昨日の記事の最後に書きましたが、
当選した森田健作氏は、自民党との関係でこんな疑惑も出ています。
森田健作氏:自民党支部献金の一部を自身の団体に寄付 毎日新聞 2009年3月30日 千葉県知事選で政党色を出さない選挙運動で初当選した森田健作氏が、自民党の政党支部「自民党東京都衆院選挙区第2支部」の代表を現在も務め、この支部が受けた企業献金の一部を森田氏の資金管理団体に寄付していたことが分かった。森田氏は「選挙資金には使っていない」と述べた。 都選管に提出された07年分の政治資金収支報告書によると、代表は「鈴木栄治」(森田氏の本名)で、所在地は中央区京橋2の森田氏の東京の事務所にある。同支部は07年、都内や千葉県内の企業・団体から1852万円の献金を受け、その一部1168万円を森田氏の資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。 森田氏は「(知事選に)無所属で出ると決めた途端にすべて(支部の活動を)停止した」と釈明した。【神足俊輔】 毎日新聞 2009年3月30日 |
「完全無所属」実は「自民支部長」…千葉知事当選の森田氏 2009年3月30日 読売新聞 千葉県知事選で100万票余を獲得して初当選した元衆院議員の森田健作氏(59)が、現在も東京都の自民党支部長を務めていたことがわかった。 森田氏は、政党と距離を置く「完全無所属」をアピールして無党派層の支持を集めており、一夜明けた30日の記者会見で「近く支部を解散したい」との考えを明らかにした。 森田氏が支部長を務めるのは、自民党東京都衆議院選挙区第2支部(東京都中央区)。森田氏が参院議員だった1995年1月に設立された。衆院議員に転じた森田氏が2003年10月に辞めた後も、支部は存続している。 収支報告書によると、支部長の登録は本名の「鈴木栄治」。04~07年には計1億6185万円の企業・団体献金を受け、同時期に計1億5030万円を、同支部と同じ事務所で、森田氏が代表を務める資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していた。使途については、「知事選には使っていない。知事選に無所属での出馬を決意する前に、自民党候補の応援などのために使った」と釈明した。 (2009年3月30日14時20分 読売新聞) |
森田健作さん、カネの面では「自民党」では?
(広島瀬戸内新聞ニュース09.3.22)
この「広島瀬戸内新聞ニュース」によると、
自由民主党東京都衆議院選挙区第二支部」から、11644000円を寄付してもらっています。
これは、同団体の当該年度の収入の19578237円の約6割です。
住所は東京都中央区京橋2−9−11
代表は鈴木栄治
で資金管理団体「森田健作政経懇話会」とまったく同一のようです。
さらに、2006年について調べてみました。
19321078円の当該年収入のうち、自民党東京都衆議院選挙区第二支部からのものが、14204313円と、7割以上を占めています。
さらに、2005年。森田さんが前回千葉県知事選で大善戦した年です。
86581422円の当該年収入のうち、自民党同支部からの寄付が、80571420円。なんと9割以上です。」ということです。
森田健作氏は、プロフィールに「平成13年 自由民主党復党」と書いていて、
平成14年には「自由民主党 情報調査局長」もやっています。
その後の政治資金の届出の流れから見ると、その後も「自民党」だったはず。
「完全無党派(無所属)」といいながら、実は「自民党支部長」だったとは!
うそをついて、知事に当選したということになります。
選挙:千葉県知事選 無党派45%森田氏に--出口調査 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 政治> 毎日新聞 2009年3月30日 毎日新聞とTBSテレビが29日投開票の千葉県知事選で実施した出口調査によると、「支持政党なし」と答えた無党派層のうち45%が元衆院議員の森田健作氏(59)に投票したと回答した。民主党などが推薦したいすみ鉄道前社長の吉田平氏(49)に投票との答えは24%にとどまった。森田氏は自民党の推薦を得ておらず、「政党隠し」選挙が一定の成果を上げたと言える。民主支持層の票は吉田氏以外にも分散したとみられ、同党が支持基盤を固め切れなかったことをうかがわせた。 自民支持層は69%が森田氏に投票したと回答した。関西大教授の白石真澄氏(50)との答えは13%にとどまり、保守分裂の影響は少なかったようだ。公明支持層は75%が白石氏を挙げたが、森田氏との回答も20%あった。これに対し、民主支持層で吉田氏と答えたのは60%。森田氏との回答が28%を占め、白石氏にも票が流れた。吉田氏を推薦した社民党の支持層も吉田氏と答えたのは6割弱だった。 出口調査では、次期衆院選での比例代表の投票先と、与野党どちらに勝ってほしいかもあわせて聞いた。 「もし今、衆院選が行われたら、比例代表ではどの政党に投票するか」との質問では、「民主」(35%)との回答が「自民」(29%)を6ポイント上回った。ただ、無党派層に限ると「自民」8%、「民主」24%に対し、「決めていない」が60%を占め、なお流動的だった。 勝ってほしい枠組みは、「民主党を中心とする野党」との答えが50%で、「自民党を中心とする与党」の41%より9ポイント多かった。無党派層では「野党」59%、「与党」32%と、より差が広がった。 また、野党の勝利を期待する層でも32%は森田氏(「吉田氏」は44%)に投票したと答えており、森田氏の勝利が次期衆院選で与党の弾みになるとは必ずしも言い切れない面も残っている。 出口調査は千葉県内の投票所40カ所で2579人を対象に実施した。【中田卓二】 毎日新聞 2009年3月30日 |
無党派層の45パーセントもの人が森田氏に投票したとのことですから、
「完全無所属」は、完全に有権者をだましていますね。
昨日の毎日新聞や読売新聞では、カネの流れの問題で追求されていますが、
別の角度から見れば、問題はもっとおおきいのです。
「候補者は有権者にうそをついて当選してはいけません」という
法律があります。
それが公職選挙法です。
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公職選挙法は違反者には厳しい法律なので、もし虚偽の事項を公にしたのなら、
公選法235条違反で、有罪が確定すれば、251条で当選は無効になります。
公職選挙法 (虚偽事項の公表罪)第235条 当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処する。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (当選人の選挙犯罪による当選無効)第251条 当選人がその選挙に関しこの章に掲げる罪(第235条の6、第236条の2、第245条、第246条第2号から第9号まで、第248条、第249条の2第3項から第5項まで及び第7項、第249条の3、第249条の4、第249条の5第1項及び第3項、第252条の2、第252条の3並びに第253条の罪を除く。)を犯し刑に処せられたときは、その当選人の当選は、無効とする。 |
森田氏は「届出は無所属」で「自民党の推薦はなし」だと思いますから、
前段の「その者の政党その他の団体への所属」
の部分が虚偽なら、235条違反になると思います。
この235条違反関連では、1992年の衆議院議員選挙のときの、
タレントの新間正次事件(愛知)が有名です。
当選直後に「虚偽事項の公表(経歴詐称)」をスクープされ、
在宅起訴されて、有罪が確定し失職しました。
ニュース六法 ニュースから見る法律
(三木秀夫法律事務所)公職選挙法の虚偽事項公表罪
名古屋高裁判決は、公職選挙法235条1項について、「選挙人が誰に投票すべきかを公正に判断し得るためには、候補者について正しい判断資料が提供されることが必要」との趣旨に出ているから、ここでいう経歴とは「候補者が過去に経験した事項であって、選挙人の投票に関する公正な判断に影響を及ぼす可能性のあるものをいう」とした上で、Sの演説内容は、「極めて異例の経験であり、高い社会的評価を受ける候補者の行動歴、体験というべきもので、福祉政策の重視を訴える候補者であるSの実績、能力などを有権者に強く印象づけるものであり、選挙人の公正な判断に影響を及ぼす可能性がある」から、右経歴に該当する旨判示し、最高裁はその判断を是認した。
新間事件の判決では、演説の虚偽も235条1項違反と認定されましたが、
選挙公報や候補者の政策ビラなどの文書に虚偽事実が記載されていれば、
動かぬ証拠となります。
いくらこれから「支部を解散したい」と言っても、
「公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者」が該当ですから、
立候補時点で「自民党支部長」ならアウトでしょう。
それに森田氏は落選中の4年間も政治活動をしていた「候補者等」ですし、
公選法は、時効がありませんから4年前にさかのぼって追求されるべき。
カネが動いていたのですから「支部の活動は停止していた」というのは言い逃れ。
「自民党支部長」が「自民党員」であるのは当然でしょう。
かりに、知事選で表向き「党籍」を離れて「無所属」になっていたとしたら、
「無所属」のほうが偽装で、カネは自民党から出ていたということになります。
公選法は「候補者の意図するところを問う」法律ですから、
実態としての「党籍詐称(隠し)」となり、もっと悪質です。
森田健作氏は元国会議員ですし、「公職の候補者になろうとする者」が、
公職選挙法や政治資金規正法をしらなかった、なんて言い訳は通りませんが、
あとがないので勝つためにはなりふり構わず、だったようですから、
たたけば、もっとホコリが出てくるかもしれません。
まさか警察は、民主党の小沢一郎の秘書は偽装献金で立件し、
隠れ自民党の森田健作本人の疑惑には見てみぬ振り、
なーんてことはないでしょうね。
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