みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

待ちに待った春がきた。白梅が開花しました。

2013-02-28 18:43:48 | 花/美しいもの
あたたかい朝。
日中は気温がぐんぐん上がって汗ばむほどになりました。

このあたたかさに誘われて、白梅が開花しました。

午前中はまだ開花したつぼみは見当たらなかったのですが、
3時ころにもう一度見に行ったら、しろい花がちらほらみえます。
  
ひとーつ。

ふたーつ。

みっつ。


標本木では3輪咲いたら開花宣言するそうですから、
庭の白梅も開花宣言。
あすにも開きそうなつぼみもいっぱい。



紅白のしだれ梅もつぼみがふくらんできました。
  



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ミツマタとアカバナマンサク
 

ソシンロウバイ


マホニア・ウインターサン


     ニホンスイセン   フキタンポポ  
  

キンリョウヘンもお水をかけてもらって日向ぼっこ。



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2月27日(水)のつぶやき

2013-02-28 01:28:10 | 花/美しいもの

は~い、お久しぶり~。募集・発送を終えました。『女の子』本募集終了! ちづこのブログNo.42 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/ueno/?p=2497

寺町みどりさんがリツイート | 3 RT

北原みのりさんの新刊『さよなら、韓流』(河出書房)「韓流、好き!」というだけで「愛国派」からネット攻撃受ける、なんてのも初めて知った。竹島騒ぎごときで韓流熱を冷ますな、韓流女!とかえってエールを送りたくなる。

寺町みどりさんがリツイート | 23 RT

3/16東京都を相手にした土肥控訴審判決抗議集会が。詳しくは土肥信雄さんのHPを。 dohi-shien.com/html/

寺町みどりさんがリツイート | 13 RT

13/2/27日弁連シンポ「顔画像で行動を検索できる社会と私たち」宇都宮真由美日弁連副会長 監視カメラがいたるところにある。ニュースでは「監視カメラで逃走経路がわかった」犯罪が減るからいい?犯人を逮捕できるからいい?本当にそうか。 #iwakamiyasumi6 #ombuds

寺町みどりさんがリツイート | 1 RT

PM2.5で注意喚起の指針 環境省/高濃度時、外出や換気自粛を呼び掛けへ/日本にも発生源 goo.gl/Ylixm


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PM2.5で注意喚起の指針 環境省/高濃度時、外出や換気自粛を呼び掛けへ/日本にも発生源

2013-02-27 22:05:28 | 健康/くらし/薪ストーブetc
このところ体調がイマイチで外仕事を休んでいます。
今朝は二人とも寝過ごしてしまったので、朝のウォーキングもなし。
ともちゃんは3月議会の開会日なので市役所出勤。
わたしは図書館と本屋さんのはしごをしました。
数時間、本を探していたのですが、歩数は1000歩強。
歩く距離は思いのほか少なかったようです。

外仕事をちゅうちょしている理由のひとつは「大気汚染」の心配。
呼吸器系が弱いので、寝室にも空気清浄機があり
部屋のなかで薪ストーブを焚いていても、ずっとエアコンのナイノーをつけています。

外に出ると何となく目や口の粘膜が痛いような気がします。

そんななか、きょう環境省が「注意喚起の指針 」をだしました。
きょうのブログは、「PM2.5特集」です。

PM2.5で注意喚起の指針 環境省
2月27日  NHK

中国で深刻な大気汚染が続き、日本への影響も懸念されている問題で、環境省の専門家による検討会は、1日の汚染物質の平均濃度が健康を維持するのに望ましいとされる国の基準値の2倍を超えると予測された場合、外出を控えるよう呼びかけるなどとした指針を決めました。

中国では、車の排気ガスなどに含まれるPM2.5という、極めて小さな粒子の濃度が高くなり、深刻な大気汚染が続いていて、日本への影響も懸念されています。
環境省は、これまで健康を維持するのに望ましいとされる基準値として、大気中のPM2.5の濃度が1日の平均で1立方メートル当たり35マイクログラム以下という数値を設けていましたが、基準値を超えた場合、どのような注意が必要なのか示していなかったため、専門家による検討会を設置し、議論を続けていました。
27日に開かれた検討会では、1日の平均濃度が、これまでの基準値の2倍に当たる1立方メートル当たり70マイクログラムを超えると予測された場合は、健康に影響を及ぼす可能性が高くなるとして、都道府県などが外出や屋外での長時間の激しい運動、それに部屋の換気を控えるよう注意を呼びかけるとした指針を決めました。
新たな指針の数値について、環境省は、国内外での研究結果などを参考に設定したとしていますが、子どもやお年寄り、それにぜんそくなどの疾患がある人については、この数値を下回っても健康への影響がでる可能性があり、注意が必要だとしています。
また、検討会は、早朝の1時間の平均濃度が1立方メートル当たり85マイクログラムを超えると、統計的に1日の平均濃度が27日に決まった指針の数値を超える可能性が高くなるとして、注意を呼びかける際の目安にしてほしいとしています。
PM2.5については、来月以降、黄砂とともに国内に飛んでくる量が増える可能性もあり、環境省は、27日にまとめた暫定的な指針を、早ければ今週中にも全国の自治体に周知することにしています。

身近な対策は
27日の検討会で決まった指針では、PM2.5による健康への影響を防ぐための身近な対策として、マスクや空気清浄機についても紹介しています。
このうち、マスクについては、高性能の防じんマスクであれば、PM2.5の吸入を減らす効果があるとしています。使用する場合には、顔に密着するように着けなければ十分な効果が期待できないということですが、着用すると少し息苦しいため、長時間の使用には向かないということです。
また、空気清浄機については、一部の製品は、PM2.5を除去するうえで有効性が確認されているとしていますが、効果はフィルターの有無や性能など機種によって異なるとしていて、使用する場合はメーカーに効果を確認する必要があるとしています。
新たな行動指針作りに関わった委員の1人で、呼吸器やアレルギーに詳しい国立病院機構福岡病院の小田嶋博副院長は「70マイクログラムを超えなければ、一般の人にとっては健康への影響を心配する必要のない濃度だと思う。呼吸器が弱い人やぜんそくがある場合には、高い濃度になるとせき込んだりすることがあるかもしれないので、薬を飲んだりうがいをしたりの対策を取ったほうがいいだろう」と話しています。

PM2.5と黄砂
来月から5月にかけては黄砂が日本に多く流れてくる時期となりますが、専門家はこの時期にPM2.5の数値が上がる傾向が見られると指摘しています。
国立環境研究所が、平成22年4月から今月上旬までのおよそ3年間で、全国の大気中のPM2.5の1日の平均濃度を調べたところ、各地の観測地点のうち1か所以上で1立方メートル当たり70マイクログラムを超えたのは、合わせて23日あったということです。
観測されたのは九州地方や中国地方など西日本が中心で、PM2.5が大陸から日本まで流れてきた影響のほか、国内の都市部で発生したPM2.5が原因とみられるケースもあったということです。
このうち、おととしの5月2日には、九州地方の8か所の観測地点の平均で1日の濃度が1立方メートル当たり82マイクログラムを記録し、この日は黄砂も大量に観測されていました。
国立環境研究所は、来月から5月にかけては黄砂が日本に多く流れてくる時期となり、黄砂が流れてくる気流の影響で、汚染物質が黄砂とともに一時的に多く飛来したり、黄砂の中の非常に細かい粒子もPM2.5として観測されたりするため、数値が上がりやすくなると分析しています。
黄砂とPM2.5の関係に詳しい、国立環境研究所の清水厚主任研究員は、今シーズン、どの程度黄砂が流れてくるのか予測するのは難しいとしたうえで、「黄砂に伴って、1日の平均濃度が1立方メートル当たり70マイクログラムを上回る値が観測される可能性がある。観測される数値に注意し、特に呼吸器系の持病のある人などは、濃度が高い日には外出を控えるなどの対応をしてほしい」と話しています。


  【中国大気汚染】飛来量増予想のPM2・5、環境省が注意喚起の暫定指針
2013.2.25 産経新聞

 大気汚染の原因とされる微小粒子状物質「PM2・5」が中国から飛来している問題で、環境省は住民へ注意喚起するための暫定指針を27日の専門家会合でまとめる。3月末から5月にかけて、黄砂とともに飛来量が増えると予想されるPM2・5。各自治体は暫定指針に沿って対策を講じていくことになる。
 暫定指針は、注意喚起する基準となる大気中の濃度を定め、超えた場合は住民へ外出や換気、屋外の活動を控えるよう呼びかける。心臓や肺に持病のある人やお年寄り、子供などには特に配慮して注意喚起する。
 これまでの会合には福岡市環境局長も出席。黄砂に悩まされてきた経験をPM2・5の対応に生かした注意喚起法を報告した。同市は平成23年からPM2・5の観測データをホームページで公表。今月15日からは毎朝5~6時のデータに基づき、その日の平均値が国の環境基準を超えると予測された場合に「行動の目安」を呼びかけている。
 ぜんそくなどの呼吸器系疾患やアレルギー疾患がある人には、外出時のマスク着用と帰宅後の洗眼、うがいを奨励しているほか、普段の生活についても(1)洗濯物はできるだけ外に干さない(2)空気の入れ替えを控える(3)車の運転時は窓を閉める(4)洗車は後日に-の4点を注意喚起している。環境省の暫定指針にも、こうした内容が参考にされる。
注意喚起には詳細な観測データが欠かせないが、国の環境基準が定められたのは21年9月。測定局は来月末までに全国で1300カ所を目標に掲げるが、現在は約550カ所にとどまっている。環境省などは今年度補正予算案に計上された「地域の元気臨時交付金」(約1兆4千億円)を使って整備するよう、各自治体へ要請している。
 石原伸晃環境相は「PM2・5は3月末以降、黄砂とともに飛来する量が増えると予想される。健康被害が出ないよう万全を期したい」としている。

 PM2・5 大気中に漂う微粒子のうち直径2・5マイクロメートル以下と特に小さいもの(1マイクロは100万分の1)。通常のマスクも通してしまうほど小さいため、肺の奥まで入りやすく、大量に吸い込むとぜんそく、肺がんなどの健康被害を引き起こす懸念が指摘される。日本の環境基準は、大気中の濃度を1年平均で1立方メートル当たり15マイクログラム以下、かつ1日平均で同35マイクログラム以下が望ましいとしている。


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  PM2.5高濃度時、外出や換気自粛を呼び掛けへ 
2013年2月19日 中日新聞

黄砂飛散、健康への影響分析急ぐ 環境省対策案
 環境省は18日、中国からの飛来が問題になっている微小粒子状物質「PM2.5」による健康への悪影響を防ぐため、大気中濃度が高い日に、外出や屋内の換気を控えるよう市民に注意を呼び掛けることを盛り込んだ暫定的な指針の骨子案をまとめた。都道府県や政令指定都市など約130自治体と初の連絡会も都内で開き、PM2.5の濃度を測定する地点を増やすよう自治体側に求めた。中国で汚染悪化が進む恐れがあり、春に黄砂の飛散が予想されることから、健康への影響も含めた分析を急ぐ。
 環境省は2月中に暫定指針を策定する方針。骨子案は同日の専門家会合で示された。それによると、注意喚起する基準となる大気中濃度を定め、超えた場合、住民に外出や換気、屋外の活動を控えるよう呼び掛ける。
 会合では、基準となる濃度は絞り込まれなかった。1時間ごとの観測値を活用して判断する方向で検討する。
 心臓や肺に持病のある人やお年寄り、子どもら、大気汚染に弱いと考えられる人には特に配慮して注意を呼び掛ける。マスク着用の有効性や空気清浄器の効果の程度も精査する。
 モニタリング強化では、環境省は、測定地点を約1300に増やす目標を掲げている。だが自治体の財源不足などから3月末までの設置数は目標の半数以下の約600にとどまる見通しだ。
 自治体との連絡会で、環境省が「一層の整備促進をお願いしたい」と要請。これに対し複数の自治体から整備費用への財政支援を求める声が上がった。

対応のポイント
▼住民に注意喚起する際の基準を定めた暫定指針を策定する。
▼大気中濃度が基準を超えて高い日に、外出や屋内の換気を控えるよう注意喚起する。
▼指針は、心臓や肺に持病のある人、お年寄り、子どもに配慮。
▼PM2.5の濃度測定地点を、約600から1300を目標に増やす。
▼健康への影響を分析する。
▼環境省のホームページなどを活用して情報発信する。


PM2.5、中国だけが原因じゃない 日本にも発生源
2013年2月23日 北陸中日新聞

中国で深刻化する大気汚染の微小粒子状物質「PM2.5」が、日本にも飛来し、騒ぎになっている。実は、東京都内など都市部のPM2.5は、以前から環境基準を超えていた。国内の車や工場の排出ガスが主要な原因だ。日本は公害を克服したとされるが、国のPM2.5対策は置き去りにされたままになっている。 (荒井六貴)

車や工場の排出ガス主因 都市部、以前から基準超す
 「例年より出荷量は増えている。商品が品薄になっている店もあるようです」。医療用マスクなどを製造販売する興和(名古屋市)の広報担当者は話した。「PM2.5、インフルエンザウイルス、スギ花粉と3つが重なって、需要が増えた」。ウイルスやPM2.5をカットする機能があるマスクが売れ筋だという。
 中国から飛来するPM2.5の健康への悪影響を防ぐためとして、環境省は、大気中の濃度が高い日には、外出や屋内の換気を控えるよう注意を呼び掛けるなど暫定的な指針案を示している。全国の都道府県や政令市には測定局を現在の約600カ所から1300カ所に増やすよう求めている。「まずは自治体で整備を」としているが、財源不足などから、自治体は早急な対応は難しいのが実情だ。
 国立環境研究所の21日の発表では、1月31日に全国155測定局のうち48カ所(31%)で基準を超えていた。西日本を中心に濃度が高く、「大陸からの越境汚染が影響したと考えられる」としている。
 しかし、西日本で基準値を超えた測定局数や日数は、昨年同時期と同程度で、実際にどのくらいの影響があったのかは、はっきりしていない。さらに、東京や名古屋などで濃度が高いのは、都市で発生したPM2.5の影響が大きいという。担当者も「長期にデータを集める必要がある」とする。
 実は、東京や名古屋など都市部では、以前からPM2.5が環境基準を超えていた。
 PM2.5の環境基準は1立方メートル当たりで年平均値が15マイクログラム以下かつ、1日平均で35マイクログラム以下。2011年度、東京都内の測定局28カ所のうち、基準を満たしたのは2カ所だけ。板橋区の中山道沿いで年平均19.1マイクログラム、足立区綾瀬で1日平均46.7マイクログラムを記録。23区内の測定局は全滅だった。都内の小学生のぜんそく罹患(りかん)率は6%台で、10年前より悪化している。
 都が、都内のPM2.5の発生源を推計したところ、関東の1都6県で通行する車によるものが11%程度。それに、工場などを加えた人為的な発生源は3割を超える。都内では、幹線道路沿いの測定局の数値が、住宅街を上回っており、車の排ガスの影響が認められる。

怒るぜんそく患者 「国内の現状無視」
 「東京都内のPM2.5が環境基準をオーバーしているのは、中国のせいだと思っているのか」。東京大気汚染訴訟弁護団の西村隆雄弁護士が、環境省の担当者に詰め寄った。19日、都内で開かれた、ぜんそく患者や支援の弁護士ら約30人と、国と都の役人約50人が意見をぶつけ合う場。
 西村弁護士が「PM2.5がこれだけ騒がれているのに、行政には削減策の目標もない。いつになったらつくるのか」とただすと、環境省の担当者は「分からない。発生源を解明してから、対策をどう打つか決める」と答えるのがやっとだった。
 日本でも戦後の高度経済成長期に、工場や車から排出される大気汚染公害が深刻化した。三重県四日市市や川崎市などでは、空が排煙で真っ黒になり、ぜんそくなどで苦しむ人が急増。患者らが企業などを相手に訴訟を起こした。
 その後、工場などの窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物対策は進み、環境基準が強化されたこともあり、日本の大気汚染は改善されたとされる。

削減策遅れる環境省
 だが、日本でPM2.5が注目されるようになったのは最近になってからだ。環境基本法に基づく、環境基準が設定されたのは2009年。基準が厳しい米国の例を参考にした。本格的な監視態勢を整備し始めたのは、10年からだ。
 東京大気汚染訴訟の原告は、車の排ガスに含まれるPM2.5などによって、ぜんそくや慢性気管支炎などを患ったとして、国や都、メーカー7社などに損害賠償を求め、1996年に提訴した。07年、東京高裁で、医療費助成制度の創設や大気汚染対策の強化、メーカーが12億円の解決金を支払うことなどで和解が成立した。
 ところが、環境省はPM2.5対策を遅々として進めようとしない。「PM2.5の由来が分からない」というのが、その理由だ。
 50歳の時にぜんそくを発症した「東京公害患者と家族の会」事務局長の増田重美さん(68)は「今でも、薬なしには生活できない。PM2.5が削減されなければ、症状はますます悪化する」と切実だ。「国は、中国ばかりに原因があると見せかけている。国内のPM2.5を無視するのはおかしい」

道路管理 国交省に測定局増設求めず
 環境省は、自治体には測定局を増やすよう要求しているのに、道路を管理する国土交通省には求めていない。国交省はすでに、NOxなどを調べる測定局を持っており、自治体がPM2.5のために新設するよりも、費用が安くすむ。環境省大気環境課は「大気汚染防止法で、測定は都道府県が実施することになっている。国交省に求める権限がない」と釈明する。
 ぜんそく患者らは、これまで、国交省にもPM2.5の測定局を設置するよう求めてきたが、国交省道路交通管理課は「車がどれぐらいの発生源となっているか分からない。現段階では対応を決められない」と極めて消極的だ。
 西村弁護士は「国交省は、沿道でPM2.5を測定すると、数値が高くなるのが分かってしまうから、嫌なのだろう」とみる。増田さんは「大気汚染訴訟の和解を決めたのは、前の安倍政権の時だった。約束した和解条項にもある環境対策をしっかりやってもらいたい」と要望する。
 兵庫医科大の島正之主任教授(公衆衛生学)は「日本のPM2.5は全体的に数値が高く、継続的に対策を強化していくことは必要だ」と強調する。「中国の大気汚染で、日本が被害者のようにみられているが、日本にも発生源がある。中国ばかりに目がいくのは正しくない。国内のPM2.5対策も考えるべきだ」


 大気汚染物質PM2.5は、どんどん家の中にも入ってきている!
SUUMO ジャーナル-2013/02/21  

花粉症の季節も、もうすぐ本番。今年は花粉だけでなく中国から飛んでくる大気汚染物質PM2.5が、さらに深刻な健康被害を与えるのではないかと心配されている。このPM2.5、家の中には、いったいどれくらい入ってくるものなのか。入ってしまったPM2.5を取り除く方法はあるのか。入らないようにするにはどうしたらいいのか。前橋工科大学で建築環境工学を研究している三田村輝章准教授にお話を聞いた。

■直径が小さい物質ほど肺の奥へ届くので健康被害が心配
PM2.5は粒子の直径が2.5マイクロメートル以下の微小粒子で、成分はいろいろあるが人の健康に被害をもたらすのは石炭や石油など化石燃料の燃焼から生まれたものだといわれている。ぜん息の原因となるハウスダストの直径がおおよそ10マイクロメートル、花粉症の原因のひとつであるスギ花粉は直径20マイクロメートル以上あるから、それとくらべると、いかにPM2.5が小さいかが分かる。粒子の直径が小さいほど肺の奥までとどくので健康への影響も大きいと考えられている。

■自分の住んでいる地域の汚染状況は「そらまめ君」でチェック
あなたの住んでいるエリアの大気がPM2.5でどれくらい汚染されているかは、「そらまめ君」でチェックしよう。
独立行政法人国立環境研究所が運用するこの「そらまめ君」では、24時間自動運転している各地の大気汚染常時監視測定局のデータを速報値として見ることが可能だ。図は2月12日午後2時の九州地方のPM2.5濃度。赤い点は濃度の高い観測点を示す。
このところPM2.5が話題を呼んで、そらまめ君にはアクセスしにくくなっている。

■窓を閉め切っていてもPM2.5は室内にどんどん入ってきている
では空気中を漂っているPM2.5は、どのくらい家の中に入ってくるものなのか。三田村准教授に聞いてみた。
「PM2.5は花粉などの粒子とくらべて非常に小さく軽いため、空気中を長時間漂っています。ですから屋外の空気が室内に侵入すれば,そのまま汚染物質も入ってくるものと考えられます。昨年出版した『ぜん息とアトピーが治る家』(幻冬舎ルネッサンス新書・共著)に微粒子濃度の計測結果を掲載していますが,気密性に配慮していない一般的な住宅では,直径2マイクロメートル程度の粒子の濃度は,室内と屋外でそれほど大きく変わらないという結果がでています」
一般の住宅は、たとえサッシやドアを閉めきっても、自然に外気が流入する。PM2.5ほど微少な粒子になるとこうした外気の流入(自然換気)によって、そのまま室内に入ってくるのだ。大気汚染のひどいときは屋外に出ないほうがよいと思われているが、PM2.5の場合、長時間汚染が続けば室内にいても屋外にいてもさほど変わらないわけで、これはちょっとコワい。

■電子フィルター+全館空調システム+高気密住宅の組み合わせが理想
室内に入ってきてしまったPM2.5には、どう対処すればいいのか。
「理想的なのは、気密性の高い住宅で全館空調システムと組み合わせた電子フィルターを動かし、室内に入ったPM2.5粒子を除去してやることですね。電子フィルターは、半導体の製造工場などでもつかわれているもので、空気中の微小な粒子をイオン化し、電極に吸着させる仕組みです。これをつかえば1マイクロメーター以下の微粒子さえ90%以上除去することができます」(三田村氏)
とはいえ、このシステムを既存の家にすぐに設置するのは難しい。では一般家庭ではどうすればいいのか?
「いますぐ実行に移せる対策としては、空気清浄機の利用が最も望ましいのではないでしょうかポイントは、選択肢はあまり多くないが前出の電子フィルターに似た仕組みの「電子式」「電気集塵式」といった表示のある空気清浄機を選ぶことです。多くの空気清浄機は不織布でできたフィルターで粒子を濾し取る仕組みです。このタイプのフィルターでは高性能なものでもPM2.5は50%ぐらいしか除去できません。また、フィルターが目詰まりを起こして風量が低下しやすいのが難点です」(三田村氏)

まとめると、
なるべく窓は開放しない。洗濯物は外に干さない。空気清浄機のフィルターの掃除は早めに行う。また空気清浄機のフィルターの掃除や、掃除機のゴミ捨ての際は、マスクや防塵めがねをして屋外で行い、作業をしたら水でよく手を洗うことも大切とのこと。
中国の大気汚染は深刻で、しかも簡単に解消するとは思えない。PM2.5問題は、もう「対岸の火事」ではない。常に身近にあるものと考え、健康被害を少しでも少なくすることが大事だ。



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2月26日(火)のつぶやき

2013-02-27 01:23:49 | 花/美しいもの

「こうのとり追って  晩産化時代の妊娠・出産」28日刊行/境界を生きる:同性愛のいま 当事者に聞く blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…

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「こうのとり追って  晩産化時代の妊娠・出産」28日刊行/境界を生きる:同性愛のいま 当事者に聞く

2013-02-26 11:26:06 | ほん/新聞/ニュース
毎日新聞から二冊の本が刊行されると、友人の五味香織さん(生活報道部)から連絡がありました。

一冊目はぐうぜんこのブログでも紹介した「境界を生きる 性と生のはざまで」(2/26)。
二さつ目は「こうのとり追って 晩産化時代の妊娠・出産」(2/28)。
いずれも五味さんがシリーズにかかわった本です。
「境界を生きる」は今日ですね。

「境界を生きる」は、丹野恒一さんが中心になって、五味さんはサブ筆者、
「こうのとり追って」は、五味さんが企画を立ち上げて、中心になって取材班を組んだシリーズだそうです。

 「こうのとり追って 晩産化時代の妊娠・出産」毎日新聞取材班:著 
大反響の毎日新聞連載を単行本化。不妊、体外受精出生前診断-。晩婚化時代の、妊娠・出産の最前線を追う。当事者の声を丁寧にすくった渾身のドキュメンタリー。 <四六判/224頁>

「境界を生きる 性と生のはざまで」 毎日新聞「境界を生きる」取材班:著
わたしは男? それとも女? 「性分化疾患」と「性同一性障害」。
男と女、生まれたときに性別は決まっている――そう疑わない社会で、誰にも言えない苦しみを抱える当事者たち。苦悩する医療関係者、そして現実の壁。人間の根源に迫った新聞報道の金字塔が、ついに書籍化。石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞受賞(草の根民主主義部門・2010年度)、第29回ファイザー医学記事賞優秀賞受賞。 <四六判/240頁>


こうのとり追って アーカイブ 

境界を生きる アーカイブ


境界を生きる:同性愛のいま/「境界を生きる 性と生のはざまで」26日刊行。(2013-02-22)

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毎日新聞紙面で連載の「境界を生きる:同性愛のいま」は昨日が最終回でした。

  境界を生きる:同性愛のいま 当事者に聞く 
毎日新聞 2013年02月25日 東京朝刊

 シリーズ「境界を生きる」は今回、同性愛者が直面する厳しい現実や新たな動きを4回にわたり紹介しました。どうしたら当事者たちが、もっと生きやすくなるのか。ゲイ(男性同性愛者)であることを公言している米国の大阪・神戸総領事、パトリック・J・リネハンさん(60)と、東京都豊島区議の石川大我さん(38)に聞きました。【丹野恒一】

 ◇「君は独りじゃない」 存在、発信し続けて−−大阪・神戸米国総領事、パトリック・J・リネハン
 −−同性愛を取り巻く日本の状況を、どのように感じていますか。
 ◆ 米国の30年前の状況に似ています。当時の米国では、ゲイはテレビのバラエティー番組で「オネエ言葉」をしゃべり、ばかにされながら笑いを取る役目でした。映画俳優や女優に、当事者にとって生き方のモデルになるようなゲイもレズビアンもいませんでした。でも、今は違います。

 −−なぜ変わったのですか。
 ◆ 例えば政治家では、映画にもなり有名なハーベイ・ミルク氏が77年にゲイとして初めてサンフランシスコ市議になり、10年後には連邦下院議員のバーニー・フランク氏がカミングアウト(告白)した。そうやって後に続く人が出てきた。かつて、バスの座席が白人と黒人で分けられていた時代、それに抵抗して逮捕された女性がいましたが、それと同じです。1番目になるのは難しいが誰かがその勇気を持たなくてはなりません。

 −−けれど、カミングアウトは難しい。
 ◆ 多くの日本の同性愛者が、自分を隠し、異性愛者だとうそをつきながら生きていることは知っています。地方ではサポートが少なく、より困難だということも理解しています。隠すのも、生きるための一つの方法であり、カミングアウトを「すべきだ」と言うつもりはありません。

 −−米国では若い同性愛者の自殺が後を絶たない。日本でも同じ指摘があります。
 ◆ とにかく「君は独りじゃない」と伝えたい。同性愛を理由に差別されたり、いじめられたりした時、助けてくれる教師、家族、隣人、親戚、どこかに誰かがいる。「助けて!」と手を伸ばす勇気だけは持ってほしい。

 −−子どもが同性愛者だと知った時、親はどうすべきでしょう。
 ◆ 決して言ってはならないのは「なぜ?」という言葉です。
 私には一卵性双生児の兄がいます。一緒に育ち、同じ服を着て、同じ大学で学んだ。しかし、兄が好きになったのは女性で、私は男性だった。つまり「なぜ?」には意味がない。「ただ、そうなのだ」としか言えない。それよりも親は、子どもが何を感じているのか、何を望んでいるのか、どんな将来を夢見ているのかに気を配ることが大切です。

−−日本は同性愛者が生きやすい社会になるでしょうか。
 ◆ 米国には宗教や信条を理由とした同性愛者への根強い差別がありますが、日本の場合はむしろ「存在が無視されている」という印象です。
 同性愛が法律で禁じられているウガンダで2年前、ゲイの人権活動家、デビッド・カト氏が殺害されました。生前のインタビューで彼は「隠し続ければ存在しないことになる。もし存在しないなら、権利も、社会で暮らす場所もないことになる」と語っていました。日本は、一度理解が進み始めれば、きっと変化は早い。そのためにも、同性愛の当事者が、自分たちの存在や権利を、外に向けて語り続けなくてはなりません。

 ◇若者が仲間に会える場を 教職員、正確な知識持って−−東京都豊島区議・石川大我
 −−生きづらさを抱える若い同性愛者がたくさんいます。
 ◆ 私は中学生の時に自分が同性愛者だと気付きましたが、初めて仲間に会えたのは25歳になってからでした。インターネットやソーシャルメディアが発達した今でも、特に10代の若者は、同性愛の仲間と出会うのは難しい。一つの学校に数人いても不思議はないのに、それぞれが誰にも言えずに苦しんでいるので、つながれないのです。

 −−10代、20代のゲイの友達づくりのイベントを開いていますね。
 ◆ (1)公共施設で(2)昼間に(3)アルコール抜きで−−のコンセプトで、10年以上前からほぼ2カ月に1回開いています。毎回50人前後が参加し、半数は初めて参加した人。「こんな時に君ならどうする?」というテーマで話し合ったり、ゲームを楽しんだり。2年前からはレズビアンの人たちなどに向けたイベントも始めました。ただ、そういう場に参加できる積極性が持てない子や、地方に住む子には、まだ十分に手が届いていません。

 −−学校ができることはありますか。
 ◆ まずは正確な知識を持つことです。教職員に限りませんが「男性が好きだということは、心は女性なのだろう」と性同一性障害と混同したり、同性愛を「選んだ」と誤解したりしている人があまりにも多い。社会は異性を愛する人だけで構成されているのではないことを意識して、同性愛を否定しない言動を心掛けてほしいです。
 昨年改定された国の自殺総合対策大綱は、性的マイノリティーについて、教職員の理解を促進することをうたっています。自分を肯定して思春期を過ごせるかどうかは、その後の人生を左右します。真剣に取り組んでもらいたいです。
       ◇
 09年秋から続けてきたシリーズ「境界を生きる」は、今回で終了します。長らくのご愛読ありがとうございました。これまで掲載した「性分化疾患」と「性同一性障害」の連載に大幅加筆した単行本「境界を生きる 性と生のはざまで」を26日、毎日新聞社から出版します。

==============
 ■人物略歴
 ◇パトリック・J・リネハン
初来日は88年。札幌総領事館と東京の大使館で勤務経験があり、11年8月から現職。パートナーはブラジル出身の男性。同性婚を認めるカナダで07年に結婚した。

==============
 ■人物略歴
 ◇石川大我
 明治学院大卒業後、ゲイとして講演活動や若者支援に力を入れる。11年に社民党公認で豊島区議選に立候補し初当選。
 


  



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2月25日(月)のつぶやき

2013-02-26 01:23:21 | 花/美しいもの

東京新聞:ハーグ条約 どんな条約 どう変わる:政治(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/politi…

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甲状腺検診、加速させよ=鎌田實/科学者よ、屈するな/世論調査「脱原発」70%近く blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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甲状腺検診、加速させよ=鎌田實/科学者よ、屈するな/世論調査「脱原発」70%近く

2013-02-25 17:54:26 | 地震・原発・災害
福島県で新たにふたりの子どもに小児甲状腺がんが見つかったというニュースに
衝撃を受けた人も多かったと思います。
わたしもその一人です。

さらに7人の子どもに甲状腺がんの疑いがあり、とのことで、
チェルノブイリの現状を見てきた鎌田實さんは、
「原発事故が原因ではない」という「専門家」の安易で無責任な発言に警鐘をならす。

毎日新聞の記事、長いのですが、多くの人に読んでほしいので紹介します。

  さあこれからだ:/49 甲状腺検診、加速させよ=鎌田實  
毎日新聞 2013年02月23日 

 福島県の県民健康管理調査の検討委員会が、新たに2人の子どもに小児甲状腺がんが見つかった、と発表した。東京電力福島第1原発事故後、がんが見つかったのはこれで3人となった。さらに7人の子どもに甲状腺がんの疑いがあり、追加検査中だという。
 検討委の鈴木眞一・福島県立医大教授は「もともとあったものを発見した可能性が高い。原発事故との因果関係は考えにくい」と語ったが、それを聞いて納得するお母さんは、多くないのではないか。
 このニュースを緊急にぼくのブログに載せたところ、南相馬市の若いお母さんからメールが届いた。「怖くなった。とても不安です」と書いてあった。当然だ。
 通常、小児甲状腺がんの発生率は100万人に1人といわれている。36万人の子どもがいる福島県で3人見つかったということは、福島県での発生リスクが、通常の10倍近くに上がっていることを意味している。
 チェルノブイリ原発事故では、高汚染地域で6800人の子どもたちに甲状腺がんが発生した。発生数は、原発事故の4年後に急激に増加している。だからといって、事故から2年の福島で甲状腺がんが発生しないということにはならない。
 ぼくがチェルノブイリの放射能汚染地域を初めて訪ねたのは、1991年1月。原発事故から4年半後だった。当時、国際原子力機関(IAEA)も世界保健機関(WHO)も「原発事故で健康被害はない。多くは放射能ノイローゼだ」と発言していた。
 だが、実際にベラルーシ共和国の小さな村を訪ねると、複数の小児甲状腺がんの子どもがいることに気がついた。当時は、甲状腺に注目した検診はほとんど行われていなかった。事故後どの時点で小児甲状腺がんが発生したかは、検診が十分でなかったため、分からなかった。
 すぐに手を打った。ぼくが代表をしている日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)は、日本から甲状腺の専門医を連れていき、放射能汚染地域で甲状腺検診を始めた。現地の病院に超音波検査機器を送った。原発事故と小児甲状腺がんの因果関係が公的にみとめられたのは、この数年後である。
 福島の県民健康調査検討委は、2年半かけて子どもの甲状腺検診を行う計画だが、これはまずい。「4年たたないと小児甲状腺がんが出ない」という考えに寄り過ぎているのではないか。検診はできるだけスピーディーに進める必要がある。
 だが、県は検討委の委員を事前に集めて秘密裏に「準備会」を開き、1例目の小児甲状腺がんが発生した時「原発事故と因果関係はない」と、見解をすり合わせていた。
 毎日新聞の報道によると、秘密会では「甲状腺の専門家が少ない。県外で検査する医療機関の認定を遅らせ、県内体制を作っていきたい」との考えも示されたという。県外に避難した人たちの甲状腺検査は後回しでいい、と言っているに等しい。
 福島から子ども連れで避難したたくさんのお母さんから、不安の声が寄せられている。
 JCFでは、信州大学や諏訪中央病院で子どもたちが甲状腺検診が受けられるよう、サポートを始めた。費用もJCFが負担する。諏訪中央病院での甲状腺検診は3カ月先までいっぱいだが、それでも検診を希望される方は、ぜひJCF(電話0263・46・4218)へ相談してほしい。
 また、ぼくが名誉理事長を務めている震災復興支援放射能対策研究所(福島県平田村)では、3月から甲状腺検診を始める。エコー検査と血液検査のセット。1万6000円かかるが、子どもは無料だ。
 だが、今のペースでは、36万人の検査を2年半で終わらせることはできない。日本全体で協力体制をとることが不可欠なのだ。
 昨年11月、国連の人権理事会に選ばれた専門家が日本で調査を行い、福島県民の外部被ばく量を推定する調査の回答率がわずか23%だと批判している。
 これまで福島県も国も「大丈夫」と言うばかりで、放射能の「見える化」をスピーディーにしてこなかった。
 放射性ヨウ素の半減期は8日。測定をもっと早い時期にすべきだった。弘前大学の被ばく医療総合研究所が、原発事故から1カ月後の11年4月11日から6日間、原発から30キロ圏にある浪江町津島地区にとどまった17人と、福島市に避難した48人の合計65人の甲状腺を検査したところ、大人で最大87ミリシーベルト、子どもで最大47ミリシーベルトの被ばくをしていたことが分かった。事故から8日以内の3月15日ごろに、もっと多くの人の外部被ばく量を測定していたら、100ミリシーベルトを超える人がいた可能性もある。
 県民の1%にあたる約2万人にガラスバッジ(線量計)を持たせていれば、外部被ばく量を測ることができたはずだ。外部被ばくの実態を早期に把握できれば、もっと早く対応できたかもしれない。
 例の国連の専門家は、「専門家だけでなく、地域社会もかかわらなければいけない」と指摘している。検討委に最初から、被害の当事者である福島県民の代表が入っていれば、秘密会議など行われなかったに違いない。
 不透明な検討委のあり方を改め、今からでも子どもたちを守るため、国を挙げて甲状腺検診をスピードアップさせるためのサポート体制を組むべきだ。(医師・作家、題字も)=次回は3月9日掲載


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中日新聞、河北新など、脱原発をテーマに取り組んでいる新聞社の記事もよい。
福島原発事故から3年。
決して忘れてはいけない、原発事故のこと、いまも苦しんでいる被災者のこと。

   【社説】科学者よ、屈するな 週のはじめに考える 
2013年2月24日 中日新聞

 科学は進歩をもたらすが、時に害悪ももたらします。公害や原発事故などです。それらを避けるには、科学者たちの屈しない姿勢がまず欠かせません。
 原発については目下、活断層の評価などで、原子力規制委員会と電力会社との間で意見が分かれたりしています。日本は地震国なのだから、国民の納得のゆく結論がぜひほしいところです。
 国策でもあった原子力をめぐっては、当初から学者たちの激しい議論が起きていました。

湯川、坂田の委員辞任
 日本初のノーベル賞受賞者湯川秀樹は、請われて就任した原子力委員会の委員(非常勤)を短期で辞任し、やはり物理学者の坂田昌一が原子力委員会の専門部会委員を中途で辞めています。
 湯川の場合、病気静養を理由とし、また引き受けても一年程度という約束もしていたのですが、早期の原子炉導入にはもともと慎重な立場でした。
 坂田の場合、辞任の理由は明白でした。
 自ら委員を務める、原子炉導入を審議する委員会にあてて手紙を出していた。英国コールダーホール型原子炉の東海村導入をめぐり近隣住民の退避を決める際の放射線量の明示と、それをどういうふうに決めたかの審議の内容が公開されないままでは国民に責任がもてない、という内容でした。
 学者として、安全を保証できない、というのです。
 当時科学者らに原子力発電への反対は見られなかったのですが、世界に遅れまいとする積極派と、それよりも安全を重視する慎重派とがありました。積極派は原発推進の政治に同調的でした。
 慎重派は坂田らに代表される動きですが、原子炉ならその設計から材料、万一の放射能漏れへの対処まで自分たちでしっかりとつくるべきだという立場です。

政治に負かされたよう
 しかし残念ながら、湯川も坂田も辞めるという行動でしか抗議の意思を表明できなかった。その後を見れば、まるで政治に打ち負かされたようにも思われます。
 いくつもの公害の中でも熊本・水俣病はひどいものでした。
 住民に、メチル水銀の被害が現れ、一九五六年に熊本大医学部は原因としてチッソの工場排水に着目した。その三年後、厚生省(当時)の部会が原因は有機水銀化合物との答申を出す。ところが毒の廃水は海に流され続け、政府の公害認定はさらに九年後でした。
 一体、医師は、科学者は何をしていたのか。科学は人の苦しむのを見て見ぬふりをしていたのか。
 一体、政治、行政、またメディアは何をしていたのか。科学者の責任だけにしておいたのか。
 化学肥料を量産するチッソ水俣工場とは、食料増産を支える国策に違いなかった。しかし、それは苦しむ人々を放置したことにおいて、技術の進歩でも国家の発展でもなかったといえるでしょう。
 原子力は、より大きな国家的目的を与えられてきました。草創期は被爆国ゆえの核の平和利用、オイルショック後には石油の代替、最近の温暖化対策ではクリーンエネルギーであるというように。
 夢のような言葉によって危険は覆い隠されてきたのです。
 原子力規制委は、原発の新基準をつくりつつあります。
 冷ややかに見るのなら、欧州などの国際基準並みにするということなのですが、基準が厳しいほどその達成には当然ながら多額の費用と時間を要します。過去の“欠陥”を直さねばならないのです。
 田中俊一委員長は、「コストがいくらかかるかについて私は全く頭にない」と会見で言い切った。脳裏には科学者の責任があるでしょう。
 思い出されるのは、昨年の米国原子力規制委、ヤツコ委員長の辞任です。福島の事故の後、原発の電源喪失対策を厳しく求め、米国の原子力業界と対立していました。規制委の中で孤立していたともいわれます。
 彼自身に業界や政治を説き伏せるだけの力量がなかったのかもしれません。それは、あまりにも巨大な敵でもありました。

科学技術は人のため
 しかし、どうでしょう。
 もし、科学者が日和見になったり、骨抜きにされたら、科学は害悪をもたらすのではないか。
 それこそが公害の歴史でした。見るべきものを見逃し、唱えるべきことに沈黙してきたのです。
 現代科学の巨大化複雑化は、もはや科学自身が解決できないことすら生んでいるのではないか。そんな議論も聞きます。中でも核エネルギーとは恐るべき破壊力と消えない毒性をもたらすのです。
 科学技術とは、人のためにあるべきものです。だから今度こそ科学者が屈することなどあってはならないと強く思うのです。 


 防災施策「進まず」59% 世論調査「脱原発」70%近く
2013年02月24日 河北新報

 東日本大震災後の国や自治体の防災対策が進んでいないと感じている人は59%に上ることが、河北新報社などが加盟する日本世論調査会が16、17日に実施した世論調査で分かった。首都直下地震や南海トラフの巨大地震の発生が懸念される中、行政に一層の対策が求められそうだ。
 東京電力福島第1原発事故に絡み「原発をできるだけ早急にやめる」か「依存度を徐々に減らし将来的にゼロにする」とした回答が計70%近くに達した。
 国や自治体の防災対策は「まったく進んでいない」との回答が7%、「あまり進んでいない」は52%。今後強化すべき防災対策(複数回答)は「災害直後の救助・救援・医療活動」が最多の67%。次いで「被災後の生活支援」58%、「食料や水などの備蓄」30%。
 国による大震災の被災者への支援策は「あまり評価しない」「まったく評価しない」が計51%、「大いに評価」「ある程度評価」が計48%とほぼ均衡した。
 安倍政権が防災対策として公共事業を増やす方針であることについて、70%が「評価する」と回答した。
 今住んでいる地域で大地震が起きるのではという不安を感じている人は「大いに感じる」「ある程度感じる」を合わせて72%。地震予知に期待する人は63%だった。
 災害への備えを複数回答で聞いたところ「非常持ち出し品の準備」が48%とトップで、「食料や水の備蓄」44%、「家族の避難場所や連絡先を決めた」28%と続いた。一方、「何もしていない」も23%に上った。備えるようになったきっかけは東日本大震災が最も多く35%。
 原発を将来どうするかとの質問には、50%が「依存度を徐々に減らし、将来的にはゼロにする」と答え、「できるだけ速やかに原発をやめる」は18%。「依存度は減らすが将来も残す」は24%、「今程度の原発の数や依存度を維持」は5%だった。
 福島原発事故後の原発の安全対策は「あまり進んでいない」「まったく進んでいない」と答えた人が計83%。「大いに進んだ」「ある程度進んだ」は計15%にとどまった。
 【注】小数点以下1位を四捨五入した

 <調査の方法>
 層化2段無作為抽出法により、1億人余の有権者の縮図となるように全国250地点から20歳以上の男女3千人を調査対象者に選び、16、17の両日、調査員がそれぞれ直接面接して答えてもらった。転居、旅行などで会えなかった人を除き1827人から回答を得た。回収率は60.9%で、回答者の内訳は男性50.3%、女性49.7%。
 東日本大震災の被災地のうち、3県について被害の大きかった一部地域を調査対象から除いた。
 ▽日本世論調査会=共同通信社と、その加盟社のうちの計38社とで構成している世論調査の全国組織。
2013年02月24日  


 【国策への異議17】難しい専門家選び 司法、どう向き合うか
(2013/02/24  福島民報)

 滋賀県の住民ら約160人は、福井県に立地する関西電力の原発7基の再稼働差し止めを求め、大津地裁に仮処分を申請している。「東京電力福島第一原発事故後、国の安全審査基準の欠陥が明らかになった」ことなどを理由に挙げている。
 審理がほぼ終了し、今春には判断が出される見通しだ。
 弁護団には滋賀県彦根市の弁護士、井戸謙一(58)が加わっている。井戸は福島第一原発事故が起きる5年前の平成18年3月、金沢地裁に勤務していた。石川県の北陸電力志賀原発2号機の運転差し止めをめぐる訴訟の裁判長を務め、原発の運転差し止めの判決を国内で初めて下した。

■被災者を支援
 退官して弁護士に登録した井戸は当初、原発訴訟に関わることにためらいがあった。
 「福島第一原発事故で国の政策が根本的に変わると思っていた。しかし、どうもそのような状況になりそうもないと感じた」。ここで変わらなければ"第二の福島"が起こりうるのではないか-。そうした思いが新たな活動を始めるきっかけとなった。
 再稼働差し止めを求めている仮処分申請の原告には、本県から大津市に避難している人も加わっている。
 井戸は、関西地方への避難者の賠償問題などにも積極的に対応している。関西地方への避難者が東電への賠償を求めて京都地裁に提訴する相談を受けている。「自主避難者と、福島県内にとどまっている人が同じ被災者なのに分断されている。皆で固まって主張していくべきだ」

■裁判官サポート
 「裁判所に持ち込まれる原発訴訟の件数は、もっと増えるはずだ」。福島第一原発事故後の原発と司法の関わりについて、井戸はそう予測する。
 「かつての原発訴訟では、裁判官をサポートする態勢が不十分だった。特許事件や脱税事件には調査官が加わったり、医療問題では専門委員がいたりするが、原発訴訟には、そのような支援はなかった」と振り返る。
 審理の中で、専門的な知識が必要な場合は、鑑定人を申請できる。ただ、課題もある。井戸は「鑑定人に誰を選ぶかについて、原告と被告の双方が納得する必要がある。しかし、原発問題に詳しい専門家の中で、双方が納得するような鑑定人は、ほとんどいないのではないか。仮に原発訴訟の調査官を配置するのであれば、最高裁が財務省に人員の手当てを要望しなければならないだろう」と説明する。

■躊躇したが...
 井戸は「志賀原発2号機の運転差し止めの判決を下す時は、正直言って、躊躇(ちゅうちょ)したが、気持ちが逃げてしまうと、権威者の発言に寄りかかりがちになる懸念がある。裁判官が自ら判断することから逃げないで、真摯(しんし)に国民の主張に向き合わないと、司法は国民からの信頼をなくす」と語る。(文中敬称略)
(2013/02/24  福島民報)


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2月24日(日)のつぶやき

2013-02-25 01:23:58 | 花/美しいもの

ハーグ条約加盟 子どもの幸せ最優先で/待機児童解消 小さな命守る覚悟を/ blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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ハーグ条約加盟 子どもの幸せ最優先で/待機児童解消 小さな命守る覚悟を/

2013-02-24 20:54:23 | ほん/新聞/ニュース
今朝も起きたら雪が積もっていて、早朝ウォーキングは香りドームでしました。

帰ってきてから5紙の朝刊を読む習慣で、よい記事や気になる記事があるとフセンをつけます。
今年になってからフセンの数がダントツに多いのが、中日新聞。
知り合いの記者さんが多い生活面をまっさきに読んでいるのですが、
社説にも注目しています。
どちらも、子どもやお年寄り、わかものなど、社会的弱者に寄り添う視線がきわだっています。
新聞はこうであってほしい、と共感するところが多いです。

  【社説】待機児童解消 小さな命守る覚悟を
2013年2月19日 中日新聞

 保育所に入れない待機児童の解消に横浜市などが成果を上げている。子どもの預け先に困っていた親への支援になるだろう。しかし一方で、子どもの安全が置き去りにされていないか、課題が残る。
 横浜市の待機児童数は二〇一〇年、千五百人を超えてワーストだったが、二年間で二百人に減らした。今春はさらに定員を増やし、ゼロになる見通しだという。
 「ゼロ」は〇九年に当選した林文子市長の公約で、手厚いメニューが特徴だ。全区に保育情報を提供する専門員「保育コンシェルジュ」を置いた。定員を増やすため、市有地を無償で貸し出すなどして民間保育所を誘致、既存の認可保育所は園舎を増築した。交通不便な保育所で定員の空きが目立つと、保育所までの送迎拠点を駅前に設け、入所しやすくした。「横浜式」は、大勢の待機児童を抱える自治体に影響を与えている。
 子どもの預け先がなくて働きに行けない親を支えよう、そう努めようとする自治体の姿勢は理解できるが、懸念もある。横浜市に限らず、全国でいま、定員を増やしている保育施設やサービスが、火災や地震などいざという時にも、子どもの受け皿として安全を保ちきれているのか、という点だ。
 国は自治体が運営する認可保育所の新設に補助金を出さないと決めている。待機児童を大勢抱える都市圏の自治体は土地の確保も難しい。園庭を削って保育室を広げたり、増築して定員を増やしているため、「詰め込みすぎだ」と心配の声が上がっている。手狭では懸命にやっていても子どもに目が行き届きにくくなり、現場の保育士にも不安を感じさせている。
 自治体によっては、無認可保育所でも独自に設けた基準を満たした施設に補助金を出している。無認可の底上げを図るという面がある一方で、こうした動きが国の最低基準の引き下げにつながらないだろうか、心配だ。
 国は新年度、待機児童対策に四千六百億円を計上した。だが、そもそも「待機児童」の定義があいまいなまま施策を進めている。認可保育所を希望しながら入れない子を数え、全国で二万四千人(昨年四月)と公表する。最初から諦めて申請しない数や無認可に通う子は含まれず、潜在数は八十五万人とも推計される。安全で問題があるといわれるこうした子らにも目を配り、国や自治体は小さな命をどう守り育てるのか、覚悟を示してほしい。


  【社説】ハーグ条約加盟 子どもの幸せ最優先で
2013年2月20日 東京新聞
 
 国際結婚が破綻した夫婦の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」への加盟に向け、承認案が今国会で成立する見通しとなった。条約加盟が日本の離婚後の親子法をも変える契機であるべきだ。
 「ハーグ条約」は、国際結婚した夫婦が離婚し、片方の親の同意なしに子ども(十六歳未満)を国外に連れ帰った場合、原則として子どもを元の居住国に戻し、親権問題はその後に解決するよう定めている。加盟国には政府機関の「中央当局」が設けられ、子どもの居所の発見や、元の居住国への返還、子どもと暮らせない親と子の面会交流の支援などが義務づけられる。日本では外務省が担う。家庭内暴力(DV)など子どもに危害が及ぶとされる場合は、子どもが暮らす国の司法判断で返還を拒むこともできる。
 締結国は米国や中南米を中心に八十九カ国。主要八カ国で未加盟は日本だけだ。加盟にはDVケースへの対応などで慎重論も強かったが、国際結婚が年間四万件まで増えた今は避けられないだろう。
 論議の背景には、子どもを連れて帰国した日本人の親と、返還を求める外国人の親との間で頻発している問題がある。米国や英国、カナダ、フランス四カ国から指摘された連れ帰りは約二百件。米国から連れ帰ったケースでは日本人の母親が誘拐罪で指名手配され、米国に再入国した際に逮捕されたケースもある。日本が条約に入っていないため、日本から外国に連れ出された子どもに会えなくなった日本人の親もいる。条約加盟によって日本から連れ去られた子どもの返還にも政府の協力が得られるようになるのは大きい。
 国境を越えた連れ去りで、一番苦しんでいるのは子どもたちだ。無力な子どもは連れていかれた親に従うしかないが、片方の親から引き離されることで心に傷を負い、成長の中で困難を抱えがちになる。だからこそ条約は、子どもの最善の利益を最優先する。一方の親との関係を断ち切られた状態が続くこと自体が有害だと考える。
 子どもの幸せを最優先する理念は国内にも生かされていい。日本は離婚後に父母どちらかが親権者となってしまうため、離婚前から子どもを連れて別居し、そのまま親権を取ろうとするケースが絶えない。一方の親には親権の侵害で、つらい立場に陥らせるが、日本の家庭裁判所は「生き別れ」を黙認してきた。条約加盟を機に、日本の親子法を論議し、変えていってほしい。


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  【社説】65歳雇用義務化 若者へしわ寄せするな 
2013年2月23日 中日新聞

 企業に希望者全員の六十五歳までの雇用を義務づける改正高年齢者雇用安定法が四月から始まる。高齢化が進む中、働きたい人の雇用延長は望ましいが、若者らにしわ寄せが及ぶようでは困る。
 そもそもは厚生年金の支給開始年齢(報酬比例部分)が六十歳から六十五歳へ段階的に引き上げられるのに対応する措置だ。現在は六十歳定年が多く、年金支給が遅れれば、給与も年金ももらえない「空白期間」が生じてしまう。それを回避するねらいである。いわば、国の年金設計のミスを、企業に強制的にツケ回す制度といえる。
 企業にとって人件費が増えるのは確かだが、負担増ばかりが強調されすぎてはいないか。考え方次第でメリットも大きいはずだ。
 希望者全員の雇用義務は、最初の三年間は六十一歳まで、その後三年ごとに一歳ずつ上がり、六十五歳までの希望者全員となるのは二〇二五年四月からになる。みずほ総研の試算によると、二五年度の全企業の人件費は現行より一・四兆円増にとどまるという。これは「六十歳以降も継続雇用を希望する人」の割合が現在の75%から82%に増え、継続雇用後の賃金は定年前の六割と仮定した場合だ。
 これに対し、経団連は継続雇用の比率は90%に高まり、人件費増から若者の採用抑制などに動かざるを得ないと影響の大きさばかりを強調する。
 少子高齢化が進む中で、意欲や能力のある人の雇用延長は時代の要請である。企業にとってシニア層の経験や技術の伝承は大きな財産となるはずで、それを生かす発想こそが求められる。すでに六十歳定年制を廃止した都内の企業経営者は「六十歳で辞め同業他社に移られたら、それこそ打撃が大きい」と理由を話している。
 ただし、せっかく雇用延長しても、仕事や処遇が一律ではベテラン社員の士気は上がらず、社内の活力にも影響する。大事なのは、成果主義など「やる気」や活躍を引き出す職場づくりと、そのための人材教育である。若手や非正規社員の採用、賃金にしわ寄せがいかないよう仕事を分かち合うワークシェアや柔軟な勤務体系などの工夫も望みたい。
 働く側としては、これまで以上に長く働くことを視野に人生設計を見つめ直し、必要ならば資格の取得やスキルアップなど自己研さんも求められよう。何より大切なのは、健康で意欲がある人が明るく働き続けられることである。


   



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2月23日(土)のつぶやき

2013-02-24 01:23:44 | 花/美しいもの

チェルノブイリでは原発事故前の11年間に小児性甲状腺癌を発症した例は僅か7件でしたが、原発事故後の11年間では500件を超え、その後は急激に増加して3900件を数えました。7件と4400件、どんなバカが見ても分かるでしょう。この事実を無視しているのが福島医大なのです。

寺町みどりさんがリツイート | 183 RT

ふぇみん2/15号読みどころ②5面は今東京・シネスイッチ銀座ほかで公開中の映画で、チェルノブイリ原発事故の制限区域内で初めてドラマを撮った『故郷よ』のミハル・ボガニム監督のインタビュー。故郷を奪われた人たちの心の軌跡を、奪われたものの愛しさをフィクションだから表現できた!

寺町みどりさんがリツイート | 5 RT

書くことは満身創痍の闘い 『発火点』 桐野夏生 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=5290


パイプハウス、完成しました。春をまつ野菜たち。/境界を生きる:同性愛のいま4 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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