みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

堺市・特定図書排除事件の記事がgoo「人気記事ランキング」で1位に!アクセスランキングは2位

2008-12-25 09:45:25 | 「ジェンダー図書排除」事件
朝起きて、パソコンをたちあげて、
gooの編集画面に入ったら、もうビックリ!



なんと、昨日のアクセスランキングは、gooブログ全体で2位!
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12月24日のアクセス数
閲覧数 : 37534 PV
訪問者数 : 27443 IP
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ブログをはじめて、もうすぐ丸4年、
毎日毎日、記事を更新してきたけど、こんなことは初めて。

「人気記事ランキング」でも堂々のダントツ一位。



昨日、いちばんアクセスが多かったのは、この記事です。

堺市に住民監査請求書を提出(代理人代表・上野千鶴子)
/特定図書排除問題で。(2008-11-05)


原因は、堺市立図書館から特定図書が排除された記事が、
共同通信の配信で全国ニュースになり、2ちゃんねるにスレッドがたったことで、
そこに、わたしの上記の監査請求の記事がリンクされています。

図書館「ボーイズラブ」に揺れる 堺市、市民の不信感募る
2008.12.23 47NEWS

 「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛をテーマにした小説に、堺市の図書館が揺れている。市民の声を受けて貸し出しを制限したところ、反対に「特定の本を排除するのは問題」と非難が集中し、制限を撤回。「また突然、対応を変えるかも」と市民の不信感は募っている。
 一般的にBL小説は、1冊に数ページのイラストがある。堺市立の7つの図書館が所蔵する計約5500冊のうち、100冊程度には男性同士が裸で絡み合うような過激な描写があった。盗難も多いため、申請があれば貸し出す閉架書庫に置いていた。
 しかし、ひっきりなしに貸し出されるため、4つの図書館では誰でも閲覧できる棚に配置。7月、「子どもが見るのにふさわしくない」との声が利用者から出た。
 図書館側は、閉架書庫に戻した上で、18歳未満への貸し出し禁止を決定。これに、住民グループが「特定の本を排除したり廃棄したりするのは、図書館ではあってはならない。政治的圧力もある」と反発。有識者も賛同し、11月に廃棄差し止めの住民監査請求が申し立てられると、図書館側は一転、18歳未満への貸し出しも認めた。
 堺市は「拙速で、判断を誤った」としている。
(2008/12/23 18:08 【共同通信】)


記事は、京都新聞や中日スポーツにも載ったようです。

しかし、この記事、9月以来、複雑な経過をたどった図書排除事件について、
かなりざっくりとしか書いてないので、読んだ人の誤解を招きやすい。
一般小説を「BL」とひとくくりにした問題点もすでに明らかになっているのに、
そのことにも言及していない。

わたしのブログを訪問してくださる人が増えるのはうれしいのですが、
この新聞報道だけを読んで判断されると、
約2ヶ月も前の記事に的外れなコメントや質問が増えて、
なかには、セクシュアルマイノリテイに対する暴言や、
管理者に対する「死ね」とか「変態」とかの罵詈雑言もあり、
この事件に対する偏見の根深さを感じます。

福井の「ジェンダー図書」排除事件のK氏から付きまとわれてて、
不愉快なコメントをつけられたくないので、コメント欄は「承認制」にしています。

図書排除事件に関心をもたれた方は、一連の記事をちゃんと読んでみてほしい。

 カテゴリー「ジェンダー図書排除事件」


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ところで、昨日、山県市からお手紙が届いた。

なにかの督促かと思ったら、山県市議会議長から「請願の審査結果について」。
わたしたちが提出した「議会運営における法令の遵守を求める請願」が
「採択」になったお知らせ。



まずはめでたい(笑)。

山県市議会の皆さん、請願も採択したことだし、法令遵守してくださいね。


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近藤氏への回答/堺「特定図書排除」事件の記事の続き(『む・しの音通信』68号)

2008-12-10 20:09:34 | 「ジェンダー図書排除」事件
12月2日に、福井・焚書坑儒事件で「図書を排除せよ」といっていた
     張本人の近藤實氏から、
配達記録つきのお手紙が届きました。

と書きましたが、封筒を空けたら、「原告団」事務局のわたしあての
「公開質問状」が入っていました。

「公開質問状」なので、住所、連絡先を公開することも了解の上と思いますが、
一応、個人情報なので黒塗りしておきます。
(これだけでも、けっこう手間がかかるもんですね)



内容と趣旨は、
「ジェンダー図書排除」究明原告団は存在するのか?と、
名前から福井が取れたことへの説明を求めています。

一方的に送りつけられてきた内容は事実無根の誹謗中傷としか思えず、
添付の資料には原告団事務局としてわたしの名前は出ていないし??、
不愉快であほらしくして、近藤氏の妄想に付き合う気も起きずに
今日まで、ほってありました。

お返事する義理もありませんし、無視することはできますが、
今日が回答期日で、いちおう「公開質問状」と書いてありますから、
以下の「回答」を、一度限り、公開でお返事します。

        近藤實氏への回答
1)「ジェンダー図書排除」究明原告団は、代理人に
  清水勉弁護士を立てて、情報非公開取消訴訟を継続中で、
  実在する市民団体である。
2)福井事件以来、各地で図書排除事件が起きているので、
  堺事件で監査請求を提起した時点から、協議して
  「福井」に限定しない名称に変更した。
3)以上が事実なので、近藤氏に対して、「原告団は存在しない」
  とweb上で事実無根の誹謗中傷を繰り返していることへの、
  訂正と謝罪を求める。              以上   
            2008年12月10日 寺町みどり

 
わたしたちのところには、過去にも、産廃の運動や県相手の既得権の関係で、
嫌がらせの手紙や、家族に危害を加えるとの脅迫文書が届いたこともあり、
都度、警察に被害届けを出してきました。
御嵩町の産廃事件では、自宅に県警が監視モニターをつけていたこともあります。

近藤氏は実名を挙げて、web上でわたしたちに対し、
悪意による事実無根の誹謗中傷を繰り返していますから、
公開で警告しておきます。

近藤實さんへ
今後は、寺町みどりへの一切のアクセスを拒否します。
あなたからの不愉快な嫌がらせの証拠も保存してありますから、
今後このようなことがありましたら、即、被害届等の法的措置をとります。


掲示板等での誹謗中傷(内閣府)

なっとく法律相談「掲示板に誹謗中傷の書き込みが!管理者の責任は?


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関連で(になるか分かりませんが)

『む・しの音通信』68号の堺「特定図書排除」事件の特集のつづきです。

堺市立図書館「特定図書」排除事件
「やめとき」ではなく「やめとかない」精神で
                 フェミニストカウンセリング堺・加藤伊都子


 職住ともに堺市民の加藤です。9月21日、「堺市図書館の書架から5499冊の図書が消えた!」という寺町みどりさんのML投稿で今回のできごとを知りました。その投稿には「わたしたちといっしょに行動したいという堺市在住の方は、ご連絡ください。」とありました。とりあえず、「本の名前だけでも教えてもらおう」とみどりさんに連絡を取り電話で話をしました。それが9月27日。そのときの話で、まずは監査請求をする堺市在住の市民が必要だということで、結局は自分がなるのですが、監査請求人として名前を出してくれる人を探し始めました。
 なぜ、名前を出してくれる人を探したかと言うと、この件について相談した中の数人から「やめとき」と言われたからです。「監査請求人になってもいいけど、名前を出すのはやめとき」と。理由は、仕事にさわる、仕事仲間に迷惑がかかると。(仕事はバックラッシュの人々が大嫌いなフェミニストカウンセラー。彼らの言によると、国家転覆、家族破壊を企んでいるということになるのですが、DV被害者、セクハラ被害者の支援もしています。) 
 忠告を受け、「誰かいないかな」と探し始めたのですが、誰も引き受けてくれない。今にして思えば「私はしないけど、あなたがやって」ということなど誰も引き受けないのは当然のことでした。そのうちに、説明をしたり、頼んだりするのが面倒くさくなってきました。まず図書館への攻撃の意味が言葉を尽くさなくてもわかり、できれば福井や松山で起こったことを知っていて、BL(ボーイスラブ)、少なくとも「やおい」くらいはわかる人、となると、そうはいない上に、同じ堺市民になぜ私が頼まなければならず、しかも断られなければならないのか、自分がやったほうがよっぽど簡単だと思い始めたのです。
 そこで改めて、「やめとき」という言葉について考えました。最初に思いついたのは、私たちが大事にしたい人は図書館攻撃をしている人々と意見を同じくする人たちではないということでした(何て当たり前のことを、と書きながら思います)。私たちを支えてくれているのも、仕事をくれているのも、その人たちではない。そして私たちとつながっている人は、図書館への攻撃を放置してもいいとは思わないだろうということでした。でも自分がやるとなると話はまた別で、「誰かがやるならお手伝いはします」と。この辺が正直なところなのだろうと思います。実際に、私たちが「やります」となってからは、短い期間、仕事をしながらにもかかわらず、賛同人等はそれほど苦労せずに集められました。
 そしてもう一つ考えたのが「仕事にさわる」というほどに彼らは厄介な存在なのか、ということです。確かに図書館にとっては厄介な存在になっていますが、さきほども書いたように、彼らは私たちの顧客ではない。「フェミニストの陰謀」などという言葉には「ンな大げさな」と思いますし、ネット上での執拗さには辟易しますが、それと力があるということは別です。「やめとき」という忠告を受け入れて、彼らの主張を放置すれば、あたかも彼らに力があるかのように見えてしまいます。たとえばネット上には「抗議のビラを図書館前で手分けしてまいた」とありますが、実際にはビラはまかれていません。声をあげ、話し合い、情報交換をしなければ、ネット上に書かれたビラまきは事実になってしまいます。そしてそんなに人数がいるのか、そんなに行動力があるのかと、ますます「やめとき」と言う人がふえることになります。この「やめとき」につながる心性、トラブルを避ける心性が今回の事態を招いたひとつの要因ではなかったかと思います。
 こういうやり方に対抗できるのは、「やめとき」ではなく、みどりさんたちのやり方、「やめとかない」(変な日本語ですが)精神と「すべてを明るみに」精神で行くしかないと、改めて思います。現在、私たちは「『ジェンダー図書排除』究明原告団」の方々のもと、「やめとかない」精神と「すべてを明るみに」精神とを学習中です。
=====================================================================
特定図書排除問題に対し、私が行動する理由
                木津川市・呉羽まゆみ


 「『ジェンダー図書排除』究明原告団」の1人である私が、堺市の出来事を最初に聞いたのは、9月5日だった。その内容は、「BL(ボーイズラブ)関連書籍が開架を中止し書架に移され、処分される予定」というもので、「冊数5499冊、購入金額366万8883円」(市のホームページ「市民の声」)ということであった。一報を聞いて、最初に私が感じたことは、「福井県、北海道に続いて今度は堺か、今回は女性センターではなく図書館が狙われたか、しかも青少年にとって悪影響を与えるのでともっともらしい理由がつけやすい本を指定しているのはなんとも巧妙な」、そんなところだった。私は、今回話題になっているBL本の存在を知らなかったし、今も読んでいない。それゆえ、今回の事件(あえて事件と呼びたい)の本質がかえって鮮明にわかるように思う。
 そもそも図書館とは、国民の知る自由を守り、広げていくことを責務として、あらゆる資料の要求に答えるべく、みずからの責任において作成した収集方針に基づいて資料を収集し、提供する自由を有する。その際、個人・組織・団体からの圧力や干渉に屈してはならないと「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会・1954採択)にうたわれている。堺市図書館に対して私が直感的に感じた疑問は、「BL本がなぜそんなに多くあったのか」ではなく「なぜそんなに急に処分が決まったのか」であり、個人もしくは団体の圧力に屈し、混乱したと思われる図書館の姿勢に対するものであった。
 後日、バックラッシュ側の掲示板で知ったのであるが、匿名市民本人が書き込んだと思われる書き込みに、「市議会議員さんに、このBLの一件を伝えた」「その議員さんが動いてくれ」「市会議員さんからも、結果について連絡があり~BLを書庫へ収納するとのこと」などの記述を見るにつけ、私の中での疑問はゆるぎないものとなった。つまり、議員の圧力・介入の存在を確信したと同時に、Webを通して煽動するこのような手法を私の感覚は受け入れられないと、自分の疑問点の整理ができたのである。
 議員が、執行機関である行政に議会以外で意見を言ったり質問したりすることはある。その際、受け取る側が「堺市立図書館資料収集方針」に基づき対応したなら、問題は拡大しなかったはずである。しかしながら、今回は、最初は匿名市民(市民かどうかは不明)からの電話で始まったものの、議員への働きかけ、議員の行動に対して、堺市の対応が個人や議員の圧力に混乱したといえる。その後、Web上でこれらの経過や報告が一種煽動的に扱われ、組織的な図書排除運動が展開されていることが明らかとなるにつれ、図書館本来のあり方が問われる問題に発展しているにもかかわらず、堺市の意識は希薄とさえ感じた。もし、我がまちで起こったらと考えると、これはほってはおけないとの思い、他市のことであっても問題が明らかになった以上、議員という立場でできることをしたいとの思いでいた。
 この件に関して、不当な公金の処分の差し止めを求めた「住民監査請求」の提起とは別に、何かできることをということで、「原告団」事務局のみどりさんたちと相談をして、堺市長・教育長に「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ」をすることになった。第1次申し入れ人は、41人の議員(元・前職含む)と2団体。自分の自治体でもいつ起こるかわからない問題について、図書館の責務を整理し、考えた人たちによる一致した行動であった。議員による、個人や議員の外圧にうろたえ今まさに市民の知る権利が押しやられようとしていることに対する抗議、福井事件も今回の事件も、相手側の目的はジェンダーバッシングであると感じるから、反動勢力の好き放題にはさせない、そんな思いでの行動であった。
その後第2次を追加し、第1次と合わせた申し入れ人の合計は、市民97名・議員46名・7団体に。代表の上野千鶴子さん(東京大学大学院教授)に届いた堺市教育長の回答は、「廃棄が前提の処置ではない」と明記されており、ひとまず安心?かな。
(『む・しの音通信』68号)



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堺市立図書館で「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?(寺町みどり)

2008-12-10 00:04:11 | 「ジェンダー図書排除」事件
堺市に、11月4日に提出した「特定図書排除に関する住民監査請求書」の
陳述に行って、9時ごろ帰ってきました。

陳述の報告はあらためて書くとして、12月5日に発行した『む・しの音通信』の
「図書排除事件特集」に、わたしも原告団の事務局として、
「堺市立図書館で「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?」という、
約4500字のまとまった記事を、経過報告がてら書きました。

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「陳述」の補充書にも、情報公開された資料とともにつけました。
ちよっと長いのですが、関心のある方は読んでいただければうれしいです。

堺市立図書館で「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?
          「ジェンダー図書排除」究明原告団 事務局・寺町みどり


 今年8月、堺市の全市の図書館の書架から5499冊のBL(ボーイズラブ)図書が、いっせいに書庫(閉架)に移されるという、衝撃的な事件が起きた。ここにいたる経過のなかでは市議会議員の関与などもあった。経緯は福井県の生活学習館での「ジェンダー図書排除」事件と酷似している。これまで女性センターで類似の事件はあったが、今回はじめて公立図書館で事件が起きたことにショックを受け、この問題について調べはじめた。

◆堺市「特定図書排除」事件の経過

 事件の発端は、7月下旬に匿名の市民A(男性)が「BL本が大量に図書館にある」と市内の図書館に苦情の電話をかけたこと。わたしは、福井事件以来、バックラッシュ派のインターネット「掲示板」を監視していて、この匿名市民の投稿に気づいた。どこかのまちの図書館で図書排除の動きが起きていると心配だったが、具体的にどこかが分からなかった。
 9月になり、市民Aが「掲示板」に堺市HP「市民の声Q&A」をアップしたので、堺市立図書館を舞台に起きた事件と分かった。 
事実関係を特定するために堺市に対し、原告団14人で、図書リストと会議記録等、「関連する公文書のすべて」を情報公開請求した。数日後に図書リストは資料提供され、公開された公文書や職員への聴き取りなどにより事件の全容が明らかになってきた。
 堺市HP「市民の声Q&A」(市の考え方)には、「(BL図書は)すみやかに書庫入れにいたしました。今後は、収集および保存、青少年への提供を行わないことといたします」と書かれているが、このような重大な決定をしたというのに、かんじんの意思決定に至る議論や経過は記録に残っていない。
 市民Aから堺市に届いた複数のメールや電話により、BL図書は7月下旬から8月上旬の間に異例の全館調査によって、開架から一斉に撤去されたようだ。このようなクレームだけで公立図書館が大量の図書を右から左へ動かし、処分まで考えるなんて、とても信じられない。
 公文書には議員の関与が記されており、「掲示板」でも、市民Aが「政治家の介入の効果」や「図書館から処分することの回答を得た」ことを明言している。図書館の対応も議員が介入してから明らかに変化している。福井「ジェンダー図書排除」事件で、図書排除を迫ったK氏が「政治家の力で図書が撤去できた」といっているのと同じ構図だ。このころは9月議会を控えている時期だったので、議会で追及されることを恐れて、あわてて対応したということはじゅうぶん考えられる。 

◆「住民監査請求書」提出へ

 調査をすすめていたわたしたちは、事実関係を踏まえ、「図書の種類・内容いかんに関わらず、図書の処分・廃棄をさせてはいけない」という観点から「住民監査請求」をすることにした。請求者は堺市の「住民」しかなれないが、原告団の有志が代理人となって、寺町知正さんが監査請求書の原案を作り、知り合いを通じて呼びかけるなど準備を始めた。
 10月19日、堺市の皆さんと住民監査請求の打ち合わせをするために堺市へ行き、翌日、堺市中央図書館を訪問して今回の事件の経過などを聞き、地下の書架に保管されている図書をじっさいに見せてもらった。
 堺市立図書館には、「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会/1979年改定)を基にしたすぐれた「資料収集方針」「資料除籍基準」等がある。特定図書を排除する行為は、これら規定に違反するのはもちろん、表現の自由、知る権利、基本的人権を侵害し、かつ禁止された検閲であって「日本国憲法」に違反している。同時に、「青少年に提供しない」は、「図書館法」「子どもの権利条約」「堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例」にも反している。
 堺市民28人と代理人12人(代表・上野千鶴子)は11月4日、堺市監査委員に「特定図書排除に関する住民監査請求書」を提出した。この「監査請求」の提起が、同時に、堺市でおきている「図書排除」事件の公表となるので、記者会見では、代理人代表の上野千鶴子さんのコメント(資料1)も発表した。「住民監査請求」については「12月9日に監査委員に対し陳述をする」と決定している。

◆「申し入れ書」を提出
 
 続いて、原告団のメンバーが呼びかけ人になり、11月7日、堺市長および教育長あての「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」(資料2)を提出した。申し入れは、呉羽真弓さんはじめ市民派議員41名(元・前職を含む)と「む・しネット」と「原告団」の連名。提出後、佃芳治教育次長、河野俊英中央図書館長などと面談し、市の考え方を文書で回答するとの了解を得た。
 堺市側の説明は、「5499冊は有害図書ではない」「図書館は収集基準にかなった本を入れており過激なものは購入しない方針」「現時点で除籍基準に該当するものはない」「議員から圧力があったと思っていない。議員の介入があろうとも、基準に従って粛々と仕事を進めるという図書館の姿勢は変わらない」など。 
 第一次申し入れは、緊急に市民派議員で提出したが、さらに広い範囲のひとたちに、「第二次申し入れ」を呼びかけることにした。
 11月14日、上野千鶴子さんを筆頭とする「市民97名/議員5名/5団体」で、「(第二次)特定図書排除に関する申し入れ書」を提出。申し入れ人の合計は、「市民97名/議員46名/7団体」になった。
 11月14日、堺市教育長から申し入れに対する回答が届いた。回答は「本件における、他者からの個人的主張による不当な介入や働きかけなどは一切ありません。・・・収集図書のうち、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写等のある図書については、青少年に配慮する観点から、開架せず書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧・貸出しに対応しています。」 これでは答えにもなっておらず、納得できないわたしたちは、「堺市回答に対するコメント」(資料3)を公表した。

◆ボーイズラブはなぜ排除されたのか?
 
 当初、「(BL図書は)青少年に提供しない」とされていたが、回答の直前に、意思統一のための館長会議が開催され、申し入れにより、この決定は見直されたようだ。
 とはいえ、「BL図書は収集・保存しない」という措置は見直されていないし、堺市はなぜ不当な要求に従ってBL図書を特定し排除したのか、の疑問は残る。
図書館側は、「BL図書をカウントするために動かしただけ」と言っているが、「一般書として混配」していた館もあるのだから、「一般図書として開架しているのでカウントできない」と答えれば済むはなしだ。
 堺市立図書館は、以前から「やおい小説の取扱い基準」を作っている。その基準により「指摘されたので閉架に統一した」ということだが、図書館のすべての図書は、「資料収集方針」によって購入・配架されており、除籍・保存基準により廃棄・保存される。「有害図書」や「過激な図書」は、入り口でチェックされて入りようがない。これらの規定が図書館の唯一の正規ルールなら、あえて「ボーイズラブ」と「区別」しての制限はなぜ必要なのか。
 「表紙、挿し絵等で特に過激な性的描写等のある図書」というが、どの図書館も探せば「セックスと暴力」にあふれている。「BL小説」は異性愛の小説とどこがどう違うのか、 そもそも、「BL図書」ってなんなのか。「BL」は誰にとって有害なのか、「BL」を女こどもに読ませたくないのは誰なのか。「BL」=「過激な性的描写のある本」なのか、「過激」の線引きをどこでしたのか、5499冊をどのような基準で選んだのか、など次々に疑問がわいてきた。
 「BL(ボーイズラブ)」と特定された図書リストは、約1000枚の紙版と電磁的データ(FD)として、9月中旬にわたしの手元に届いていた。今回の問題は、特定された図書が「BL」であることと、その冊数の多さゆえに、その後、マスコミやネットで議論され、話題が大きくなった。
 わたしたちは、この2か月ほど、「図書の廃棄をくいとめる」活動をしてきたが、平行して図書リストを詳しい人たちに見てもらっていた。先日、著者別、出版社別に「分類したデータ」が届いたが、この分析をみれば、いかに図書が、ランダム、無節操、不統一な方向で選別されたかがうかがえる。
 図書データの分析を進めている研究者によると、「司書の目についたもので、『BL』に見えたものをリストにあげるといった作業だったのではないか。統一した作業ではなく、個々の作業した司書が、それぞれ違う個人的な基準で本を選んだということなのかもしれないという気もしてきた」ということだ。
 この推測は当たっていると思う。今まで図書館の資料は、各図書館の独自の判断で排列されていたものを、今回はじめて全館調査をおこない統一した。その基準は何かといえば、じつは何もなかったのだ。意思統一や特定図書を排除するための会議をした気配すらない。「表紙と挿絵」というのも、あとづけの理由に過ぎず、「BLらしきもの」をとりあえず排除したのではないか、とわたしも公文書を精査・分析しながら、同じことを考えていた。

◆「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?
 
 堺市に届いたメールから分かったことは、特定図書を排除したい人たちは、「同性愛」自体を嫌悪している。同性愛への差別と偏見から「BLをこどもに見せるな」といい、「BL本を処分せよ」と迫った。その要求にしたがった図書館にも、「ボーイズラブは青少年に見せてはいけない」という予断と、セクシュアルマイノリティへの偏見があったのだろう。 だからこそ、堺市立図書館で起きたことは、「ジェンダー図書排除」事件にほかならない。
 この問題で行動することを呼びかけたら、「デリケートな問題だから触れないほうがよい」とか、BLを擁護することをタブー視する声があった。「寝た子を起こすな」と。
 巷にあふれる「BL本」の悪いイメージをことさらに振りまいて、自己規制を迫るのは、差別する側の常套手段だ。どんな本も読者に読まれるために書かれている。わたしは、図書を選別し、区別し、隠すことこそが「焚書」であり、「差別」につながると言いたい。
 特定図書は現在、7図書館で「保2」というところに移動・保管され、引き続き「調査中」。報道によると「専門司書70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、選定を行っている」。特定された図書は「文字情報」の小説である。問題になっているのは「表紙、挿絵、イラスト等」とされたようだが、特定図書をさらに選別する行為は、図書館の裁量を超えていると思う。「BL図書」は、「間違って排除された」のではなく、図書館の自己規制によって、区別され、市民の目から排除されている。「どのような理由であろうと蔵書を排除しない」を基本原則としない限り、第二第三の「図書排除」事件は、起きるだろう。
 「図書館の自由に関する宣言」は、「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする」とし、「第1 図書館は資料収集の自由を有する。 第2 図書館は資料提供の自由を有する。 第3 図書館は利用者の秘密を守る。 第4 図書館はすべての検閲に反対する。図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまでも自由を守る。」と掲げている。  
 現場の図書館は、「図書館の自由」を守るために毅然としてたたかってほしい。
 堺市に対しては、現在、第三次情報公開請求中。公開期日は12月5日。新たな公文書が出てくれば、なぜこのようなことが起きたのかなどについて、さらに解明が進むはずだ。
 今回の図書排除事件は、わたしたち自身の「戸惑い」と「偏見」に対し、大きな問いを突きつける。あなたはどこに立つのか、と。
 わたしもまた、「ジェンダー図書排除」事件にかかわる当事者として、この問題から目をそらさずに、考え、行動していきたい。

・・・・・・・・(字数の関係で資料は省略します)・・・・・・・・・・・・・・・・

(『む・しの音通信』68号)



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「BL図書に対する誤った対応を正してください」に対する堺市の回答【堺市HP「市民の声」Q&A】

2008-12-02 19:06:29 | 「ジェンダー図書排除」事件
堺市が、【堺市HP「市民の声」Q&A】の「BL図書に対する誤った対応を正してください」
という市民の声に対し、(市の考え方)として回答を書いています。

以下は、わたしたちが提出した
「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」に対する回答です。

2008.11.16 堺市から回答が届きました

                             堺中央図第1730号
                          平成20年11月14日

上野千鶴子 東京大学大学院教授
「ジェンダー図書排除」究明原告団・代表
はじめ 市民97名/議員46名/7団体 様
                         堺市教育委員会   
                         教育長 芝村 巧
                         (公印省略)

    「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」について

 平成20年11月7日付、及び11月13日付、標記申し入れについて、下記のとおり回答します。
                 記
 申し入れのありました特定図書につきましては、廃棄を前提にしたものでなく、他の図書の取扱いと同様に「堺市立図書館資料保存基準」及び「堺市立図書館除籍基準」に基づき取り扱いするものであり、図書館の基本姿勢は、変わるものではありません。
 また、本件における、他者からの個人的主張による不当な介入や働きかけなどは一切ありません。
 堺市立図書館の所蔵図書については「堺市立図書館資料収集方針」に基づき選定し購入しております。収集図書のうち、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写等のある図書については、青少年に配慮する観点から、開架せず書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧・貸出しに対応しています。
 今後とも、堺市立図書館においては、関係法令等に照らし、図書館行政を推進するとともに、市民の皆様に愛される図書館をめざして、取り組んでまいります。



(市の考え方)は、基本的に11月14日付けの上記の、
わたしたちの申し入れに対する回答とおおきく変わるものではありませんが、
わたしたちの回答よりあとに書かれたものであると思われるし、
回答の字数も多いので、以下に並べて、紹介します。

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【堺市HP「市民の声」Q&A】
「BL図書に対する誤った対応を正してください」


(市民の声)
 図書館には実に多様な資料が収集され、利用者に提供されています。それらの資料の中には、ある人にとっては気にいらない資料が含まれています。Aさんが支持する本をBさんは支持しない。Cさんが喜ぶ本をDさんは下らないという。「国民の知る自由」に応えることは図書館の使命です。今回、BL図書に抗議した一市民の声に応えて、BL図書の収集・提供・保存をしないことに決めた堺市・図書館の対応は、非常に残念です。「図書館の自由に関する宣言」に抵触し、極めて問題があると考えます。
 普通の書店に普通に販売されていて、普通の子(人)が普通に読んでおり、青少年健全育成条例上も問題にされていない図書を、有害とする根拠は何でしょうか。未成年者が読んで、青少年に害があったという具体的な事例を把握しているのでしょうか。ボーイズラブが青少年に有害であるという根拠も明らかにせず、他の市民の意見を聞く機会も持たなかったことは極めて残念です。また、青少年への提供を行わないと回答していますが、青少年への提供を拒否できる法的根拠はどこにあるのでしょうか。
 図書館が特定図書の価値判断を下すのは間違っているのではないでしょうか。図書館に所蔵されているからといって、図書館が個々の資料の価値判断を下し、考え方を支持するものではないはずです。利用者が個々に判断を下すために、多様な価値観に基づいた多様な資料を提供することこそが、図書館の使命であるのではないのでしょうか。「ボーイズラブ」は今や時代・社会・文化を読み解くキーワードの一つとして捉えられており、研究の対象ともなっています。問題のある資料を市民の目から隠すだけでは問題は解決しません。
 要求に応えて明らかにしたBL図書の冊数、及び金額の開示の方法も極めて恣意的に思えます。一般市民があの数字だけを見れば、BL図書を大量に購入しているかのような印象を受けますが、あの数字が十数年の長い期間にわたって購入した冊数であり、堺市の全体の蔵書の何%にあたるのか、また、購入金額は全資料費の何%にあたるのかも、併せて表記しておくべきだったと思います。また、「近隣の堺市以外の図書館にはBL図書がなく、予約もない」とありますが、これは事実に反しています。まず、事実の確認をすべきではないでしょうか。
 投稿者と意見を同じくする市民ばかりではありません。早々と資料の収集・提供制限を決定する前に、市・図書館は異なる意見をもった市民が存在することを考慮すべきでした。
 今回の対応は、図書館への信頼を失いかねない重大な行為であり、市民にとって誠に残念であり、遺憾に思います。
 市・図書館は図書館の使命を自覚し、「図書館の自由に関する宣言」に基づいて、今回の対応の誤りを正し、経過について明らかにすることを強く要望します。
 併せて、この問題に関し、現在一つの立場の意見のみが取り上げられていること自体に強い懸念がありますので、できるだけ速やかに私たちの声と回答をホームページで公開していただくよう要望します。

(市の考え方)
 図書館は、図書館法にもありますように「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」です。
 堺市立図書館の所蔵図書については、「堺市立図書館資料収集方針」「堺市立図書館資料保存基準」及び「堺市立図書館除籍基準」に基づき取り扱うものであり、この基本姿勢は変わるものではありません。しかしながら、青少年に配慮するため、表紙、挿絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書の取り扱いにつきましては、十分慎重な対応が求められると考えます。
 この間、市民の声における問題提起を受けて、青少年への貸出をいったん停止し調査・検討を行ってきたところであります。
 ご質問の「市民の声」の回答にあげておりました、平成20年8月21日時点での冊数5,499冊については、平成20年9月末の蔵書冊数1,817,989冊の0.3%に当たりますが、この冊数は調査・検討のために、該当するものと思われるものを抜き出したものであり、すべてが過激な性的描写があるものではありません。また、他自治体の図書館の状況につきましては、当館でお答えすべきことがらでないと考えていたものです。
 現在は、所蔵図書のうち、表紙、挿絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書については、自由な読書活動を尊重しつつ青少年に配慮するため、開架せずに書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧、貸出に対応しています。
 今後とも、堺市立図書館においては、関係法令等に照らし、図書館行政を推進するとともに、堺市立図書館協議会や利用者の方々の意見をいただきながら、市民の皆様に親しまれる図書館をめざし運営してまいります。
 なお、図書館ホームページに、堺市立図書館の図書(資料)についての基本的な考え方を掲載しております(下記URL参照)。
(分類)
公共(市)施設>図書館>その他図書館
(受付日)
平成20年10月8日
(担当局部課)
教育委員会事務局 中央図書館 総務課
(関連情報)
http://www.lib-sakai.jp/gaiyou/h-ss.htm
----------------------------------------------------------------
(関連情報)堺市立図書館の図書(資料)について

市民の皆様へ
 いつも、堺市立図書館をご利用いただきありがとうございます。
 本市図書館の図書(資料)の「収集」、「保存・管理」、「廃棄」に関する取扱いについて、基本的な考え方を下記のとおり、お示しいたします。

1.堺市立図書館における図書(資料)の収集について             当館における図書(資料)は、図書館法に定められている「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資すること」を目的とし、「堺市立図書館資料収集方針」に基づき収集しております。
 当館の図書(資料)は、「多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。」、「著者の思想的・宗教的・党派的立場にとらわれて、その著作を排除しない。」、「図書館員の個人的な関心や、好みによって選択しない。」、「個人・組織・団体からの圧力や干渉によって、資料収集の自由を放棄したり、紛糾を恐れて自己規制したりしない。思想・信条の自由は最大限に生かすことを確認する。」とする基本的な観点に立ち選択し収集しております。

2.図書(資料)の保存・管理について
 当館所蔵の図書(資料)は、「堺市立図書館資料保存基準」に基づき保存しております。
図書の管理につきましては、市民のニーズや図書の新鮮度、蔵書構成など総合的な観点から判断して開架(閲覧室)及び閉架(書庫)で保存・管理しております。
収集図書のうち、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写等のある図書については、青少年に配慮する観点から、開架せず書庫に収蔵し、請求があった場合に、閲覧及び貸出しに対応しております。

3.図書(資料)の廃棄について                       当館所蔵の図書(資料)は、適切な維持・管理を図るために「堺市立図書館資料除籍基準」に基づき、常に全図書館の所蔵状況、出版事情を十分検討し、一冊一冊よく吟味して、将来の利用にも支障のないよう配慮しながら廃棄を行っております。
 廃棄する主な事由は、「著しい汚損、破損または書きこみ等があり補修が不可能なもの」「科学技術の進歩等により、記述内容が時代に合わなくなったもの」、「同一内容で更新(買い替え)されたもの」や「出版事情、蔵書構成、利用者の需要及び資料の保存価値を総合的に判断して保存する必要がない」ことなどとしております。
 なお、今後とも、堺市立図書館においては、関係法令等に照らし、図書館行政を推進するとともに、堺市立図書館協議会や利用者の方々の意見をいただきながら、市民の皆様に親しまれる図書館をめざし、運営してまいります。


せっかくですから、質問の市民が言及されている
「図書館の自由に関する宣言」を再掲しておきます。

「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会 1979年5月改定)
図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、
資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。
この任務を果たすために、図書館は次のことを確認し実践する。
 第1 図書館は資料収集の自由を有する。
 第2 図書館は資料提供の自由を有する。
 第3 図書館は利用者の秘密を守る。
 第4 図書館はすべての検閲に反対する。

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまでも自由を守る。


----------------------------------------------------------------
図書館員の倫理綱領(1980,6.4日本図書館協会総会決議)

 この倫理綱頷は、「図書館の自由に関する宣言」によって示された図書館の社会的責任を自覚し、自らの職責を遂行していくための図書館員としての自律的規範である。
(図書館員の基本的態度)
 第1 図書館員は、社会の期待と利用者の要求を基本的なよりどころとして職務を遂行する。
(利用者に対する責任)
 第2 図書館員は利用者を差別しない。
 第3 図書館員は利用者の秘密を漏らさない。
(資料に関する責任)
 第4 図書館員は図書館の自由を守り、資料の収集、保存および提供につとめる。
 第5 図書館員は常に資料を知ることにつとめる。
(研修につとめる責任)
 第6 図書館員は個人的、集団的に、不断の研修につとめる。
(組織体の一員として)
 第7 図書館員は、自館の運営方針や奉仕計画の策定に積極的に参画する。
 第8 図書館員は、相互の協力を密にして、集団としての専門的能力の向上につとめる。
 第9 図書館員は、図書館奉仕のため適正な労働条件の確保につとめる。
(図書館間の協力)
 第10 図書館員は、図書館間の理解と協力につとめる。
(文化創造への寄与)
 第11 図書館員は、住民や他団体とも協力して、社会の文化環境の醸成につとめる。
 第12 図書館員は、読者の立場に立って出版文化の発展に寄与するようつとめる。


回答の、
「所蔵(収集)図書のうち、表紙、挿絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書については、自由な読書活動を尊重しつつ青少年に配慮するため、開架せずに書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧、貸出に対応しています。」
というところは、わたしたちの回答と共通です。

「5,499冊については、平成20年9月末の蔵書冊数1,817,989冊の0.3%に当たりますが、この冊数は調査・検討のために、該当するものと思われるものを抜き出したものであり、すべてが過激な性的描写があるものではありません。」
というところは、この質問者に対してのものですが、
「すべてが過激な性的描写があるものではありません」と書いてあるので、
「表紙、挿絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書については、
・・・・・・開架せずに書庫に収蔵」ということと矛盾しますね。

5499冊ぜんぶ見直しをかけて、一冊ずつ、
「表紙、挿絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書」を
選別しているということでしょうか。

堺市立図書館の図書(資料)についてを新たにつくって、
図書館の基本姿勢を示したのは評価できますが、
あくまでも、間違いを認めない姿勢は、問題解決を遅らせます。

いずれにしても、現在、情報公開請求中ですから、
もうすぐ回答の根拠となる事実関係は分かると思います。

と、ブログの記事を書いていたら、

福井・焚書坑儒事件で「図書を排除せよ」といっていた
張本人の近藤實氏から、
配達記録つきのお手紙が届きました。

近藤氏からは、事実無根の言いがかりとしか思えないような
コメントやTBがしつこく送られてくるので「保留」にしておいたので、
自宅に郵便を送りつけて来たようです。

2年前も図書排除の加害者側である近藤氏との不毛の議論を拒否したら、
メアドにセクハラまがいのDM攻勢をかけられ不愉快な思いをしました。

無視されるのが、よほどお嫌いなのでしょう。
とはいえ、
わたしには単なるいやがらせとしか受け取れません。

拒否してるのにしつこく付きまとわれて「中身がラブレター」なら、
ストーカー防止法の対象ですが、好意をもたれているとも思えませんね。

いったい何事でしょうね。


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福井・情報公開訴訟の上告(&上告受理申立)理由書をもって金沢へひた走り。

2008-12-01 19:22:17 | 「ジェンダー図書排除」事件
今朝は冷え込み、岐阜で初氷を観測したそうです。

昨日は、福井の情報非公開処分取消訴訟の上告理由書と上告受理申立理由書を、
東海北陸自動車道を車でひた走り、名古屋高裁金沢支部(金沢)へ届けました。

上告(手続き)は控訴審判決の直後にしていたのですが、
理由書の提出は50日後で、期限日が11月30日だったのです。

引き続き、つれあいは本人訴訟、上野さんを代表とする他の原告12人は、
清水勉弁護士を代理人に委任しているので、仲良くふたりで行ってきました(笑)。

日本海側の荒天の予報に、昨日スタッドレスに履き替えたので足回りも万全。

奥美濃の山に差しかかると、今年はじめての雪。
雪が大好きな連れ合いは、助手席でうれしそうです。

ひるがのSAから大日岳を望む。

ひるが野からは運転を交代、名古屋高裁金沢支部に直行し、
無事、上告理由書と上告受理申立理由書を提出。
これで手続きはすべて終了、あとは最高裁の判断を待つだけです。


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金沢は冷たい雨で紅葉も見られなさそうだし、
行って帰るだけではつまらないので、温泉でお泊り、とも考えたのですが、
その分、おいしいお魚をかって帰ることにして「金沢港いきいき魚市」 へ。
 
日本海の新鮮なお魚が並んでいるこの市場には2度ほど来たことがあります。

上告受理申立理由書も含めて、このところ詰めて仕事をしていたともちゃんに
感謝をこめて、さかなを大奮発(通風が再発してもしらんよ・笑)。
 
丸々と太ったメジマグロ(クロマグロの子ども)1/4尾。
  
大きな鱸(スズキ)と活アオリイカと活バイガイ。
  

おなかが空いていたので、あれもこれもと買ってしまってから、
こんなに買ってもふたりで食べきれないねー、と、
ご苦労さん会と前祝いにかこつけて「お魚パーティ」をすることに。

お昼ごはんは、いきいき魚市の向かいの船員厚生食堂 で、
海鮮丼(1000円)ふたつとカキフライ(500円)一皿を注文。
  
これで、しめて2500円なり。

旨い!安い!新鮮! 市場ごはん。金沢編。

近江町市場にも行ったのですが、日曜日で休みのお店ばかり。
岐阜では手に入らない菊姫の純米酒が欲しかったので、
「酒の大沢」 で、石川県の珍しい地酒(純米酒)を数種購入。
  

  
酒も魚もそろった帰り道のうつくしい空と長良川。

かえってから、お客さんを招いてのお魚パーティ。
  
シンプルに、身はお刺身に、あらと中骨は塩焼きで。
 
お酒は、限定品 「加賀鳶 極寒純米 辛口 無濾過・生」

わたしは翌朝、病院の検査が入っていたので、ノンアルコールでお魚のみ。

とはいえ、おいしい一日でした。
これで逆転勝訴なら、もういうことなしです。


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堺市立図書館の5706冊の「特定(BL)図書排除リスト」一挙公開!/著者別、出版社別でも分類・整理

2008-11-30 07:26:30 | 「ジェンダー図書排除」事件
7月に堺市の図書館の特定図書を排除せよ、という匿名メールを発端に
堺市・図書排除事件がおきてから、から約4ヶ月。

図書館側の「青少年への提供はしない」という決定は見直されたようですが、
「BL本は閉架へ」「今後は収集・保存しない」という措置はそのままです。

「図書館から特定の本を排除し、処分を要求した」というのは、
言語道断ですが、もうひとつ、当初からのわたしの疑問。
堺市図書館はなぜこんなたくさんの本を「BL」だと特定したのか?
「BL」っていったいなに? 
「BL」は利用者の目に触れないところに隠さないといけないものなの? 
と、知れば知るほど疑問は次々に増えるばかり。

わたしがこの問題を知ったのは7月で、その後、
匿名者が書き込んでいると思われる「フェミナチを監視する掲示板」を監視していたら、
堺市HPの「市民の声Q&A」がアップされていることに気づいたのが9月8日。
すぐ(8日)に堺市に対して、原告団14人で情報公開請求をして、
図書リスト、図書館運営のルールなどの公文書を取りました。

図書リストは、非公開にする理由は何もないので、
ほどなく、約1000枚の紙版と電磁的エクセルデータ(FD)として、
わたしの手元に届きました。
リストは、堺市HPにアップするためにカウントした5499冊(8/21)と、
それを整理した5706冊(9/11)の2種類あります。

今回の問題は、5499冊(5706冊)という特定図書の冊数の多さゆえに
その後、マスコミやネットで議論され、話題が大きくなりました。

わたしたちは、この2か月間ほど、監査請求や申し入れをしてきたのですが、
堺市から回答も届き、事件の事実関係や全貌が明らかになってきたので、
平行して、図書リストを詳しい人にをお送りして見てもらっていました。

で、そのリストの分類/整理がすすんできて、
堺市の図書館の作った「生データ」=著作ごとに各種の情報が記載されている、
それを検索・ソートして「分類したデータ」、「印刷用のPDF版」が届きました。

作成者の許可を得て、以下に公開しますので、
関心のある方はごらんになってください。

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警告!! 生リストは、とても重たいデータなので、
あけるときはご注意を!。


5498冊の堺市の公開データ(8.21HP時点/エクセル1790KB)

5706冊の堺市の公開デー(9.11請求時点/エクセル1816KB)

以下は、情報公開で入手したエクセルデータを、
研究者の熱田敬子さんが中間的に整理されたデータです。

煩雑かつ面倒な作業をありがとうございます。

最後に、9.11図書データを堺市図書館の蔵書のデータと付き合わせた
「排除候補指定率(%)」のデータまであります。
この排除候補指定率などをみれば、いかに図書が、
ランダム、無節操、不統一な方向で選別されたかがうかがえます。

整理の方法の追記として、
「堺市の蔵書数は内容に関係なく著者名で検索した」
「同姓同名作家の存在には一部を除き対応していない」
「正確さより概観できることを優先したデータである」
「処理上、総冊数や%などに幾分のずれが出る」
「排除候補指定率が100%を超えている作家については、
9月11日から蔵書数が減ったか、検索方法が違っていてでてこない可能性あり」
「ただし、堺市の蔵書数は著者名で端から中身をほとんどみずに検索をかけたので、
同姓同名作家の存在は、一部を除きフォローできていない」とのことです。

以下の整理データを見て、なにか気づいたことがありましたら、
みどりmidori@ccy.ne.jpまで、情報をお寄せください。

ここからは軽いです↓
●排除候補のリスト(9.11分)のデータを組み替えたファイル(エクセル102KB)

●図書館所蔵数のうちの排除リストに載せられた著者・作者別の冊数
  著者別の排除候補の冊数の一覧表 印刷用PDF版4ページ 155KB

人気の著者、有名な著者もあるらしい。
約600人中、排除リスト掲載の冊数の多い方の20人を紹介。

 作 者     冊数
ふゆの仁子     89
鹿住槙       84
あさぎり夕     82
火崎勇       79
剛しいら      79
きたざわ尋子    76
秋月こお      72
水島忍       70
南原兼       70
池戸裕子      69
斑鳩サハラ     60
五百香ノエル    58
松岡なつき     56
水上ルイ       55
高円寺葵子     52
遠野春日      51
雅桃子       50
真船るのあ     47
大槻はぢめ     46
和泉桂46/由比まき 45/神奈木智44/水無月さらら44/バーバラ片桐43/水壬楓子43/たけうちりうと42/榊花月42/若月京子42/日向唯稀41/夜月桔梗41/井村仁美40/桧原まり子40/さいきなおこ39/榎田尤利39/崎谷はるひ38/川原つばさ37/岡野麻里安36/吉原理恵子36/高岡ミズミ36/水戸泉36/伊郷ルウ35/菅野彰35/仙道はるか35/吉田珠姫34/愁堂れな34/春原いずみ34/月上ひなこ33/高月まつり33/高坂結城32/谷崎泉32/ごとうしのぶ31/月夜の珈琲館31/桜木知沙子31/樹生かなめ30/須和雪里30/小林蒼29/水月真兎29/冬城蒼生29/麻生玲子29/久能千明28/桃さくら28/花衣沙久羅26/ひちわゆか25/佐々木禎子25/森本あき25/有馬さつき25/うえだ真由24/金沢有倖24/神崎春子24/山藍紫姫子23/染井吉乃23/綺月陣23/四谷シモーヌ22/藤村裕香22/妃川蛍22/鈴木あみ22/S・稔也21/磯崎なお21/御木宏美21/天花寺悠21/白城るた21/松岡裕太20/藤堂夏央20/かわいゆみこ19/岩本薫19/月村奎19/新田一実19/姫野百合19/菜槻さあり19/くりこ姫18/江上冴子18/七海花音18/速川ほなみ18/徳田央生18/峰桐皇18/魔鬼砂夜花18/ゆらひかる17/栗本薫17/緒方志乃17/小川いら17/前田栄17/藤原万璃子17/六堂葉月17/椹野道流17/篁釉以子17/雨城まさみ16/芹生/坂井朱生16/青池周16/猫島瞳子16/望月広海16/結城惺15/高崎ともや15/名倉和希15/葉澄梢子15

著者別の図書館蔵書の冊数に対する排除候補とされた冊数の割合 
印刷用PDF版10ページ 149KB


●出版社別の排除リストに載った約5500冊中の冊数 
出版年や出版社別の冊数、グラフつき 印刷用PDF版6ページ 103KB
集計=排除リストに載った約5500冊中の冊数
(出版社)    (集計)
角川書店         526
白泉社          514
リーフ出版        457
オークラ出版       351
ビブロス(青磁ビブロス)  346
講談社          327
桜桃書房         318
徳間書店         295
心交社          251
小学館          216
集英社          215
プランタン出版      209
ハイランド        193
二見書房         182
茜新社          161
ムービック        155
新書館          137
大洋図書          107
ワニブックス        97
幻冬舎コミックス      91
雄飛            87
光風社出版         49
イースト・プレス      38
芳文社           38
フロム出版         31
マガジン・マガジン     27
ヒカリコーポレーション   24
ソニー・マガジンズ     23
勁文社           22
笠倉出版社         19
コアマガジン        18
フロンティアワークス    17
コスミックインターナショナル16
スコラ           16
成美堂出版         15
竹書房           14
M企画/祭り囃子編集部   13
イー・コネクション     11
リーフ           10
白夜書房           8
サニー出版          7
ベストセラーズ        7
学研             7
パラダイム          6
風林館            5
エム・ウェーブ        4
フォー・シーズン       4
ミリオン出出版        4
ワンツーマガジン社      3
エニックス          2
立風書房           2
イーグルパブリシング     1
エンターブレイン       1
コアラブックス        1
ジェーシー出版        1
ソフトバンククリエイティブ  1
マイクロマガジン社      1
まんだらけ出版部       1
ワニマガジン社        1
創現社出版          1
双葉社            1
冬水社            1
総計           5706
    リーフ出版堺市所蔵497  堺市所蔵ビブロス286,青磁ビブロス92

●図書館所蔵数のうちの排除リストに載せられたノベルズ別の冊数
(ノベルズ別の冊数 印刷用PDF版3ページ103KB


集計=排除リストに載った約5500冊中の冊数
所蔵=堺市・当該作家書籍所蔵数(11月20日時点)
排除候補指定率(%)=
排除リストに載った数÷堺市所蔵の同ノベルズ・文庫/作家の書籍数冊数×100
ノベルズ名     集計   所蔵    (%)
角川ルビー文庫      462    578    79.9
リーフノベルズ      444     511    86.8
白泉社花丸文庫      343     375    91.4
講談社X文庫       327     374    13.7
Beboynovels  306     322     95
キャラ文庫        274     326     84
パレット文庫       205     607     33.7
コバルト文庫       193     2215     8.7
Laqianovels  192     207     92.7
ショコラノベルス     186     266     69.9
Eclipseromance184    193     95.3
Lapislabel   168     76     95.4
花丸ノベルズ       167     195     85.6
二見シャレード文庫    148     171     86.5
アイスノベルズ      135     265     50.9
オヴィスノベルズ     128     163     78.5
新書館ディアプラス文庫  118     134     88
I’Sノベルズ      100     104     96.1
Kiraranovels  95     95     100
Shynovels     85     106     80.1
Inovels       75     439     17
Genkinovels   68     86     79
クリスタル文庫       64     73     87.6
リンクスロマンス      62     68     91.1
ショコラノベルスHypel 60     75     80
アクアノベルズ       58     64     90.6
ヴァリオノベルズ      52     52     100
Darianovels   41     42     97.6
プラチナ文庫        39     49     79.5
Hanaotonovels 34     37     91.8
Easybooks     34     55     61.8
Eclipsnovel   33     39     84.6
AZnovels      32     37     86.4
アドニスノベルス      31     33     93.9
Charadebooks  30     32     93.7
幻冬舎ルチル文庫      29     47     61.7
Passionnovels 24     29     82.7
Fudgenovels   24     26     92.3
Leaf novels   23     28     82.1
ASUKAノベルス     22     50     44
徳間AMキャラ文庫     21     20     105
角川ティーンズルビー文庫  21     72     29.1
ピアスノベルズ       20     20     100
ヴェルヴェット・ノベルズ  19     18     106
Ovisnovels    19     27     70.3
Crossnovels   19     19     100
Honeyi’snovels18     19     94.7
集英社スーパーファンタジー文庫17     400    4.2
Cosmicromance 16     25     64
B‐boynovels   16     28     57.1
Auroranovels  16     22     72.7
SHY NOVELS    15     106     14.1
Rutilenovels  14     15     93.3
Daria bunko   13     17     76.4
Reijinnovels  13     15     86.6
バニラ新書         12     16     75
ウィングス・ノヴェルス   12     66     18.1
Genenovels  11     13     84.6
小学館キャンバス文庫  10     203     4.9
B‐boy novels   10     28      35.7
角川文庫           8     7971     0.1
I novels       8     439     1.8
新書館ウィングス文庫     7     107      6.5
ジュネノベルズ        7     11      63.6
サニーサイドロマンス     7     9      77.7
Waninovels     7     209      3.3
Shyfantasy     7     7     100
Genki novels   7     86     8.1
ビーゲームノベルズ      6     6     100
アイス文庫          6     6     100
AZ novels      6     37     16.2
B‐boyslash     6     8     75
風林NOVELS          5     5     100
元気読本FX            5     11     45.4
角川ビーンズ文庫          5     359     1.3
NEWエクリプスノベルズ      5     5     100
FUDGEノベルズ         5     5     100

(以下略)
 

堺市に対しては、現在、市長部局・教育委員会部局ともに、
第三次情報公開請求中です。

あらたな公文書が出てくれば、図書が特定された経緯や、
なぜこのようなことが起きたのか、などについて、
さらに疑問点の解明が進むはずです。


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堺市・特定図書排除問題が「ムーブ」で話題になった。

2008-11-21 13:17:12 | 「ジェンダー図書排除」事件
堺市図書館から特定図書が排除された問題について、
昨日夕方、大阪朝日放送が「ムーブ」という番組で取り上げました。

岐阜では見られないので残念だったのですが、
「くれはまゆみのHP」に、
番組を見ての感想が掲載されていますので、
呉羽さんの了解を得て、紹介します。

朝日放送ムーブに堺市図書館問題取り上げられた
木津未来会議の日記 2008年11月20日(木)

「ムーブ!の疑問。図書館に同性愛の本?」として堺市の図書館問題が取り上げれられました。今朝その案内を頂き、TVの前でチェックしていました。

ムーブは、夕方の番組としては結構注目されています。
今日のコメンテーターは大谷昭弘さん(ジャーナリスト)藤井誠二さん(ノンフィクションライター)山崎邦正さん似の弁護士本村 健太郎さんでした。
まず、最初にタイトル「同性愛の本が5000冊、かなり過激なものもあるようですが、賛否両論起こっています」が読み上げられ、そのままCMに突入しました。
いよいよ再開。番組に届いた1通の投書が読み上げられました。
大阪府 むっちゃんの母 40代さんからの「疑問なんですが、堺市に5000冊ものBL本があると新聞記事でみたのですが、どんな基準で選ばれているのですかね~」。

その後、11月5日付けの朝日新聞記事がアップされました。
BL本とは、90年ごろより登場したもので、主に作者は女性で読者も女性ですとの説明があり、5000冊もあるというのですと。
次は街角に出て市民の方へのインタビュー。
5人の男女が登場され、それぞれ簡単なコメントをされました。
1人目・・母親世代と思われるような女性 手にとって読んでいるようなしぐさのあと、娘には読ませたくないですね~。
2人目は若い男性で、これも否定的な意見を述べていました。
続く3人は、男子学生、女性、男性で、市民のニーズで購入され、図書館としては問題ないのでは。
法律上問題ないのであれば、いいのでは。
税金が使われるのだから、平等に使われるものであるので。
というような後半の3人は、肯定的な意見のようでした。

そして、堺市図書館に行ってみようということで、図書館内部が写りました。
書庫2階へ担当参事の誘導のもと。
記者:市民から廃棄を求める声があったとか。
松井参事:「市民の親御さんから、いかがなものかとの声をいただき」
記者;なぜBL本をここまで買ったのか。
松井参事:平成初期より市民要望があった。1冊10人くらいあれば購入するので。市民の声を確認して図書館としても検討していきたい。
というようなことを言われていました。
さて、ここでまとめに入りました。
BL図書 5500冊 367万円。
利用者たち(3人のイラスト入り) セクハラだ、子どもたちに悪影響を与えるという意見と、それに対して
ジェンダー原告団(こちらも3人のイラスト入り)監査請求が提出されているなど賛否両論が沸き起こっているというものです。

そしてゲストからのコメントに続きました。
まず口火を切ったのは、大谷さん
「なんだかんだと親が何もしないでいて、子どもに悪影響を与えるからなどというのは嫌いだ。児童ポルノの問題なんかをきちんとしないで。でもなんで5500冊もあるのか。」
他市はどういう状況なのか調べてみると、大阪市で157冊、奈良市、京都市、神戸市は一般小説の中に入っているのでカウントできないとの答えだったらしい。

最後に木村弁護士がいい事をいわれていました。
「図書館の機能のひとつは、後世に残すことであり、表現の自由にも関わる重要な問題である。今回言われている書物を読んだが、有害なものではない、少女漫画と変わらない」と。
投書された方は、本当に40代の母なんだろうかとの疑問を持ちました。
ひとまず10分間のムーブの内容の方向は、変な方向ではなかったと感じました。 (くれはまゆみのHPより転載)


こちらは、「ムーブ」の番組案内。
「ジェンダー図書排除」究明原告団についても言及されています。

大阪朝日放送「ムーブの疑問」11/20 (木)
図書館に同性愛の本?

堺市の図書館に男性同士の恋愛小説が大量にあると新聞で見た。過激な内容もあるらしいが、図書館の本を選ぶ基準はどうなっているのか?という疑問。
堺市立図書館が「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛を題材にした小説を5500冊所蔵しているとして新聞で取り上げられていた。そもそもBL本とは、複数の同人誌が90年頃から男性同士の同性愛をテーマにした小説や漫画本を発行するようになり、それをBL「ボーイズラブ」と名づけたことから一つのジャンルとして分類されるようになった。BL小説は、だいたい10代くらいの若い美少年同士の同性愛を描いており、作者は主に女性、そして読者も若い女性が中心。文章の合間には1冊辺り計数ページの挿絵が含まれているが、描写が過激なものもある。堺市の図書館はBLという言葉が世に出始めた90年頃から、利用者の要望を受けてBL小説の購入を開始。現在およそ5500冊所蔵しており、金額になおすとおよそ367万円。全体の蔵書の1パーセント未満である。これらのBL小説については「一定の配慮が必要」と、書庫で保管することになっていたのだが、人気もあり、貸し出しを続けているうちに、堺市に7館ある図書館のうち4館で一部のBL小説が開架棚に置かれたままになっていた。それを目にした利用者からは「セクハラだ」「子どもに悪影響を与える」とBL小説の廃棄を求める声が相次いだ。それに対し堺市は、今年8月「今後の収集・購入を一切しない」との見解を発表。自由に見られる開架棚ではなく、書庫で保管することになっていた。ところが一方、BL小説など特定の図書排除に反対する団体(ジェンダー図書排除究明原告団)から「性的指向による差別につながる」と廃棄の指し止めを求める住民監査請求が堺市に提出されている。本の選定について、ほとんどの図書館は文部科学省が所管する公益法人、日本図書館協会が79年に決議した「図書館の自由に関する宣言」という方針に基づいて行っている。そこには、「資料の提供・収集は各図書館が自発的、自主的に判断すべきことであって、政治的・宗教的圧力に曲げられてはいけない」と明確に示されている。堺市の図書館の場合も青少年に影響を与える挿絵が30ページ以上ある有害図書や人権侵害に関わる本、また間違った表記をしている本については堺市立図書館の収集方針として購入しないと決めているという。ならば、BL小説のような過激な性的描写についてはどう判断しているのか、聞くと「BL小説と言っても内容は様々で、読み手によって判断の基準も異なります。個人の趣向もあるので何が卑猥なのかは一概には決められません」と言う。現在、堺市の図書館では専門司書およそ70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、選定を行っているそうだ。


「ムーブ」の記事は、朝日新聞を元にしているので、
理解に間違いがあることは、前に指摘したとおりです。

「ボーイズラブ」はだれにとって有害で不適切なのか?
/新聞各紙の報道(2008-11-05)


BL小説の廃棄を求める声が「利用者から・・・相次いだ」となっていますが、
利用者であるかどうかも確認不能の、たったひとりの匿名者から要求です。

それに、市のホームページには出ていませんが、
わたしたちが情報公開で入手した文書によると、
匿名のメールは、7/30,7/31,8/8と
3回にわたって届いたものを、「市民の声」としてひとつにしたものです。

○堺市に届いた匿名のメール(pdf版 情報公開文書)

7月31日のメールには、
「昨日、南図書館より、そして本日、議員様より、
その後の経過についてお聞きしたところ、すべてのBLを書庫に収納するとのこと」とし、
一週間後の8月8日のメールには、
「とりあえずはセクハラまがいの大量開架を中止し、書庫へ収納したというのは、
当然のこととはいえ、評価したいと思います。
そしてBLの購入冊数及び購入総額もカウントし、当HPに掲載するとのこと、
この対応も評価したいと思います。・・・・・書庫のBLも処分するとのことです。」としています。
匿名者は、メールのほかに何度も図書館に電話をかけて要求を重ねています。
要求にしたがって図書館は、特定図書を大量に動かしたわけですから、
図書館側の混乱ぶりが目に見えるようです。

「一般図書の中に入っているのでカウントできない」とした他の図書館と同じように、
堺市も「一般小説として」購入し「一般書として混配」していた館もあるのだから
「一般図書の中に入っているのでカウントできない」と答えればよかったわけです。

堺市は、わたしたちの申し入れに対し、
「他者からの働きかけは・・・・・・一切ない」としていますが、
匿名者からの要求を拒否できない、何か強い圧力があった、といわざるを得ません。

あとひとつ気になったのは、
「堺市の図書館では専門司書70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、
選定を行っている」ということですが、
特定された図書はすべて「文字情報」のノベルズ(新書版)・文庫本です。

今回問題になっているのは「表紙及び挿絵のイラスト」と確認していますが、
一冊ずつ「本の内容を確認し」というけれど、その基準はなんでしょう。
特定図書を「よいものと悪いもの」に、さらに選別するというのは、
図書館の裁量を超えている気がします。



  


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堺市の回答に対するコメント/富有柿、赤カブの千枚漬、紅葉、秋ふかし。

2008-11-18 19:32:22 | 「ジェンダー図書排除」事件
堺市立図書館におけるBL図書排除に関する申し入れ」について、
という堺市の回答が土曜日に速達で届きましたが、
回答になっていないので、記者クラブに回答をおくると同時に、
「申し入れ人」として、上野さんと呉羽さんを筆頭にして、
「回答」に対するコメントを発表しました。


                      2008年11月17日
            堺市回答に対するコメント

                        上野千鶴子 東京大学大学院教授
                        「ジェンダー図書排除」究明原告団・代表
                         呉羽真弓 京都府木津川市議会議員
                         はじめ 市民97名/議員46名/7団体

 私たちが11月7日および11月13日に提出した、「堺市立図書館におけるBL図書排除に関する申し入れ」の「問い1」の趣旨は、堺市HP「市民の声Q&A」の「今後は、収集および保存、青少年への提供を行わない」との市の回答は、「特定図書の処分(廃棄)を前提にしたものなのか。説明を求める。」である。
 堺市の回答は「廃棄を前提にしたものでなく」であるから、市のHPにおける市民への回答との齟齬が明白になった。堺市HPと私たちに対する回答の比較から、結果として、今回の図書問題に関する堺市の混乱、不統一の方針や対応などが鮮明になった。

「問い2」は、「今回、一部の市議会議員の個人的主張に市の基本姿勢が揺らいだことは間違った市政運営ではないか。」である。
 堺市の回答は、「本件における、他者からの個人的主張による不当な介入や働きかけなどは一切ありません。」とすべての働きかけを否定しているが、これは、インターネットにおける各種情報や新聞等の報道からも、また、事案の経過からも事実に反する。
 今回の図書館運営に対する一連の「外圧」の存在をあえて否定することは、重大な問題をはらむ。
 私たちも行政も、人権問題に関して差別的扱いや排除行為等の存在を認識しない限り問題の解決が進まないことを歴史的に学んでいる。DV(ドメスティックバイオレンス)への対応に関しては暴力を我慢するのでなく暴力や加害の事実を直視して対策しなければならない。その観点からすれば、今回の「一切ない」との堺市の回答あるいは認識は、問題の解決に進むのでなく、悪しき事態を温存・継続するだけだ。

 なお、回答には「青少年に配慮する観点から、開架せず書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧・貸出しに対応」と抽象的な付言がなされている。これについては、本件回答の直前にきゅうきょ館長会議が開催され、本年8月に決定し運用されていた「青少年への提供は行なわない」との方針・合意を撤回し、「請求があれば18歳未満にも貸し出す方針を決めた。同日から運用を始めた。」と新聞報道されている。
このような重大な決定変更があるにもかかわらず、私たちへの回答においては先の抽象的表現しか記さない姿勢には、わずかの誠意すら感じられない。

以上、堺市の今後に強い懸念と不安をいだくものである。
                                  以  上
                    (連絡先) 寺町みどり 
                    501-2112 岐阜県山県市西深瀬208
                      0581-22-4989


11月4日に提出した「住民監査請求」については14日に受理通知が届きました。
その後、監査委員事務局との調整で、
「監査委員への陳述は12月9日(火)1時半から」と決定。
まず1時間がこちらの陳述、続きで行政の説明が1時間ほどの見込み。
代理人のほか、請求人の陳述もできます。

  上記3件の文書請求書印刷用 PDF版 3ぺージ 309KB


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話は変わりますが、
先日、大野町の姉に岐阜県の特産「富有柿』をもらいました。
今年は、早い時期に農薬を一回しかかけておらず、
超低農薬の貴重な富有柿です。
 
とても甘くておおきくて、ずらっと並べて記念撮影。 
 
柿はたくさん食べると冷えるので主にサラダに入れます。

続いての甘味は、
わたしが好きだろうということで、差し入れの「マカロン」。


おおきくなった赤カブの千枚漬けを連れ合いが手作り。

赤カブと白カブを薄く切って、塩を少し振ってしんなりさせます。
  
それをホーロー容器にすき間のないように詰めて、
「千鳥酢」をどぼどぼと注ぎ込むだけ。
赤カブのアントシアニンが、酢に反応して、きれいに発色します。
 
すっぱすぎるのが苦手な人は、好みによって甘味をつけます。

庭の血汐もみじも紅葉が始まりました。


  

姫タイサンボク、矮性タイサンボク、ツリバナ
  
カツラ、イタヤモミジ、ナナカマド
  

花木センターで買ってきた、珍しい苗木を植えるための場所を決めて、
植える準備にかかるはずが、外の作業がいやでサボっていたので、
わたしの担当の受咲オオヤマレンゲとアメリカ夏椿だけ、
残ってしまいました。
明日こそ、植え場所をつくることにしましょう。

とはいえ、こんばんは冷え込みそうです。
記事をアップしたら、玄関のなかに、
デンドロビュームを取り込んでやりましょう。

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堺市から回答が届きました/「ボーイズラブ」は書庫に、堺市立図書館の5500冊

2008-11-16 14:23:47 | 「ジェンダー図書排除」事件
先日、堺市に提出した「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」に対して、
昨日、堺市教育長から、文書で回答が届きました。



                             堺中央図第1730号
                         平成20年11月14日

上野千鶴子 東京大学大学院教授
「ジェンダー図書排除」究明原告団・代表
はじめ
市民97名/議員46名/7団体 様
                    堺市教育委員会   
                    教育長 芝村 巧
                    (公印省略)

    「堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」について

 平成20年11月7日付、及び11月13日付、標記申し入れについて、下記のとおり回答します。
                 記
 申し入れのありました特定図書につきましては、廃棄を前提にしたものでなく、他の図書の取扱いと同様に「堺市立図書館資料保存基準」及び「堺市立図書館除籍基準」に基づき取り扱いするものであり、図書館の基本姿勢は、変わるものではありません。
 また、本件における、他者からの個人的主張による不当な介入や働きかけなどは一切ありません。

 堺市立図書館の所蔵図書については「堺市立図書館資料収集方針」に基づき選定し購入しております。収集図書のうち、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写等のある図書については、青少年に配慮する観点から、開架せず書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧・貸出しに対応しています。
 今後とも、堺市立図書館においては、関係法令等に照らし、図書館行政を推進するとともに、市民の皆様に愛される図書館をめざして、取り組んでまいります。


この回答については、あいまいな表現に終始して、
約束した「問いに対する回答」になっておらず問題が多いので、
何らかのコメントを出す予定で、あらためて分析して解説します。

堺市の回答に対するコメント(2008.11.18)

報道によると、堺市は回答を出すにあたって、緊急に館長会議を開き、
「青少年に提供しない」という措置を見直したようです。

「ボーイズラブ」は書庫に、堺市立図書館の5500冊 
朝日新聞 2008年11月14日

 堺市の市立図書館が所蔵する「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛を題材にした小説計5500冊をめぐり、市民らから賛否が寄せられている問題で、市立全7館の館長会議が14日開かれ、青少年への影響にも配慮して誰でも自由に見られる書棚ではなく書庫で管理する一方、請求があれば18歳未満にも貸し出す方針を決めた。同日から運用を始めた。
 7月、市民から「子どもに悪影響を与える」などとBL小説の廃棄を求める声が寄せられたため、全館を調べたところ、4館で書棚に置かれていた。このため、「一定の配慮が必要」と8月から18歳未満への貸し出しをいったん中止し、対応を検討してきた。
 館長会議では、正当な理由がない限り、特定の資料の特別扱いや撤去をしない、とする日本図書館協会が79年に決議した「図書館の自由に関する宣言」を確認。そのうえで、書棚での管理は教育的配慮に欠けていた▽府条例の有害図書にはあたらない▽未成年の利用実態はほとんどない▽年齢制限に法的根拠はない――などを踏まえ判断した。


そうならそうと、回答に
「『青少年に提供しない』の決定は間違いだったので見直しました」
とはっきり書けばよいのに。

とはいえ、
すべてのひとに開かれた図書館で、利用者を年齢で制限するなんて、
図書館にとっては自滅行為ですから、まずは一歩前進です。


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ここらで、ちょっとこの問題を整理しておきたいのですが、

[59898] 堺市図書館 BL(ボーイズラブ)本のその後2 

過激なBLだけで5500冊だったということか バーク - 2008/11/15(Sat)
結局、堺市が書庫入れしたBLは男性同士の過激なセックスシーンが描かれたBLだけのようです。・・・・・・
 
は事実無根のでたらめ。

わたしが図書館に確認したところによると、匿名市民(男性)に要求されて、
「元々書庫入れにしていた図書数千冊を含めて、
イラストの表紙と挿絵がある本をカウントした数が5499冊」。
「彼らのいう(ボーイズラブ)ではない本も過激な性表現がない本も含まれる」。
「過激な性表現」どころか、いまや「ボーイズラブ」という前提すら崩れました。
わたしたちは、(ボーイズラブ)という表現をやめ「特定図書」としました。

バークと同一人と思われる匿名市民は、現在まで書名さえ特定していない。
そんな要求に屈した図書館も、軽率に違法行為をした批判は免れませんが、
匿名市民のその後の行動は、恣意的に、作品と著者と読者と、
特定図書とちょくせつ関係のないセクシャルマイノリティを
おとしめているとしか思えません。

今回の堺市図書排除問題で、参考になりそうな記事を紹介します。

★栗本薫ファンからひと言。
(11/14「Something Orange」)
 

★なんだかよくわからなくなってきた。。
(11/13__ScrapBook of Plumber11/10)


★堺市図書館論争 まとめと個人的見解 
前・図書館編 - カナタマタコデイズ11/13


★堺市図書館論争 まとめと個人的見解 
後・BL問題編- カナタマタコデイズ11/13


★図書館がBL図書を置く問題について、
参考になりそうな話(1)(2)(3)(4)(火薬と鋼11/2~)


「図書館がBL図書を置く問題について、参考になりそうな話」に出てくる
アメリカの裁判と図書館協会の例は
『知る自由の保障と図書館』(塩見昇・川崎良孝)
(発行:京都大学図書館情報学研究会/発売:日本図書館協会/2006.12)の、
第5章「アメリカ図書館協会『図書館の権利宣言』と利用者のアクセス」
に詳しいです。申し入れ書の添付資料に、この本をつけました。
最新刊では、『ドイツの公共図書館思想史』
(河井弘志/京都大学図書館情報学研究会/日本図書館協会/2008/10 )
第14章「ファシズムと公共図書館」の図書館への統制と焚書が参考になります。

 

10年先を行くアメリカの論争。
この本については、重要な視点なので、改めて解説を書きます。

「事実は小説より奇なり」。
おっと、わすれちゃいけない、リアル『図書館戦争』(笑)。


今回の図書排除事件は、わたしたち自身の深層心理に根ざす
「戸惑い」と「偏見」に対し、大きな問いを突きつけます。

あなたはどこに立つのか、と。

わたしもまた、当事者として、この問題から目をそらさずに、
積極的に情報発信をつづけていきたいと思います。


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(第二次)特定図書排除に関する申し入れ書、市民97名/議員5名/5団体で今日提出。

2008-11-13 17:08:55 | 「ジェンダー図書排除」事件
市民のみなさんによびかけていた、堺市長および教育長充ての、
「(第二次)堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書」を
堺市役所本庁高層10階の教育委員会に、ぶじ提出しました。

今回、わたしは自宅待機、11時過ぎに関西の仲間が
堺市役所に持参してくださったのです。

第二次の申し入れは、上野千鶴子さんを筆頭に、
市民97名/議員5名/5団体の連名の申し入れ。

申し入れ人の合計は、前回11月7日提出の「議員41名/2団体」とあわせて、
 「市民97名/議員46名/7団体」になりました。

申し入れに加わっていただいた皆さん、ありがとうございます。

                       2008年11月13日 
堺市長   木原敬介 様
堺市教育長 芝村巧 様

   (第二次)
   堺市立図書館における特定図書排除に関する申し入れ書
 
                      
本年7月から8月頃、堺市立図書館において、一匿名市民から電話やメールで特定図書に対し執拗な撤去要求がなされ、依頼を受けた市議会議員も介入したことにより、所蔵図書5,499冊が「BL(ボーイズラブ)本」として、市立図書館から一律に利用者の目に触れない閉架に移されています。
堺市公式ホームページ「市民の声Q&A」では、(市民の声)「中央図書館とお話し、書庫のBLも処分するとのことです」「すみやかにBLを換金し、他の有益な図書の購入費に当てるよう、強く強く要望いたします」に対し、(市の考え方)として「今後は、収集および保存、青少年への提供を行わない」と回答しています。

堺市立図書館は、堺市の「公の施設」(図書館法2条2項、地方自治法244条)であり、「堺市立図書館条例」によって設置され、図書は「堺市立図書館 資料収集方針」に基づいて市民の税金で収集・管理され、「資料除籍基準」「資料保存基準」にしたがって除籍・保存されています。
「資料収集方針」にしたがって購入した図書を、一匿名市民、議員の不当な圧力に起因する思いつきの閉架扱いにしたことは、著しく恣意的で、管理者に許された裁量を著しく逸脱した違法な行為です。「堺市立図書館 資料収集方針」は、「図書館の自由に関する宣言」「図書館員の倫理綱領」に則って基本方針を定めており、今回の一連の行為は、「図書館法」および「図書館の自由に関する宣言」「図書館員の倫理綱領」にも違反します。図書の違法な排除および除籍は、知る権利、知る自由の侵害で、けっして許されることではありません。

特定図書を排除する行為は、思想の自由、表現の自由、憲法に定められた基本的人権を侵害し、かつ、禁止された検閲であって「日本国憲法」に明らかに違反しています。

公立図書館は、地方自治法第244条「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という)を設ける。」によって設置されており、「2 普通地方公共団体は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」「3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。」と規定しています。特定意図による図書の排除や処分は、住民の権利を侵害しもしくは住民を差別するものであり、「地方自治法第244条」第2項及び3項に違反します。

これらの図書は「大阪府条例の有害図書にあたるものは一切ない」(11/5朝日新聞)にもかかわらず、「青少年への提供を行わない」とされています。この決定は、「児童の権利に関する条約」(子どもの権利条約) の、「意見を表明する権利(第12条) 」「表現の自由についての権利 (第13条)」「思想、良心及び宗教の自由についての権利 (第14条)」「干渉又は攻撃に対する保護(第16条)」に反しています。同時に、BL図書の排除は、直接的であると間接的であるとを問わず、性別による権利侵害および差別的取り扱いを禁止した、「堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例」にも違反しています。

以上のように、わたしたちは、公立図書館からの特定図書の排除をとうてい容認することはできません。すみやかに当該排除、廃棄行為を中止しもしくは現状復帰されるように求めます。
また、今回の特定図書排除に関して、公文書やウエブサイトから、市議会議員の関与が明らかになっています。このような、「公の施設」に対する市議会議員の介入を看過することはできず強く抗議するものです。
以上、申し入れるとともに下記の2点について、11月14日(金)までに、文書で誠意ある回答を求めます。

              記

1.「中央図書館とお話し、書庫のBLも処分するとのことです」に対する、「今後は、収集および保存、青少年への提供を行わない」との市の回答は、特定図書の処分(廃棄)を前提にしたものなのか。説明を求める。

2.今回、一部の市議会議員の個人的主張に市の基本姿勢が揺らいだことは間違った市政運営ではないか。
                               以  上

                    上野千鶴子 東京大学大学院教授
                「ジェンダー図書排除」究明原告団・代表
                  (別紙)市民97名/議員5名/5団体 


回答は、教育長名で、文書で届く予定です。
回答が届いたら、また報告します。

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今回の問題にかかわって、排除する側のひとの議論も読んで、
はっきりしてきたのは特定図書を排除したい人たちは、
「わいせつ」「性的」な本として、「同性愛」を嫌悪し、
「ボーイズラブ」自体を排除したいということです。

ボーイズラブを説明したブログがあるので、紹介します。

・BLとBL読みを貶めるのもいい加減にしてもらいたい。
(__ScrapBook of Plumber11/10)
 

わたしは、少なくとも、予断と偏見を持たないようにして、
9月にまず5499冊(5706冊)の図書リストを入手し、
10月には図書館をじっさいに視察して、特定された図書を見ています。

その上で、本の内容に踏み込まないお金の観点から、
住民監査請求という手法で「処分の差し止め」をしました。
で、西船橋事件の最高裁判決から、
どのような本であっても、排除は違法、というのがわたしの主張です。

内容について触れてこなかったのは、議論が分かれる問題については、
監査請求のほうが整理しやすいからです。
とはいえ、排除する側の議論が、あまりに差別的なので
どうしても、ひとこと言いたくなりました。

図書館にあるBL本は、「露骨な性表現」の本ばかりではなくて、
「ボーイズラブ」という分野の文字で書かれた小説です。
一部「露骨な性表現」の本もあるかもしれませんが、それは、
BLでくくるよりは、官能小説の分野に入るのでしょう。
特定図書を嫌う人たちは、同性愛小説そのもの排除せよといっているのに等しい。

その要求によって、自発的に5499冊の本を一律に閉架に動かした
図書館側にも、「ボーイズラブ」に対する予断と偏見があったのでしょう。


受け取った図書リストを見て、びっくり。
最初のページには、わたしも知ってる栗本薫さんのシリーズ。
10枚ほどを見ても、講談社X文庫、角川ルビー文庫、集英社コバルト文庫、
二見書房、徳間書房、小学館などの大手出版社の本がずらりと並んでいます。
これが、ほんとに全部ボーイズラブ??

男女の恋愛小説で、露骨な性表現の本を一切置かないのならともかく、
どの図書館も探し出せば「セックスとバイオレンス」にあふれています。
図書館の内規に、異性愛の官能小説を購入しない一定のコードがあるのなら、
それを、「ボーイズラブ」に当てはめればすむ話です。

百歩譲って、匿名市民は一度も姿を現していないわけですから、
いま図書館の書架に置かれている5499冊の本を見てないはずです。
それを「ボーイズラブはいけない」とひとくくりにして、
さらに処分(除籍・廃棄)しろと言っている。
偏見と嫌悪感から、特定の他人を名指しして社会から排除するのは、
「セクシュアルマイノリティへの差別」としか言いようがなく、
図書を排除するのは「焚書」です。

この問題に取り組んで、デリケートな問題だから触れないほうがよい、とか、
BL本を排除から擁護することをタブー視する声があり、
ぎゃくに、悩んだ末に賛同します、という反応もありました。
巷にあふれるBL本の悪いイメージをことさらに振りまいて、
自己規制を迫るのは、差別する側の常套手段です。
だからこそ、わたしはいいたい。

図書を選別し、区別し、隠すことこそ「差別」につながる、と。

「ボーイズラブ」を書く人、読む人がいてもいいでしょう。
もしかしたら、わたしが愛読者かも知れないし、
自分が読みたくなければ読まなければよいだけの話で、
他人にまで一律に読ませない、というのは余計なお世話。
わたしが読みたくない本だって、図書館にはいっぱいあります。

本というものは、ひとがみずから手にとって、開いて読むものです。
本は、だれかに読まれるために、書かれている。
そのなかに何が書かれ、そこから何を感じ、読み取るかは、
読者自身が決め、他人がきめることではない。

子どもにだって、だれにだって、内心の自由があり、
他人に侵されたくないセクシュアリティがあります。

わたしは、その自由を、だれにも侵されたくない、侵したくもない。

 「わたしが読む本は、わたしが決める。」 


とここまで一気に書いて、買い物に行こうと外に出たら、
今日は満月でした。

おつきさまが明るすぎて、なかなかきれいに写せません。



「月の裏側」どうなってるんでしょうね。


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