みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

著者に会いたい『男おひとりさま道』上野千鶴子さん/悩みのるつぼ~介護はひとりで引き受けないで

2009-11-30 18:43:12 | ジェンダー/上野千鶴子
昨夜の雨もあがって晴れたので、今日も午後からガーデニンク。

寒さに弱い植物を家の中で越冬させるために、
鉢にあげたり、霜よけしたり。
ここ数年は体調がよくなくて、寒くなってくると外の仕事を避けていたので、
ずいぶん枯らしてしまいました。 

庭仕事の合間に、ときどき皇帝ダリアを見上げて、腰を伸ばします。
     

広げたわたしの手よりも大きいピンクの花。
20輪ほど咲きましたが、まだ蕾がたくさんついています。
  

午後の光をすかして輝く花びらをみると、心の中まで透き通るようです。

  

日が暮れたので家に戻り、とっておきコーヒー豆を挽いて、
きょうが議会の開会日だったつれあいと二人で飲みました。
山県市議会は、「議員年金廃止の意見書」を全会一致で採択したそうです(拍手)。


昨日の朝日新聞の読書欄の《著者に会いたい》は、
『男おひとりさま道』で大ブレイク中の上野千鶴子さん。
やさしく微笑む、すてきな写真つきです。

一昨日の土曜日のbeの「悩みのるつぼ」も上野さんだったので、
朝日新聞には、立てつづけに上野さんの記事が載りました。

朝日のBOOK《著者に会いたい》は、ちょっと待ってると、webにアップされるのですが、
はやく紹介したくて、読み直しながらタイプしました。

 《著者に会いたい》
『男おひとりさま道』上野千鶴子さん~老いから見なおす社会の仕組み
 

 ベストセラー『おひとりさまの老後』などで知られる社会学者の上野千鶴子さんが、満を持して男性シングルの老いのあり方にシビアに迫った。
 「老いた人は死を待っている人ではなく、生き続けている人。それならより良く生きる術(すべ)があるはず」。30代で老いの問題に着手した上野さん。本書では死別・離別・非婚の違いはあれ、増え続ける「おひとりさま」の、特に男性の元気な老後の実例を豊富に示す。たとえば他人に頼らぬおひとり力をつける、職場やで家庭以外の居場所を持つ、女性の友人を持つなど、スキル的に先行する女性の知恵も援用し説明する。
 ところがそこに、「死ぬまで治らないと思うこともしばしば」と笑う「男というビョーキ」が横たわる。それは、弱音を吐けない男のオレ様的生き方を示すが、上野千鶴子さんは「死ぬに死ねない今日の超高齢社会では人生は長く、前半の上り坂のスキルは後半の下り坂では使えない」ときっぱり。だが「生き方は生活習慣。生活習慣はクセだから、むずかしいけど治せます」と男性の意識転換を促す。
 さらに介護保険制度の成果として、おカネのかからない介護サービスや本人にも家族にも満足のいく在宅死のケース、在宅ひとり死実現の可能性なども示す。まさに老い、衰え、死に向き合う情報がてんこ盛りだが、この本は「生き方の指南書でも、ご教訓の本でもない」と上野さん。「老いを見たくない、知りたくない、考えたくないという男性に読んでほしい本です」
 筋金入りのリアリストの視線の先には、老いた弱者には男も女もない、助け合いで世の中の仕組みをよりよく変えていきたいとの情熱がにじむ。「私がやってきたことはみんながうすうす気づいているけど口にできないことを言うこと。この10年は逆風で大変だったけど、今後はウェブ上でも活動を広げます」。(法研1470円)
文・伊田彰
写真・高波淳
(2009.11.29 朝日新聞)


『男おひとりさま道』は、書店に並ぶ前に、上野さんと編集者の弘さんとから届いたので、
すぐにブログで紹介しました。
いまの時期は、「ユズジャム」の記事へのアクセスが一番多いのですが、
この記事も、毎日けっこうアクセスが多いです。

上野千鶴子さん最新刊『男おひとりさま道』届きました!(10/27)

アマゾンのランクは74位。100位以内にランクインです。


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beの「悩みのるつぼ」は、「男というビョーキ」が治りそうもない50代男性の、
「帰郷を拒む妻はアンフェアでは」の質問。
上野さんの回答、とってもおもしろいです。

こちらはwebにもアップされないし、朝日以外の方は読めないので紹介しますね。

〔悩みのるつぼ〕帰郷を拒む妻はアンフェアでは
(相談者 会社員 50代)
 
 定年間近、50代のサラリーマンです。地方都市で一人っ子として生まれ、大学から東京へ出てきました。・・・・・・・・・
 実家にいる80歳の母親が今年内臓疾患で倒れました。結局、この夏に何時間にもおよぶ大手術に踏みきりました。・・・・・・・・
 そこで定年後は田舎に帰ろうと思います。妻にそういう思いを話すと「自分は絶対にいやだ」とかたくなに断るのです・・・・・・ 
 夫婦生活が円満なら何とか乗り越えられるかも知れませんが、離婚するしかないと思っています。解決法を教えて、とは思いませんが、私の思いは理不尽でフェアではないのか、お考えを伺いたいのです。
----------------------------------------------------------
(回答者) 社会学者 上野千鶴子 
~介護はひとりで引き受けないで


もう離婚を決めておられるのですから、これは「相談」ではありませんね。で、求めておられるのは、自分の離婚理由が「理不尽なのか」の答えですか。
 離婚には、理不尽もアンフェアもありません。ちょうど結婚が合理的でもフェアでもなかったように・・・・・・・
 もうキミとは一緒にいたくない、って口に出して言ってみてはいかが。存外妻のほうも、実は私もそう思ってた、というかも。仕事上の契約じゃあるまいし、夫婦生活の理を立てるあなたの態度がとっても「男らしく」て、妻はうんざりしているかもしれません。
 妻から見れば夫の親は赤の他人。夫の故郷は異郷の地。自分の生活を根こそぎ引き抜いて介護同居する気になれないのは当然。・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
 定年といえば、男性にとっては人生の転機。これまでの人生を変えたいとお感じになる気持ちはよくわかります。それならご自分の幸せを第一に考えましょう。離婚理由に「理不尽かどうかを知りたい」と問いかけるあなたは、「幸せ」を基準に考えることがとても苦手なようですね。イヤな結婚ならやめたほうが双方にとって幸せだし、郷里に帰って老後を過ごしたほうが幸せならそうしたらよいし、親の介護はひとりで引き受けないほうが幸せですよ。介護保険を活用して他人さまのお世話になりましょう。各種の施設も増えています。あとになって親のために一人っ子の自分の人生は犠牲になったと思う可能性があるようなら、最初からそんな選択はしないことですね。
(題字・イラスト・きたむらさとし)(2009.11.28 朝日新聞)



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11月29日(日)のつぶやき

2009-11-30 00:36:19 | 花/美しいもの
08:43 from web
外はくもり。昨日の庭仕事で少し腰が痛い。予防にポルタレンをつけて続きをしようか、P-WANの女性議員リンクをしようかと、迷っています。まずはコーヒーを飲んで考えましょう。
17:00 from web
けっきょく、雨が降らなかったので暗くなるまで庭仕事をしていました。戻ってお風呂に入ってちょっと休憩。朝日新聞の書評に、上野千鶴子さんの写真入で、『男おひとりさ道』のインタビュー記事が載っています。Beの「悩みのるつぼ」も、上野さんでした。
by midorinet002 on Twitter
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事業仕分け、終了-2/事業仕分け、舞台裏(記者座談会・中日新聞より)

2009-11-29 21:24:57 | 市民運動/市民自治/政治
休日でインターネットがつながりにくいので、
とりあえず、夕ご飯を食べてから、中日新聞をアップしました。

  

中日も「事業仕分け取材班」が、精力的に記事を出していました。

きょうの「事業仕分け取材班」の記者さんの座談会はwebにあっぷされていましたが、
【核心】のほうは、本紙のみです。
   


 事業仕分け記者座談会 傍聴者も判定、会見乱入も
2009年11月29日 中日新聞

 政府の行政刷新会議の事業仕分けが終わった。十一日からの前半戦、二十七日までの後半戦の計九日間、会場となった東京・市谷の体育館に詰め掛けた人は計二万人弱。仕分け現場の熱気は日を追うごとに高まっていった。人波にもまれながら、前代未聞の「予算削減劇」を取材した記者たちが記事に書かなかった仕分け現場の様子を語り合った。 (事業仕分け取材班)

 A 仕分け作業は体育館の一階で行われ、報道陣用の席は二階。間近で取材できないから、一階の一般傍聴席で議論を聞いた。報道関係者が荷物を置いたまま席を長時間離れると、立ち見の傍聴者が容赦なく荷物をどけて座っていた。それほど傍聴者でいつもいっぱいだった。
 B 一般の来場者は、最初は中高年が中心だったけど、仕分けブームが盛り上がるにつれ、制服姿の高校生や若いカップルも目立つようになってきた。一時間の議論が終わると、傍聴席のあちこちから「廃止で決まり」「予算縮減だ」と声が聞こえてきた。みんな仕分け人になりきっていた。国民が税金の使い方を身近な問題として考えるきっかけになったのは間違いないね。
 A 仕分け人のぶら下がり取材に、一般の傍聴者が加わる状況も常態化していた。仕分け統括の枝野幸男衆院議員の記者会見に、一般傍聴者が乱入して質問したこともあった。枝野氏はしっかり答えていたよ。
 B 傍聴用の簡易いすはすき間なく並べられ、一度座ると身動きが取れない。十時間近く議論を聞き続けていたら、エコノミークラス症候群になるかもと恐怖を覚えたくらい。それでも傍聴人は真剣に議論を聞いていた。
 C 議論が長引くことが多く、一時間の予定の昼休みは十五~二十分程度。体育館の隣、財務省関連の「お札と切手の博物館」のレストランで毎日、昼食を済ませた。レストランはにぎわっていたけど、博物館は閑散。財務省は予算を切りたがる割に、無駄の象徴みたいな施設を持ってるじゃないかと思った。

◆資料で勝った財務省
 D でも、仕分け会場で配布された資料を見て、やはり財務省は他省より有能だと思ったね。財務省の説明資料は文字が大きく、分量も一ページで、圧倒的に読みやすかった。要求側は何ページにもわたって詳細に主張しすぎ。一時間の議論だから、シンプルな説明にしないと傍聴者の頭に入らない。資料が配布された時点で、財務省の勝ちという印象だった。
 C 経済産業省の説明は、他省に比べれば上手だった。質問されると「ありがとうございます」と最初に言って、その後は立て板に水で、質問に慌てることもなかった。経産省は第二作業グループで、最後に対象になった省。順番が後になった方が、やりとりの要領がつかめて有利だった面もあるかもしれない。

◆一番人気はやはり…
 A そうだね。あの蓮舫参院議員も、前半戦で役所を責め立てる場面がテレビで繰り返し流れたせいか、後半戦では「事業の目的はみなさんがよく理解していますが」と必ず前置きを入れて、官僚側に気遣いを見せていた。それでも傍聴者からの人気は最後までダントツ。みんなこぞってカメラ付き携帯電話を向けていたね。
 D 蓮舫さんら仕分け人はともかく、財務省主計官が報道陣のインタビューに応じているのには驚いた。「僕らにとっても勉強になります」なんて控えめに答えていたけど、表情にはうれしさがにじみ出ていた。予算を削る政治イベントにまんまと便乗できたというところだろうね。
(2009.11.29 東京新聞)
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予算編成ハードル次々 16年ぶり越年?
2009年11月29日

 「国民の生活が第一」を掲げる鳩山政権の試金石となる二〇一〇年度予算の編成作業が難航している。過去最大の九十五兆円に膨らんだ概算要求の絞り込みに加え、マニフェストの政策見直し、税制改正作業など、次々とハードルが立ちはだかる。「クリスマスイブ」が恒例となっていた政府案の決定時期が例年より遅れることはほぼ確実で、越年編成も現実味を帯びてきた。 (経済部・小松田健一)



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中日の東京版である、東京新聞の<スコープ>にも、
毎日のように関連の記事がアップされていました。

<スコープ>仕分けで残りやすい事業 『環境』『子ども』は配慮
2009年11月27日 紙面から

 八日目の作業を終えた行政刷新会議の事業仕分けで、概算要求を認める判定が十四事業になった。「見直しありき」で俎上(そじょう)に載せた事業をそのまま認めるのは、異例の政治判断だ。無傷で通った事業のキーワードとして、一に「環境」、二に「子ども」が浮かんだ。 (事業仕分け取材班)
 二十六日の仕分け作業は、これまで厳しく判定してきた「基金」の新規創設を含め、環境省の四事業を立て続けに要求通り認めた。同日まで八日間で要求が通った事業を省別に見ると、環境七、国土交通三、文部科学二、防衛二。環境省が際立って多い。
 鳩山由紀夫首相は就任直後に温室効果ガスを二〇二〇年までに一九九〇年比25%削減する中期目標を国際公約した。民主、社民、国民新の与党三党の連立合意にも「地球温暖化・生物多様性などの環境外交」に取り組むことが明記された。
 もちろん環境絡みの事業でも、財務省は用意した資料に問題点や疑問点を書き連ね、「廃止」や「見直し」の判定も出ている。それでも、仕分け人からは「鳩山銘柄はちょっとやりにくい」と本音が漏れた。
 環境に関する事業の説明では、環境、経済産業両省の「政と官」の連携が目立った。
 二十六日に「要求通り」と判定された環境省の国連大学拠出金をめぐっては、田島一成環境副大臣が査定側から事業廃止の影響を説明するよう促し、事務方が「大変なことになる。国際的な非難や失望というレベルでは済まない」と訴えた。
 途上国の温暖化対策を支援する「鳩山イニシアチブ」に向けた経産省の事業では、予行演習通り、近藤洋介経産政務官が事務方の説明を援護射撃。判定は「見直し」だったが、ある仕分け人は「プレゼンテーションが上手だった。縮減幅は入れられなかった」とうなった。
 要求が通った文科省の優良児童劇巡回、環境省の子どもの健康と環境に関する全国調査は「子ども」が共通項だ。
 義務教育費の国庫負担金でも、仕分け人は見直しを求めながら削減には踏み込まず、「教員の増員」を求める意見すら出た。
 日教組出身の民主党の輿石東参院議員会長は二十六日の記者会見で、義務教育費の国庫負担について「最初から削減するわけがないと思っていた。『コンクリートから人へ』の投資だろう。当然の結果だ」と語った。
(2009年11月27日 東京新聞)
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<スコープ>規模圧縮に直結せず 対象外へ反映不可欠 各省反発、ハードル高く
2009年11月28日 紙面から

 行政刷新会議の事業仕分けは二十七日、約四百五十事業をふるいにかける作業を終えたが、財政効果は最大で一兆七千七百億円にとどまり、一般会計で九十五兆円に膨らんだ二〇一〇年度予算の概算要求の圧縮には直結しなかった。三兆円圧縮する目標を達成するには、今後の予算編成で対象外の事業にも仕分け結果を反映させる「横ぐし」を刺す作業が不可欠だ。各省の反発は強まっており、ハードルは高い。 (古田哲也)

 鳩山由紀夫首相は同日夜、事業仕分け終了を受け「数字ありきの話ではない。非常に頑張った結果になった」と記者団に述べ、現時点の圧縮額は重視しない姿勢を強調した。
 行政刷新会議は、当初から「仕分け対象は全体の15%の事業項目だから、三兆円になるはずがない」(仙谷由人行政刷新担当相)と予防線を張っていた。事業仕分けは、あくまで予算圧縮の「お手本」で、目標は全体を見渡す横ぐし作業で達成するという考えだ。
 横ぐしとは、仕分け対象外の事業項目を、仕分けと同じ視点や手法で横断的に見直すこと。刷新会議は前半終了後の十九日、見直しの視点として(1)重複事業(2)補助金交付の効率化(3)公益法人・独立行政法人の基金(4)特別会計の事業-など九項目を早々に示し、各省に対応を求めた。
 見直しを迫られた各省は、政務三役を含めて露骨な「拒絶反応」を強めている。二十七日の事業仕分けでは、経済産業省所管の財団法人がサービス産業を支援する事業が廃止と結論付けられた。官僚側は黙って退出するのが普通だが、この時の経産省は即座に「廃止されたら事業にならない」と猛反発。松下忠洋経産副大臣も「対象を絞り込んでやっていく」と官僚を擁護した。
 仕分け統括の枝野幸男衆院議員は会見で、仕分けの中で問題視した天下り法人への事業発注について「予算縮減のしわ寄せが(支援を受ける)現場に行くような、仕分けの結論と百八十度違う動きが予想される」と述べ、各省にくぎを刺した。
 鳩山内閣は、税収の落ち込みを踏まえ、一〇年度予算で赤字国債の新規発行額を前年度並みの四十四兆円に抑えながら、マニフェスト政策の実現を目指している。横ぐし作業が思うようにはかどらなければ、予算編成の骨格は破綻(はたん)する。首相としては、事業仕分けが後に「空騒ぎ」だったと言われる事態は避けたいところだろう。
(2009年11月28日 東京新聞)



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事業仕分け、終了-1/総括・事業仕分け(毎日新聞・特集より)

2009-11-29 18:04:26 | 市民運動/市民自治/政治
行政刷新会議の事業仕分けが終わり、昨日の毎日新聞は、
政治欄に、特集に、社会面に、と事業仕分けの記事が満載。

事業仕分けの間の「特集」も、毎日がいちばん充実していました。

「事業仕分け:終了 ムダ排除へ道半ば」の記事は、A3で2ページ分、
広告も一切ない、紙面いっぱい使っての力作で、縮小コピーにも入りません。

全部紹介するとこれだけで終わってしまうので、適宜、カットして紹介します。
本紙記事も、これで約半分です。

事業仕分け:終了 ムダ排除へ道半ば 「基準不明確」批判も
毎日新聞 2009年11月28日

 予算編成の一部を公開する行政刷新会議の事業仕分けが27日、終わった。10年度予算の概算要求に盛り込まれた約3000事業のうち約450事業の要・不要を9日間かけて判定。統括役の枝野幸男元民主党政調会長や蓮舫参院議員ら、仕分け人の厳しい追及にたじろぐ省庁側の様子は、インターネットでも中継され、大きな反響を呼んだ。一方、「廃止」を宣告された事業に関係する地方からは、戸惑いの声も漏れている。
 鳩山由紀夫首相が「必殺事業仕分け人」と名付けた国会議員、民間有識者らは、その名の通り、省庁間や地方と重複する事業や、天下り法人を経由している事業に対し、「廃止」宣告を次々と言い渡した。
 例えば、北海道の産業構造などを調査する国土交通省の「北海道総合開発推進調査費」(10年度概算要求で5億円)。仕分け人から「北海道庁の仕事だ」などの批判が上がり、判定結果は「自治体移管」。農林水産省の有機農業などを支援するモデル事業(計23億円)も「内容と成果が不明確」との指摘を受け、「廃止」とされた。
 一方、中小企業の商品開発や販路開拓を後押しする経済産業省の「市場志向型ハンズオン支援事業」(20億円)は3分の1程度の予算縮減に。同事業は民間企業との企画競争の結果、独立行政法人「中小企業基盤整備機構」が受託してきたが、仕分け人は「天下り団体の機構が落札した結果、国費が一部、機構の管理費に充てられる『中抜き』状態になっている」と指弾した。
 予算規模が兆円単位の地方交付税や診療報酬なども仕分け対象に盛り込まれた。だが、いずれもこれまでの予算編成の際、最後まで政府・与党内の調整が難航してきた「政治銘柄」。要求官庁や地方自治体などは、仕分け対象とされたこと自体に激しく反発した。地方交付税交付金と診療報酬はともに「見直し」判定だったが、予算規模などには踏み込まず、見直しの具体策、道筋を示すことはできなかった。
 仕分け人の判定に「基準があいまい」との批判も出された。「子どもの読書活動推進事業」(文部科学省)は「地方に任せるべきだ」などの意見が出て、廃止と判定された。ところが児童参加型の演劇を公演する「優良児童劇巡回等事業」(厚生労働省)は、仕分け人の半数(6人)が予算縮減を求めたものの、取りまとめ役の菊田真紀子衆院議員の「子どもに希望を与える事業は大切」との総括で「要求通り」に。仕分け結果は今後の予算編成に大きな影響を与えるとみられるだけに、判定基準の明確化を求める声が強まりそうだ。

◇財務省主導で周到準備 冒頭説明し「刷り込み」
 「ほかの事業と重複していませんか」。「地方でも似たことをやっていますよね」。データや具体例に裏打ちされた質問、指摘を矢継ぎ早に浴びせかける仕分け人。各省庁の担当者が返答に窮する場面も見られた。その裏には、財務省提供の資料などに基づく、仕分け人の周到な予習があった。
 行政刷新会議は仕分けに先立ち、予算査定を担当する財務省主計官と、要求省庁からのヒアリングを実施。論点整理した内容をA4用紙にまとめ、仕分け人に配った。この「マニュアル」などを参考に「仕分け人は最低でも2週間、勉強した」(仙谷由人行政刷新担当相)という。
 財務省は仕分け対象事業選びにも積極的に関与。対象の447事業のうち7割は財務省案が採用された。さらに実際の仕分けで、主計官が冒頭、「効果が薄れている」などと説明し、「廃止、縮減連発」の流れを作った。
 要求官庁側は「最初に主計官が話して、イメージを刷り込んでしまうのは良くない」(原口一博総務相)など「財務省主導」への不満を強めた。ある省の政務官は「刷新会議には『主計局の下請けをするようなまねはやめた方がいい』と忠告した」と明かす。
 だが、財務省と刷新会議の利害がすべて一致しているわけではない。仕分け人は、天下り法人を通して実施されている事業を「役人OBの高額報酬に充てるため、予算が中抜きされている」と批判し、次々と廃止、縮減の判定を突きつけた。一方、財務省の仕分け候補リストには、自らの天下り先である国立印刷局はなかった。「財務省も聖域ではない」とする原口総務相の指摘を受け、藤井裕久財務相が急きょ、対象に追加するよう申し出た。
 仕分けを統括する枝野幸男元民主党政調会長は「対象事業のたたき台は財務省が作った」と認めながらも「リストになかった財務省所管の公務員宿舎整備費はわれわれが対象に選んだ。財務省と違う議論を作っている自負はある」と語る。

 ◇独立行政法人にメス 30超す基金・特会に1兆円返納要求
 官庁OBの天下り先となっている公益法人や独立行政法人にも事業仕分けのメスが入った。
 仕分け人は、独法などの抱える30を超える基金や特別会計などから1兆円以上を国庫に返納するよう求めた。基金とは、「事業が複数年度にわたる」ことなどを理由に、政府から渡された金を公益法人、独法内にため込む仕組み。民主党は政権交代前から「無駄の温床になっている」と削減に意欲を見せていた。仕分け作業でも「使い方が独法や所管官庁の裁量に任され、毎年の財務省の査定や国会のチェックも不十分」として、徹底的に基金を調べ上げた。
 「典型的な無駄の事例」とされたのが、百貨店の授乳コーナーや公演会場の託児室設置費などを助成している「こども未来財団」の基金(300億円)。12日の仕分けでは、助成内容そのものは問題視されなかったものの、いずれも厚生労働省の元局長が務める理事長、常務理事に対し、それぞれ年間1635万円、1226万円の報酬を支払っていることが批判された。
 さらに財団の事業費15億円のうち、報酬などに充てられる管理費が5億円弱に達していることも判明。「子育て支援に回るべき税金が、天下り役員の人件費に使われている」として、仕分け人は「基金を全額国庫に返し、必要額は毎年の予算で手当てすべきだ」と判定した。
 バブル期以前の高金利時代は、基金の運用益が新たな国費の投入を抑えるというメリットもあった。だが、今回全額返納を求められた独法「福祉医療機構」の基金(2787億円)の運用益は、年間39億円と国債利回り並みの少なさ。仕分け人の土居丈朗慶大教授は「基金を積んで運用益を上げるという事業モデルは破綻(はたん)している」と指摘する。
 財務省は、基金の返納分を新たな「埋蔵金」として、10年度の一般会計歳入に充てる方針。さらに、仕分け対象外の基金100件以上についても仕分け結果を参考に、返納可能か「横串(よこぐし)」を刺し、埋蔵金発掘を進めていく考えだ。
・・・・・・(略)・・・・

 ◇進化させてウミを出し切れ--片山善博・前鳥取県知事(行政刷新会議メンバー)
 仕分け人の質問に、しどろもどろになる役人が多かった。各省の審議会のように根回し済みの場では意気揚々としているのに、公開の真剣勝負では胸を張って話せない。天下り法人への補助金で官僚OBの人件費をまかなうなど、世間に説明できないことをやっているからだ。科学技術予算の縮減判定への批判も多かったが、天下りなどの不純を作り出すために、科学という純粋なものを食い物にした部分を見てほしい。
 現場で見たやり取りは常識的。細かい金額の査定は別だが、事業の目的と手法が国民のためになっているかどうかは1時間で十分判断できる。
 公開により、説明責任を果たせるかチェックすることもできた。仕分けの基準は大方の人を説得できるかどうか。できなければ廃止、縮減、見直しとなる。厳しい判定が相次いだ背景に、財務省の査定能力が落ちていることがある。財務省がやるべき査定に民間の人が加勢したのが事業仕分けだ。財務省が査定能力を取り戻すには、予算編成の公開性を高め、国民の目の活用が不可欠だということが今回、はっきりした。
 だが、積年のウミは1、2回の予算編成では出し切れない。来年以降も進化させながら事業仕分けを続けるべきだ。さらに、仕分け人のような審判を編成過程に組み込むことで、従来の概算要求基準(シーリング)のような各省一律削減方式から、ゼロベースでの査定に予算編成のあり方が転換するだろう。

 ◇危うい劇場型、政策体系を示せ--新藤宗幸・千葉大法経学部教授(行政学)
 これまでの自民党政治では、密室の予算編成であるが故に族議員や利益集団が闊歩(かっぽ)してきた。それが「仕分け」で一つ一つの事業の妥当性が公開の場で議論され、我々も自由に見ることができるようになった。自民党政治から180度転換したことを示すものだ。透明度の高い政権運営の入り口に立つ取り組みであり、評価していいと思う。
 だが、問題点も多い。まず、大衆的な支持を獲得するという意味では、民主党が批判してきた小泉政権の「劇場型政治」の再演ではないかということ。新聞、テレビを介して「官僚バッシング」を繰り広げ、それが大衆受けしている。特定のアクター(役者)に関心が集中し、周囲の人はそのアクターが言うことに「すべてOKだ」と拍手喝采(かっさい)する。
 選挙で当選した国会議員が仕分け作業をするのはまだ分かる。だが「これはいらない」などと指摘した民間の仕分け人に政治的な正当性、代表性はない。にもかかわらず、仕分け結果に縛られた予算編成しかできなくなるのは問題で、こうした政治には危うさがある。
 劇場型の危うさとして、政策や事業全体の体系が無視されてしまうことも挙げられる。例えば民主党の主張する「地域主権」の具体的な構造がどうなのか。政策体系がない中で、枝葉の事業だけを仕分けで切っている印象を受ける。国と地方のあり方、科学技術の振興などを具体的にどのような体系で進めていくのか、民主党は示すべきだろう。
・・・・・・・・(略)・・・・・
==============
 この特集は、平地修、谷川貴史、坂井隆之、寺田剛(以上、経済部)、田中成之(政治部)、伊藤絵理子(仙台支局)が担当しました。



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後半も昨日の、毎日新聞の「総括・事業仕分け」の記事。

クローズアップ2009:総括・事業仕分け(その1) 税の使途、高い関心
毎日新聞 2009年11月28日
 
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
 政府の行政刷新会議が27日まで9日間行った事業仕分けは、予算編成の一端を初めて公開し、予算の無駄を国民の前に明らかにした。聖域視されていた独立行政法人の基金にもメスが入り、「無駄根絶」を目指す鳩山由紀夫政権の姿勢を国民にアピールした格好だ。だが判定に反発する省庁側は、年末の予算編成に向け巻き返す動きを強める。仕分けはアピールだけに終わるのか、今後は政治判断が問われることになる。

 ◇「密室」国民の前に 「廃止」連発、省庁側は不満
 「お茶の間、ホームレスの車座の談議で、税金の使われ方が話題になった。政治と行政の、病気の部分を国民が直感的に感じていたと思う。これが究極の民主主義だ」。仙谷由人行政刷新担当相は27日夜、事業仕分けの成果を誇らしげに語った。
 予算編成はこれまで、財務省と要求省庁、与党議員との間の水面下の攻防で大筋が固められていた。だが、この攻防の一端が仕分け作業として公開され、国民は査定側と要求側の生々しいやりとりを目の当たりにした。野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストは「これまで官庁の『密室』で進められていた予算編成の一部が、国民の目に見える形になったのは画期的だ。国の事業が国民のために必要なのか、公開の場で問いただされた」と評価する。
 仕分け作業の過程で行政刷新会議は、無駄削減の基準として▽省庁間などで重複する事業▽経費の一部が天下り法人にわたる「中抜き」のケース--など9項目をまとめた。これを踏まえ仕分け作業を行った結果、「廃止」判定だけで1334億円の無駄を指摘した。
 特に厳しく追及したのが、民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)で「徹底的に見直す」と宣言した独立行政法人の業務だった。「国際協力機構(JICA)」には国内施設の統廃合なども含め運営費見直しを要請した。
 他省庁、地方と重複する事業への切り込みも目立った。「農道整備」(農林水産省、10年度概算要求で168億円)は「一般道との区別がつかない」と判断し、「廃止」と判定した。
 一方で、1時間の議論で「廃止」など重大な結論を下す仕分け人に対し、「初めに結論ありきだ」との批判も出た。農道整備事業の廃止など厳しい判定を受けた赤松広隆農相は13日の記者会見で「(仕分けの)基準をちゃんとしてほしい。その基準に従って減らすとか、残すとかそういうことなら文句はない」と語った。さらに「(仕分け)人によってやり方が違ってくるのはどうなのか」と仕分け人に矛先を向けた。
 仕分け対象は、生活関連から防衛・外交、科学技術など幅広い。赤松農相ら省庁関係者が反発する背景には「素人がどこまで正しく判断できるのか」「民間人が何の権限で国の予算を削るのか」との不満がある。
 省庁の抵抗をはねのけながら進められた仕分け作業だが、概算要求で過去最大の95兆円超に膨らんだ10年度予算を3兆円以上削り込むには至っていない。「増税せず、徹底した歳出削減で財源を捻出(ねんしゅつ)する」とした、鳩山政権の目標を実現する難しさも浮き彫りにした。【谷川貴史、小山由宇】

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クローズアップ2009:総括・事業仕分け(その2止) 予算反映、どこまで
(毎日新聞 2009年11月28日) 


毎日新聞は、今日の社説で、「事業仕分け」のシメです。

 社説:事業仕分け終了 政治主導で効果広げよ 
毎日新聞 2009年11月29日

 政治の技が試される番だ。政府の行政刷新会議のチームによる事業仕分けが全日程を終えた。のべ9日間、侃々諤々(かんかんがくがく)の作業で財源をひねり出した成果を実際の予算案にどう反映させるかは、鳩山由紀夫首相や閣僚の調整に委ねられた。
 約450事業を短期間で洗い出し、2兆円近い財源を捻出(ねんしゅつ)したことは評価できる。仕分け対象事業は来年度予算案の概算要求に盛られた項目の一部にとどまるため、政府は他の類似したケースに応用する形で、ムダ撲滅をさらに徹底しなければならない。仕分け人の提供した材料を生かし切るため、今度は政治家が知恵を絞ってほしい。
 これまで見直しを手がけにくかった外交・防衛や教育分野を中心に後半戦は議論された。在日米軍の駐留経費を日本が負担する「思いやり予算」も対象となり、日本人従業員の給与を地域事情に応じた体系に見直すよう判定した。
 「思いやり予算」を俎上(そじょう)に載せたことには日米同盟に悪影響を与えかねない、との批判もある。だが、概算要求で1900億円を超す出費だけに、国民の理解を得るうえでも透明度を高め、効率化を図る必要がある。政府は仕分け結果を封印せず、米軍や関係労組との調整に乗り出すべきである。
 ムダ削減の総額が注目された作業だが、その意義は予算の編成過程の透明化にあることを改めて指摘したい。専門性の強い科学技術分野などを仕分け対象としたことには、いまだに是非論がある。だが、あらゆる分野の予算が「なぜ必要か」の説明責任を求められる段階に移ったことを行政は自覚すべきだろう。
 政府の責任において作業を実施した以上、事業仕分けの結論は基本的に尊重すべきだ。科学技術や福祉に関する分野で異論のあるものは所管閣僚が対象を限定したうえで再検討し、首相判断に委ねるのもひとつの方法だろう。
 また、国からの補助金を天下り法人が人件費などに回しているケースや、公益法人の剰余基金など9パターンについて、行政刷新会議は予算の査定段階で仕分け対象外の類似事業にも仕分けの判定結果をあてはめることを決めた。まさに、国民が95兆円超の概算要求の絞り込みに期待した分野である。事業仕分けを突破口にムダ撲滅を深掘りしてほしい。
 後半日程でも仕分け現場に多くの傍聴人が訪れるなど、作業は国民の強い関心を呼んだ。予算の編成過程を透明化する流れはもはや止まるまい。首相がいったん表明した「今年限り」との方針を軌道修正したのは当然だ。1年限りの「ショー」で終わらせてはならない。


今日の中日新聞にも、特集記事が二つありますが、字数が上限いっぱいで入らないので、
つづいて、「事業仕分け、終了-1」で紹介します。


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11月28日(土)のつぶやき

2009-11-29 00:36:45 | 花/美しいもの
11:06 from web
本日は晴天。行楽日和で高速は渋滞のニュース。日課のP-WANのニュースのアップをすませ、黒豆を煮ながら400枚ほどたまったデジカメの紅葉の画像を整理していました。すでに落葉したと思われる賞味期限切れのものもあり(笑)。洗濯を干してから、彼岸花の球根を植え替えます。
15:54 from web
ミゾの横の彼岸花をほり上げたら、一株で200個くらいの球根がびっしり。根をほぐして大中小に分けて、木の根元に植えました。穴を掘って土をかぶせて・・・けっこう時間がかかりました。久しぶりの肉体労働で腰が痛くなりそう。
23:56 from web
●花フェスタ記念公園/秋の薔薇と紅葉、見ごろです。 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/0e8b62894bfef7cdc413451448ecf4cc
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花フェスタ記念公園/秋の薔薇と紅葉、見ごろです。

2009-11-28 17:10:09 | 花/美しいもの
二週間ほど前に可児市の「花フェスタ記念公園」の秋の薔薇がきれい、
とTVニュースでやっていたので、行ってきました。

西関ICから可児・御嵩ITまで東海環状自動車道を走ると、あっという間に到着。


「花フェスタ記念公園」にはいろんな花木や薔薇が植えてあるので、
春と秋の年二回行くと、楽しめるのですが、なかなか行けなくて2年ぶりくらい。

 花フェスタ記念公園 

花の見ごろ情報

イベント情報
雪のクリスマス日 付: 12月2日(水)~25日(金) 
場 所: 西ゲート~花の地球館
内 容: ベルベデーレから眺める巨大地上絵やトンネルイルミネーション、花トピア・花の地球館でのフラワーショーなどクリスマススポットをお楽しみいただけます。
【バラのベルベデーレ】
真下(ローズガーデン)に見える70mの雪の地上絵
【地球館へと続くトンネル】
昼でもイルミネーションを楽しめる約50mの”光のトンネル”
【花の地球館】
巨大なクリスマスツリーとポインセチアなどによるクリスマスのフラワーショー

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花フェスタ記念公園菊花展:入賞者決まる--可児 /岐阜
(毎日新聞 2009年11月12日)
「第14回花フェスタ記念公園菊花展」(同公園菊友会主催、毎日新聞社など後援)の入賞者が決まった。同展は、約9平方メートルのスペースを使って工夫を凝らしたディスプレーを展開する「創作花壇」が特徴。県内各地から11団体が丹精した菊花による表現を競った。「自由花壇」の部にも86点の応募があり、鮮やかな出来栄えを披露した。入賞者の表彰式は12月5日午後1時半から可児市瀬田の同公園花トピア研修室で。【小林哲夫】


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午後からだったので、人が少ないと思いきや、可児市農業祭をやっていたので、
結構なひと。入場料はタダでした。

  

農業祭はパスして、左回りでまず「世界の薔薇」を見ました。
  

  

近くには「ターシャの庭」もあります。
  



薔薇をみながら、イベントホールを避けて大きく北まわり。
  

前に花を見た「ハンカチの木」には丸い実がついていました。
 

紅葉を楽しみながら、東ゲートの方へ。




モミジバフウ
 

 

感動!真っ赤なピラカンサ


  

日本庭園の紅葉




花トピアの前まで来て、傾きかけた夕陽があたった、
この日いちばんの、幻想的な紅葉を見ました。


薔薇のガーデン広場に向かう途中のトウカエデの紅葉。


とってもきれいだった秋の薔薇たち。

マリアカラス(フランス)とパスカリ(ベルギー)。
 

ダイアナプリンセスウェールズとクイーンエリザベス。
  

2時間ほどで、駆け足で一回りしてきました。

薔薇もまだ咲いているみたいですし、12月にはクリスマスイベントもあり、
紅葉には少しはやかったので、いまが見ごろくらいです。


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11月27日(金)のつぶやき

2009-11-28 00:37:00 | 花/美しいもの
11:03 from web
お天気がよかったら、美濃の大矢田の紅葉狩りに行こうとおもっていたんだけど、あいにくの曇り空。うーん、ザンネン。二人とも空いてる日は少ないので、あきらめきれずに、「どっかいきたいねぇー」。庭の紅葉はまっさかりなんだけど・・・。
14:41 from movatwitter
午後から晴れたので、長良公園にきています。メタセコイアの紅葉がきれいです。
16:45 from web
紅葉の記事は画像の整理が済んでから。とりあえず事業仕分けの記事をアップ。●事業仕分けの攻防がヤマ場~いよいよ最終日/庭の紅葉まっさかり。 http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/8347f69bb563b19bb040f34bb47e30a2
23:36 from web
咳が残っているので咳止めのフスコデ錠を飲んで寝ることにしよう。抗ヒスタミン剤もはいってて副作用は「眠気」だそうだから、よく眠れるかも知れない。、前に抗アレルギー薬のザジデンを飲んで爆睡したことがあった。薬の作用が強く出るたちなので効きすぎも困るな。何事もほどほどがよい。
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事業仕分けの攻防がヤマ場~いよいよ最終日/庭の紅葉まっさかり。

2009-11-27 15:44:14 | 市民運動/市民自治/政治
もうじき12月議会が始まるので、連れ合いは準備で大忙し。

仕事の合間に、近場でいいから紅葉を見に行きたいね、といいながら、
とりあえず、庭の紅葉を愛でています。
   
あざやかな赤の紅葉がうつくしいチシオモミジはもう散り始めています。
  
萩の黄葉と、ニシキギの紅葉。
  

ちょっと時間があいたので、美濃の大矢田のもみじ狩に行こうと思ったのですが、
朝から曇っていて、紅葉がきれいに見えないのであきらめかけていたら、
お昼になって、陽がさしてきました。
で、お昼ご飯を食べがてら、イチョウの紅葉が美しい雄総のゆうひがおか公園と、
メタセコイアのある長良公園まで行ってきました。


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事業仕分けも、きょうが最終日。

昨日の中日新聞の「【特報】事業仕分けに異論続出」の記事がおもしろかったのですが、
webにアップされていないので、紙面で紹介します。


【特報】事業仕分けに異論続出 理解不足の落とし穴
2009.11.26 中日新聞

スパコン「凍結」猛反発
財務官僚頼み 削減前提
予算編成透明化は評価

 来年度予算の概算要求から無駄を洗い出す事業仕分けは24日、“後半戦”に突入した。子ども手当など民主党の政権公約もあり、過去最高の95兆円超に膨らんだ一般会計を3兆円圧縮する作業だ。税金の使い道を決める過程が分かると評価が高い半面、見直しの基準があいまいで政治ショーと化しているとの批判もある。新しい試みだけに軌道修正の余地もあるようだ。 (秦淳哉、鈴木伸幸)・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・(2009.11.27 中日新聞)


中日新聞は、けさの社説でも、事業仕分けのことをとりあげています。

【社説】事業仕分け 政権の意思が問われる 
2009年11月27日 中日新聞

 行政刷新会議の事業仕分けがヤマ場を迎えている。予算編成の透明化が進んだのは画期的だ。一方で、与党議員が要求側と査定側に分かれ「政権の意思」が見えにくい難点も浮かび上がった。
 会場となった東京都新宿区の国立印刷局体育館には連日、多くの人々が傍聴に詰めかけている。小学生を連れた母親は「この子が『気になるニュース』を日記に書いているので、見学に来た」と語る。白熱した議論をレシーバーで聞いた女の子にとってナマの財政や政治に触れるこれ以上の機会はないに違いない。
 これまでの議論を通して、霞が関の役所が配下にある独立行政法人や公益法人に多額の基金を積み立て、天下りした役人OBに高額の給料を支払っていた仕組みが明らかになった。
 たとえば、食生活改善事業に農林水産省と厚生労働省が別々に法人の事業費を要求する。国民から見れば、縦割りの省庁がそれぞれのOBを養うために法人をつくっているとしか映らない。こうした構造は霞が関全体に広がっているが、実態が覆い隠されてきた。
 「モデル事業」として始まった仕事が目立った成果を挙げないのに、何年たっても終了せず、実質的に恒久化されている例も経済産業省資源エネルギー庁をはじめ次々と明らかになった。一度手にした予算は翌年度以降も手放さない役所仕事の悪弊である。
 今回の仕分け対象になった以外の事業でも、こうした例はたくさんあるはずだ。ことし限りにせず、来年度以降も残る事業の見直しをぜひ続けてほしい。
 副大臣や政務官として政府に入った与党議員は刷新会議の仕分け人とは反対に、予算獲得を目指す発言が目立っている。要求官庁の一員として当然かもしれないが、無駄や非効率の根絶を掲げた政権を担う立場からはどうなのか。
 本来は政治家が仕切るべき仕事を権限のない民間人が仕分けしている。もとはといえば、政治家が要求段階で十分に削減できなかったからだ。作業の手順や政と官、民間仕分け人の役割をあらためて見直す余地がある。
 科学技術予算の削減について、ノーベル賞受賞者らが「科学技術で世界をリードする方針と整合性がない」と批判している。たしかに、どんな研究が花開くのか、費用対効果を事前に見極められない分野もある。このあたりも仕分け作業を受けて、政治が判断する領域である。
(2009.11.27 中日新聞)


事業仕分け 納税者の目線を基本に(2009年11月27日 琉球新報)

社説:事業仕分け後半戦 大胆なだけでは盲点も(2009/11/25 秋田魁新報)

昨日の、毎日新聞の夕刊ワイドでは、新聞一面を使って、事業仕分けの大きな記事。
事業仕分けの現場で繰り広げられる、悲喜こもごもの攻防の臨場感がつたわってきて、
とってもおもしろいですよ。


特集ワイド:白熱の事業仕分け 生き生き仕分け人/手震え涙の自衛官/失笑する傍聴者
毎日新聞 2009年11月26日夕刊 

 連日の報道で傍聴者が詰めかけ、ネット中継もアクセス多数という行政刷新会議の事業仕分け。明日27日で最終日を迎える。どんな攻防が繰り広げられているのか、見に行った。【中山裕司】

 「我々の努力が足りませんでした」。仕分け人の追及を受け、防衛省の担当者は淡々とした表情で白旗を揚げた。仕分け対象は自衛隊の募集広報。部隊や施設の公開、展示などを行う事業で、概算要求は31億円にのぼる。
 仕分け人の一人、民主党参院議員の蓮舫さんは、矢継ぎ早の厳しい追及ぶりから時の人となった。仕分けを翌日に控えた23日は東京都練馬区の陸上自衛隊広報センターを視察して「(シミュレーターなどは)楽しいし、努力は分かるが、仕分け対象」と意気込みを語った。そして臨んだ24日。
 広報センターの有料化は入場者の減少につながるという担当者らの主張に対し、蓮舫さんは満を持していたかのようにマイクに向かった。決然とした表情で、どこか生き生きとして見える。「有料だとお客さんが来なくなるというのは本当でしょうか。テーマパークは家族4人で1万円を超えるのに、リピーターが後を絶たない。(シミュレーターを)体感してもらうなどの工夫の余地があるんじゃないでしょうか」
 担当者は「工夫の余地はあるが、民間でお客さんを呼ぶことを考えている方々のようにできるかどうか、自信はありません」と答えた。別の仕分け人が「クオリティーが低いものはタダでも売れない」と追い打ちをかける。その時、担当者から「我々の努力が足りませんでした」の言葉が出た。
 「あれだけのディベート力、調査力には改めて感心しています。同じ党の議員で良かったと思います」。事業仕分けの統括役、枝野幸男衆院議員に評された蓮舫さん。追及をまだ緩めず、「先ほど『努力が足りない』とおっしゃっていましたが、この予算でどう埋めようとしているのですか」となおも追い詰める。割って入ったのは長島昭久防衛政務官。省庁の意見を代弁することが多い「評価者」の立場で参加していたが、「みなさんを説得するだけの材料はないと認めざるを得ない」と引き取ると、傍聴者席から失笑が漏れた。
 結局、事業は縮減と判定された。
 傍聴していた千葉県柏市の元会社員、矢口寿雄さん(64)は、判定を聞き終えると体育館の外の喫煙スペースでプカリ。「自衛隊の施設をディズニーランドのようなテーマパークと比べる仕分け人はあまりにナンセンス。事前に勉強して、質問しているようには見えなかった。説明する官僚も仕分け人を説得して、予算を確保しようという気力が感じられない。プロなんだからきっちりしてほしいね」
 事業仕分けは3グループに分かれ同時進行している。24日、蓮舫さんのワーキンググループにはテレビカメラが1階に16台、2階報道席に4台入り、一挙手一投足を追った。会場はパイプ椅子に座りきれない傍聴者であふれ、一時は入場制限されるほど。音声レシーバーで議論に聴き入る人あり、官僚の表情を眺める人ありで、静かな熱気がみなぎっている。
 ■
 官僚も白旗を揚げてばかりではない。17日の事業仕分けでは、こみあげる感情を必死に抑えようとする姿も見られた。
 振り上げた左手が声とともに震え、目に涙を浮かべていたのは防衛省の自衛官。「1時間足らずの議論だけでカットされる。どれくらい国民の命に影響するかを今後しっかりと聞いていただきたい」
 ムダありとされたのはコンピューターで部隊運用などを行う「情報システム借料、開発・改修経費のコスト削減」で、直前に2~3割の縮減と判定されていた。「我々も効率のためにシステムを統合しようとしている。自衛隊員はプリンターの消耗品を1年に1回ぐらいしか換えることができない経費しか与えられていない。にもかかわらず、2~3割カットと平気で言われることに、私個人的な意見としては非常に問題があると思いました」。会場を後にする間際、声を振り絞りながらぶちまけた。
 省庁担当者のプレゼンテーション能力も判定に大きく影響しているようだ。紙に目を落としながらボソボソと口ごもる人あり、理路整然と説明する人あり。枝野さんは記者会見で「行政依存の政治が続いてきた中で、責任者がプレゼン能力を持っていなかったことが明らかになった。これが今回の意義。官僚のみなさんに一種のカルチャーショックを与えたかもしれませんが、私はそれ自体が事業仕分けの意義だと思います」と説明した。
 ■
 事業仕分けは、東京・市ケ谷の国立印刷局市ケ谷センター体育館で行われている。このセンターは独立行政法人整理合理化計画を受け、財務省が来年度中に返納など何らかの方法で処分する方針。行政の無駄を省く事業仕分けを、近く処分される体育館で行うという演出だ。
 事業仕分けの意義は作業の公開による透明性の確保だという。毎日新聞の世論調査でも内閣支持率(64%)を超える74%が「評価する」と回答した。ネット中継のアクセス数はピーク時2万4000件に及ぶ。
 枝野さんは作業後、主にメディア向けにブリーフィングを行い、一部傍聴者も会場に残って耳を傾ける。17日には男性傍聴者も質問の手を挙げた。「受付で抽選を用意して、当日の参加者でどなたか1人をサプライズで仕分け人に加える考えはないでしょうか」。枝野さんは「大挙して押しかければ(事業の)利害関係者に当たる可能性も高くなる。ただ私的な議論では、無作為抽出した国民に判定していただいたらいい、とは言っています」とやんわりと拒否した。
 ■
 パフォーマンスに支配され、民間の仕分け人の権限がはっきりしない事業仕分けには批判もある。
 日が落ちてひんやりとした体育館で、疲れが見える行政刷新会議の職員がつぶやいた。「確かに今の仕分けのやり方は100点満点ではないかもしれない。だけど、予算編成の公開性を進めて、納税者から見える形にした点は前進と言えるのではないでしょうか。自公政権のように族議員中心で予算を決めるのは古いんじゃないですかね」
 視察した鳩山由紀夫首相は、仕分け作業の結果について「基本的に重視する。一言で簡単にひっくりかえる話ではない」と述べた。年末にまとまる来年度の予算案でその結果が出る。
毎日新聞 2009年11月26日 



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11月26日(木)のつぶやき

2009-11-27 00:38:42 | 花/美しいもの
16:40 from web
ぽかぽか陽気に誘われて、リコリスの球根を植え替えることにしました。スコップで50球くらいほり上げて庭のあちこちに植えました。リコリスは彼岸花のなかまで、花はきれいだけど有毒なので、これでモグラの害が減るといいな。暗くなったので終わり。コーヒーを飲んで、ブログを書く。
18:16 from web
画像の整理をしてブログをアップ。このところ画像はたまり気味です。●事業仕分け 教育予算めぐる攻防/たわわに色づいたゆずの実と桑の木豆の天ぷら http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/6aae252c2171edda97768cd2cfe73f46
23:45 from web
最近っていうか、いつものことだけど寝つきがよくないし、音に敏感で眠りが浅い。。早く寝るほうが体によいのだけど、早くベッドに入ると目がさえて眠れない。ということで、毎日、ずるずると12時すぎになってしまう。寝る前のPCがいちばんよくないそうだけど・・・(笑)。そろそろ寝ましょう。
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事業仕分け 教育予算めぐる攻防/たわわに色づいたゆずの実と桑の木豆の天ぷら

2009-11-26 17:45:24 | 市民運動/市民自治/政治
午前中は「市民と政治をつなぐP-WAN」の女性議員リンクのお仕事。
政党系の女性議員のリンクは、人数の多い首都圏だけパスして京都まで終了。
800人になったところで手を休め、気分転換に庭へ出ました。
全国女性議員リンク(P-WAN)

なんか最近、家に籠って人と話すことが少なくて、のどが痛くて声がかすれるのは、
「たけしのほんとは怖い・・・・」でやってたように声帯が萎縮したのかも知れません(笑)。
 
軒先には、大輪のマツバボタンが、まだがんばって咲いています。
  
寒い日は外で仕事をする気がしないのですが、そろそろ球根を植えないといけないので、
ぽかぽか陽気に誘われて、お昼から庭仕事をすることにしました。

庭では、今年はユズが大豊作。たわわについた実で枝が折れそうです。
    

   

クモが大きな巣をかけていたので迂回。
甘い種なし金柑はもうちょっとで食べれそうです。
 

寒くなってきたのでトンネルをかけて保温していたソラマメも芽が出ました。
   
ほぼ100パーセントの発芽率。豆が割れてかわいい芽が顔を出しています。
  
ソラマメはびみょうに気むずかしいところがある作物で、
発芽までに時間がかかるので、一斉に発芽させるのはけっこう難しいのです。

まどくんが育てているのすが、初心者にしては上出来。
お百姓の手ほどきはともちゃんがしてて、わたしは気が向いたときだけのお手伝い。

数日前、半分だけ収穫した桑の木豆の食べ方を、まどくんに教えてあげました。

過熟の桑の木豆とお揚げの炊き合わせはわたしがつくり、
  
桑の木豆と野菜のテンプラを、まどかくんが作りました。。

テンプラは、豆の味がいきていてもっちりしてホクホク。

桑の木豆は、テンプラがいちばんおいしいです。


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話しは変わりますが、
日曜日の朝日新聞の「きょういく特報部2009」は、
国立女性教育会館や「こころのノート」など文科省関連の事業仕分けの記事でした。

大きな記事なのでwebにアップされたら紹介したいと思っていたのですが、
なかなかアップされず、朝日と中日は、よい記事でもアップされないことがあるのでザンネン、
とあきらめていたら、やっと一昨日、アップされました。

ということで、数日遅れになりましたが、紹介します。

きょういく特報部2009:聞こえてこない現場の声 事業仕分け 教育予算めぐる攻防
2009年11月24日 朝日新聞

 国の予算の無駄を削る、行政刷新会議の「事業仕分け」。11~17日に実施された第1弾では、教育関係の予算についても「仕分け人」が切り込んでいった。学校教育、大学、生涯教育――「国の基盤をつくるため」と文部科学省が積み上げた来年度予算の要求額は、科学技術関係も含めて総額5兆7562億円。どんな攻防が展開されたか。

 ■満場の傍聴者、ネット中継も 
 「聞こえません。何とかしてくださいっ」
 事業仕分け初日の11日朝。埼玉県から東京都新宿区の会場にやって来た女性(64)が声を荒らげた。傍聴用のイヤホンが足りず、議論が全く聞こえないことにいら立っている。
 冒頭の議題は、文科省所管の三つの独立行政法人のあり方だった。女性は対象法人の一つ、国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)でボランティアを10年間続けており、この日は雨の中を2時間かけてやって来た。「無駄遣いは無くして欲しいけど、実情を知って議論して欲しい」
 事業仕分けは3班に分かれ、文科省分を担当したのは第3ワーキンググループ。民主党議員のほか、大学教授や元中学校長らを含む19人の「民間仕分け人」が加わった。満場の傍聴者と報道陣。インターネットの中継もあり、会場はさながら「劇場」のようだった。
 「女性教育会館で指導を受ける人数は?」。強い調子で尋ねたのは、民主党参院議員の蓮舫氏だ。会館側の説明が終わるのを待たずに「何人?」と何度もただす。「幅広いと思っています」との答えに、「分からないということですね」とたたみかけた。途中で会館の理事長が叫ぶ。「心外ですっ」
 事業仕分けでは、「英語ノート」も俎上(そじょう)に上った。小学5、6年生では11年度に外国語活動が完全実施されるが、それがスムーズに進むよう冊子をつくって各校に配布している。
 ここでも蓮舫氏は「デジタル化し使いたいところが使えばいい」。ネットにデータを置き、必要な学校がダウンロードして印字すればいいという考えだ。
 「(小学校の英語には)教科書がないため、他の教科が無償で教科書を配るように、同等の価値のものとして……」。文科省の担当者が言いかけると、「全くわかりません。これは教科書じゃないですよね」。
 「音声教材としてCDも配っています。紙媒体にCDを加えて授業をするというのが現実の姿だろうと……」
 「現実の姿って何ですか。どうして決めつけるのですか」
 議論は「なぜ小学校から英語を?」という「そもそも論」に広がる。会場には「耳がやわらかいうちに」という説明に納得がいかない空気が流れた。
 02年度から学校に配布されている道徳教材「心のノート」も議論に。現行の中学版には特大文字で「この学級に正義はあるか!」と書かれたページがあるが、民間仕分け人の一人は「正義を振りかざすのがどれほど危険か」「教条的な決めつけが多く、『あるべき心の見本市』ですごく気持ち悪い」と言った。

 事業仕分けでは主に予算の妥当性を検討することが想定されているが、議論が政策全体に拡散する場面は多かった。
 政権交代により、スタートしたばかりで見直しの方向が固まった教員免許更新制。移行措置で講習は10年度いっぱいは続けることが想定されており、今回は山間地や離島で開くための補助事業のあり方が議論された。
 だが、仕分け人からは「制度そのものが必要か」「先生に向かない人は向かない。いくらやってもしょうがない」と重ねて「不要論」が続く。見かねた文科省の高井美穂政務官(民主党衆院議員)が「私たちは更新制廃止を前提に検討している。それを理解した上で議論を」と軌道修正に入ることもあった。

 ■公開で議論 高まる関心 
 「パフォーマンスが先に立っている」「強引だ」。こんな批判が上がっている事業仕分け。しかしそれでも、民間が入って公開で国の予算を議論したこと、一般市民の目線で「素朴な疑問」を官僚に投げかけたことを評価する声は多い。
 「素朴な疑問」から、官僚の視野の狭さが透けてみえることもあった。例えば、将来どんな仕事に就きたいか、そのためにどうしたらいいかを若いうちから考えさせる「キャリア教育」をめぐる事業。文科省の担当者は、地方では総合的な計画を立てきれないとして「国がやる意義」を強調した。
 しかし一方で、仕分け人が国の事業として「教育にあたる地域の人材を全国規模で流動化させては」と提案しても担当者は答えない。回答を促され、「国の役割は先導役だが限定的」「そういった役割を果たすのにどういう事業がいいかと考え提案した」と聞く側にはよく理解できない答弁を繰り出した。
 他の事業の説明でも、現場の教員や子どもの話がほとんど出てこないことも多かった。
 教育行政の研究が専門の亀田徹・PHP総合研究所主任研究員は「仕分け人と文科省のやり取りはわかりやすかった。こんな事業もあるのかと初めてわかった人も多かっただろう。公開された意義は大きい」と言う。「文科省としても議論を仕分け作業の中だけで終わらせず、今後の予算編成や地方への財政措置にいかしてほしい」
 16日昼から文科省がホームページで呼びかけた意見募集には、19日午後1時現在で約4400件のメールが寄せられた。役所に同情的な意見が多いというが、今回のことで国の施策に一層関心が高まったことは間違いない。
 事業仕分けの第2弾は24~27日。今度は各地の義務教育費の3分の1を国が負担している制度をどうするか、国立大学への運営費交付金が今のままでいいかという、教育行政の根幹にかかわるテーマが議論される。

 ■文科・農水両省が別個に食育冊子 
 事業仕分けでは、文科省と農林水産省が「食育」について似たような子ども用冊子を別々に作っていることが取り上げられた。学校では食べ物の働きを3色で教えているが、農水省のガイドで使っているのは5色。文科省側が「農水省のガイドは難しすぎる」と力説すれば、農水省側は「分かりやすい内容になっている」と反論。結局、仕分け人の判断は、両省とも「予算の大幅削減」と「重複部分の見直し」だった。
 文科省は「食生活を考えよう」という学習教材を03年度から小学校の低、中、高学年向けに作ってきた。08年度は387万部を配り、予算は1億円余り。
 冊子では、様々な食べ物について、体をつくる▽体を動かすエネルギーになる▽体の調子を整える――という働きの違いで3色に分類して説明している。
 一方の農水省は、1日に何をどれだけ食べたらいいのかを示す「食事バランスガイド」を厚生労働省と決めて、子ども、若者、中高年、高齢者など、年齢層別に冊子を発行。主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物を5色に分けて示す内容になっている。(見市紀世子、星賀亨弘、中村真理子)


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