人で墓参の私はそのたびにザックを背負う

数回往復して いよいよ草取り


墓石の後ろに 以前に拾った柄の短い竹箒を隠してある

それをどけようと柄を掴んだ時だった

ぬらりとした感触が手のひらに伝わった

ぎゃっと思わず手を離したその柄には でっぷり太ったナメクジが

おいおいおい この前はコオロギで 今度はナメクジかい

生活がどんどんワイルドになっていくなぁ~

グローブさえしていればと 忘れてきた事を今更ながら後悔する


バケツに汲んでおいた水で手を洗った

ところが ヌルヌルが全く取れない

焦って今度は力を入れて洗ってみたが 水ぶくれのように薄い透明のふくらみがしかと残っている

まさか ナメクジって毒があるのか

もしかしたら 手がどんどん腫れてくるとか?

そうなったらどこに駆け込めばいいのだろうかなどと いつも最悪を考える私ならではの想像が次々と頭に浮かんだ

最後に 持参した束子でゴシゴシこすってみたら ようやく取れた

子供の頃 なめくじに塩をかけて遊んだことがある

その祟りでもあるまいが ナメクジの粘液のすごさをこの年になって初めて知ることになった


2時間ほどで掃除全てが終わった

花を手向けてお線香をあげる

家で少し凍らせておいたビールをクーラーボックスから取り出し その半分をカップに注いで墓石の前に置く

私は缶を手にして そのカップにカシャリとあて 乾杯をした


もう一人で何度も来ているというのに 未だに正門からの最短距離を見つけられない

裏門からであれば近く 道も一本道を歩けば良いというわかりやすい場所にあるのに 

電車とバスを乗り継いでの今は 始終墓地の中にある案内板を見ないといけない

水場と(同じようなものが点在しているのだが)風景だけが頼りで 今回も近くまで来ているのに迷った

相変わらず忘れ物もしている

まだまだだね 私

これが今回の報告


以前 老女が一人で花を手向けていたお墓がある

霊園そばで買ったのではないと明らかにわかる小さな花束がとても愛らしく 一層そこに眠る人への情愛が感じられた

今回も いつもと同じようにまだ色鮮やかな花がそこにあるのを見て 温かい気持ちになり また安心もした

いつかまたここで彼女と出会えたらいいなと 密かに期待している私である
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秋である-全ては笑い話

2011年10月08日 | 日記
秋である

先月 久しぶりに大型台風がやってきた

クライアントの会社は 午後早々に退社勧告が出された

危機管理のなっていない社長のもとで働く我々は ほとんどの交通機関が麻痺した都会を歩いて帰ることになった

震災以来の歩きなれた道とはいえ 強風の中を歩くのはきつかった

雨が早くに上がったことだけが 幸いだった

結局 帰宅するのにほぼ3時間かかった

とはいっても3時間歩き続けたわけではない

途中までは地下鉄も動いていたし その先の私鉄が動き始めるのではないかと淡い期待を抱いてちょっと待ってみたし

歩くかどうか決断するため またあれ以来持ち歩いている地図を再確認するために お茶など飲んでもいたし

雨合羽を買おうかと 店にも飛び込んだりしたし

そうこうしているうちに雨がピタリと止んだのだった

途中から動き始めた電車にも乗れたので(ノロノロではあったが) 本気で歩いたのは1時間弱といったところだった

 
翌朝 社員の心配をするどころか 息子のバイト先があの嵐の中 仕事に来いというので車で送っていったと

会社から徒歩1分のところに住む社長が開口一番 そんな話をするのにはあきれた

お前の息子の話なんかどうでもいい まず社員の心配をしろ それがお前の立場だろう

こいつ 全然わかってないなと思ったねぇ

その台風が 秋を運んできた

あれよあれよというまに涼しくなり 例年よりも早く私は布団を出した


秋である

私の秋は 忙しい秋である

夏休みに倒れそうになりながらもやった草取りではあったが 今ではそんな事あったかと言わんばかりの庭

全く 恩を仇で返す輩だ

来週には植木職人が来てくれるので この連休は何が何でもやらねばと決めていた

蚊取り線香をたいて蚊を追い払いながら i-PODから流れる音で蜂の羽音にも怖れることなく 勇猛果敢に

昼食は無論休むこともせずに ほぼ6時間地面にへばりついていた

ゴミ袋4っつの収穫

相変わらず 奇麗なお庭 とはいかなかったが それでも地面がかなり見えるようにはなった

今日は 自分を褒めてあげられるくらいに頑張ると覚悟していた

母なら もうそのへんでやめておいたら と言うだろうか

父なら まだもう少し頑張れと言うだろうか 

そんなことを考え 親が今もって私の行動基準に何かしらの影響を与えていることに 私は笑った


ヘトヘトになった身体 しゃがみこんでいたせいか股関節のあたりの筋肉も痛くなっている

その身体にシャワーを浴びさせてから 収穫祭をした

簡単な料理でさえ作る気力も残っておらず 冷蔵庫からすぐに食べられるものを並べて 祝杯をあげた


秋である

秋の三大仕事のうち 衣替えと お墓参り(掃除?)がまだ残っている

明日は通常の家事と衣替えもして 買い物も済ませよう

明後日はお墓に行く

こんな連休だが それも悪くない


秋である

先日 いつもなら出かける時に捨てるゴミを その日は早朝会議があるため 早めに出しに行こうと靴をはいた

歩き始めてから 何かが足の裏にあたるのを感じた

石でも入っているのかな いや 感触が違うな

シールの丸まったもののような カサカサした感じだ

さては靴下の裏に何かくっついているのかと 家に戻ってから見もせずに足の裏に手をやった

カサカサと ねばっとした手触り

手に掴んだものを見て こうして書いている今もおぞましさにぞっとするのだが

それはなんと 私に踏み潰された瀕死のコオロギだった

ギャ~~~~~~~~

これからは 靴を履く前に まずトントンして中を確かめることに決めた

コオロギ程度でよかった

サソリだったら 死んでいたかもしれない

その日いちにち 私はあれが烏賊か海老だったら何も怖くないでしょ 同じ生き物だからさ と自分に言い聞かせた 


秋である

東京都文化財ウィークがまた始まる

見学予定のリストは20を下らないのだが どこまで見ることができるか 今はまだ未定の話

夏の旅以来 徘徊もなかったことだし 是非とも時間を作って深まりゆく秋を体感したい


秋である

毎年 決まったような出来事もあれば 新しい経験もある

過ぎてしまえば 全ては笑い話
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