みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

堺市立図書館の5706冊の「特定(BL)図書排除リスト」一挙公開!/著者別、出版社別でも分類・整理

2008-11-30 07:26:30 | 「ジェンダー図書排除」事件
7月に堺市の図書館の特定図書を排除せよ、という匿名メールを発端に
堺市・図書排除事件がおきてから、から約4ヶ月。

図書館側の「青少年への提供はしない」という決定は見直されたようですが、
「BL本は閉架へ」「今後は収集・保存しない」という措置はそのままです。

「図書館から特定の本を排除し、処分を要求した」というのは、
言語道断ですが、もうひとつ、当初からのわたしの疑問。
堺市図書館はなぜこんなたくさんの本を「BL」だと特定したのか?
「BL」っていったいなに? 
「BL」は利用者の目に触れないところに隠さないといけないものなの? 
と、知れば知るほど疑問は次々に増えるばかり。

わたしがこの問題を知ったのは7月で、その後、
匿名者が書き込んでいると思われる「フェミナチを監視する掲示板」を監視していたら、
堺市HPの「市民の声Q&A」がアップされていることに気づいたのが9月8日。
すぐ(8日)に堺市に対して、原告団14人で情報公開請求をして、
図書リスト、図書館運営のルールなどの公文書を取りました。

図書リストは、非公開にする理由は何もないので、
ほどなく、約1000枚の紙版と電磁的エクセルデータ(FD)として、
わたしの手元に届きました。
リストは、堺市HPにアップするためにカウントした5499冊(8/21)と、
それを整理した5706冊(9/11)の2種類あります。

今回の問題は、5499冊(5706冊)という特定図書の冊数の多さゆえに
その後、マスコミやネットで議論され、話題が大きくなりました。

わたしたちは、この2か月間ほど、監査請求や申し入れをしてきたのですが、
堺市から回答も届き、事件の事実関係や全貌が明らかになってきたので、
平行して、図書リストを詳しい人にをお送りして見てもらっていました。

で、そのリストの分類/整理がすすんできて、
堺市の図書館の作った「生データ」=著作ごとに各種の情報が記載されている、
それを検索・ソートして「分類したデータ」、「印刷用のPDF版」が届きました。

作成者の許可を得て、以下に公開しますので、
関心のある方はごらんになってください。

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警告!! 生リストは、とても重たいデータなので、
あけるときはご注意を!。


5498冊の堺市の公開データ(8.21HP時点/エクセル1790KB)

5706冊の堺市の公開デー(9.11請求時点/エクセル1816KB)

以下は、情報公開で入手したエクセルデータを、
研究者の熱田敬子さんが中間的に整理されたデータです。

煩雑かつ面倒な作業をありがとうございます。

最後に、9.11図書データを堺市図書館の蔵書のデータと付き合わせた
「排除候補指定率(%)」のデータまであります。
この排除候補指定率などをみれば、いかに図書が、
ランダム、無節操、不統一な方向で選別されたかがうかがえます。

整理の方法の追記として、
「堺市の蔵書数は内容に関係なく著者名で検索した」
「同姓同名作家の存在には一部を除き対応していない」
「正確さより概観できることを優先したデータである」
「処理上、総冊数や%などに幾分のずれが出る」
「排除候補指定率が100%を超えている作家については、
9月11日から蔵書数が減ったか、検索方法が違っていてでてこない可能性あり」
「ただし、堺市の蔵書数は著者名で端から中身をほとんどみずに検索をかけたので、
同姓同名作家の存在は、一部を除きフォローできていない」とのことです。

以下の整理データを見て、なにか気づいたことがありましたら、
みどりmidori@ccy.ne.jpまで、情報をお寄せください。

ここからは軽いです↓
●排除候補のリスト(9.11分)のデータを組み替えたファイル(エクセル102KB)

●図書館所蔵数のうちの排除リストに載せられた著者・作者別の冊数
  著者別の排除候補の冊数の一覧表 印刷用PDF版4ページ 155KB

人気の著者、有名な著者もあるらしい。
約600人中、排除リスト掲載の冊数の多い方の20人を紹介。

 作 者     冊数
ふゆの仁子     89
鹿住槙       84
あさぎり夕     82
火崎勇       79
剛しいら      79
きたざわ尋子    76
秋月こお      72
水島忍       70
南原兼       70
池戸裕子      69
斑鳩サハラ     60
五百香ノエル    58
松岡なつき     56
水上ルイ       55
高円寺葵子     52
遠野春日      51
雅桃子       50
真船るのあ     47
大槻はぢめ     46
和泉桂46/由比まき 45/神奈木智44/水無月さらら44/バーバラ片桐43/水壬楓子43/たけうちりうと42/榊花月42/若月京子42/日向唯稀41/夜月桔梗41/井村仁美40/桧原まり子40/さいきなおこ39/榎田尤利39/崎谷はるひ38/川原つばさ37/岡野麻里安36/吉原理恵子36/高岡ミズミ36/水戸泉36/伊郷ルウ35/菅野彰35/仙道はるか35/吉田珠姫34/愁堂れな34/春原いずみ34/月上ひなこ33/高月まつり33/高坂結城32/谷崎泉32/ごとうしのぶ31/月夜の珈琲館31/桜木知沙子31/樹生かなめ30/須和雪里30/小林蒼29/水月真兎29/冬城蒼生29/麻生玲子29/久能千明28/桃さくら28/花衣沙久羅26/ひちわゆか25/佐々木禎子25/森本あき25/有馬さつき25/うえだ真由24/金沢有倖24/神崎春子24/山藍紫姫子23/染井吉乃23/綺月陣23/四谷シモーヌ22/藤村裕香22/妃川蛍22/鈴木あみ22/S・稔也21/磯崎なお21/御木宏美21/天花寺悠21/白城るた21/松岡裕太20/藤堂夏央20/かわいゆみこ19/岩本薫19/月村奎19/新田一実19/姫野百合19/菜槻さあり19/くりこ姫18/江上冴子18/七海花音18/速川ほなみ18/徳田央生18/峰桐皇18/魔鬼砂夜花18/ゆらひかる17/栗本薫17/緒方志乃17/小川いら17/前田栄17/藤原万璃子17/六堂葉月17/椹野道流17/篁釉以子17/雨城まさみ16/芹生/坂井朱生16/青池周16/猫島瞳子16/望月広海16/結城惺15/高崎ともや15/名倉和希15/葉澄梢子15

著者別の図書館蔵書の冊数に対する排除候補とされた冊数の割合 
印刷用PDF版10ページ 149KB


●出版社別の排除リストに載った約5500冊中の冊数 
出版年や出版社別の冊数、グラフつき 印刷用PDF版6ページ 103KB
集計=排除リストに載った約5500冊中の冊数
(出版社)    (集計)
角川書店         526
白泉社          514
リーフ出版        457
オークラ出版       351
ビブロス(青磁ビブロス)  346
講談社          327
桜桃書房         318
徳間書店         295
心交社          251
小学館          216
集英社          215
プランタン出版      209
ハイランド        193
二見書房         182
茜新社          161
ムービック        155
新書館          137
大洋図書          107
ワニブックス        97
幻冬舎コミックス      91
雄飛            87
光風社出版         49
イースト・プレス      38
芳文社           38
フロム出版         31
マガジン・マガジン     27
ヒカリコーポレーション   24
ソニー・マガジンズ     23
勁文社           22
笠倉出版社         19
コアマガジン        18
フロンティアワークス    17
コスミックインターナショナル16
スコラ           16
成美堂出版         15
竹書房           14
M企画/祭り囃子編集部   13
イー・コネクション     11
リーフ           10
白夜書房           8
サニー出版          7
ベストセラーズ        7
学研             7
パラダイム          6
風林館            5
エム・ウェーブ        4
フォー・シーズン       4
ミリオン出出版        4
ワンツーマガジン社      3
エニックス          2
立風書房           2
イーグルパブリシング     1
エンターブレイン       1
コアラブックス        1
ジェーシー出版        1
ソフトバンククリエイティブ  1
マイクロマガジン社      1
まんだらけ出版部       1
ワニマガジン社        1
創現社出版          1
双葉社            1
冬水社            1
総計           5706
    リーフ出版堺市所蔵497  堺市所蔵ビブロス286,青磁ビブロス92

●図書館所蔵数のうちの排除リストに載せられたノベルズ別の冊数
(ノベルズ別の冊数 印刷用PDF版3ページ103KB


集計=排除リストに載った約5500冊中の冊数
所蔵=堺市・当該作家書籍所蔵数(11月20日時点)
排除候補指定率(%)=
排除リストに載った数÷堺市所蔵の同ノベルズ・文庫/作家の書籍数冊数×100
ノベルズ名     集計   所蔵    (%)
角川ルビー文庫      462    578    79.9
リーフノベルズ      444     511    86.8
白泉社花丸文庫      343     375    91.4
講談社X文庫       327     374    13.7
Beboynovels  306     322     95
キャラ文庫        274     326     84
パレット文庫       205     607     33.7
コバルト文庫       193     2215     8.7
Laqianovels  192     207     92.7
ショコラノベルス     186     266     69.9
Eclipseromance184    193     95.3
Lapislabel   168     76     95.4
花丸ノベルズ       167     195     85.6
二見シャレード文庫    148     171     86.5
アイスノベルズ      135     265     50.9
オヴィスノベルズ     128     163     78.5
新書館ディアプラス文庫  118     134     88
I’Sノベルズ      100     104     96.1
Kiraranovels  95     95     100
Shynovels     85     106     80.1
Inovels       75     439     17
Genkinovels   68     86     79
クリスタル文庫       64     73     87.6
リンクスロマンス      62     68     91.1
ショコラノベルスHypel 60     75     80
アクアノベルズ       58     64     90.6
ヴァリオノベルズ      52     52     100
Darianovels   41     42     97.6
プラチナ文庫        39     49     79.5
Hanaotonovels 34     37     91.8
Easybooks     34     55     61.8
Eclipsnovel   33     39     84.6
AZnovels      32     37     86.4
アドニスノベルス      31     33     93.9
Charadebooks  30     32     93.7
幻冬舎ルチル文庫      29     47     61.7
Passionnovels 24     29     82.7
Fudgenovels   24     26     92.3
Leaf novels   23     28     82.1
ASUKAノベルス     22     50     44
徳間AMキャラ文庫     21     20     105
角川ティーンズルビー文庫  21     72     29.1
ピアスノベルズ       20     20     100
ヴェルヴェット・ノベルズ  19     18     106
Ovisnovels    19     27     70.3
Crossnovels   19     19     100
Honeyi’snovels18     19     94.7
集英社スーパーファンタジー文庫17     400    4.2
Cosmicromance 16     25     64
B‐boynovels   16     28     57.1
Auroranovels  16     22     72.7
SHY NOVELS    15     106     14.1
Rutilenovels  14     15     93.3
Daria bunko   13     17     76.4
Reijinnovels  13     15     86.6
バニラ新書         12     16     75
ウィングス・ノヴェルス   12     66     18.1
Genenovels  11     13     84.6
小学館キャンバス文庫  10     203     4.9
B‐boy novels   10     28      35.7
角川文庫           8     7971     0.1
I novels       8     439     1.8
新書館ウィングス文庫     7     107      6.5
ジュネノベルズ        7     11      63.6
サニーサイドロマンス     7     9      77.7
Waninovels     7     209      3.3
Shyfantasy     7     7     100
Genki novels   7     86     8.1
ビーゲームノベルズ      6     6     100
アイス文庫          6     6     100
AZ novels      6     37     16.2
B‐boyslash     6     8     75
風林NOVELS          5     5     100
元気読本FX            5     11     45.4
角川ビーンズ文庫          5     359     1.3
NEWエクリプスノベルズ      5     5     100
FUDGEノベルズ         5     5     100

(以下略)
 

堺市に対しては、現在、市長部局・教育委員会部局ともに、
第三次情報公開請求中です。

あらたな公文書が出てくれば、図書が特定された経緯や、
なぜこのようなことが起きたのか、などについて、
さらに疑問点の解明が進むはずです。


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すぐれもの柚子絞り・大根のサラダとおでん。/国連委:死刑停止決議を採択 日本は反対

2008-11-29 15:29:28 | おいしいもの/食について
一昨日は「『おひとりさまの老後』を読む会」、昨日はお食事会
 
と、ふつか続きでアクティブGと岐阜シティタワー43 に行ってきました。
 
岐阜特産の美濃和紙のお店「紙の蔵」を見て、
向かいの関の刃物などの逸品&グッドデザインお店で、
  
こんなかわいい「ミニ(柚子)絞り」を買いました。
  
デザインもgooで、わが家の柚子に大きさがぴったし。
  
南半球絞りもできそうです。
さっそくユズ酢をつくるべく、果汁を絞って小さなビンに保存。
絞った皮は、ざっくり切って、ユズ味噌に。

初物のサトイモを掘ってきて薄味で煮て、
  

テレビでやっていたように、ユズ味噌をつけて食すことにしました。
 

一緒にとってきた大根は、富有柿ときゅうりとピーラーで薄くスライスして、、

ナッツとドライフルーツを散らし、ユズ酢をかけてサラダに。

大蔵大根一本は4センチくらいにぶつ切りにして、昆布としいたけを入れて、
薪ストーブにそのまま載せておくだけで、絶品おでんの出来上がり。
食事だけでなく、お茶うけにもしてます。

  

今の時期は秋野菜が畑にあふれて、毎日、人参や大根などの
野菜をストーブのうえでことこと炊いています。

  
T子さんの倉敷みやげのお菓子もおいしくて、
身もこころもほっかほっかです。




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ところで、
昨日の裁判員制度の反対理由にも関連するけど、
国連総会第3委員会(人道問題)は11月20日、
死刑執行の一時停止などを求める決議案を賛成多数で採択した。

日本は、24カ国の死刑執行国にはいっていて、
「世論調査で死刑が支持されている。死刑については国際的合意もない」
採択にも反対したそうだ。

 国連委:死刑停止決議を採択 支持増加、日本は反対
毎日新聞 2008年11月21日

 【ニューヨーク小倉孝保】国連総会第3委員会(人道問題)は20日、死刑執行の一時停止などを求める決議案を賛成多数で採択した。同種の委員会採択は2年連続で、支持は6カ国増えた。日本は07年に続き反対した。12月の総会で採択され正式な決議になるが、死刑執行停止を求める国際社会の圧力は確実に増加している。
 決議案は欧州連合(EU)やオーストラリア、イスラエルなどが提案し、賛成105(07年99)、反対は日本、米国、中国、イランなど48(同52)、棄権はキューバなど31(同33)だった。決議に強制力はない。
 決議案は、07年に採択した決議を再確認し、潘基文(バンギムン)事務総長が先日、総会に提出した報告で、死刑廃止は世界の流れであるとして執行の一時停止を提案し、停止が難しい場合でも執行に厳しい規制をかけるよう推奨したことを歓迎。2年後の総会で、その時点での死刑廃止状況と死刑を存続させている国への働きかけ方について、改めて話し合うよう求めている。
 委員会の協議で、死刑維持派のシンガポールやエジプト、スーダン、シリアなどは「司法制度の選択は主権国の権利であり、外部から押しつけるべきでない」と主張。一方、イタリアやフランスなどは、「人命尊重の観点から、死刑執行を停止すべきだ」と説明した。日本は決議採択後、「わが国の世論調査では、死刑が支持されている。死刑については国際的合意もない」と反対理由を説明した。
 国連の報告によると、7月1日現在、死刑を廃止もしくは事実上廃止している国・地域は141に上っている。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によると、89年に100カ国だった死刑執行国は、07年には24カ国にまで減少した。国連の規約人権委員会は10月30日、死刑廃止へ向けた取り組みを日本政府に求める勧告を盛り込んだ「最終見解」を公表している。
(毎日新聞夕刊 2008年11月21日)



7月1日現在、死刑を廃止もしくは事実上廃止している国・地域は141カ国、
国連に死刑廃止を「勧告」されても恬として恥じない日本は、
なんと野蛮な国だろうと、この国の「国民」であることを恥ずかしく思う。


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「性差別の理解少なく」 「女性に冷たい」~問題だらけで見切り発車の「裁判員制度」

2008-11-28 19:02:45 | ほん/新聞/ニュース
今日は、月に一度の母の病院の診察日。

姉たちとも待ち合わせ、「ひな野」でランチバイキングを食べてから、
アクティブGのお店を見てまわり、岐阜からかえってきたら、
朝日アスパラクラブから、裁判員制度のアンケートが届いた。

今日から、来年5月21日にはじまる裁判員制度の候補となる
29万5027人(有権者約350人に1人)の人に
最高裁が通知の発送を始めたということだ。


===========================
あなたも裁判員候補者に!どうする?
           アスパラアンケート実施のご案内

 来年5月に、市民が刑事裁判に参加する「裁判員制度」が始まります。
・・・・・・・ もし、あなたが裁判員になったら、どうしますか。
=========================== 


とりあえず、6時すぎに、アンケートに答えて、
裁判員制度の問題点を指摘した、昨日の中日新聞の
「性差別の理解少なく」「女性に冷たい」裁判員制度の記事を紹介したい。



【特報】裁判員制度 女性に冷たい
性犯罪、家庭内暴力 対象の20%以上
性差別の理解少なく/配慮なき尋問 被害者追い詰め
 

裁判員制度をめぐる議論で素通りされた課題がある。レイプなど性にまつわる犯罪だ。泣き寝入りしがちな被害たち。法廷で市民の前に姿をさらす心理的圧力や、尋問による精神的苦痛の恐れは一段と高くなる。「市民感覚」という常識も偏見をぬぐえるとは限らない。「裁判員制度が、告訴を阻害しかねない」という懸念の声ね上がっている。(田原牧)

□■被害届出せぬ 
 「法廷で一般の人たちにあれこれ聞かれると思っただけで、被害届は出しにくくなる」。自らの性犯罪被害を実名で語っている小林美佳さんは顔をしかめた。
 小林さんは8年前、男性二人組に襲われ、性的暴行を受けた。事件は未解決で時効。今年4月手記を出版し、電子メールでの相談を始めた。
 これまでセクハラ(性的嫌がらせ)含め、700人の被害者からメールが来た。迷う相談者には、他の被害者の体験も含め警察や裁判所の対応をありのまま伝えている。・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・

□■課題に上らず 
 裁判員制度の対象犯罪には通常強姦は含まれない。だが、強姦致死傷や強制わいせつ致死傷などは入る。昨年事件数に当てはめると別表のとおり、扱う事件の20.3%が対象で、家庭内暴力(DV)絡みの事件を足せば、それ以上になる。しかし、裁判員制度をめぐる法曹界の議論で、性犯罪被害者やDV殺人では加害者になりうる女性への配慮が課題に上ったことはなかった。・・・・・(略)・・・・・・・・・・


□■男女比は無視 
・・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・・・ だが、そんな原田弁護士でも『弁護士の間ではジェンダーを意識する人はまれだし、いまは裁判員制度への実務の準備で手いっぱい」という。
 「実際、法曹界も裁判員のジェンダー構成(男女のバランス)を無視したし、乳児や幼児を抱える保護者の参加についても、託児施設を準備するより辞退の理由としてしまった。女性の人権への配慮という観点がまるで抜けている」
 現状でも女性への偏見が横行する法廷。偏見に無自覚な「世間常識」の重石が加わることで、性犯罪被害者の人権が押しつぶされかねない--当事者や支援者たちはそんな不安を募らせている。
(中日新聞 2008年11月27日)
 

中日記事にのっている小林さんの本は、9月にわたしのブログでも紹介した。

 「少女売買」(長谷川まり子著)に新潮ドキュメント賞/
『性犯罪被害にあうということ』(小林美佳)2008-09-03


わたしは死刑制度に反対だし(死刑判決を出したくない)、
人をさばくことを国から押し付けられたくない、ので
万一、裁判員の通知が届いても辞退しようと思っていたが、
辞退する女性が増えて、「フツーの市民感覚」のオジサンばかりが、
性犯罪を「裁く」ことになったら・・・ということも考えさせられた。

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けさの毎日新聞を読むと、
当初いわれていたより「辞退できるケース」は意外に多い。

始まる裁判員制度:候補者通知、きょう発送 
参加意識の高まり、課題

 ◇辞退、柔軟に認める方針
 来年5月21日の裁判員制度スタートまであと半年。最高裁は28日、来年の裁判員候補者29万5027人に通知を一斉発送し、市民の司法参加を実現する新制度が事実上動き出す。しかし、国民の参加意識が高まっているとは言えない。最高裁はPRの一方で、辞退を柔軟に認める方針を示し、国民の不安解消に躍起になっている。【北村和巳】

 ■根強い負担感
 「裁判員制度、始まるみたい」。最高裁は今月10日から初のテレビCMを流し始めた。制度が始まる現実感を持ってもらうのが狙いだ。
 日本司法支援センター(法テラス)への制度に関する問い合わせも、4~9月の月平均80件から10月は132件、11月は22日までで758件と急増している。しかし、最高裁が4月に公表した国民の意識調査では、制度への抵抗感は大きい。「選ばれれば参加する」と回答したのは6割だが、うち4分の3は「あまり参加したくない」と消極派だった。この傾向は現在も変わっていないとみられる。
 裁判員の負担に対する不満も根強い。各地の模擬裁判では参加者から「残業や休日出勤で仕事を片づけ参加した」(兵庫)などの声が上がった。こうした声を受け最高裁は、参加困難な時期や辞退を柔軟に認める意向だ。

 ■地域事情も考慮 
 候補者通知が届くのは有権者の352人に1人。各地裁は事件ごとに、名簿の中から50~100人を抽選して呼び出し状を送付。初公判当日に出向いた人の中から6人の裁判員を選ぶことになる。
 候補者通知には調査票が同封され、(1)70歳以上や学生、重病などで辞退を希望するか(2)仕事や行事などで裁判員になるのが難しい月(2カ月まで)--を尋ねる。候補者の事情を把握し、裁判所への無理な呼び出しを避けるためだ。
 また、辞退許可の判断に役立てようと、各地の地裁は地域特有の産業や行事、交通事情の調査を進める。
 東京地裁の裁判官は伊豆大島や八丈島を訪問し島民の要望を聞いた。全国の裁判官が訪問した企業や団体は約1万。管轄エリアが全国で最も広い釧路地裁は午後からの選任手続きを検討している。ただ、景気後退で中小企業の経営に影響が出始めるなど国民生活は変化し、裁判所は、公平な裁判員選任と辞退許可の兼ね合いに悩む。25日に就任した竹崎博允(ひろのぶ)最高裁長官は「裁判員が参加しやすい状況を整えるため、候補者の都合を柔軟に判断し負担を軽減する」と話した。
 四宮啓・早稲田大法科大学院教授は「自分の問題にならなければ意識が高まらないのはある程度仕方ない。模擬裁判に裁判員役で参加した人に、経験や感想を積極的に語ってもらうのが効果的ではないか」と話す。
==============
 ■裁判員を辞退できる場合は?■
 <法律で裁判員になれない>
国会議員▽裁判官▽検察官▽弁護士▽警察官▽法律学の教授▽知事と市区町村長▽自衛官--など

▽禁固以上の刑に処せられた人
▽被告や被害者の親族
 <1年を通じて辞退できる>
▽70歳以上▽学生▽過去5年以内に検察審査員を務めた▽重い病気やけが
 <一定期間、辞退できる>
▽会期中の地方議員▽妊娠中や出産後8週間以内▽重い病気やけが、出産の親族の付き添い▽同居親族の介護や育児▽父母の葬式▽親族の結婚式
 <辞退が認められる可能性あり>
▽積雪により移動が困難
▽株主総会時の経営者
▽卒業・入学式シーズンの美容師
▽水産業の種付け、農家の収穫
▽代わる人がいない海外出張や接待
▽インフルエンザ流行時の医師
▽仕込み時期の杜氏(とうじ)
▽アルバイトで対応できない専門職
▽受験期に入試指導に当たる教師
▽子供が受験直前の主婦
▽人を裁くことが心のバランスを崩す
(毎日新聞 2008年11月28日)


中日新聞は社説で、裁判員制度自体の問題点も指摘している。

【社説】裁判員制度 「不安」ぬぐう努力を
中日新聞 2008年11月28日

 裁判員候補となった人への通知が二十八日から始まる。制度スタートまであと半年だ。国民の間に漂う不安感をぬぐうため、法曹界は理解を得る工夫と努力を重ね、万全の準備で臨んでほしい。
 裁判員の候補者として名簿に登録された人は、全国で約二十九万五千人だ。有権者の約三百五十人に一人の割合になる。通知を受けた人は、制度がいよいよ始まる実感を持つはずである。
 法律の専門家だけに委ねられてきた刑事裁判に、一般市民が直接、携わることになる劇的な改革だ。選挙で一票を投じ、民意を反映できる立法、行政と異なり、司法は「お上任せ」の世界だったといえる。市民参加のインパクトは大きいはずだ。
 先進各国でも陪審制や参審制が取り入れられ、定着している。日本独自の裁判員制度も、主権者たる国民自ら民主主義を実践する場として育つことを願いたい。
 しかし、新制度だけに国民が不安や重圧感などを感じるのも、無理からぬものがある。時間もとられ、労力も要する。評議の内容も口外できない。負担が軽いとはいえないのは確かだ。そうした意識に根差した、消極的な声も多いことだろう。
 候補者通知には、裁判員を辞退できる事由や、辞退希望の有無と理由を問う調査票も付される。七十歳以上の人や学生、重い病気の人などは、辞退できる。また介護や出産など、裁判員となることが難しい時期もあろう。調査票にはそれを記載することも可能だ。
 来年五月二十一日のスタートに向け、最高裁は国民の不安を少しでも和らげ、負担軽減になる工夫と努力を重ねるべきだ。開始時には混乱も予想される。見直しを要する点も探りつつ、スムーズに裁判を進める研究も深めてほしい。
 われわれ自身も、制度を育てる前向きな気概を持ちたい。法律のプロたる裁判官三人に、さらに市民六人が加わるのである。
 検察官の立証に疑わしい点はないか。市民の常識が健全に反映される法廷へと変わってほしい。
 これまでの刑事裁判に問題がないとはいえない。とくに自白偏重の捜査手法は、数々の冤罪(えんざい)を生んできた。取り調べ過程を明らかにする可視化の取り組みも不十分だ。「人質司法」と呼ばれる刑事施設での長い拘置なども問題だ。
 市民参加によって、司法の問題点を国民が共有し、改善に向かうことも期待されよう。
(中日新聞 2008年11月28日)
 

新聞各紙で、以前から指摘されたいた課題や問題点も、ほとんど解決されていない。
 
裁判員制度 あと1年、不安どう除く 
信濃毎日新聞 2008年5月25日(日)

 一般市民が刑事裁判に参加する裁判員制度のスタートまで1年を切った。
 最高裁は、裁判員の選任の仕方や審理の進め方など、市民の負担を軽減し、参加しやすくする目的で準備を進めている。
 ところが、制度開始が間近に迫るにつれ、素人が死刑という「究極の刑罰」を他人に科すことができるのか、といった制度の本質にかかわる問題がクローズアップされるようになってきた。
 市民の参加意欲は依然として高いとはいえない。課題が多すぎるからだ。残された時間の中で、これらの問題とどう向き合い、市民の視点でどこまで解決できるかが、法曹三者に問われている。

 <死刑判決の重み> 
 この4月、裁判員制度に影響を及ぼす判決が続いた。
 山口県光市の母子殺害事件の差し戻し控訴審判決と、東京都渋谷区の夫殺害・切断事件の東京地裁判決である。いずれも犯行の残虐さなどから大きな関心を集めた裁判だ。
 母子殺害事件で、広島高裁は犯行時18歳1カ月だった元少年に対し、死刑を言い渡した。裁判の最大のポイントは、18歳未満には適用されない死刑を、犯罪の中身と照らし合わせ、18歳を少し過ぎたばかりの被告に適用するかどうかだった。
 ニュースを読んだり見たりして感想を言うのと、量刑の判断をするのとでは意味が違う。犯行時、被告が少年だったということも含め、極刑を下す重みについて考えた人は多かったのではないか。
 もう一つの夫殺害・切断事件の裁判は、責任能力のない「心神喪失」と診断した精神鑑定の評価が焦点となった。
 判決は、精神鑑定の結果は信用できるとしながらも、責任能力は完全に認められるとして、被告に懲役15年を言い渡した。素人には分かりにくい判決で、責任能力の判断や鑑定の評価の難しさをあらためて印象付けた。
 殺人事件の場合、責任能力の有無は、量刑判断と切っても切れない関係にある。2つの裁判によって示された課題は、裁判員制度にとって重い意味を持つ。
 全国で一般の人が参加する模擬裁判が開かれている。裁判員制度に備えるためだが、最高裁は、死刑を求刑したり、判決として出したりする模擬裁判を行う予定はない、としている。
 手続き面の検証が主な目的で、裁判員の心理的負担については検証するのが難しい、との理由だ。

  <積極的な検証を> 
 確かに実際の裁判ではないため検証は難しい。ならばなおのこと心理的な影響について、制度が始まる前に何らかの形で、専門家による検証作業をするべきだ。
 遺族らの感情を重視した厳罰化の傾向が進み、死刑判決が増える傾向にあるといわれている。裁判員に選ばれた市民が「無期懲役か、死刑か」という究極の判断を求められるケースが増え、心理的な負担に耐えきれない人が出ることも、現実問題としてあり得ると考えなくてはならない。
 最近の世論調査を見ると、裁判員制度への参加に腰が引けている人は相変わらず多い。“消極派”と呼べる人たちが7-8割にも上っている。こうした人たちが一番感じているのが他人を裁くことに対する強い不安である。
 こうした不安がある上に、実際の審理の中で、遺体の解剖写真や残酷な犯行場面の再現などを見たり聞いたりすれば、心に傷を受ける可能性もある。
 最高裁は、最近になって審理で精神的ショックを受けた裁判員を対象に、相談窓口など支援態勢を整える方針を固めた。
 最高裁は、実施への段取りを急ぐあまり、肝心な問題を後回しにしてこなかったか。そんな疑問を感じざるを得ない。
 課題山積の中、市民への負担という面では守秘義務の問題も無視できない。
 裁判員の守秘義務は一生続く。場合によっては市民が秘密漏示罪に問われることもある。裁判員を務めた感想は話してもいいとされているが、どこまで話していいのかという分かりやすい基準は示されていない。これでは不安が高まるばかりだ。

  <原点に戻って> 
 ことし5月2日、裁判員制度に反対する法律家や市民の2団体が東京都内で相次いで記者会見を開き、廃止を訴えた。
 元裁判官や元検事、弁護士らでつくる「裁判員法の廃止を求める会」は「参加を義務付けた制度は基本的人権を侵害している」などと指摘している。
 法曹三者は、この機会に裁判員制度をなぜ導入するのか、という原点に立ち返るべきだ。
 最大の目的は「開かれた司法」にすることである。市民が前向きになれないようでは目的は達成できない。反対運動が起きている現状をしっかり受け止め、市民の声に耳を傾け、不安解消に努めなくては成功はおぼつかない。
(信濃毎日新聞 2008年5月25日)
 

ここへ来て「裁判員制度は廃止」の声が大きくなってきた。
ほんとに司法の独立性を確保できて、よりよい制度なのか?
ひとがひとを「正しく」裁くことができるのか?
裁判員制度は、わたしも
積み残しの課題山積のままの、見切り発車のような気がする。

法によって「人を裁き」「人を殺せ」と強制する「現代版赤紙」が届いたら、
「拒否(従わない)」するか「制度のなかに入って変える」努力をするか、
わたしの答えはまだ出ていない。


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ユズとシシユズ。姿は似てるけど・・親類?親子??/ぞく・ぞく・ぞく・横蔵寺・まっかな紅葉。

2008-11-27 20:33:04 | 花/美しいもの
今年もユズが色づきました。
木に鈴なりになっています

おでんの香り付けに何個か収穫してきたら、
ちょうど「ためしてガッテン」で柚子のおいしい食べ方の番組。
  
柚子ジャム以外の産地でのいろんな使い道をやってて、見てよかった。
早速、果汁を南半球絞りしました。
今度は柚子の皮の煮物も作ってみます。楽しみです。

ところで、これはなんでしょう。

調べてみたら「シシユズ」。オニユズとも言うそうです。

柚子に似てるけど、大きさは十倍ほどもあります。

柚子の親類ではなくて、ザボンなどみかんの仲間のようです。

このシシユズ、紅葉を見に谷汲に行ったときに買いました。


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で、
話は「ぞく・ぞく・ぞく・横蔵寺・まっかな紅葉」に続きます。

やっと本堂まで戻ってきたところで、雨がしとしと降りだしました。

境内はそれはみごとな赤一色の紅葉。
  

雨にぬれないように軒下から写した景色も
われながらちょっとよい、と自画自賛(笑)。


  

  

これは、ともちゃんがほめてくれた一枚。


  

真っ赤な紅葉をたくさんたくさん見てきましたが、
  
スタート地点の橋の欄干の横にあった木。

赤、黄色、みどりの三色。
ふりだしに戻って感動した紅葉です。


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真紅、緋赤、赤、レッド、全山紅葉の横蔵寺/映画『私は貝になりたい』中居正広×仲間由紀恵

2008-11-26 14:09:11 | 花/美しいもの
リバーサイドモールで映画『私は貝になりたい』を見てきました。

映画は150分と長いのですが、時間を感じないほどあっという間。
重たい映画なので、見終わってもしばし、ぼうぜん。
胸のおくでいろんな思いが渦巻いているのですが、
すぐには感想がことばになりません。
戦争の理不尽さ、ひとが生きることのかなしみと、
雄大な自然のうつくしさが心に染みる映画でした。

封切したばかりでネタバレになるので、あらすじは書きませんが、
ほんと、とってもよかったです。
中居正広さんが主人公の清水富松で、仲間由紀恵さんがその妻役なので、
戦争を知らない(わたしも)若い世代が是非見てほしい映画です。

『私は貝になりたい』公式サイト 
 
映画を見てから、遅めの食事をして、
そのあと、「ぬくいの湯」で温泉タイムとお茶。

  
外へ出たら、虹が出ていて感動。

なにかいいことあるかなぁ、と思ったのですが、
今日一日がよい日だったのかもね。

かえってきてからは、
『む・しの音通信』の原稿締切日だったので、
お遊びモードから、お仕事モードに切り替え。
68号の特集は、10月のスキルアップ講座と、
タイムリーな福井「原告団」の裁判と堺の「図書排除問題」です。

明日は、10時から12時まで、ハートフルスクエアG小研修室1で、
「『おひとりさまの老後』を読む会を開催。
第4章「おカネはどうするか」です。
どなたでも参加できますので、お気軽にご参加ください。

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後半は、おまちかね、
紅葉の名所・横蔵寺です。

横蔵寺は、伝教大師最澄[さいちょう]が創建したと伝えられている寺。
舎利堂の即身成仏したミイラが有名で
小学校の遠足で見に来たことがあります(ふるー・笑)。
「谷汲山(たにぐみさん)」に対して、「横蔵さん」と呼ばれています。

両界山横蔵寺(岐阜・揖斐川町)

 

真紅、緋赤、赤・・・あらゆる種類のあかの紅葉オンパレード。
横蔵寺の紅葉は赤がきれい、とウワサには聞いてはいましたが、
聞きしにまさる美しさ。今までいろんなところへ行きましたが、
これだけの紅葉は見たことがありません。

ただ、ただ感嘆!言葉もなく見とれていました。

説明は不要。横蔵寺の紅葉をおたのしみください。


 



 

ここからは、時雨が落ちてき始めたのですが、
黄のカエデも混じり、コントラスト&ロケーションが最高。



 









 





  

ぐるっと逆周りで一周、やっと本堂まで戻ってきたのですが、
載せきれないので、あと一回、続きます。

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コメント (4)
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上野千鶴子×松井冬子『婦人公論』12月号/『ためされた地方自治』(山秋真)やよりジャーナリスト賞受賞

2008-11-25 09:49:35 | ほん/新聞/ニュース
紅葉の名所・横蔵寺(揖斐川町谷汲)の
目も覚めるような紅葉を紹介するとお伝えしたのですが、
 
今日はこれから友人と、22日に封切された映画『私は貝になりたい』を
見に行くので、昨夜のうちに作っておいた本の紹介に変更。

『私は貝になりたい』は、朝日アスパラクラブに特別試写会の応募をして、
そちらは外れたんだけど、その手続きにトラブルがあったらしくて、
応募者全員に特別前売券が2枚送られてきました。


『私は貝になりたい』予告編

映画は中居正広と仲間由紀恵の競演ということで楽しみなんだけど、
この組み合わせ、今年の紅白の司会者に決定したらしい。

『婦人公論』の上野さんと松井冬子さんの対談を読みたくて買ってきたら、
なんという偶然、表紙が仲間由紀恵さんでした。


表紙の私 撮影・篠山紀信
より深く、楽しく  仲間由紀恵
 

上野千鶴子×松井冬子の対談の前のページでも、
仲間由紀恵さんが『私は貝になりたい』のことを語っています。
「婦人公論」12月号  
<ひんしゅくは喜んで買います>
上野千鶴子×松井冬子
オトコ社会の壁をペンと絵筆で突き破る


ベストセラー『おひとりさまの老後』の著者であり、社会学者の上野千鶴子さんと、内臓をむき出す女性や幽霊など、美しくも恐ろしい題材で注目を集める、日本画家の松井冬子さんが艶やかな着物姿で登場です。松井さんは大学時代から上野さんの大ファンで、今年出版された自らの画集の解説文を半ば強引に依頼したことから、交流が始まったのだそう。お二人に共通するのは、創作の大きな動機が男性中心社会への強い反発であるということ。壁を突き破ろうとするパワーに圧倒される対談です。

上野 NHKの番組、評判がよかったですね。私の周囲でも「偶然見たら、目が離せなくなった」という人が多かったです。
松井 ありがたく思いました。ただ、「日本画の技法を独学で復活させた」と解説されると、大げさだなと身がすくみました(笑)。女性の視点での発言がカットされていたのが、少し残念でしたね。小さな頃から男女差別的なものを感じていて、それは私の作品を語るうえでは大きな要素。だからこそ、はじめての画集の解説を上野先生にお願いしました。
上野 最初は、見も知らないあなたから解説を頼まれて、戸惑いました。
松井 すごいごり押ししちゃった(笑)。私が最初に先生を知ったのは東京藝大に入った24歳の頃で、遅いんです。でも、女性学の本棚から見つけた先生の『発情装置』を読んで一気にファンに。「私のフェミニスト・ヒーローです!」と、すぐにファンレターを出しました。小学生の頃から母に「男に頼るような生き方はするな。結婚はするな。自活して生きていけ」と言われていたんです。
上野 結婚している母親が娘にそういうことを吹き込むのは、自分の結婚生活が不幸だと言ってるのと同じ。あなたは、OS(オペレーションシステム)がフェミなんだ。(笑)
松井 母は男尊女卑の社会に疑問を持っていたようです。私も小学校3年くらいから、出席番号はなぜ男が先なのかと疑問でした。まだ授業で女子は家庭科、男子は技術と分かれていた時代なので、「なに? 女子は家で編み物でもしてろってことですか?」と。(笑)
上野 早熟だなぁ。
松井 勝気な性格で、私のほうが男子より強いと思ってた(笑)。『うる星やつら』という漫画の影響もあって、強い女の子が大好きでした。ジャンヌ・ダルクの伝記を読んで甲冑姿の絵を描き、柔道を習おうとしました。父に「ダメだ」と止められましたが。
上野 なにか悔しい思いをしたことがあるんですか?
松井 小中学生の男の子のあからさまなセクハラ、あと女ってことだけで根拠のない見下げ目線、あれが嫌で嫌で。
上野 しかも、家庭ではお母さんが呪文を唱えていた。(笑)
松井 アハハハ。毎日言っていたわけではありませんけど、強烈に私の中で残っている言葉なんです。
上野 私の母も、つね日頃「女の子も手に職をつけたほうがよい」と言っていたのに、私が18歳になって進学するというとき、手のひらを返したように「女の子は短大でいい」。ものすごく裏切られたなぁ。
(『婦人公論』2008年年12月7日号より一部抜粋)
続きは、本誌をごらんください。
 

おふたりの着物姿がとっても素敵。
NHKのときと違って、リラックスした松井さんの率直な語り口は、
信頼する上野さんがお相手だからこそ、なんですね。
『発情装置』を読んで「私のフェミニストヒーローです!」、
ってとこにふかく共感しつつなっとく (笑)。

わたしも、上野さんの本はほとんど読んでいるのですが、
『発情装置』は大好きな一冊です。

婦人公論ブログもあります。

  (2008-04-22) 松井冬子と上野千鶴子の対談に想う/
ETV特集「痛みが美に変わる時~画家・松井冬子の世界」


NHKのETV特集「痛みが美に変わる時~画家・松井冬子の世界』のことは、
記事に書いたのですが、訪問する人がとっても多いです。


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もう一冊、是非紹介したい本があります。

友人の山秋真さんの著書『ためされた地方自治』が
2008年度やよりジャーナリスト賞を受賞しました。
山秋 真さん ●プロフィール
 日本大学芸術学部卒。神奈川県出身。原発立地問題にゆれた石川県珠洲(すず)市とその関連裁判へ通い『ためされた地方自治─原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年』を上梓。珠洲市における草の根民主主義のうねりとともに、それまで表面化してこなかった原発用地工作の実態を描いた。原発問題の現地で日常生活がどんな影響をうけるかを、「よそ者」の「女性」である「わたし」の視点もいれながら具体的に伝えようと試みてもいる。実像を把握せずに未来を構想することはできない以上、「ここに皺がある」という声を生みだす力、それを聴く力こそ社会の生命線という見地から、社会の皺よせをこうむる人びとの声に耳を研ぎ澄ます活動を志向。
 

やよりジャーナリスト賞は
女性ジャーナリストの先駆け、故・松井やよりさんの
遺志と基金で設立された賞です。

多くのひとから見えない存在にされている原発現地の苦悩を書いて、
「やよりジャーナリスト賞」っていうのが、いいですね。
わがことのようにうれしいです。

わたしは当時、この本に出てくるたちと反原発の運動をしていたので、
彼女が珠洲に通っていた時、「東京から来た若い女性」にきっと出会っているのです。

山秋真さん、おめでとう

昨年、本を刊行したときに、ブログに本の紹介記事を載せたのですが、
その記事を再掲しますね。
『む・しの音通信』62号/『ためされた地方自治』(山秋真)(2007-08-17)   
『ためされた地方自治
原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年』
(山秋真/桂書房/2007)
「珠洲市民の《失われた時間》は、同時に、
闘って自治を手に入れる貴重なプロセスであった
 上野千鶴子 (東京大学大学院教授)」

------------------------------------------------------
新刊紹介『ためされた地方自治』
原発の代理戦争をせおい 自治を闘った人々
              新倉真理代


 能登半島の切っ先にある石川県珠洲市は、約四半世紀ものあいだ原発建設計画にゆれつづけた。住民たちは原発の賛否をめぐって対立し、とくに市長選挙では激しく争った。1993年の市長選に至っては票数があわず大混乱、裁判のすえ無効となっている。
 だがこうした対立は、地域社会の問題にみえながら、じつは地域社会固有の問題ではない。『ためされた地方自治:原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年』(桂書房)で、著者・山秋真はその対立を「原発の代理戦争」と呼ぶ。珠洲の原発問題は、地域社会にあらわれた現代日本の社会全体の問題という認識である。
 国策である原発をたてようとする珠洲市当局のもとで、「原発いらない」と住民たちが声をあげることは容易ではなかった。なにしろ、「お上」に異を唱えることがはばかられる土地柄。しかも「代理戦争」の地。なんとか勇気をふりしぼって声をあげても、目のまえの対立相手は真の相手ではない。擬似的な対立に人びとが疲弊していく一方で、真の相手はほとんど傷つかないのだ。著者は、買収などが横行する原発選挙や、水面下ですすんだ原発用地の先行取得事件などから、民主主義とはほど遠い原発立地の実態を浮き彫りにする。
 その実態にもがく人びとの苦悩を、1993年から約13年のあいだ珠洲へかよった著者は丹念に描きだす。それは代理戦争を押しつけられた珠洲住民の苦悩であり、知らぬ間に珠洲に代理戦争を押しつけてきた多数派のひとりである著者の苦悩であり、「原発いらない」と声をあげた珠洲市民を応援するため市外から駆けつけた人々を批判する「外人」攻撃に直面した、両者の苦悩でもある。原発の代理戦争を背負いもがきながら、その苦楽を引きうけ、自治を希求して闘った珠洲の経験から学ぶことは多い。
(『む・しの音通信』62号より転載)
----------------------------------------------------------------
 

ひとりでも多くの人に、手にとって読んで欲しい本です。


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あぁうつくしい!色とりどり谷汲山華厳寺の紅葉

2008-11-24 15:10:52 | 花/美しいもの

昨日の最後の写真のアングルがよかったよ、
とほめられて、木に登ってしまったわたし。

今日も真っ赤な紅葉の「出血」大サービス。
 
デジカメの先に見えるのは、目も覚めるような紅葉の木々。



本堂から少し外れると、訪れる人も少なくて、

色とりどりの落ち葉が、しっとりと雨にぬれて、
  
踏んで歩くのがもったいないような贅沢さ。


  

雨も落ちてきて、デジカメがぬれそうだし、

まだ本命の横蔵寺があるので、
先を急ぐことにして、本堂を後にしてここで引き返します。


  



最後に、来たときにとっても印象的だった、
オレンジ色の紅葉の木を写しました。


  



山門を出たら太陽が顔を出したので、
晴れ間があるうちに、いざ横蔵寺に直行っ。

さっきまで雨がふっていた、という横蔵寺の紅葉はこの日がピーク。
紅葉がぴったしのときに来たのは初めて。

遠くから見ただけで、聞きしにまさる美しさ。

期待に胸がふくらみます。

つ・づ・く・・・

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絢爛豪華な紅葉のはじまり、はじまりぃ。/まずは庭先~谷汲山華厳寺。

2008-11-23 19:49:01 | 花/美しいもの
薪ストーブに火が入って、巡航運転です。
これでさむーい日も大丈夫。

家の中が暖かくなったので、震えながら本を読んだり、
パソコンに向かったりすることがなくなり、ほっとしました(笑)。

薪はどっさり母屋の西に準備、イチジクのネットハウスに
ポリをかけて、全天候型の乾燥ハウスに変身。
  

このあたりも本格的に冷え込みはじめて、朝は薄霜が降りて、
庭のチシオモミジも一段と色づきました。
  

コントラストがきれいなのが、常緑樹のギンモクセイと
真紅のドウダンツツジと黄色のハクモクレン。


  

  

ハクモクレンは大きな葉がひらひらと散り始めています。


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17日の中日新聞夕刊に、紅葉の名所・横蔵寺の写真が出てたので、
ともちゃんと仕事を調整して、翌日さっそく行ってきました。

あいにくの曇り空だったのですが、先に谷汲さんに寄りました。
ちょうど「谷汲もみじまつり」で、18日ということもあって、
参道は露天も出てにぎやかでした。
  
春には桜並木がきれいな参道ですが、秋に来たのははじめて。
  
紅葉には少し早かったのですが上るにつれて色鮮やかになってきたので、
お散歩がてら「華厳寺」の境内まで行くことにしました。

「谷汲山華厳寺」の山門に到着。門のむこうの紅葉はきれい(みたい)。
 

   

山門をまっすぐ登ると本堂で、お参りの人はそちらに行くのですが、
 
雨がしとしと降ってきたので、木々の間に紅葉がみえる左側のお寺に。

これが大正解でした。
ちいさな門をくぐると、そこは絢爛豪華な錦の織物のよう。




「思い切って来たかいがあったね」

「これで晴れてたらサイコー」と、あわてて撮ったのですが、

谷汲の紅葉は、じつは序の口。

感動の紅葉の旅の幕開けだったのです。

つ・づ・く

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訃報。「『いのちの授業』をもう一度」の山田泉さん/映画「ご縁玉」完成

2008-11-22 09:33:39 | ジェンダー/上野千鶴子
「『いのちの授業』をもう一度」「いのちの恩返し」の著者の
山田泉さん今月初めから体調を崩し、昨日の朝亡くなられた、ということを、
昨日、友人の菅井さんから聞きました。

山田泉公式ブログ 

山田泉さんの本は、二冊とも読んでいて、
二冊目は、福井の判決のときにメッセージを書いた縁で、
上野千鶴子さんが帯を書かれたのです。
15日にも朝日新聞に、映画「ご縁玉」完成の記事が出て、
紹介しようと思っていたところでした・・・・ショックです。

『ご縁玉 パリから大分へ』作品紹介

映画「ご縁玉」完成
命の尊さ 乳がん女性の出会い通じ描くドキュメンタリー

2008.11.15 朝日新聞

乳がん体験から中学校で「いのちの授業」に取り組んできた大分県の元養護教諭、山田泉さん(49)のドキュメンタリー映画が完成した。
15日の大分上映を皮切りに、各地で公開される。完治が望めなくなって約1年半。人柄に引き寄せられた人たちの新たな出会いを通し、命の尊さを描く。 (高橋美佐子)

 主人公の山田泉さん「生と死 考える素材に」
 10月下旬から大分市内のホスピスに入院している山田さんを個室に訪ねた。
 「やっと完成したよ」。そう言って見せてくれたのは、手作り絵本。今年3月末に自殺した元教え子の女子高生を追悼するため、元同級生9人と一緒に作った。山田さんは、彼女が生きていたことを忘れず、人に無関心にならないで、との詩を寄せた。
 生徒も同僚も友人たちも皆、「山ちゃん」と呼ぶ。県内の小中学校で28年間、保健室の先生をしながら、性教育や人権、平和問題に情熱を傾けてきた。乳がんになった9年前からは、障害のある人、ハンセン病の元患者ら有名無名のゲストを教室に招く「いのちの授業」をした。真剣に生きる大人が、中学生に語りかけた。
 昨年3月に退職した直後、2度目の再発がわかった。絶望とは裏腹に、長年の教育実践や「いのちの授業」が話題になり、今年9月ごろまで本の執筆や講演、出前授業などを積極的にこなした。

 最後の海外旅行
 映画は、山田さんが「人生最後の海外旅行」と公言して昨秋訪れたパリでの、不思議な出会いから始まる。もう1人の主人公は35歳の仏人男性チェリスト。共通の言語を持たない2人なのに意気投合した。彼は3ヶ月後、「山ちゃん」にもらった1枚の五円玉を手に、大分にやってきた。
 山田さんは男性を各所に連れて歩く。自分がボランティアとしてかかわってきた児童養護施設、入院したホスピス・・・・・・。男性は先々でチェロを演奏する。集まった人たちは、弦の荘厳な響きを聴き、涙を浮かべたり、笑ったりする。
 男性はベトナム戦争孤児。生後まもなく仏人夫婦に引き取られたが、その義母を9年前に乳がんで失った。「山ちゃん」を訪ねる旅は、果たせなかった親孝行と自分探しの旅。「たくさんのものを受け取った。
それは『縁』であり、譲り受けたら返すもの」と男性は映画を締めくくる。

 縁結んだ五円玉
 タイトルの「ご縁玉」は、2人の縁の始まりとなった五円玉からとった。監督で仏在住の映像作家、江口方康(まさやす)さん(44)は「初対面の山ちゃんに『いつか映画を撮りたい』と話すと『人生は短い。グズグズしていちゃだめ』と背中を押された」と話す。
 山田さんは今、痛み止め薬を増やし、水さえのみ込むのが苦しい。「桜は見られないだろう」と医師に告げられている。夫の真一さん(52)ら家族が泊り込んでそばにいる。
 「上映が決まって本当に良かった。生と死を考える素材にしてほしい」。
山田さんはしっかりとした口調で、こう話した。
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上映予定は次のとおり。
【大分】11月15日から、シネマ5【山口】12月12~14日山口情報芸術センター・スタジオC【佐賀】12月13日から、シエター・シエマ【東京】12月20日から、渋谷区の、ユーロスペース。
 09年1月以降、大阪のシネ・ヌーヴォ、名古屋シネマテークなどで順次公開。問い合わせは配給元パンドラ(03・3555・3987)へ。
(2008.11.15 朝日新聞)



山ちゃんの「いのちの授業」~少女の大きな決意
/『いのちの恩返し』山田泉著・高文研(5/6)
 
第Ⅰ章の〈インタビュー〉「団子を売るように保健室にいました」は、
『We』2007.12/1月号に掲載された友人の菅井純子さんの記事。
 
『いのちの恩返し がんと向き合った「いのちの授業」の日々』
(山田泉著/高文研/1600円)


がんになり方も山ちゃん流!
まわりをすべて巻きこんで山ちゃん台風は行く。
もらいつづけ、与えつづけて疾駆する。
おーい そんなに先を急がないでよぉ。
          上野千鶴子
 


がん闘病「いのちの授業」山田泉さんが死去 
朝日新聞 2008年11月21日15時2分

 乳がんとの闘病体験を教室で話し、命の尊さについて考える「いのちの授業」に取り組んだ大分県豊後高田市の元養護教諭、山田泉(やまだ・いずみ)さんが21日午前9時12分、乳がんのため大分市の病院で亡くなった。49歳だった。通夜は22日午後6時、葬儀は23日午後1時から豊後高田市高田2137の1の城葬祭高田斎場で。喪主は夫真一さん。
 豊後高田市立田染中学校で養護教諭を務めていた00年、乳がんと診断され、休職。復職した02年から、自らの闘病体験をもとに、生と死に向き合う「いのちの授業」を始めた。余命わずかな別の乳がん患者や、村山富市元首相ら、多彩なゲストを講師に招き、生徒たちと語り合った。
 05年にがんが再発し、再び休職。いったん復職したものの、07年に退職した。退職後も、各地の学校に招かれ「いのちの授業」を続け、講演も手がけるなど、活発な活動を続けたが、約1カ月前から病状が悪化し入院していた。
 著書に「『いのちの授業』をもう一度」(高文研)がある。パリ在住のチェリストとの交流を描いたドキュメンタリー映画「ご縁玉~パリから大分へ~」(江口方康監督)が今月、大分市で公開されたばかりだった。8月には朝日新聞名古屋本社で講演会があり、約340人が参加。モルヒネを飲む体調のなか「子どもたちに本気で語りかけよう」と訴えた。 



訃報:山田泉さん/「いのちの授業」続けた元養護教諭/乳がんで49歳

2008.11.21 毎日新聞

 がんと向き合い8年、命の大切さを訴え続けた元中学養護教諭、山田泉(やまだ・いずみ)さんが21日、乳がんのため死去した。49歳。葬儀は23日(時間未定)、大分県豊後高田市高田2137の1の城葬祭高田斎場。自宅は同市玉津1280。喪主は夫真一(しんいち)さん。
 00年に乳がんを発病。2年後復職し同市内の中学で「いのちの授業」を始めた。2年間でハンセン病回復者の阿部智子さんら多彩なゲスト32人を呼び、生徒に「生きる勇気」を伝えた。退職後は自宅を「保健室」として開放、悩む子どもたちの相談にのったりした。
 フランスのチェロ奏者との交流を描いたドキュメンタリー映画「ご縁玉 パリから大分へ」(江口方康監督)が大分市内で上映中だが、山田さんは映画を見ることはなかった。著書は「『いのちの授業』をもう一度」など。【大漉実知朗】
2008年11月21日 毎日新聞



映画「ご縁玉」の先行上映始まる
2008.11.16 読売新聞

涙ながらに山田さんへの思いを語る江口監督 乳がんと闘いながら「いのちの授業」を続けている豊後高田市の元中学校養護教諭、山田泉さん(49)のドキュメンタリー映画「ご縁玉~パリから大分へ~」(江口方康監督)の先行上映が15日、大分市府内町の府内五番街「シネマ5」で始まり、多くの人が観賞した。21日まで、1日5回上映する。
 作品では、昨年8月に訪れたフランスで出会ったチェロ奏者、エリックマリア・クテュリエさんとの交流が描かれている。
 ベトナム戦争孤児のエリックマリアさんは、フランス人の育ての母親を乳がんで亡くした。山田さんに音楽療法を施せればと、フランスで「ご縁がありますように」と手渡された5円玉を手に昨年12月、山田さんの自宅を訪れた。
 その際、山田さんの腹部にチェロを当てて演奏したり、「いのちの授業」などを通して交流があった児童養護施設「聖ヨゼフ寮」(中津市)で演奏したりした様子が映像化されている。
 初日に舞台あいさつに立った江口監督は、山田さんが体調を崩して入院していることに触れ、「本当は山田先生と一緒にここであいさつしたかった」と話した。
 観賞後、聖ヨゼフ寮元職員、湯浅浩さん(51)は「心にズシンと響く映画でした。山田さんが口にしている『生かされていることへのありがたさ』を改めて感じた」と話していた。
(2008年11月16日 読売新聞)



 こころからご冥福をお祈りします。


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堺市・特定図書排除問題が「ムーブ」で話題になった。

2008-11-21 13:17:12 | 「ジェンダー図書排除」事件
堺市図書館から特定図書が排除された問題について、
昨日夕方、大阪朝日放送が「ムーブ」という番組で取り上げました。

岐阜では見られないので残念だったのですが、
「くれはまゆみのHP」に、
番組を見ての感想が掲載されていますので、
呉羽さんの了解を得て、紹介します。

朝日放送ムーブに堺市図書館問題取り上げられた
木津未来会議の日記 2008年11月20日(木)

「ムーブ!の疑問。図書館に同性愛の本?」として堺市の図書館問題が取り上げれられました。今朝その案内を頂き、TVの前でチェックしていました。

ムーブは、夕方の番組としては結構注目されています。
今日のコメンテーターは大谷昭弘さん(ジャーナリスト)藤井誠二さん(ノンフィクションライター)山崎邦正さん似の弁護士本村 健太郎さんでした。
まず、最初にタイトル「同性愛の本が5000冊、かなり過激なものもあるようですが、賛否両論起こっています」が読み上げられ、そのままCMに突入しました。
いよいよ再開。番組に届いた1通の投書が読み上げられました。
大阪府 むっちゃんの母 40代さんからの「疑問なんですが、堺市に5000冊ものBL本があると新聞記事でみたのですが、どんな基準で選ばれているのですかね~」。

その後、11月5日付けの朝日新聞記事がアップされました。
BL本とは、90年ごろより登場したもので、主に作者は女性で読者も女性ですとの説明があり、5000冊もあるというのですと。
次は街角に出て市民の方へのインタビュー。
5人の男女が登場され、それぞれ簡単なコメントをされました。
1人目・・母親世代と思われるような女性 手にとって読んでいるようなしぐさのあと、娘には読ませたくないですね~。
2人目は若い男性で、これも否定的な意見を述べていました。
続く3人は、男子学生、女性、男性で、市民のニーズで購入され、図書館としては問題ないのでは。
法律上問題ないのであれば、いいのでは。
税金が使われるのだから、平等に使われるものであるので。
というような後半の3人は、肯定的な意見のようでした。

そして、堺市図書館に行ってみようということで、図書館内部が写りました。
書庫2階へ担当参事の誘導のもと。
記者:市民から廃棄を求める声があったとか。
松井参事:「市民の親御さんから、いかがなものかとの声をいただき」
記者;なぜBL本をここまで買ったのか。
松井参事:平成初期より市民要望があった。1冊10人くらいあれば購入するので。市民の声を確認して図書館としても検討していきたい。
というようなことを言われていました。
さて、ここでまとめに入りました。
BL図書 5500冊 367万円。
利用者たち(3人のイラスト入り) セクハラだ、子どもたちに悪影響を与えるという意見と、それに対して
ジェンダー原告団(こちらも3人のイラスト入り)監査請求が提出されているなど賛否両論が沸き起こっているというものです。

そしてゲストからのコメントに続きました。
まず口火を切ったのは、大谷さん
「なんだかんだと親が何もしないでいて、子どもに悪影響を与えるからなどというのは嫌いだ。児童ポルノの問題なんかをきちんとしないで。でもなんで5500冊もあるのか。」
他市はどういう状況なのか調べてみると、大阪市で157冊、奈良市、京都市、神戸市は一般小説の中に入っているのでカウントできないとの答えだったらしい。

最後に木村弁護士がいい事をいわれていました。
「図書館の機能のひとつは、後世に残すことであり、表現の自由にも関わる重要な問題である。今回言われている書物を読んだが、有害なものではない、少女漫画と変わらない」と。
投書された方は、本当に40代の母なんだろうかとの疑問を持ちました。
ひとまず10分間のムーブの内容の方向は、変な方向ではなかったと感じました。 (くれはまゆみのHPより転載)


こちらは、「ムーブ」の番組案内。
「ジェンダー図書排除」究明原告団についても言及されています。

大阪朝日放送「ムーブの疑問」11/20 (木)
図書館に同性愛の本?

堺市の図書館に男性同士の恋愛小説が大量にあると新聞で見た。過激な内容もあるらしいが、図書館の本を選ぶ基準はどうなっているのか?という疑問。
堺市立図書館が「ボーイズラブ(BL)」と呼ばれる男性同士の恋愛を題材にした小説を5500冊所蔵しているとして新聞で取り上げられていた。そもそもBL本とは、複数の同人誌が90年頃から男性同士の同性愛をテーマにした小説や漫画本を発行するようになり、それをBL「ボーイズラブ」と名づけたことから一つのジャンルとして分類されるようになった。BL小説は、だいたい10代くらいの若い美少年同士の同性愛を描いており、作者は主に女性、そして読者も若い女性が中心。文章の合間には1冊辺り計数ページの挿絵が含まれているが、描写が過激なものもある。堺市の図書館はBLという言葉が世に出始めた90年頃から、利用者の要望を受けてBL小説の購入を開始。現在およそ5500冊所蔵しており、金額になおすとおよそ367万円。全体の蔵書の1パーセント未満である。これらのBL小説については「一定の配慮が必要」と、書庫で保管することになっていたのだが、人気もあり、貸し出しを続けているうちに、堺市に7館ある図書館のうち4館で一部のBL小説が開架棚に置かれたままになっていた。それを目にした利用者からは「セクハラだ」「子どもに悪影響を与える」とBL小説の廃棄を求める声が相次いだ。それに対し堺市は、今年8月「今後の収集・購入を一切しない」との見解を発表。自由に見られる開架棚ではなく、書庫で保管することになっていた。ところが一方、BL小説など特定の図書排除に反対する団体(ジェンダー図書排除究明原告団)から「性的指向による差別につながる」と廃棄の指し止めを求める住民監査請求が堺市に提出されている。本の選定について、ほとんどの図書館は文部科学省が所管する公益法人、日本図書館協会が79年に決議した「図書館の自由に関する宣言」という方針に基づいて行っている。そこには、「資料の提供・収集は各図書館が自発的、自主的に判断すべきことであって、政治的・宗教的圧力に曲げられてはいけない」と明確に示されている。堺市の図書館の場合も青少年に影響を与える挿絵が30ページ以上ある有害図書や人権侵害に関わる本、また間違った表記をしている本については堺市立図書館の収集方針として購入しないと決めているという。ならば、BL小説のような過激な性的描写についてはどう判断しているのか、聞くと「BL小説と言っても内容は様々で、読み手によって判断の基準も異なります。個人の趣向もあるので何が卑猥なのかは一概には決められません」と言う。現在、堺市の図書館では専門司書およそ70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、選定を行っているそうだ。


「ムーブ」の記事は、朝日新聞を元にしているので、
理解に間違いがあることは、前に指摘したとおりです。

「ボーイズラブ」はだれにとって有害で不適切なのか?
/新聞各紙の報道(2008-11-05)


BL小説の廃棄を求める声が「利用者から・・・相次いだ」となっていますが、
利用者であるかどうかも確認不能の、たったひとりの匿名者から要求です。

それに、市のホームページには出ていませんが、
わたしたちが情報公開で入手した文書によると、
匿名のメールは、7/30,7/31,8/8と
3回にわたって届いたものを、「市民の声」としてひとつにしたものです。

○堺市に届いた匿名のメール(pdf版 情報公開文書)

7月31日のメールには、
「昨日、南図書館より、そして本日、議員様より、
その後の経過についてお聞きしたところ、すべてのBLを書庫に収納するとのこと」とし、
一週間後の8月8日のメールには、
「とりあえずはセクハラまがいの大量開架を中止し、書庫へ収納したというのは、
当然のこととはいえ、評価したいと思います。
そしてBLの購入冊数及び購入総額もカウントし、当HPに掲載するとのこと、
この対応も評価したいと思います。・・・・・書庫のBLも処分するとのことです。」としています。
匿名者は、メールのほかに何度も図書館に電話をかけて要求を重ねています。
要求にしたがって図書館は、特定図書を大量に動かしたわけですから、
図書館側の混乱ぶりが目に見えるようです。

「一般図書の中に入っているのでカウントできない」とした他の図書館と同じように、
堺市も「一般小説として」購入し「一般書として混配」していた館もあるのだから
「一般図書の中に入っているのでカウントできない」と答えればよかったわけです。

堺市は、わたしたちの申し入れに対し、
「他者からの働きかけは・・・・・・一切ない」としていますが、
匿名者からの要求を拒否できない、何か強い圧力があった、といわざるを得ません。

あとひとつ気になったのは、
「堺市の図書館では専門司書70名が本の内容を一冊一冊丁寧に確認し、
選定を行っている」ということですが、
特定された図書はすべて「文字情報」のノベルズ(新書版)・文庫本です。

今回問題になっているのは「表紙及び挿絵のイラスト」と確認していますが、
一冊ずつ「本の内容を確認し」というけれど、その基準はなんでしょう。
特定図書を「よいものと悪いもの」に、さらに選別するというのは、
図書館の裁量を超えている気がします。



  


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