髪を切りに行く
店のカレンダーの6月のところに 店休日を示す丸印が一週間ほど並んでつけてある
6月に長い休みなんて珍しいと思って 山登りが趣味の人だから 山に行くんですかと尋ねたら ハワイに・・・・と
娘がむこうにいて 結婚の話に行くのだと
海外なんて行きたいわけでもなく 円安で買い物をする気にもなれず 店で仕事をしているほうがずっと良いのだけれどと 喜ぶのが恥ずかしいのか それとも結婚が気に入らないのか
私もマスターも 自分から相手の私生活を根掘り葉掘り訊くタイプではなく 相手が話せば聞くという風
そうした感じだからこそ 私も長く通ってこれたのだと思う
それ以上のことは訊かずに いつものように食事やお酒の話に花を咲かせた
こんな話は罪が無くて良い
黙っていても座れば出来上がる私の頭
注文をつけたことはただの一度も無いし それ以前に最近では どうしましょうかなんて訊かれもしない
長さはその時によって多少は違うだろうけれど 今回は暑くなる季節のせいか 耳たぶが見えるかどうかの短さ
気を付けて行ってらしてください とだけ言い残して 涼しくなった襟足を触りつつ家に帰った