編集委員の竹信三恵子さんの大きな記事が載っていました。
この記事は、9月28日(日)に東京都の千駄ヶ谷区民会館で開かれた
「女性と貧困ネットワーク」の発足集会のことも紹介していて、
1回目は『路上にも「格差」、探る支え』というテーマで、
貧困女性の現場のルポルタージュです。
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手をつなぐ貧困女性(上) 路上にも「格差」、探る支え 低所得女性の連携の動きが広がり始めた。働く女性の4割以上が年間所得200万円以下。貧困で行き場を失う女性が増えている。そんな状況を打開しようと、28日には都内でホームレスやひとり親家庭の母、フリーター、無年金高齢者などの女性たちが初の「女性と貧困ネットをつくろう 立ち上げ集会」を開いた。 手をつなぐ貧困女性の現場を、2回にわたりルポする。 (編集委員・竹信三恵子) ・・・・・・・・・・・・・以下本文略・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆助け合い支援し連携を 東京・山谷での支援経験をもとに「赤いコートの女~東京女性ホームレス物語」を出版した宮下忠子さんの話 不況や構造改革で、夫に頼れない女性たちの居場所だった住み込み職場などがつぶ れ、女性も路上に押し出されている。ホームレスの自立支援の基本方針に、女性については、婦人相談所などとの連携が盛り込まれたが、「矯正」の発想が根強い。施設を飛び出すことを否定的に受け止め、女性の側に立っていない。自立には、行政が「立ち直らせる」のでなく、当事者の女性たちが路上で互いに助け合う動きを支援し、連携すべきだ。 (2008.9.30 朝日新聞) |
この立ち上げ集会のことをやっていたそうです。
「貧困の女性 支援組織が発足」(NHK 2008.9.28) 働く女性のうち、パートや派遣など、非正規で働く人が半数を超え るなか、貧困に苦しむ女性たちを支援する組織が新たに発足し、待 遇改善を目指して活動していくことを確認しました。 「女性と貧困ネット」と名付けられたこの組織は、NPOや労働組 合などが作ったもので、東京で開かれた発足集会には、働く女性や 支援者などおよそ80人が参加しました。このうち、日雇い派遣を 経験したあと、現在は生活保護を受けているという女性は「日雇い 派遣では低い賃金であしたのことしか考えられなくなり、転がり落 ちるように貧乏になった。どう頑張っても貧困から抜け出すことが できない」と訴えました。国の調査によりますと、働く女性のう ち、パートや派遣など非正規労働の割合は年々増え続け、53%余 りに上っている一方、母子家庭の年間の就労収入は平均およそ17 0万円にとどまっています。集会の参加者からは「年収が低いシン グルマザーへの国の支援が不十分だ」「女性の労働時間は長くなっ てきているが、男性との賃金格差は依然大きい」といった意見が出 されていました。呼びかけ人の1人の伊藤みどりさんは「物価の高 騰などを背景に女性からの貧困の相談は、ここ数年、深刻さを増し ている。こうした集会や相談活動を通して女性の待遇改善を訴えて いきたい」と話しています。 |
「女性と貧困ネットワーク」の公式ブログもできています。
女性と貧困ネットワーク
「女性と貧困ネットワーク」の立ち上げ集会呼びかけ文と、
「女性と貧困ネット立ち上げ集会アピール」です。
いよいよ明日です。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 女性と貧困ネットをつくろう 立ち上げ集会 貧乏でも安心 女性で安心 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 女は前から貧乏だった。 だけど、今はもっと貧乏になってきた。 安くて不安定な非正社員は、いまや働く女性の多数派。 年収200万円以下は女性の44%。 それなのに、女の貧乏はなかなか語られない。それはなぜ? 女は男が養ってくれるから? でもほんとうにそれで安心? 女性でも安心して生きたい 貧乏でも安心して生きたい 今女性たちの貧困を語り始めよう 女性の貧困のほんとうの解決策へ、声を上げよう! ◆2008年9月28日(日) 1時半~6時 開場1時 会場 千駄ヶ谷区民会館(原宿駅竹下口から徒歩10分) ◆プログラム 貧乏体験発表 女性と貧困シンポジウム 物物交換のフリマ ゲーム ◆カンパ大歓迎 特に高収入の人 物物交換のため、不用品を持参してください(服、日用品など) ◆呼びかけ人 赤石千衣子(しんぐるまざあず・ふぉーらむ)、鈴木純子(元福祉事務所相談員) 伊藤みどり(働く女性の全国センター)、栗田隆子(フリーターズフリー) 藤井豊味(女性ユニオン東京)、山口静子(パート・未組織労働者) いちむらみさこ(ノラ)、池田幸代(新宿野宿者女性の会「心を開く輪」) 柏原登希子(ふぇみん)、丸山理恵(反貧困たすけあいネットワーク)他… 問合せ ふぇみん tel03(3402)3238 ACW2 tel03(5304)7383 ※10月19日、午後、明治公園で反貧困世直しいっき集会が予定されています。そ こでも女性と貧困の分科会をもつ予定です。 |
********************************* 女性と貧困ネット立ち上げ集会アピール 女性で安心な社会に 女性の貧困のほんとうの解決策へ声をあげましょう ******************************** 「女性は世界の労働の三分の二を行っているにもかかわらず、収入は五%でしかなく、 資産は一%にも及ばない」(ILO:国際労働機関) 男性の貧困が、女性なみの貧困になってきた(貧困の女性化)ことで「貧困」が社会問 題視されるようになりました。しかし、女性はずっと前から貧困でした。そして 今、女性の貧困は悲惨さを増しています。 女性の約54%が非正規労働者として、正規男性の約40%の低賃金で働いています。 シングルマザーの暮らしは年収171万円で手当があってもギリギリです。DV から避難した女性たちは不安に怯えながら「自立」を求められています。高齢女 性の年金は低額で、生活に困難を抱えています。生活の厳しさから精神を病む人 も多く、男性に頼ってもが更なる暴力や貧困につながる場合もあります。外国籍 の場合、困難は非常に大きくなります。 しかし、女性の貧困はこれまでほとんど問題視されてきませんでした。なぜでしょうか。 日本では男性が外で仕事、女性が家事育児という価値観が根深いため、女性は男性 に扶養されるのだから低収入で当然と思われ、女性が声を上げても男性の賃上げ が優先され我慢を強いられてきました。女性自身も結婚すればなんとかなると思っ て来ましたが、結婚してもDVや夫のリストラや借金などさまざまなリスクと直 面するケースが増えています。離婚後の子どもを扶養する責任は女性が負うこと が多いのですが、子どもへの支援はまったく手薄です。 日本の企業は大小問わず、男女雇用均等法が成立した以降も女性をパートや派遣労働 に追い込み、安上がりの労働力として利用してきました。また男性主導の労働組 合の多くも、足元の非正規問題と男女の賃金差別を放置してきました。企業だけ ではなく行政において、福祉職や事務職において非正規雇用の率は増加し、正規 職員のみではもはや現場は回らない状況です。パート労働や派遣労働の便利さに 味をしめた企業・行政機関がそうした労働力をより多く求め、労働の規制緩和が 進むことで、1990年代後半には主婦だけでなく多くの若い男女に、不安定な非正 規労働しかない状況が産まれたのです。さらに、生活保護や児童扶養手当、教育 援助、雇用保険、医療保険などさまざまなセーフティーネットが崩壊し、更なる 貧困が女性たちを直撃しています。社会的な差別構造を抜本的に解決する対策が 喫緊の政治的課題です。 私達は、様々な貧困問題に直面する女性たちが集まり、女性と貧困の問題の実態 を明らかにし、訴え、女性たちの貧困の真の解決を図るために「女性と貧困ネッ トワーク」を結成します。私達は全国の仲間と情報を共有し、貧困にさらされて いる女性達の問題解決のために助け合いのネットワークを広げます。女性の貧困 問題の解決のために、提言を行なっていきます。 これまでの貧困問題の解決のための活動に敬意を払うとともに、提案をします。一 つは、貧困状態にある男性の意識の問題、たとえば「男が妻子を養わなければな らない」という認識が男性たちをより一層追い詰める要因になっていることへの 気づきです。二つ目には女性の貧困を可視化し、女性が心身ともに自立できる労 働とセーフティーネットを充実させることが、すなわち男性の貧困問題の解決に つながることを共有化したいと思います。三つ目は今ある「労働市場」に「男性 並み」に参入することではない働き方を作り出していくことです。労働基準法や 産休等の様々の権利を企業・行政に働きかけ、時には法そのものを変革するなか で、男性中心の「労働」のイメージと現実を変えていくことです。それは女性の みならず男性にとって「賃労働者」としてだけではない「生活者」として生きる 姿を示していくことでしょう。女性の働き方を考えること、それは労働の根幹を 揺るがす力を持ち得るのです。女性も男性も共に「人としての尊厳」を持続でき る、差別のない公正な雇用と安全で心豊かな社会を目指して、共に力を携え合い ましょう。最後に、私たちのネットワークを、一緒にあなたの身近な人に伝えて ください 2008年9月28日 女性と貧困ネットワーク立ち上げ集会参加者一同 |
朝日新聞の「手をつなぐ貧困女性」の続きも読みたいし、
カンパを送るなど(高収入ではありませんが)、
この運動にわたしのできる形で連帯したいと思っています。
最後まで読んでくださってありがとう
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