みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

森田健作こと鈴木栄治~「完全無所属」が「自民党支部長」!?/事実なら公選法235条違反では?

2009-03-31 13:55:06 | 市民運動/市民自治/政治
昨日の千葉県知事選の続きです。

昨日の記事の最後に書きましたが、
当選した森田健作氏は、自民党との関係でこんな疑惑も出ています。

 森田健作氏:自民党支部献金の一部を自身の団体に寄付
毎日新聞 2009年3月30日

 千葉県知事選で政党色を出さない選挙運動で初当選した森田健作氏が、自民党の政党支部「自民党東京都衆院選挙区第2支部」の代表を現在も務め、この支部が受けた企業献金の一部を森田氏の資金管理団体に寄付していたことが分かった。森田氏は「選挙資金には使っていない」と述べた。
 都選管に提出された07年分の政治資金収支報告書によると、代表は「鈴木栄治」(森田氏の本名)で、所在地は中央区京橋2の森田氏の東京の事務所にある。同支部は07年、都内や千葉県内の企業・団体から1852万円の献金を受け、その一部1168万円を森田氏の資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。
 森田氏は「(知事選に)無所属で出ると決めた途端にすべて(支部の活動を)停止した」と釈明した。【神足俊輔】
毎日新聞 2009年3月30日



 「完全無所属」実は「自民支部長」…千葉知事当選の森田氏
2009年3月30日 読売新聞

 千葉県知事選で100万票余を獲得して初当選した元衆院議員の森田健作氏(59)が、現在も東京都の自民党支部長を務めていたことがわかった。
 森田氏は、政党と距離を置く「完全無所属」をアピールして無党派層の支持を集めており、一夜明けた30日の記者会見で「近く支部を解散したい」との考えを明らかにした。
 森田氏が支部長を務めるのは、自民党東京都衆議院選挙区第2支部(東京都中央区)。森田氏が参院議員だった1995年1月に設立された。衆院議員に転じた森田氏が2003年10月に辞めた後も、支部は存続している。
 収支報告書によると、支部長の登録は本名の「鈴木栄治」。04~07年には計1億6185万円の企業・団体献金を受け、同時期に計1億5030万円を、同支部と同じ事務所で、森田氏が代表を務める資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。使途については、「知事選には使っていない。知事選に無所属での出馬を決意する前に、自民党候補の応援などのために使った」と釈明した。
(2009年3月30日14時20分 読売新聞)


 森田健作さん、カネの面では「自民党」では?
(広島瀬戸内新聞ニュース09.3.22)


この「広島瀬戸内新聞ニュース」によると、
「2007年の森田健作政経懇話会の収支報告を調べました。
自由民主党東京都衆議院選挙区第二支部」から、11644000円を寄付してもらっています。
これは、同団体の当該年度の収入の19578237円の約6割です。
住所は東京都中央区京橋2−9−11
代表は鈴木栄治
で資金管理団体「森田健作政経懇話会」とまったく同一のようです。
さらに、2006年について調べてみました。
19321078円の当該年収入のうち、自民党東京都衆議院選挙区第二支部からのものが、14204313円と、7割以上を占めています。
さらに、2005年。森田さんが前回千葉県知事選で大善戦した年です。
86581422円の当該年収入のうち、自民党同支部からの寄付が、80571420円。なんと9割以上です。」
ということです。


森田健作 新聞ニュース

森田健作氏は、プロフィールに「平成13年 自由民主党復党」と書いていて、
平成14年には「自由民主党 情報調査局長」もやっています。
その後の政治資金の届出の流れから見ると、その後も「自民党」だったはず。

森田健作プロフィール

「完全無党派(無所属)」といいながら、実は「自民党支部長」だったとは!
うそをついて、知事に当選したということになります。

選挙:千葉県知事選 無党派45%森田氏に--出口調査
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 政治>

毎日新聞 2009年3月30日

 毎日新聞とTBSテレビが29日投開票の千葉県知事選で実施した出口調査によると、「支持政党なし」と答えた無党派層のうち45%が元衆院議員の森田健作氏(59)に投票したと回答した。民主党などが推薦したいすみ鉄道前社長の吉田平氏(49)に投票との答えは24%にとどまった。森田氏は自民党の推薦を得ておらず、「政党隠し」選挙が一定の成果を上げたと言える。民主支持層の票は吉田氏以外にも分散したとみられ、同党が支持基盤を固め切れなかったことをうかがわせた。
 自民支持層は69%が森田氏に投票したと回答した。関西大教授の白石真澄氏(50)との答えは13%にとどまり、保守分裂の影響は少なかったようだ。公明支持層は75%が白石氏を挙げたが、森田氏との回答も20%あった。これに対し、民主支持層で吉田氏と答えたのは60%。森田氏との回答が28%を占め、白石氏にも票が流れた。吉田氏を推薦した社民党の支持層も吉田氏と答えたのは6割弱だった。
 出口調査では、次期衆院選での比例代表の投票先と、与野党どちらに勝ってほしいかもあわせて聞いた。
 「もし今、衆院選が行われたら、比例代表ではどの政党に投票するか」との質問では、「民主」(35%)との回答が「自民」(29%)を6ポイント上回った。ただ、無党派層に限ると「自民」8%、「民主」24%に対し、「決めていない」が60%を占め、なお流動的だった。
 勝ってほしい枠組みは、「民主党を中心とする野党」との答えが50%で、「自民党を中心とする与党」の41%より9ポイント多かった。無党派層では「野党」59%、「与党」32%と、より差が広がった。
 また、野党の勝利を期待する層でも32%は森田氏(「吉田氏」は44%)に投票したと答えており、森田氏の勝利が次期衆院選で与党の弾みになるとは必ずしも言い切れない面も残っている。
 出口調査は千葉県内の投票所40カ所で2579人を対象に実施した。【中田卓二】
毎日新聞 2009年3月30日


無党派層の45パーセントもの人が森田氏に投票したとのことですから、
「完全無所属」は、完全に有権者をだましていますね。

昨日の毎日新聞や読売新聞では、カネの流れの問題で追求されていますが、
別の角度から見れば、問題はもっとおおきいのです。

「候補者は有権者にうそをついて当選してはいけません」という
法律があります。
それが公職選挙法です。

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公職選挙法は違反者には厳しい法律なので、もし虚偽の事項を公にしたのなら、
公選法235条違反で、有罪が確定すれば、251条で当選は無効になります。


 公職選挙法 
(虚偽事項の公表罪)第235条
 当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(当選人の選挙犯罪による当選無効)第251条
 当選人がその選挙に関しこの章に掲げる罪(第235条の6、第236条の2、第245条、第246条第2号から第9号まで、第248条、第249条の2第3項から第5項まで及び第7項、第249条の3、第249条の4、第249条の5第1項及び第3項、第252条の2、第252条の3並びに第253条の罪を除く。)を犯し刑に処せられたときは、その当選人の当選は、無効とする。



森田氏は「届出は無所属」で「自民党の推薦はなし」だと思いますから、
前段の「その者の政党その他の団体への所属」
の部分が虚偽なら、235条違反になると思います。

この235条違反関連では、1992年の衆議院議員選挙のときの、
タレントの新間正次事件(愛知)が有名です。
当選直後に「虚偽事項の公表(経歴詐称)」をスクープされ、
在宅起訴されて、有罪が確定し失職しました。

ニュース六法 ニュースから見る法律
(三木秀夫法律事務所)公職選挙法の虚偽事項公表罪

名古屋高裁判決は、公職選挙法235条1項について、「選挙人が誰に投票すべきかを公正に判断し得るためには、候補者について正しい判断資料が提供されることが必要」との趣旨に出ているから、ここでいう経歴とは「候補者が過去に経験した事項であって、選挙人の投票に関する公正な判断に影響を及ぼす可能性のあるものをいう」とした上で、Sの演説内容は、「極めて異例の経験であり、高い社会的評価を受ける候補者の行動歴、体験というべきもので、福祉政策の重視を訴える候補者であるSの実績、能力などを有権者に強く印象づけるものであり、選挙人の公正な判断に影響を及ぼす可能性がある」から、右経歴に該当する旨判示し、最高裁はその判断を是認した。
 


新間事件の判決では、演説の虚偽も235条1項違反と認定されましたが、
選挙公報や候補者の政策ビラなどの文書に虚偽事実が記載されていれば、
動かぬ証拠となります。

いくらこれから「支部を解散したい」と言っても、
「公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者」が該当ですから、
立候補時点で「自民党支部長」ならアウトでしょう。
それに森田氏は落選中の4年間も政治活動をしていた「候補者等」ですし、
公選法は、時効がありませんから4年前にさかのぼって追求されるべき。
カネが動いていたのですから「支部の活動は停止していた」というのは言い逃れ。
「自民党支部長」が「自民党員」であるのは当然でしょう。

かりに、知事選で表向き「党籍」を離れて「無所属」になっていたとしたら、
「無所属」のほうが偽装で、カネは自民党から出ていたということになります。
公選法は「候補者の意図するところを問う」法律ですから、
実態としての「党籍詐称(隠し)」となり、もっと悪質です。

森田健作氏は元国会議員ですし、「公職の候補者になろうとする者」が、
公職選挙法や政治資金規正法をしらなかった、なんて言い訳は通りませんが、
あとがないので勝つためにはなりふり構わず、だったようですから、
たたけば、もっとホコリが出てくるかもしれません。

まさか警察は、民主党の小沢一郎の秘書は偽装献金で立件し、
隠れ自民党の森田健作本人の疑惑には見てみぬ振り、
なーんてことはないでしょうね。


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バックラッシュ派の森田健作氏当選/銚子市では市長リコール成立/千葉県の明暗

2009-03-30 19:48:49 | 市民運動/市民自治/政治
昨夜の千葉県知事選挙、8時半前に森田健作氏の当確が出た。
ブログは、この記事にしようと思ったが、朝からぐずぐず気がすすまない。

知事としては未知数だけど、マニフェストを見ると、
ドーンとどでかい日の丸みたいなものが出てきて、
「バックラッシュ政策」とおぼしきものが目白押し。

特に「5.重点政策」の教育政策がひどい。

森田健作の輝け千葉・日本一

森田健作マニフェスト

・・・教育再生諮問会議(仮称)を設置して、県内外の有識者の総力を結集し、人間としての基本的な躾や常識を養うために、健全なる行度合いの育成や道徳教育の強化に努めます。また、ジェンダーフリー(性差否定)教育や過激な性教育を見直し、男女の生まれ持った違いや良さを尊重し、家族や家庭を大切にする明るく元気で生き生きとした子供たちを育てます。・・・・」。

<「心を育てる教育」に全力投球>
<施策例> 高校での「道徳」を正式教科化(教科書作成、研修導入)、生活指導の強化、夢を語る進路指導改革、「親学」導入による家庭力の再生、行き過ぎたジェンダーフリー教育・過激な性教育の見直し、教育現場での国旗掲揚・国歌斉唱の徹底化、日本を嫌いになるような歴史教育の見直し、武道や伝統教育の奨励、国語教育の強化など。
(以下略) 


今日の毎日新聞夕刊の特集ワイドは「森田健作・千葉県新知事に一言」。

特集ワイド:森田健作・千葉県新知事に一言 
「おれは男だ!」吉川くん役・早瀬さん

「ひとりで海に向かって走っていっちゃダメよ! 
振り向いたらだれもいない。県民あっての知事なんだから」


石原慎太郎東京都知事も真っ青の「バックラッシュ派知事」の誕生。

千葉のこれからの4年間を憂う。

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と、まあこれで終われば暗い記事なんだけど、

同じ日、同じ千葉県の銚子市では、
「市民病院の休止」問題で住民投票が行われ、市長リコールが成立した。

首長を投票で選ぶのも市民(有権者)だけど、
市民は直接民主主義の手法で、間違った方向に突っ走る首長を
自分たちの投票で解職(リコール)することもできる。

奇しくも、岐阜新聞の一面には、森田氏当選のニュースと並んで、
「市長リコール成立」の記事が並んだ。


2009.3.30 岐阜新聞 1面
23面
こちらは、市民が市長の判断に「ノー」を突きつけた快挙だ。

中日新聞はいち早く、共同記事をweb配信。

【社会】 リコール成立、銚子市長失職 市立病院休止で住民投票
中日新聞 2009年3月30日 00時04分

 千葉県銚子市の市立総合病院の休止問題を争点に、岡野俊昭市長(63)のリコール(解職請求)の是非を問う住民投票は29日投票、即日開票の結果、賛成票が有効投票の過半数に達しリコールが成立、岡野市長は失職した。
 リコールに賛成が2万958票、反対が約半分の1万1590票だった。
 地域の公的医療の存続を望む住民の強い意思が示された形だ。全国の公立病院の7割は赤字経営に苦慮しており、各自治体に大きな影響を与えそうだ。投票率は56・32%。
 50日以内に出直し市長選が行われる。
 岡野市長は「病院を休止した決断は間違っていなかった。次の市長選に出馬する気持ちはあるが、支持者と相談して決めたい」と語った。
 市民団体「『何とかしよう銚子市政』市民の会」の茂木薫代表は「1日も早く会としての候補者を選び、2、3日中には発表したい」と述べた。
 岡野市長は2006年7月、病院存続を公約に掲げ初当選したが、国の臨床研修制度による派遣医師の引き揚げで医師が激減。病院は経営難に陥り、08年9月末に休止した。(共同)
中日新聞 2009年3月30日


東京では、新銀行東京問題で、市民グループが住民監査請求を提起し、
石原都知事の包囲網はじりじりと狭まっている。

新銀行めぐり住民監査請求 知事らに1255億返還求める
47news 2009.3.30

 新銀行東京(新宿区)をめぐり、市民グループに所属する東京都内の住民3人が30日、ずさんな経営などのため都の出資金1400億円の大半が回収不能になったとして、石原慎太郎知事や仁司泰正元代表執行役ら役員に、連帯して1255億円を都に返還させるよう求めた住民監査請求をした。
 代理人の弁護士は「個々に因果関係があり、民法上の共同不法行為にあたる」とし、請求が認められない場合、住民訴訟を起こすという。
 請求によると、新銀行は、都が1000億円を出資し2005年4月に開業。ずさんな経営のため、08年3月期に累積赤字が1016億円に拡大し都は08年4月に400億円の追加出資をした。
 新銀行は累積赤字を資本金で穴埋めする減資をしたが、その結果、都の出資分の855億円が失われ、追加出資の400億円も回収の見込みがないとしている。
 また知事は仁司氏らを任命し、都がまとめた事業計画を早急に進めさせたとし、仁司氏らはデフォルト(債務不履行)対策を怠ったと指摘した。
 新銀行の住民監査請求では別の市民グループが昨年5月、400億円を回収するよう知事に求めたが、都監査委員は請求を棄却している。
47news 2009.3.30


政党隠しの作戦が功を奏した森田氏だけど、
自民党との関係で、早々とこんな疑惑も出ている。

 森田健作氏:自民党支部献金の一部を自身の団体に寄付
毎日新聞 2009年3月30日

 千葉県知事選で政党色を出さない選挙運動で初当選した森田健作氏が、自民党の政党支部「自民党東京都衆院選挙区第2支部」の代表を現在も務め、この支部が受けた企業献金の一部を森田氏の資金管理団体に寄付していたことが分かった。森田氏は「選挙資金には使っていない」と述べた。
 都選管に提出された07年分の政治資金収支報告書によると、代表は「鈴木栄治」(森田氏の本名)で、所在地は中央区京橋2の森田氏の東京の事務所にある。同支部は07年、都内や千葉県内の企業・団体から1852万円の献金を受け、その一部1168万円を森田氏の資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。
 森田氏は「(知事選に)無所属で出ると決めた途端にすべて(支部の活動を)停止した」と釈明した。【神足俊輔】
毎日新聞 2009年3月30日



千葉県知事選では森田健作氏が当選したが、市民が負けたわけではない。
選挙だけが直接民主主義ではないし、
つかえる直接民主主義の手法は、まだまだたくさんある。

千葉県民はこの結果にあきらめずに、森田新県政を監視し続けて欲しい。


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うれてる!『断る力 』いけてる!勝間和代さん

2009-03-29 18:15:23 | ほん/新聞/ニュース
昨年、毎日新聞で西原理恵子さんとの対談が載ってから、
「勝間和代のクロストーク」の連載を、勝間さんって面白いひとだなあ、
って思いながら、興味をもって読んでいました。

先日、いまが旬の、ナマ勝間さんの番組をテレビでやっていて、
個性的で素敵な女性だなぁ、ってもっとすきになりました。

翌日本屋に行ったら、なんという偶然か、
勝間さんの顔が平積みになって並んでいます。

もちろん、即、買いましたよ(笑)。


『断る力』勝間和代著(文春新書)
 内容紹介
◎私が今、タイムマシンに乗って20代後半の自分にたった一つアドバイスをするとしたら、「『断る力』を一刻も早く、身につけること」と言うでしょう。実際、私が「断る力」、英語にすると「Say No」、すなわち相手の言いなりにならずに拒否をする力を身につけることができたと確信したのは、34歳で初めての離婚をしたときからだと思います。そして、その時から、私の世界はドラマティックに変わりはじめました。
◎これまで、私はさまざまな著書のなかで、どうすれば私たちの仕事の生産性がアップするかをいろいろな観点から紹介してきました。その中で、最も大事なことをこれまで、強調し切れていませんでした。もう、おわかりだと思いますが、生産性を上げる最も重要で、かつ効果的な秘訣とは――、
「断る力」をつける
ということ、これに尽きるのです。
◎この本では、「断ること」をしないことが、いかに私たちの生産性向上を阻害し、成長を阻害し、ストレスをためるかということを説明していきます。そして、どうやったら「断る力」を身につけることができるのか、その訓練方法を含めて具体的に説明をしていきます。
◎この本を2時間後に読み終わったとき、そして、「断ること」を能動的にはじめたその時から、あなたの生産性は何倍にも、何十倍にも向上するのです。ただし、「断る力」はたいへん強力な武器であるため、扱いもとても慎重に行わなければなりません。むやみやたらに断るのではなく、どういうところでは断り、どういう場面では逆に歯を食いしばって引き受けてベストを尽くすべきなのか、その判断能力をこの本をきっかけに、みなさんの生活の中で培っていってほしいと思います。


1時間半ほどで一気に読んだのですが、おもしろかったです。
題名もとってもいいですね、『断る力』。

滑り出しの「総論」には、アサーティブネス(Assertiveness) のことも載っていて、
かんたんに読めるけれどメッセージ性も高く、共感するところの多い本です。

アサーティブトレーニング
アサーティブの4つの柱
誠実(自分の気持ちに気づいて、ごまかさないこと)
率直(気持ちや要求を伝える時は、相手にきちんと伝わる形で)
対等(自分を卑下したり、相手を見下したりしない)
自己責任(言ったら言ったなりの、黙っているなら黙っているなりの、自分の行動の結果を自分で引き受けること)

12の権利
私には、日常的な役割から自立した一人の人間として、自分のための優先順位を決める権利がある。
私には、賢くて能力のある対等な人間として、敬意を持って扱われる権利がある。
私には、自分の気持ちを言葉で表現する権利がある
私には、自分の意見と価値観を表明する権利がある
私には、『イエス』『ノー』を自分で決めて言う権利がある
私には、間違う権利がある
私には、考えや気持ちを変える権利がある
私には、『わかりません』と言う権利がある
私には、欲しいものを欲しい、したいことをしたいという権利がある
私には、人の悩みの種を自分の責任にしなくてもよい権利がある
私には、周囲の人から認められることに頼ることなく、人と接する権利がある
私には、アサーティブでない自分を選択する権利がある


最終章の、(ジャンプ)「断る力」で、自分と周囲との好循環を作る、
■最後は、間違った考え方、間違った社会に
NOを言える力を養うことを考えたい

に共鳴しました。

で、
今日のブログ記事は、勝間さんの『断る力』と紹介しようと思っていたら、
朝から編集画面の調子が悪く、気分転換にコーヒーをいれて新聞を開いたら・・・
なんと、朝日新聞の書評に『断る力』が載っています。

『断る力 』勝間和代著
朝日新聞 2009.3.29

「特注品」への脱皮のススメ
 日本人にとって、「断る」という行為は、心理的な障壁が非常に高い。内心では不合理だと思うことも、相手の機嫌を損ねたくないがために引き受けて、挙げ句、関係者全員にいい結果がもたらされなかった、という例は枚挙にいとまない。
 それでも少し前までは、よしとされていた。なぜなら、クルマでも家電でも、作れば何でも売れたからだ。そんな時代は、上司の言うままに働く「コモディティ(汎用品)」な人材が重宝がられた。が、そんな右肩上がりの時代は終わった。あらゆる場面で判断、決断が求められる今、汎用品は取り換え可能な部品として使い捨てられるだけ。ゆえに、「スペシャリティ(特注品)」に脱皮しなさい、というのが本書の主眼。そのキーワードが「断る力」だ。
 とはいえそれは、なんでもかんでも拒否するという態度のことではない。
 「むやみやたらに断るのではなく、どういうところでは断り、どういう場面では歯を食いしばって引き受けてベストを尽くすべきなのか」。今まで私たちが苦手としていた判断の態度を磨くことが、生産性の向上につながり、ひいては人間にとって最も大切な個の幸せを保証する、と著者は説く。
 出す本出す本がベストセラー。こうまで売れると、逆に、カツマ本には背を向けたくなる人も出てこようが、それはもったいない。「断る力」は「受け入れる力」とワンセットだ。(文春新書・945円)
清野由美(ジャーナリスト)
(朝日新聞 2009. 3. 29) 


朝日は書評がwebにアップされないので、
PCを直してもらっているうちに、Letsnoteで記事を打ち込みました。

アサーティブネスって一言で言えば、「自己主張」のこと。
自己主張するには、「わたし」の考えを持って判断することが必要。

「断る力」は「引き受ける力」とセット。

クリエィティブでオリジナリティのあるスペシャルナ女性になろうと
女たちの背中を押してくれる本。

女性には(心ある男性にも)お勧めの本です。


勝間和代公式ブログ「私的なことがらを記録しよう!!」

文藝春秋|勝間和代『断る力』|特設サイト

毎日jp連載「勝間和代のクロストーク~みんなの経済会議」  

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昨年、毎日jpに連載された西原理恵子さんとのメチャおもしろい、
「最強ワーキングマザー対談:西原理恵子×勝間和代」も紹介しますね。


最強ワーキングマザー対談:西原理恵子×勝間和代(1)「女の人は働いたほうがいい」
(毎日新聞 2008年6月 3日 )

 「毎日かあさん」作者の漫画家、西原理恵子さんと、いまビジネス書の分野で「勝間ブーム」を起こしている経済評論家の勝間和代さん。「毎日かあさんち」のリニューアルを記念して、このほど行われた特別対談のほぼ全部を7日間、13回に分けて掲載します。ワーキングマザーの本音を縦横無尽にぶつけあった、笑いあり、怒りありの一部始終、じっくりとお付き合いください。【司会・志摩和生(毎日新聞出版局)、まとめ・嶋野雅明】

 --(司会)本日はお忙しいところをありがとうございます。まあお二人は、もしかしたら、いま日本で最強のワーキングマザーのお二人という気がしないでもない。
 勝間 最強って(笑い)。
 西原 旦那がいないから働くしかない(笑い)、情けない現状で。旦那がいてもワーキング、ってんだったらかっこいいけどねえ。

--お二人とも離婚なさってますからね。
 西原 でもまあ、離婚できる自由ってのも素晴らしい。
 勝間 そうですね。離婚率高いです、働くお母さんは。
 西原 地方の温泉地で、離婚がすごく多かったという話を聞いたことがある。仲居さんができるから。
 勝間 ああ、仕事があるから。
 西原 仲居さんって70、80になってもできるでしょ。だから、クラスの4割が離婚だって。
 勝間 潜在離婚率がそれくらいあるってことなんでしょうね。
 西原 そうですね。保育園でお母さんたちと仲良くなって話すじゃないですか。そうすると、夫婦として破綻している人ってすごく多いんですよ。
 勝間 破綻してない人が少ない気がするくらい......。
 西原 本当に人間って一緒にいるのが難しいんだな、というのを感じます。

 --今のところ、世間的には、西原さんと勝間さんはイメージが重ならないかもしれませんが。
 西原 そうですねえ。

 --そもそもから言うと、『4000人に聞きました ハッピー・ワーキングマザーBOOK』という本がありまして。勝間さんがやってる「ムギ畑」というワーキングマザー支援サイトの内容をまとめた本。勝間さんが今みたいに有名になられる前、2年前に出た本ですが。
 その表紙に、西原さんの「毎日かあさん」の作品(『毎日かあさん2 お入学編』収録の「祝福」)を使われた。働く女性が保育園に子供を送り迎えする情景を描いた作品でした。この作品を選んだ理由は何ですか?

  勝間 この話がすごく私たちが言いたいことだったんですよ。「こんな苦労が男にできるかバカヤロウ」というのが。編集者さんもムギ畑のライターさんもこれを絶対使いたいとリクエストを出して。探していただいたんですね、これ原画を、たしか。
  西原 すみません、自分のもの一切管理できてないもんで......。
 勝間 原画を探して、たしか1カ月くらい遅れたんですよ、出版が(笑い)。それでも絶対、これで出したかった。
 西原 うれしいですねえ。本当はこれ、20ページくらいで書きたかった話なんですけどね。子供の熱が出て、まだちょっと調子悪いんだけど、保育園に預けなきゃいけない。子供もむずがって泣いている。お母さんは「何のために私、働いてるんだろう」、って思う。保育園代でお給料が消えちゃったりするお母さんもいるんですよ。
 勝間 ええ、ええ。
 西原 でもやっぱり、女の人は絶対働いたほうがいいと私は思ってて。保育園のお母さんたちって、もう同志なんですよ。野郎の体育会系の同志みたいになって。だから「あの人はああだこうだ」って言ってるヒマはないの。
 勝間 協力し合わないといけない。
 西原 小学校で専業主婦の方なんかと一緒になると、嫁しゅうとめ問題や人間関係で頭がいっぱいで大変なことになってる人がいるんです。人間って、そんなこと考えるヒマがないくらい、忙しくしてたほうがいいと思うんですよ。途上国に行くと、ほんと悲惨な現場に行っても、みんなけっこう笑ってるんです。悲しんでいるヒマがない。憎んでたり悲しんでたりするというのはヒマだってことだから。
 勝間 子供をしかってるヒマもないというか。
 西原 顔合わせる時間は限られてんだから、お互い調子よく行こうぜ、みたいな(笑い)。
(その2「スカートは、はかない」につづく) 

■かつま・かずよ
 1968年、東京都生まれ。経済評論家。慶応大学卒。在学中に公認会計士試験に合格。監査法人に勤めるが、ワーキングマザーとしての働きにくさから外資系企業に転職。97年から、ワーキングマザー支援サイト「ムギ畑」を主宰。その活動を評価され、2005年に米ウォールストリートジャーナル紙の「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれ、06年にはエイボン女性大賞を受賞。07年に経済評論家として独立、次々とベストセラーを生み出し、出版界に「勝間ブーム」を起こしている。18歳、14歳、9歳の娘の母。著書に『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『お金は銀行に預けるな――金融リテラシーの基本と実践』(光文社新書)、『効率が10倍アップする新・知的生産術――自分をグーグル化する方法』(ダイヤモンド社)、『勝間式「利益の方程式」――商売は粉もの屋に学べ!』(東洋経済新報社)、ほか。最新刊は『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

■さいばら・りえこ
 1964年、高知市生まれ。漫画家。武蔵野美大卒。在学中に「ちくろ幼稚園」でメジャー誌にデビュー。「恨ミシュラン」などで一躍人気を博す。1997年、「ぼくんち」で文芸春秋漫画賞、2005年、「毎日かあさん カニ母編」でメディア芸術祭漫画部門優秀賞、06年、「上京ものがたり」「毎日かあさん」で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。10歳の息子と7歳の娘の母。

 西原理恵子公式ホームページ「鳥頭の城」
 http://www.toriatama.net/
(毎日新聞 2008年6月 3日 )


 (2)「スカートは、はかない」

(3)「日本は子供に冷たい国」

(4)「『手伝う』って言うな」

(5)「ひどい会社から逃げよう」

(6)「私立ならどこでもいい病」

(7)「おばあちゃんは絶対必要」
 


8,9,10,11,・・・と対談はまだまだ続きます。


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注目の千葉県知事選、明日投開票/黄花三椏・連翹・沈丁花・匂いうちわのき

2009-03-28 17:11:59 | 花/美しいもの
明日投開票の注目の千葉県知事選。
堂本暁子知事が引退されて、次の知事に誰がなるか、だけど、
「自民の森田リード、負う吉田、とある。次は白石」。

大方の予想は、森田リードということだけど、
右よりの森田健作には当選してほしくない。
せっかく堂本さんが進めてきた改革が後退してしまうから。

 千葉知事選情勢調査 森田氏が一歩リード、吉田氏追う
2009年3月22日 朝日新聞
 
 29日に投開票される千葉県知事選で、朝日新聞社は20、21の両日、県内の有権者に電話調査し、取材で得た情報とあわせて中盤情勢を探った。俳優の森田健作氏が一歩リードし、県の第三セクター・いすみ鉄道前社長の吉田平氏が激しく追っている。関西大学教授の白石真澄氏は伸び悩み、社会福祉法人理事長の八田英之氏、元県議の西尾憲一氏は苦戦している。
 有権者の4割以上が投票態度を明らかにしておらず、終盤にかけて情勢が変わる可能性もある。態度を明らかにした人を分析すると、自民県議の約半数が支援する森田氏は、自民支持層の7割を固め、民主支持層の4割にも食い込む。知名度を生かし、無党派層の半数に浸透している。年代別では20、30代で支持が多い。主婦層では半数の支持を受ける。
 吉田氏は民主党の推薦を受けたが、民主支持層の支持は4割強にとどまる。無党派層でも森田氏に水をあけられている。年代別では60代以上の支持が厚めだ。
 自民の一部と公明が支援する白石氏は、公明支持層に支持を広げているが、自民支持層は1割強しかつかんでいない。
 同時に行った世論調査で、投票する候補者を決めるとき、「民主党の小沢代表の政治資金問題を重視するか」と聞いたところ、「重視しない」が63%で、「重視する」の29%を上回った。
     ◇
 〈調査方法〉 20、21の両日、千葉県内の有権者を対象に、コンピューターで無作為に電話番号を作る「朝日RDD」方式で千人目標の電話調査をした。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は1159人、回答率は65%。
(2009年3月22日 朝日新聞)


数ヶ月前の民主が政権をとる勢いなら、当選ラインだったと思うけれど、
終盤に来てやはり民主党の推薦を受けた吉田さんは、
小沢疑惑の影響で伸び悩みんでいるらしい。

千葉県知事選の結果によっては、小沢氏の進退に及ぶという話も出始めている。

千葉知事選、29日投票
時事通信 2009.3.28

  任期満了に伴う千葉県知事選は29日、投開票される。2期務めた堂本暁子知事が引退し、無所属5新人が立候補。西松建設の違法献金事件で秘書が起訴された小沢一郎民主党代表が続投を表明後、初の知事選で、同党推薦候補の当落は、小沢氏の進退にも影響を与える可能性がある。
 立候補しているのは、俳優で元衆院議員の森田健作氏(59)、社会福祉法人理事長の八田英之氏(64)=共産推薦=、前県議の西尾憲一氏(58)、関西大教授の白石真澄氏(50)、前いすみ鉄道社長の吉田平氏(49)=民主、社民、国民新、新党日本推薦=。 
 自民は森田、白石、吉田の3氏の間で国会議員らの支持が分かれ、自主投票。国政野党4党が推薦する吉田氏は、堂本知事から後継指名を受けた。公明県本部は白石氏を支援する。(了)
堂本暁子(どうもと・あきこ)、森田健作(もりた・けんさく)、八田英之(はった・ふさゆき)、西尾憲一(にしお・けんいち)、白石真澄(しらいし・ますみ)、吉田平(よしだ・たいら)
(時事通信 2009/03/28 )


いずれにしても、結果はあす出る。
どの候補者が当選するかで、これからの千葉の4年間が大きく分かれる。

石原東京都知事や橋元大阪府知事に考えが近い、
森田だけには知事になってほしくないけど・・・
有権者の、良識ある選択に期待したい。


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話は変わりますが、たまってしまったお花の画像。
はやくアップしないと、春が通り過ぎてしまう。

黄花三椏は、ここ数年でグンと大きくなって、存在感が増した。

放任でも三つずつに枝分かれして、丸い自然樹形に。


  

  
花は外側から開いて、最後は白くなる。


三椏の花の終わりとよく似ている、白花の沈丁花(ジンチョウゲ)。
  
よく見ると枝も三つに分かれるので、三椏の仲間です。

ヘイの間のひとり生えの連翹(レンギョウ)

今年は花をたくさんつけています。




こちらは、枝垂れれんぎょう、
  
のはずなのだけど、あまり枝垂れていません。

よい香りのする匂いうちわのき。
  
けっこうめずらしい木なのですが、レンギョウの花によく似ているので、
シロバナレンギョウとも呼ばれるそうです。

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『凡才の集団は孤高の天才に勝る』(ダイヤモンド社)/新刊紹介「今週の本棚」

2009-03-27 19:50:29 | ほん/新聞/ニュース
22日の毎日新聞の書評に、とても面白そうな本の紹介が載ったので、
京都に行ったときに、ジュンク堂でみつけて買ってきました。

今週の本棚:田中優子・評 
『凡才の集団は孤高の天才に勝る…』=キース・ソーヤー著

◇『凡才の集団は孤高の天才に勝る--「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア』
 (ダイヤモンド社・1890円)

毎日新聞 2009年3月22日

 ◇日本の伝統とも共通する創造力の秘密
 ビジネス書の書棚には近づかない方なのだが、この本の題名を見て思わず手にとった。それは私が、江戸時代の都市部で展開していた「連(れん)」というものに関心を持ち続けてきたからである。連は少人数の創造グループだ。江戸時代では浮世絵も解剖学書も落語も、このような組織から生まれた。個人の名前に帰されている様々なものも、「連」「会」「社」「座」「組」「講」「寄合」の中で練られたのである。
 私はこの創造性の秘密は、日本人固有のことではなく、人間の普遍的なありようではないのかと、常々考えていた。江戸時代では、個人が自分の業績を声高に主張しなかったので、連による創造過程があからさまに見えるのではないだろうか。コーディネイターとして人と人をつなげながら自分の能力を発揮した人こそが、日本の文化史には残っている。
 さて本書は原題を「グループ・ジーニアス」という。著者は経営コンサルタントを長く経験し、企業にイノベーション(革新)の助言をすることを仕事にしてきた。同時に心理学博士で、そしてジャズピアニストだ。この組み合わせには納得。江戸の連はジャズのコラボレーションに酷似している、と私も考えてきたからだ。そういう著者であるから、本書には即興演劇集団がどのようなプロセスで芝居を作ってゆくのか、ジャズセッションはどういう過程をたどるのか、著者自身の詳細な記録に基づいて述べられている。それと全く同次元で、ポスト・イット(付せん)がどう生まれたか、ATMやモールス信号がどのように発明されたかを書いているのが面白い。そこから見えるのは、個人の発明だと思っていたものが、実は様々な人々からの情報提供と深い意見交換を契機にしているという事実である。また個人のレベルでは十中八九失敗であるものも、最終的には画期的な発明がなされている。失敗が新しい時代につながる理由こそ、コラボレーションの力なのだ。
 江戸の連には強力なリーダーがいない。町長や村長など「長」のつく組織は明治以降のものであって、町や村もピラミッド型組織にはなっていなかった。それは短所だと言われてきた。戦争をするには、なるほど短所であろう。しかし新しいアイデアや革新を起こすには、社員全員で即興的に対応する組織の方が、はるかに大きな業績を上げている。本書はブラジルのセムコ社やアメリカのゴア社の事例を挙げ、現場のことは現場で即時対応することや、規模を小さくとどめるために分割することに注目している。それが伝統的な日本の創造過程とあまりにも似ていることに驚く。
 本書で提唱しているのはコラボレーション・ウェブ(蜘蛛(くも)の巣状の網の目)である。その基本の一つが会話だ。事例として日本の大学生の会話も収録されている。そこに見える間接的な言い回しが、可能性を引き出し創造性につながるものとされている。日本語(人)の曖昧(あいまい)さと言われるものが、実はコラボレーションの大事な要因なのだ。相手の話をじっと聞き、それを自分の考えと連ねることによって、新たな地平に導く可能性があるからだ。これは相手まかせではできない。能動的な姿勢をもっていてこそできることである。人を受け容(い)れるとは能動的な行為なのだ。
 江戸時代までの日本人は、集団的なのではなく連的であった。本書もピラミッド型集団とコラボレーションとの違いを明確に区別している。こういう本を読んで、日本のコラボレーションの伝統と力量に、今こそ注目すべきだ。(金子宣子・訳)
(毎日新聞 2009年3月22日)


で、帰ってきてすぐに読みました。

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書評を読んで、だいたい内容は予想していたのですが、
予想以上のおもしろさ。

っていうか、「KJ法」をなんどもやっているので、
「ブレーンストーミング」のよさは分かっていたのですが、
「コラボレーション・ウェブ」はわたしたちが実際に現場でやっていることに近い。


凡才の集団は孤高の天才に勝る―
「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア
(キース・ソーヤー (著), 金子 宣子 (翻訳)/ダイヤモンド社/2009/3/6)

 内容紹介
誰もが認める、ものすごく素晴らしいアイデアを生み出すこと。
多くの人が、これは限られた一部の人――天才と呼ばれる――の特権だと考えてはいないだろうか。
アイデアを出そうとして失敗するたびにいつも、
「私は普通の人、凡人だから、そんなこと考えつけるわけがない」
と思ってはいないだろうか。
本書は、そんなアイデアについての「勘違い」「思い込み」を打破してくれる、至高の一冊だ。

本書のポイントは大きく分けて二つある。
●一つ目は、グーグル・アースやeメールといった現代の偉大なイノベーションから、
ライト兄弟の飛行機、ダーウィンの進化論、トールキンの『指輪物語』、ピカソの絵画といった幅広いエピソードを用い、
これらの人々もみな誰かの助けを借りていたという事実を指摘し、
「たった一人で、すごいアイデアを生み出した人なんていないこと」を示すこと。
●もう一つは、心理学の知見を駆使し、
「ものすごいアイデアは、誰にだって生み出せること」を示すこと。
そして、鍵となるのが人と人との相互作用、コラボレーションである。
ただ、協力して生まれるアイデアは、ただ単にすごい、というわけではない。
コラボレーションを通して生まれたアイデアは、たった一人で物事に立ち向かう孤高の天才を上回るのだ。
なお、エジソン、ライト兄弟、ダーウィン、ピカソ、モネといった偉人たちの閃きの真実や、
リナックス、eメール、テレビ、マウンテンバイク、モノポリー、ティッシュといった歴史に残る発明品の誕生秘話は、
「ものすごいアイデアは一人の天才から生まれる」という「神話」が、
いかにして出来上がっていったかを知るうえで非常に興味深い。

●主な目次
第1部 凡才を天才に変えるチームの力
第1章 コラボレーションの力は天才を超える!
第2章 緊急対応がすごい結果を生むのはなぜなのか?
第3章 チームに生まれる一体感の正体をつきとめる
第4章 集団思考の罠に気をつけろ!

第2部 ものすごいアイデアが閃くメカニズムを解明する
第5章 閃きにまつわる誤解を解く
第6章 ものすごいアイデアを支える無数の閃き
第7章 おしゃべりとアイデアの素敵な関係

第3部 凡才のネットワークが天才を凌駕する
第8章 組織の壁をぶち壊せ!
第9章 コラボレーション・ウェブを形成せよ!
第10章 顧客を巻き込んで発想せよ!
第11章 コラボレーション経済圏を創出するために


これからのネットワーク作りやクリエイティブな発想に使えそう!

ナットクのおもしろさです。

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満開のモクレンに感動/一夜明けて・・・霜にやられた

2009-03-26 20:24:02 | 花/美しいもの
昨日が締め切りの月刊誌のインタビュー原稿、
一日のびて、今日のブログを書く前にやっと終わりました。

毎日少しずつ開く様子を楽しみにしていた庭のマグノリアたち、
昨日は満開のハクモクレンに感動!


夕日に映えるハクモクレン。
とってもきれいです。






コブシの花は、ひときわ白く輝くように、透き通るような白。


  

東を見ると、シデコブシとサラサモクレンも満開です。


サラサモクレン










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一夜明けて、
今朝は冬に戻ったような冷え込みで、外を見たら、
心配したとおり、真っ白なハクモクレンが少し茶色になっていました。

きのう    きょう
 

 

サラサモクレンも低温障害を受けています。
 

やっぱり昨日がピークだったようです。

ちょっとショックですが、一夜にして真っ黒、
ということにならなくてよかったです。

今年はもくれんからすこし遅れて、
矢口桃やしだれ源平花桃も咲き始めています。


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「政治とカネ」捜査も自浄も望み薄~閉そくする政局/第三極を考えてみる時期/西松建設献金事件

2009-03-25 15:39:25 | 市民運動/市民自治/政治
春が駆け足でやってきて、お花の記事が続くなか、
とつぜんですが、堅い政治のお話です。

昨日、西松建設献金事件でゆれる民主党の小沢一郎代表が、
第一秘書の起訴を受けて、代表続投の意志を記者会見で発表した。

ちまたでは、イチローの話題のほうが沸騰しているけれど、
小沢一郎の記者会見のほうを紹介します。

 西松建設献金事件:小沢・民主代表続投 小沢代表の会見要旨 
毎日新聞 2009年3月25日

 小沢一郎民主党代表の24日夜の記者会見の要旨は次の通り。
 <冒頭発言>
 皆様に心配と迷惑をかけたことを心からおわび申し上げる。3日に秘書が逮捕されて以来、私自身が犯罪を犯したような印象を与える中、皆さんの激励がなかったら耐えることはできなかった。大勢の方々の「負けるな」「頑張れ」という声に励まされてきた。心から感謝を申し上げる。
 機会あるたびに申し上げてきたが、私自身が収賄等犯罪に手を染めていたということならば、どのような捜査でも、どのような処罰でも甘んじて受ける。しかし、自分にはそういう事実はないということを繰り返し申し上げてきた。しかし、秘書が結果として逮捕され、起訴された。このことについての自分の責任は非常に大きい。
 起訴の理由を聞くと、収支報告書の記載の仕方についての問題とされている。献金を受けた事実は報告しており、献金の相手方をそのまま記載するのが法の趣旨であると理解しており、認識の差が起訴という事実になったと思う。
 過去の例を見てもこの種の問題で強制捜査という事例は記憶にない。私としては合点がいかない。特に総選挙を秒読みの段階に控えている今日であり、私の責任の重大さを感じると同時に、納得できないという思いだ。
 代表の地位、あるいは政権を取って総理うんぬんというたぐいのことに何の未練も執着もない。思いは日本に議会制民主主義を定着させる。それが自民党を離党して以来の大目標で、これが最後の機会。官僚機構の上に立った自公政権を覆し、国民主導の、国民の側に立った政治を実現させる。それが私の最後の政治家としての仕事だと思っている。
 理解をいただき、この目的を一緒に力を合わせて今後も頑張っていきたいという趣旨の話を役員会、常任幹事会で行った。自分の、民主党の、国民の皆さんの期待に応えるよう今後も頑張ってまいりたいと決意を新たにしたところだ。

 <質疑>
 --続投が民主党にプラスになると判断したのか。
 小沢氏 私の目標、政治家としての夢は、日本に本当の議会制民主主義を定着させること。本格的な政権交代を定着させることで、主権者の皆さんの議会制民主主義への理解を深めることができる。総選挙勝利ということを前提に何事も考えていきたいと思う。私が代表を続けることがプラスかマイナスか、私に判断することはできない。すべて国民の皆さんの受け取り方次第だと思っている。

 --総選挙に勝利した場合、首相に就任する考えはあるか。
 小沢氏 私が代表として民主党が過半数をいただいた時は、その責任を果たすのは当然だと思っている。私たちの戦い、選挙戦の相手は検察ではない。検察は検察の職責を果たしたということだろうと思うが、対決するのは自公政権だ。

 --代議士会で批判意見も出た。
 小沢氏 そういう意見もあると思う。したがって、自分一人で続けていくということを決めるには大きな問題であると思い、幹事長にお願いし、党の機関の皆さんの意見や判断をいただき、一緒に頑張っていこうという結論になった。

 --会見中に涙ぐんでいたが、理由は。
 小沢氏 つらかったからというわけではない。本当に多くの励ましの言葉をいただき、そのことを申し上げる時に胸が詰まって不覚の涙ということだ。

 --辞任を考えたことはあるのか。
 小沢氏 辞任しなければならないというふうに考えたことはない。ただ、結果として起訴ということになり、皆さんのご判断をいただいた。

【関連記事】
違法献金:小沢代表の大久保秘書ら起訴 東京地検  
小沢代表:「剛腕」捨て去り涙 公設秘書起訴受け会見
 
(毎日新聞 2009年3月25日)


この継投会見を受けて、賛否両論が巻き起こっているが、
ほんとのところはどうなのか、わたしにもよく分からない。

とはいえ、政治家には「政治とカネ」の黒いウワサがつきもの、
だれでもやっている、という見方には、市民派であるわたしは同意できない。

小沢氏続投表明 地元の意見二分 
朝日新聞 2009年03月25日

 「日本に議会制民主主義を定着させるため、今後も政権交代を目指す」。西松建設の違法献金事件で公設第1秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載など)の罪で起訴された小沢一郎・民主党代表(衆院岩手4区)が24日、党代表の続投を表明した。政権奪取を目標に掲げる小沢氏が正面突破を図ったかたちだ。党関係者らに安堵(あんど)が広がる一方、「政治とカネ」のあり方に厳しい視線を向ける有権者は多い。
    ◇
 24日午後9時半すぎ。奥州市水沢区の居酒屋「山歩」店主の千倉一朗さん(66)は、小沢氏が涙を浮かべながら民主党の代表続投を表明した記者会見の生中継を、腕組みして見入った。小沢氏の小、中学時代の同級生という千倉さんは「潔いところがあるから、すぱっと辞めてしまうのではと心配していた。ほっとしました。今、首相の器があるのは小沢だけでしょう。支持者みんなで支えたい」。
 支持者からは小沢氏をかばう声が相次いだ。
 同市江刺区の後援会幹部の男性(67)は、一連の捜査に不信感を募らせる。「同じ献金をもらった自民党側は潔白だと言うのか。小沢が打ちひしがれるほど、逆に票は伸
ばす。小沢をここまで育てた後援会の意地だ」と強気だ。
 小沢一郎後援会連合会の伊藤久雄会長は「これからも支援は変わらない。最後まで支える。後援会の人たちにも大丈夫と言っている」。
 一方、義弟が小沢氏と中学の同級生だという同区の無職男性(74)は「小沢さんが代表を辞めなければ、古い自民党の体質と同じ。このままでは民主党は選挙に勝てない。もし秘書の有罪が確定すれば、議員も辞めるべきだ」と言う。
 北上市に住む詩人の斎藤彰吾さん(76)は「今回の事件で政治資金規正法に抜け穴が多いことが明らかになった。だから、小沢さんは企業献金の全廃など、めざす政治改革を前進させて」と注文をつけた。
 小沢代表の秘書の起訴をテレビのニュースを見て知ったという建設会社長は「遅かれ早かれやめないといけない。説明責任を果たしていない。次の選挙ではイメージダウンになる。党のためにも早く辞任した方がいいと思う」と心配する。
 次期総選挙で岩手4区から立候補予定の小沢氏の元秘書、高橋嘉信氏は「小沢先生、あなたは間違っている」とコメントした。
    ◇
 小沢代表の元秘書でもある民主党県連の佐々木順一幹事長は24日、大久保秘書の起訴をテレビの速報ニュースで知った。「(大久保秘書は)容疑を否認しているとのことだ。起訴は残念だが、公判の審理の中で事実関係が明らかになると思うので、当面は見守りたい」と話す。
 起訴が次期衆院選に与える影響は「今の段階では測りかねる」。一方で、小沢代表については「岩手4区で公認申請しているので、県連としては出馬を前提に取り組んできた。その考えに変わりはない」とした。さらに、「代表続投の件も今は否定することはない。今の段階では、そのまま継続してもらいたい」と述べるにとどめた。
 達増知事はこの日夕、起訴を受けて報道陣に「ここは総理になれるように小沢代表に頑張っていただきたい」と語った。総選挙に言及し「本当の改革が日本に実現していくかどうかは、今後、真実が明らかになって、国民がしっかりした判断を下していくかによる」と述べた。
 自民党県連の千葉伝幹事長は「あれだけ多額の献金を受けていたのだから、小沢代表は受け取った献金の使い道を国民に明らかにするべきだ。『一切関知しない』では済まない」と批判した。
 自民と連立する公明党の小野寺好・県本部代表は、投票率の低下を懸念する。「政治と金の問題をきちっと監視していかなければ、有権者の政治離れにつながるおそれがある。今後の推移を注視していきたい」とした。
 「細川政権時代の政治改革の中心にいたのが小沢氏だっただけに、残念だ」。社民党県連合の伊沢昌弘幹事長はこう話す。
 企業や団体からの献金に制限を加える改正政治資金規正法が成立した当時、小沢代表は細川政権の中枢を占める新生党の代表幹事だった。その小沢氏の秘書が起訴されたことについて「容疑の軽重が問題なのではない。政治とカネについては一点の曇りもあってはならない。国民の政治不信を一掃する説明責任こそが問われている」と批判した。
 共産党県委員会の菅原則勝委員長は「民主党は自浄能力を発揮してカネの流れの全容を解明すべきだ」と注文。同時に「西松建設からは自民党にもカネがいっている。自民党も(カネの流れを)明らかにすべきだ」と求めた。
朝日新聞 2009年03月25日


政治とカネの問題をクリアにするのは、政治家の基本のきだけど、
この問題で政党や政治に不信感を持つ市民が多くなるのを心配している。

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この問題に関しては、東北にある河北新報が社説など、
とてもよい記事を精力的に発信しているので紹介したい。

今日の河北新報の社説「小沢代表秘書起訴/捜査も自浄も望み薄では」。


【社説】小沢代表秘書起訴/捜査も自浄も望み薄では 
河北新報 2009年03月25日

 捜査の新たな展開は結局、何もなかった。雇い主も管理監督責任を引き受けることなく、職にとどまることになった。
 この落胆は、どこから来るのだろう? 目覚ましい変化は起きなかったという、ただそれだけの失望感のせいではない。
 「政治とカネ」の厄介な課題が相も変わらずに、うっとうしく横たわっているからである。
 東京地検特捜部という組織の強制力にも、まして政治の側の自浄力にも、解決の望みを今、託し得ないのだという現実を見せつけられたからである。
 西松建設の巨額献金事件で東京地検はきのう、政治資金規正法違反の罪で小沢一郎民主党代表の公設第一秘書を起訴した。不当捜査だと検察批判を展開してきた小沢代表はなお代表の座にとどまり、政権交代を目指す姿勢をあらためて明確にした。
 今後の公判で対立は一層激しくなるだろう。しかし、問いただしたい疑問が幾つも付きまとうという点は、双方に共通している。
 「特定の建設業者から長年にわたり金銭の提供を受け、見過ごすことのできない重大、悪質な事案」。起訴を発表した会見で地検はそう言った。
 重大さ、悪質性の立証は法廷に委ねられるとして、では、ほかの事案に比べてどこがどう違うのか。この説明だけでは、よくのみ込めない。
 西松からの政治献金を受け取った政治家は、二階俊博経済産業相ら与野党問わずほかにもいる。強制捜査の対象になぜ、小沢代表の秘書だけが絞り込まれたのか。
 言い換えれば、小沢代表側への現金授受以外は現行法で容認されるものなのかどうか。民主党内からの「国策捜査」批判はいったん別にするとしても、違法性の線引きは不透明なまま残されてしまった。
 政界捜査にほとんど唯一の実績を残してきた組織にしては、捜査対象の側からの批判、攻撃に対する警戒が足りなすぎたのではないか。
 政治の自浄力への不信が、捜査への過度な期待となって膨らんでしまうのは健全な社会現象でないことは確かである。それにしても、今回の捜査の結末は物足りない印象をぬぐえない。きのう、多くの人がそう感じたのではないか。
 政治資金規正法は、政治家の醜聞の歴史とほぼ一体となって改正を重ねてきた。そしてその都度、抜け道があると指摘されてきた。立法府が自らの手をしばる法をつくれるわけがない。有権者の不信は根強い。
 小沢代表は秘書逮捕後に、企業献金を全面禁止するべきだとの考えを表明した。民主党内で岡田克也副代表を中心に改正案の検討が始まっている。
 しかし、政治とカネの問題で自民党よりも一歩先んじた姿勢を打ち出そうとはしても、小沢代表の影響力から離れた独自の動きにはとても見えない。
 カネにまつわる悪弊一掃の課題に、小沢代表の下で民主党はどう取り組んでいくのか。しっかり見つめたい。
(河北新報 2009年03月25日) 


自民/民主の二大政党制、民主への政権交代への期待感が強まるなか
その他もろもろの存在は消されていたけれど、
河北新報は3月20日の社説で、すでに「第三極を」との対案を提案している。


【社説】閉そくする政局/第三極を考えてみる時期だ
河北新報 2009年03月20日

 追加経済対策のための2009年度補正予算案編成が大事なので「5、6月の衆院解散と言える状況ではない」というのが麻生太郎首相の現状認識だ。
 「こうなったら9月の衆院任期満了まで行けばいい」(森喜朗元首相)。西松建設の献金事件で揺れる民主党の足元を見透かすように、こんな空気が自民党内でじわりと広がってきた。
 西松と自民党側の関係も取りざたされているが、風当たりが強いのは小沢一郎代表の公設秘書が逮捕された民主党の方。
 こんな情勢判断もあるのだろうか。麻生首相は「解散政局」の主導権をようやく取り戻したと思っているのかもしれない。
 仮にそうだとしても、国民の支持率が極めて低い内閣の弱々しい政治主導に未曾有の国家的危機を突破していく力を期待する世論はそう多くはあるまい。
 今、解散・総選挙が行われれば、自民党と民主党の「負け比べ」にならざるを得ない。マイナスイメージの小さい側が勝者となり、圧倒的な支持の裏付けがなくても政権を担当できる。
 「政治はゲーム」などと言える余裕のない時代だ。国民の投票行動が政治の収縮に動員されかねないなら現局面は危うい。
 自民党への不満と政権取りを約束した民主党への不安が増殖している現状は、自民党的でも民主党的でもない政治の第三極の登場を求めることになろう。
 1996年に衆院に導入された小選挙区制は「二大政党が政策論争を通じて政権交代できる制度」という触れ込みだった。
 政策論争が活発化したとは言えないが、自民、民主両党の二大政党化は実現した。実現はしたのだが、二大政党化は小選挙区制という仕掛けを通して作られた「半人工的な政治状況」との見方がないわけではない。
 第三極待望論はこうした二大政党化に疑問を呈するものだ。
 第三極といっても、自民、民主両党より格段に所帯が小さい共産、社民、国民新の各党が単独で極になるには困難が伴う。
 党や派閥を超え政治の現状を変えたい勢力が集まったり、再編で生まれる新党と既成政党が政策的結合を重ねたりして第三極づくりを目指せないものか。
 第三極の政治勢力に求めたい一つは、眼前の不況に限らず、既に突入した人口減少社会に適応できる国の形を示すことだ。
 そのためには伝統的な政策手法や税財政政策などにおいて根本的な路線転換が必要になる。
 オバマ政権の誕生を機に米国の覇権主義に追随してきた外交路線を転換することが二つ目。
 そして三つ目は、西松献金事件のように「政治とカネ」にまつわる温床を完全に排除し、高い政治モラルを掲げることだ。
 戦後政治はGHQ(連合国軍総司令部)の関与があったとはいえ、軍国主義を除く多様な政治思想を認めてスタートした。その多様性は自民、社会両党の「55年体制」から自民、民主両党の二大政党化に収束し壁にぶつかった。
 政治の多様化が国民の政治参加の幅を広げて問題解決を目指すと言えるのなら、第三極づくりはその入り口にならないか。
(河北新報 2009年03月20日) 



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六角堂御幸桜が咲いていました・京都でお花見

2009-03-24 08:36:34 | 花/美しいもの
京都での夕方からの会議まで時間があったので、
四条烏丸付近を2時間ほど散策。

道案内にひかれて、六角堂に行ってみたら、

なんと、もう桜が咲いています。



白っぽい一重の枝垂れ桜で、紙細工のように繊細な花なので、
造花かなぁといっしゅん思ったのですが(笑)、本物の桜です。



説明を読むと、「六角堂御幸桜」という早咲きのしだれ桜で、
花山法皇が六角堂への御幸をした時花山院前内大臣(さきのないだいじん)が
「世をいのる春の始めの法なれば 君か御幸のあとはありけり」
という歌を詠んだことから、名前が付けられたそうです。



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ところどころにピンクの花が混じっています。

この桜は、咲き始めは白っぽく、だんだん桜色に変化するそうです。

京都にいち早く、春を告げるという六角堂御幸桜。


錦市場へ行こうと南に下ったら、
「ウイングス京都(女性センター)」の横の公園に、
ソメイヨシノが咲いていました。


何年かぶりの京都で、お花見ができて幸運です。


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ツクシなんのこスギナのこ/おめめクリクリ猫目草

2009-03-23 11:40:11 | 有機農業/野菜&ハーブ
ひよこを育てている倉庫の南に、
稲を育苗するハウスがあり、シデコブシを撮るために中を通った。



5月にモミをまくまでは放置してあるのだけど、
毎年ここにはネコノメソウが群生している。

今年も足元にネコノメソウがびっしり。

曇りの日でも明るい黄緑色の葉と、そのなかに黄色い花が咲く。
  
花が終わると、ちっちゃな種ができて、
これが猫の目の形に似ているから、ネコノメソウ。


種が多いと、クリクリしてる猫の目もあります。

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猫の目草を撮ろうと近づくと、なんとツクシもびっしり。

子どものころを思い出して、夢中で土筆とり。 

あっという間に、一束取れました。


すぐにハカマをとって、懐かしいツクシの卵とじ。



夕ご飯の一品になりました。

翌日もまた生えてきたので、こんどはツクシとお揚げの炒め煮。


食事の前にキャベツを食べるとダイエットによいとのことで、
畑からキャベツをとってきて、菜花のおひたしも追加。
  
春の味が勢ぞろいです。

今日はこれから京都に行きます。

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ひよこも大きくなりました~今日で20日目です。

2009-03-22 11:34:52 | ひよこ育て/自然卵養鶏
今朝は朝から雨。
咲いた花が散ってしまうのは心配だけど、
野菜や草花にとっては、めぐみとなる春の雨です。

ここ数日、あたたかい日が続き、
寒さに弱いひよこたちも元気に飛び回っています。

 14日目のひよこ

ひよこも生まれてから2週間。
少しあたたかくなってきたので、ビニールの覆いをはずし、
猫よけのネットだけになりました。


  
水もエサ箱も、部屋の外に出しました。

小さくて弱かった数羽が死んでしまったようですが、
はじめての育すうにしては、試行錯誤しながら順調に育っています。
羽が生えてきたのが見えるでしょう。

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 17日目のひよこ
床がフンで汚れるのと、成長にばらつきが出てくるので、
ときどき、こうしてひよこの大きさをそろえて、部屋を変えてやります。


新しい床に替えると、すぐに気持ちよさそうに寝そべります。


Mくんがエサをやりはじめるとかけよってきます。


並んでエサを食べるひよこたち。


  

くちばしをつけて水をすくい
うえを向いて水を飲む様がかわいいです。

今朝(20日目)のひよこ

蛍光灯を明るくしたので、
ひよこを育てている育すう箱が外からでもよく見えます。

ネットを開けたら、警戒して棒立ちに。
 

 

静かにそっと見ていたら、安心してエサを食べ始めました。
 

倉庫の中はこんな感じです。

ではまた。

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