春の日差しの中 少し遠いスーパーの大型店舗まで行く
家庭用品の売り場を見ていたら 3~4人で固まっている高齢の女性たちを見かけた
誰かの車に乗ってまとめ買いに来たのか あまりこうした集団に出会うことはない
洗剤の売り場で商品を見ていた私の耳に 「エアメール・・・じゃなくて・・・」と集団女性の中のひとりの声が耳に入ってきた
「あら エアメール? 無いのかしら・・・」と他の人たちも一緒に探している様子
ん?アリエールのことか・・・? と思っていたら そのうちに「エーマールとか・・・」と自信無げに言いながら「セーターなんかを洗うのに・・・黄色いので・・・」と付け加えた
あっ!エマールだね
で 私はたまたますぐそばにあったそれを指さしながら 「エマールならここにありますよ」と教えてあげたら まさにそれだった
お礼を言われたので「私もそれを使っていますから」と
「大きな声で言ってみるものね」とか「目の前にあったのに気が付かなくて」とか がやがやと話した最後に「やっぱり若い人は違うわねえ」と
若い人?
マスクとニットキャップのせいもあって 確かに若く見えたかもしれないが 若い人というのは間違いだよと思ったが 考えてみると 相手は80歳前後
その人たちから見たら 私も若い人の範疇に入るのかもしれない
何故って 私だって50歳くらいの人を 若いと思うもの
私が80歳になっても 100歳の人には あなたはまだ若いわよと言われるのだろうか
相対的年齢に不思議な気になった
帰り道 赤いスニーカーに赤いウインドブレーカーを羽織った若者が私の前を歩いている
赤が好きなのかなあと思いながらその子を目で追っていたら 階段を下りている時に 足の悪そうな女性が手すりをつかまりつつ上ってくるのが見えた
と 私の先を歩いていたその男の子が 腰をかがめてその女性に何やら話しかけたと思ったら すぐにまた歩き始めた
おそらく手助けが必要かどうか尋ねたのだろうと思う
そんな優しい気持ちの そしてそれを普通に口に出せる若い人がいるんだなあと思ったら 高齢者からみたら若いけれど 若い人から見たら高齢者の私は ちょっとほっこりしたのでした