7月28日の東京新聞に載りました。
書いたのは、この問題に精力的に取り組んでいらっしゃる
岐阜支社の稲熊美樹さん。
稲熊さんご本人から掲載紙をいただきましたので、
日にちが経ってしまいましたが、紹介します。
-------------------------------------------------------------
"良識の府"は大丈夫?
岐阜で市議 公費ポスター代水増し
公費でまかなわれる選挙ポスターの製作費を水増し請求したとして、岐阜県山県市の市議ら7人が今月、詐欺容疑で書類送検された。選挙公営を実施している全国の市や県では、ポスター製作で公費負担の上限額いっぱいに請求している議員が多く、「そんなにかかるのか」との指摘は以前からあった。しかし、この問題にメスが入ったのは全国で初めてだ。終盤戦に入った参院選でも、ポスターの製作には
公費負担がある。こちらは大丈夫か-。
(岐阜支社・稲熊美樹)
詐欺容疑で書類送検されたのは、岐阜県山県市の市議ら7人。
事件の舞台となったのは2004年4月の市議選。ポスター製作費の負担上限額は山県市の場合、37万845円だったが、書類送検された市議ら7人のうち5人は、上限の99%以上、ほぼ37万円を請求していた。
水増し分が最も多かったのはこのうちの一人で、実際にポスター製作に要したのはわすか8万円余。28万円余の水増しで、公費では認められない選挙用はがきや名刺などの印刷代に充てていた。
現金を手にした市議もいた。手口はこうだ。
法令では、印刷業者が市にポスター製作費を請求することになっている。が、その市議は業者に請求書へサインだけさせ、請求金額は自分で上限額ぎりぎりを書き込んで市に提出。印刷業者は自分の取り分を除いて、約10万円を市議に現金で渡していた。
ところで、今回の参院選でも同様の不正が行われることはないのか。
総務省などによると、参院選比例代表候補のポスターの公費負担の上限額は一枚35円で、作成限度の7万枚刷る245万円。選挙区候補の場合、デザイン料などを含む企画料が一律30万1875円、一枚の印刷実費が510円481銭になる。5百枚なら計約55万7千円で、枚数が増えればさらに増額される。
前回参議院選で上限額の95%請求
総務省の担当者は「東京の印刷業者の見積もりや書籍にある単価で決めている」としているが、前回の参院選では、候補者222人の上限額の総額約4億300万円に対し、請求総額は95%の3億8千5百万円にのぼった。上限額と請求額が同額の府県が20もあり、国政選挙でも、上限額いっぱいに請求している議員が多いことをうかがわせる。ちなみに、今回の参院選でも、約4億3千万円の予算が組まれている。
公費負担の計算式は、山県市が事件当時使っていたものと全く同じ。総務省は「東京と地方では見積額も違い、同じ計算式でなくてもいいはず」とするが、山県市選管は「ほかの市も同じだし、国の基準だから問題ないと判断した。もっと慎重に考えるべきだった」。自前で見積額をとらず、国政選挙の基準を使用する自治体が多いようだ。
こうした選挙ポスターの公費負担が多すぎることはないのか。03年の参院選で東京都内の候補者ポスターを数百枚作った印刷業者は「写真は候補者が持ち込み、デザイン料なしで一枚約千円だった」と証言。現在の計算式で国政選挙のポスターを五百枚刷った場合の上限額は一枚約1114円にになるが、「おおむね妥当では」と話す。
半面、ポスター印刷は政党単位では大手広告代理店が仲介しているが、候補者によってはチエン血縁のある地元の業者に頼むケースも多いという。印刷業者は「うちは山県市のように水増し請求はされなかったが、やり方によっては不正はあり得る。他の自治体でも起きる可能性はある」と警鐘を鳴らす。
警鐘と受け止めよ
阪上順夫三重中京大客員教授(政治学)の話
法は選挙公営制度を悪用した不正を想定していない。政務調査費の問題も同様で、公費の使い道は議員の倫理観が前提。しかし残念だが議員を信じられる時代でなくなった。他の選挙でも同様の不正があるとの警鐘と受け止めるべきだ。
(2007.7.28 東京新聞 特報)
----------------------------------------------------------------
選挙ポスター公営問題は、連れ合いの記事にくわしいので、
関心がある方は、こちらをお読みください。
【カテゴリー】ポスターなど選挙公営問題
「新しいニュース190号、選挙ポスター代詐欺その後」てらまち・ねっと 8/26
関東で、ぜひこの問題に取り組みたいという友人もいるし、
議員の公費の使い道のチェックの問題として、全国に広がってほしいですね。
ということで、
政務調査費や抗菌の使い道、情報公開を調査する、
全国市民オンブズマン連絡会議の全国大会が、
9月に山形市で開催されるので、以下に紹介します。
たまたま、自治体名が同じというご縁もあり(山形市は一緒にされて迷惑? 笑)、
今年もなんとか全国大会に参加したいと、時刻表など調べて日程調整中。
昨年の福岡大会には連れ合いと参加し、
岐阜県の裏金問題のことを報告しました。
今年の山形大会のメインテーマは議会・議員の政務調査費。
基調講演は、佐高信さんの「情報公開は民主主義の源泉」。
たしか、仙台大会の講演も佐高信さんだったと思うけど、
山形は佐高さんの郷里のはずです。
以下に、ブログ「市民オンブズマン事務局日誌」から転載させていただいた
大会の案内と参加申込方法などを紹介します。
全国大会のお知らせ
第14回全国市民オンブズマン大会
2007年9月15日(土)16日(日)
会場「山形ビッグウイング
第14回全国市民オンブズマン大会は、2007年9月15日(土)16日(日)に山形市内で行います。
どなたでも参加できます(400人規模)。
参加費5,000円+懇親会費5,000円です。
ダウンロードして、FAXでお申し込み下さい。
大会参加申込書とチラシはこちら(PDF)
PDFが読めない方は、FAXか郵送で送付させて頂きますので、全国事務局まで
FAX(052-953-8050)かTEL( 052-953-8052 )ください。 送付させて頂きます。
(ホテルの予約は8/24(金)までは受け付けます。お早めにお申し込み下さい)
今年の全国大会は「ほだな使い方でいいんだが?政務調査費」をテーマに、
全都道府県議・全政令市議・全中核市議合計5700人に対して行った
政務調査費の意識調査結果をメインで発表します。
また、市民オンブズマン山形県会議の「客員会員」である佐高信さんに
「情報公開は民主主義の源泉」というタイトルで講演して頂きます。
分科会に分かれて「談合」「情報公開」「政務調査費」について議論し、
その他第三セクターの損失補償について発表致します。
毎年発表している「包括外部監査の通信簿」「全国落札率調査」も当日発表致します。
また、各地の市民オンブズマンのめざましい活躍も発表してもらいます。
参加者には、例年700ページ以上にも及ぶ資料集もつきます。
今年は政務調査費の透明化に関して各地で盛り上がりを見せており、
山形の全国大会を契機に、全ての自治体の政務調査費の透明化を図りたいと
考えています。
一人でも多くの人に全国大会に来て頂くことで、透明化への弾みとしたいと思っています。 山形でお会いするのを楽しみにしています。
詳しくは、「全国市民オンブズマン 全国大会ページ」まで。
--
2007年全国大会タイムスケジュール
9月15日(土) 13:00~ 開会
13:05~13:15 実行委員会挨拶
13:15~14:15 政務調査費報告
14:15~14:30 休憩
14:30~15:30 記念講演
佐高信氏 「情報公開は民主主義の源泉」
15:30~15:45 包括外部監査 表彰
15:45~16:00 移動・準備
16:00~17:45 【分科会】
(1) 談合
(2) 情報公開
(3) 政務調査費
18:00~20:00 【懇親会】
9月16日(日) 9:00~ 9:45 分科会報告
9:45~10:10 第三セクターの損失補償について
10:10~11:30 各地からの報告
11:30~12:00 提案、決議、大会宣言(12:00まで)
以上
----------------------------------------------------------------------
市民オンブズマン全国大会は、連れ合いは9月議会中だし、
毎年忙しい時期なので行こうかどうか迷うのですが、
他では入手できない本や資料がいっぱい。
遠くからでも、行く価値はあります。
とはいえ、
行くなら日帰りでは無理なので、と宿を探しているとこです。
写真をクリックすると拡大。その右下のマークをクリックするとさらに拡大
最後まで読んでくださってありがとう
「一期一会」にクリックを
明日もまた見に来てね