みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

奨学金返済額1100万円も 大学院生の厳しい生活(白井康彦)/純白のサギソウ

2013-08-31 14:15:30 | ほん/新聞/ニュース
動かなくなったニコンのクールピクスのデジカメを修理に出しました。

昨年の2月に「カメラのキタムラ」で買って、
「5年保証」をつけていたので、基本的には無料修理。
カメラ本体より修理代が高い場合は自己負担分が発生するそうです。
とはいえ、戻ってくるまでに2~3週間かかるとのこと。

そんなに長くデジカメなしでは困るので、レンズが出たままで動かなくなった
リコーのキャプリオR7が使えないものかと、持ちだしてきました。
壊れてもともとなので、電源をオンにして、力を入れて強くレンズを左右に回したら、
なんと、レンズが動くようになりました。
最初は時どきフリーズしたりぎこちない動きだったのですが、
何度かオン・オフを繰り返しているうちに、ちゃんと動くようになりました。

ということで、
デジカメが故障中で当分画像はないとお知らせしていたのですが・・・

早朝に庭に出て、純白のサギソウを撮ってみました。

動作も早いし、独特の機械音もふくめて、なつかしい手触り。
マクロでのピントは、やはりニコンのメカより優れています。
  
咲きはじめた萩の花もパチリ。
     

ここ1年半、ニコンのクールピクスを使ってたのですが、
わたしはやっぱりリコーのキャプリオのほうが、好きですね。

修理したクールピクスが戻ってきても、
こちらを完全に動かなくなるまで使うことになるでしょうね。

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後半が、アップする予定をしていた本題です。

8月29日の中日新聞生活面の白井さんの記事を紹介します。


2013年8月29日 中日新聞

  奨学金返済額1100万円も 大学院生の厳しい生活  
2013年8月29日 中日新聞

 返済に苦しむ人が増え続け、社会問題化している奨学金。研究者を目指す大学院生が、厳しい生活実態や将来への不安を語ってくれた。「貸与型」から返済不要な「給付型」への転換など、制度改善を求めて今年三月、法律家や教育関係者らが奨学金問題対策全国会議を設立したが、国の財政難の中、解決への糸口すら見いだしにくい。

◆学業多忙でバイトできず

 東海地方の理科系大学院一年の男性(25)は現在、学費や生活費を全て奨学金で賄う。父親の勤め先の会社の経営状態がよくなく、仕送りに頼れない。「この状況で大学院に進学することの苦しさを、日々実感しています」と打ち明ける。

 四年で卒業した大学も、通学中の大学院も国立。学費と入学金の合計は九年間で約五百四十万円。生活費の借り入れもあり、奨学金(一部は利子3%)の返済予定額は約一千百万円になる。大学時代はアルバイトで生活費を補った。「今は実験や勉強で忙しくて時間がありません。バイトをしている人もいるそうですが、研究に十分には集中できないはず」

 一カ月の食費は一万二千円ほど。朝食は食パン二枚と、インスタントコーヒー一杯。昼食は、冷凍保存しておいたおにぎり二個とふりかけ、インスタントみそ汁。夕食はスーパーの閉店間際の割引で買った食材で作ったおかず一品と、冷凍保存しておいたご飯。「私より食費を削り、一カ月一万円未満の人もいます」

 教科書や教材は専門性が高く値段が高い。図書館で借りることが多いが不便だ。卒業後は多額の「借金」を二十年間で分割返済しなくてはならないのに、将来収入が十分に確保できる保証もない。「理系では、大学院に進まなければ専門性を生かした活躍ができにくい社会構造になってきました。お金がある人しか安心して学べないのは、あまりにもおかしいと思います」

◆制度改善求める意見書採択を

 男性のような事例は珍しくはない。大学などの学費はひと昔前に比べると格段に高く、暮らしぶりに余裕がない世帯も増え続けている。奨学金利用額は膨らみがちで、就職先が低収入の非正規労働だった場合は返済が難しくなる。今は大学生の約半分、大学院生の約六割が何らかの奨学金を利用しており、返済が滞っている卒業生は全国で約三十三万人に上る。

 このため奨学金問題対策全国会議などが、返済困難者の救済制度充実や、給付型奨学金を国としてつくること、学費抑制などを国に働きかけている。二十四日には名古屋市内で、奨学金問題をテーマにした地方議員の勉強会があり、全国会議の大内裕和会長(中京大国際教養学部教授)が「多くの地方議会で、制度改善を求める国への意見書を採択してほしい」と訴えた。


 文部科学省は日本学生支援機構が大学生らに貸与している奨学金の無利子枠や、返済困難者向けの救済策を拡大する方針だが、同機構の給付型奨学金制度の創設は見送る方針。これに対し、大内会長は「深刻な状況なので、微々たる前進としか言えない」と話した。
 (白井康彦)



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8月30日(金)のつぶやき

2013-08-31 01:08:31 | 花/美しいもの

『週刊現代』9/7号。曾野綾子「マタハラ」発言をめぐって。女(宋美麗、西館好子)と女(宋美玄、上野千鶴子)を対立させ、男(大林宜彦)に審かせる。男はいつも高見の見物。アグネス論争のときと同じ構図だ。

寺町みどりさんがリツイート | 77 RT

認知症男性の遺族への損害賠償請求判決のその後。中日新聞が取材。上野の談話も。被告は上告したそう。 波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延 chunichi.co.jp/article/living…

寺町みどりさんがリツイート | 49 RT

俳人を廃人したはずなのに久しぶりの「俳句の近代」をめぐる江里さん、齋藤さんと鼎談。深夜叢書社は50周年だそう。ちづこ句集『黄金郷』はまだ在庫があるとか。アマゾンの古書で3万円の値段がついていると聞いた。

寺町みどりさんがリツイート | 4 RT

波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延/上野千鶴子さんコメントも。 goo.gl/97kkyB

1 件 リツイートされました

友情をクィアする キース・ヴィンセント ② | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/book/?p=7144


すぺーすアライズより 刊行のお知らせ『安全な中絶 医療保健システムのための技術及び政策の手引き 第2版』 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/group/?p=2998


はだしのゲン:閲覧制限問題 「極力限定して適用」 鳥取市議会で教育長答弁 /鳥取 mainichi.jp/area/tottori/n…


講演:上野千鶴子さん、憲法題材に--関内ホール /神奈川 mainichi.jp/area/kanagawa/…


河北新報 東北のニュース/告発教授らに賠償命令 東北大前総長論文不正訴訟 kahoku.co.jp/news/2013/08/2… @kahoku_shimpoさんから


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波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延/上野千鶴子さんコメントも。

2013-08-30 10:28:51 | ほん/新聞/ニュース
昨日の中日新聞生活面、見開きの右側は白井さんの記事。
左側は、「波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延」の記事。

上野さんの「判決は、認知症の人は拘禁状態下に置けと言っているのと同じ。
高齢者介護の全責任が家族にあるという考え方そのものが問題だ」というコメントもあります。

以下に記事を紹介します。


2013年8月29日 中日新聞

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波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延
2013年8月29日 中日新聞

 認知症の男性が電車にはねられたのは見守りを怠ったからだとして、電車の遅延の賠償金約七百二十万円を遺族からJR東海に支払うように命じた判決が、名古屋地裁であった。判決は「認知症の人の閉じ込めにつながる」と波紋を広げている。遺族は控訴した。

 判決によると、二〇〇七年十二月、愛知県大府市の男性(91)=当時=は、同居で要介護1の妻(85)=同=がまどろむ間に外出。同市の東海道線共和駅で線路に入り、電車にはねられ死亡した。

 男性は〇〇年、認知症状が出始めた。要介護度は年々上がり、常に介護が必要な状態となり、〇七年二月から要介護4に。事故当時、週六日デイサービスを使い、妻と、介護のため横浜市から近所に転居した長男の嫁の介護も受けていた。

 遺族側は、事故は予見できなかったと主張したが、判決は、医師の診断書などから男性の徘徊(はいかい)は予見できたとした上で、介護体制などを決めた横浜市の長男を「事実上の監督者」と認定。男性の要介護度が上がったのに、家に併設する事務所出入り口のセンサー付きチャイムの電源を入れるなどの対策をせず、妻も目を離すなど注意義務を怠った結果、男性が第三者に与えた損害は償うべきだとして、JRの求める全額の支払いを二人に命じた。遺族の代理人やJRによると、認知症の人による列車事故の損害賠償請求訴訟の前例は把握していないという。

◆男性の移動経路は不明

 賠償を命じられた遺族の長男は「常に一瞬の隙もなく見守るなんてことは不可能。家族でやれることはすべてやってきた」と主張。代理人の浅岡輝彦弁護士は「判決が認められれば、徘徊歴のある高齢者の家族は、すべて事故時に責任を負わされるおそれがあり、介護が立ちゆかなくなる。JRは線路への侵入防止対策を十分にとらないまま、遺族にだけ賠償請求するのはおかしい」と指摘する。

 一方、JRは「男性の介護の体制を取り決めた家族に監護、監督責任があると考え、支払いをお願いしたが、応じていただけなかった。熟慮した結果、公正な判断を仰ごうと提訴した」と説明し、判決は「主張が認められた」と評価。線路への侵入防止などの安全対策については、「法律上求められている安全義務はすべて果たしている」と主張する。

 遺族側は、金を持たない男性が大府駅の改札を通り、隣の共和駅に移動したとして、JRの管理の落ち度を指摘。しかし、男性が家から事故現場に行った経路は分かっておらず、判決はJRの過失はないとした。

 東海地方の鉄道各社によると、同様の事故で損害が出た場合は原則、損害額を請求。認知症を理由に、請求額を減らすことはないという。

◆閉じ込めにつながる 社会的支援の視点欠落

 判決は、認知症の人の在宅介護の在り方に影響すると、注目を集めている。社会学者の上野千鶴子さんは「判決は、認知症の人は拘禁状態下に置けと言っているのと同じ。高齢者介護の全責任が家族にあるという考え方そのものが問題だ」と指摘する。
 「介護に深く関わった家族に責任を求める判決で、いっそ認知症の人に関わらない方がよいという考えを家族が持つのでは。介護事業所も責任を問われるのを避けるため、認知症の人を外に出られないようにしたり、受け入れを拒んだりといったことが広がりかねない」と影響を心配する。


 医療や介護の関係者も「介護する家族に厳しい判決」とみる。認知症の人と家族の会愛知県支部の尾之内直美代表は、判決の求めるような常に男性を見守るヘルパーの配置は今の制度ではできないとし、85歳で要介護1の妻の責任を全面的に求めたことに驚いた。

 北九州市で訪問診療をする医師長崎修二さんは「老老介護に対する社会的支援の視点の欠落」を感じた。一般論とした上で「85歳の妻が90代の認知症の夫を介護する負担は大きい」と指摘。「介護する家族の大変さに目を向け、認知症の人の見守りは社会全体ですべきだ」と語る。
 (佐橋大、山本真嗣)


そうそう、9月7日は上野千鶴子さんが岐阜のじゅうろくプラザにいらっしゃいます。
講演と小笠原文雄さんとの対談です。

  9月7日 1:15 PM ~ 4:30 PM. 在宅フォーラム〜在宅ひとり死を考える〜@じゅうろくプラザ(岐阜県・岐阜市) 

第8回 岐阜在宅ホスピス研究会

講演1:上野千鶴子 ”『在宅ひとり死』を考える“

講演2:小笠原文雄 ”『在宅ひとり死』の条件“

対談:上野千鶴子×小笠原文雄

参加費:無料・定員約500名  *事前申込不要

会場:じゅうろくプラザ 電話058−262−0150

詳細はこちらからどうぞ http://www.geocities.jp/ogasawaranaika/kouenkai.html


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8月29日(木)のつぶやき

2013-08-30 01:10:00 | 花/美しいもの

あなたの出身地、ズバリ当てちゃいます! 東京女子大学篠崎ゼミが開発した「出身地鑑定!! 方言チャート」。インターネット辞書事典サイト「ジャパンナレッジ」で鑑定できます。 p.tl/QTeb


谷野作太郎・元駐中国大使に聞く/下 「河野談話」「村山談話」・・/上 摩擦強まる日中関係・・ goo.gl/3iJ106


本日の生活面から。電車にはねられて死亡した認知症の男性の遺族が、損害賠償を命じられた判決が波紋を呼んでいます→chunichi.co.jp/article/living…

寺町みどりさんがリツイート | 97 RT

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谷野作太郎・元駐中国大使に聞く/下 「河野談話」「村山談話」・・/上 摩擦強まる日中関係・・

2013-08-29 15:40:15 | ほん/新聞/ニュース
高砂百合とサギソウが咲いているので、写真を撮ろうと思ったら、
デジカメの電源がはいらず、うんともすんとも言いません。

バッテリー切れだろうと思って、満充電の新しいバッテリーに替えたのですが動かず。
ちょっと前から電源が入らなかったことが時どきあるので
どうやら、デジカメ本体の問題のようです。

このニコンの「ニコンクールピクスS8200」は昨年2月にカメラのキタムラで買ってから
まだ1年半で、前のリコーのほど酷使してないのですが・・・。
修理に持ってかないといけないのですが、デジカメなしだと不便だし、
夕方以降しか外に出られないので面倒。

いずれにしても、
当分はデジカメ画像なしで、文章だけの記事になりそうです。

ということで、
昨日おもしろかったとお知らせした、特集ワイド「谷野作太郎・元駐中国大使に聞く」上・下を紹介します。

  特集ワイド:谷野作太郎・元駐中国大使に聞く/下 「河野談話」「村山談話」 「痛み」日本人として共有を
毎日新聞 2013年08月28日 東京夕刊

 中国、韓国との関係が悪化する中、従軍慰安婦に関する「河野談話」(1993年)、「痛切な反省と心からのおわび」を表明した戦後50年の「村山談話」(95年)を否定するかのような動きがある。二つの談話作成に内閣外政審議室長として関わった谷野作太郎・元駐中国大使(77)が経緯などを明かす。【浦松丈二】

 ◇歴史の歪曲や開き直り 国の品格、誇り傷つける

 −−「河野談話」には「証拠もないのに日本軍の強制連行を認めている」との批判もある。他方、これは誤解とする向きもあるようですが。

 谷野 おっしゃるように「河野談話」を批判する人は、談話に書いていないところまで内容を膨らませ、その点を批判している。おかしなことです。女性の多くは集められた後、軍と行動を共にすることを余儀なくされ、前線で厳格な軍の管理下に置かれ、行動の自由はなかった。まかないや看護師の仕事と言われ、連れて来られたケースも多々ある。現地で現実を知り「話が違う」と逃げ帰ろうとしても、そこは前線です。あの談話はそういう世界を記述したものなのです。

 私の韓国の友人。この人は日本の学校を出た人で私と同じ年ですが、彼は「子供のころ、自分の村では年ごろの娘を外に出すなと言われたものだ。それでも彼女らが横付けされたトラックに乗せられ、泣き叫びながら連れ去られていくのを目にしたことがある。そこにはオマワリやヘイタイもいた……」と。竹島(韓国名・独島)の話では冷静さを保つ彼も、この話になると大変感情的になります。

 −−元慰安婦の女性に償い金を払う「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)の設立(95年)にも奔走なさいましたね。

 谷野 日本は「女性基金」を設立し、オールジャパンで精いっぱいの対応をしてきました。韓国だけは「日本国としての謝罪と補償」を要求する市民団体の圧力に直面し、「基金」の事業は中途半端で終わらざるをえなかった。しかし、「謝罪」は「河野談話」や慰安婦だった人たちにお渡しした総理書簡に表明されているし、お渡ししている償い金の半分以上は日本政府支出によるものです。

 韓国政府も当初、「基金事業のスタートをもって問題は解決した」と言っていたんですが、最近になって「未解決」と言い始めました。突然「情」(韓国で言えば「恨」の感情)が頭をもたげた。

 もとより従軍慰安婦や戦後補償の問題は「カネですべてすんだんじゃないか」と開き直れる世界ではない。日本側の所作で心身に深い傷を負った人たちの「痛み」を日本人として共有することこそ最も大事なことだと思います。

 −−いわゆる「村山談話」を出した経緯は。

 谷野 「村山談話」という言い方が定着してしまったので、あれは、一部では社会党委員長である村山富市さんが個人的所感を述べたものに過ぎないという受け止め方があります。しかし、あの談話は閣議を通した談話ですから「戦後50年に際しての日本国総理大臣談話」というべきものです。もっとも村山首相の下にあった内閣だからこそ、あのような「談話」ができたというのも事実でしょう。

 当時の内閣は、自民、社会、さきがけの3党連立内閣。自民党内には「歴史」について一家言のある閣僚方がいらっしゃいました。この方々には野坂浩賢官房長官自ら事前に話をされたようです。日本遺族会会長だった橋本龍太郎元首相(当時は通産相)には村山首相自ら話をされました。その結果、談話原案では2カ所で「敗戦」「終戦」と書き分けてあったのを「敗戦」にそろえてはどうかというご意見を橋本元首相からいただき、その通りにしました。

 後で橋本元首相は「遺族会の大多数の人たちは、自分たちの夫、兄弟、父親は無謀な戦争に駆り立てられて亡くなった犠牲者だと思っている。だから『敗戦』でいいんだ。ただ、今日の日本の平和と繁栄はこの人たちの犠牲の上にあるということを忘れてはいけない」とお話しになっていました。

 あの年、戦後50周年に際していくつかの決議や声明が出ました。中曽根康弘元首相は「『歴史認識』の問題を国会決議にゆだねるのはいけない。与野党間のせめぎ合いと妥協の結果、どうしても中途半端な内容になる。やるなら、政府がきちんとしたものを書くべきだ」と私たちにお話しになっていました。「さすがだなあ」と思いましたね。

 −−村山談話は国内外でどう受け止められましたか。

 谷野 「談話」の評価は、国内メディアは「明快」(毎日)「6月の国会の決議があまりに後ろ向きだっただけに、これで日本はきちんとけじめをつけた」(日経)などおおむね好意的でした。海外の反応も同様に前向きなものでしたが、中国、韓国は「日本は今後、この談話に盛り込まれた精神をどう具体的な行動に表していくか。我々はそのことを注目している」との趣旨でした。

 戦後の歴代政権はいわゆる「戦後補償」の問題について真剣に取り組んできました。村山内閣は「女性基金」だけでなく在サハリンの朝鮮の人の帰国、台湾住民の確定債務問題(未払いの軍事郵便貯金の払い戻しなど)の処理に真剣に取り組みました。無論、それでもなお国内外に日本の対応への不満が残っていることは承知しておりますが、この種のことは双方100%満足というわけにはなかなかゆきません。

 −−安倍晋三首相は15日の全国戦没者追悼式の式辞で、歴代首相が表明していたアジア諸国に対する加害の「反省」や「不戦の誓い」を表明しませんでした。

 谷野 中国や韓国、そして米国などがいら立つのは過去の一時期の「歴史」について、時折、日本の有力な方々がこれを歪曲(わいきょく)したり、開き直ったりされる言動についてです。それは日本に対する国際社会の目線を下げ、日本人の品格、誇りを最も深いところで傷つけることになる。でも、安倍首相はいろいろなところでおっしゃっているところからみても、決してそんな方ではないと思います。

 −−集団的自衛権の行使を容認し米国との関係を強化しようという意見があります。憲法改正を含め中国、韓国は「右傾化」と批判しています。

 谷野 ピント外れな言い方だと思いますね。しかし、そのような先方の誤解をただすためにも、ハイレベルの日中、日韓政治・外交関係の正常化が望まれます。

 日本側では尖閣が日米安保条約(第5条)の適用範囲に入っているか否かということに関心が向かいがちですが、その前に自分の領土は自らの手で守るという気概こそが必要でしょう。それでこそ米国の支援が受けられる。今の政権下でこの面で施策が講じられつつあるのは当然なことだと思っています。(敬称略)

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 ■人物略歴
 ◇たにの・さくたろう
 1936年生まれ。東京大法学部卒。60年外務省入省。アジア局長、内閣外政審議室長を経て95年駐インド大使、98年駐中国大使。2001年退官。12年から日中友好会館顧問。


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  特集ワイド:谷野作太郎・元駐中国大使に聞く/上 摩擦強まる日中関係 尖閣問題に乗っ取られるな
毎日新聞 2013年08月27日 東京夕刊

 日本と中国、韓国との関係がかつてないほど悪化している。谷野作太郎・元駐中国大使(77)は冷戦崩壊後の対アジア外交の最前線に立ってきた。従軍慰安婦に関する「河野談話」、戦後50年の「村山談話」の作成にも携わった谷野氏は現状をどう見ているのか。前編は尖閣問題について聞く。【浦松丈二】

 ◇歴史的には日台中の「共通の生活圏」だった
 −−非営利団体「言論NPO」が今月まとめた日中共同世論調査では、相手国に「良くない印象を持っている」と答えた人の割合が日中共に9割を超えました。

 谷野 日中両国の将来を考えてさまざまな交流事業に携わってきた日本側の関係者は、ひとしく強い挫折感を味わっているのが現状だと思います。もっとも、こういう時こそ両国関係に民(たみ)の力、若者の力、地方の力を注入しなければなりません。中国でも困難に直面した時、「以民促官(民の力をもって頭の固い政治家や中央の役人たちを動かそう)」ということがよく言われますからね。

 尖閣の問題については、日本は筋を通して対応していくことが重要です。しかし、あの島の問題に大切な日中、中日関係が乗っ取られるようなことがあってはならない。両国の政治リーダーたちがその思いを共有して知恵を出し、勇気を持って今のトンネルを抜け出してもらいたい。

 それにしても日中関係に深く霧が立ちこめる中で、反中、嫌中報道を競い合う日本の一部メディア、週刊誌はちょっと異常ですね。最近はこれに加えて嫌韓・反韓。ひとたび風が吹くと一斉にそちらになびく。戦前を思わせるという人さえいます。無論、マイナスの材料を提供する中国、韓国も悪いのですが。でも、ある日本メディアのOBは最近の日本国内の中国報道について「大きな声の陰にかくれた小さな声、理性的な意見を拾い上げる努力を怠り、国民感情のバランサーとしての役割を放棄している」と話しておられます。世論調査の結果もそのようなメディア報道に多分に影響されているのでしょう。

 −−谷野さんは退官後、青少年交流などさまざまな日中交流事業に携わってきました。

 谷野 今回の尖閣のように日本の対応が意にそわないと「政治」が前面に出てきて、本来関係のないいろいろな交流までも止めるという中国のやり方には強い違和感を覚えますね。各界有識者による新日中友好21世紀委員会も中国側の意向で止まってしまっています。今のような時期こそ、相手がどう考えているかを知る上でこのような交流は必要なのですが。

 私が関わってきた日中青少年交流事業は1回に200人、300人のオーダーで学生たちを受け入れるため、その準備は大変です。苦労して交流パートナー校を見つけ、ホームステイ先も決めていく。準備万端整ったところで突然、中国側から延期、中止と言ってくる。すると、受け入れ先は「これからは中国からの受け入れはもう辞退したい」となる。日本のそこかしこに嫌中感情が広がってしまう。何とも残念なことです。

 −−尖閣問題は日中双方が主張を言いつのり、両国関係に大きな摩擦、不利益が発生しています。

 谷野 中国の主張で違和感を覚えるのは、この問題を「歴史の屈辱」の文脈に置いたことです。日本は1890年代、弱体化をたどる清朝の弱みにつけ込んで、あの島を「盗み取った」と。こう言えば中国の人たちの胸にストンと落ちるだろうということなのでしょうが、在日中国人の私の友人にも「あれは言い過ぎ。何ら生産的な議論に結び付かない」と内々に漏らす向きがあります。

 尖閣については日本の主張を中国に、そして国際社会に訴えていくのは言うまでもないことでしょう。「解決すべき領有権の問題は存在しない」が日本政府の立場です。これはくしくも竹島について韓国政府が取っている立場と同じです。しかし、ここで韓国と日本が違うのは、韓国は何とブータンのようなところにおいてまでテレビの時間帯を買い取って「独島は我らの島」と領有権を宣伝しています。尖閣の国際PRの点で日本は「解決すべき領有権の問題はない」「従ってPRの必要もない」ということでおとなしすぎました。もっとも最近は日本政府も、この点では随分変わったようですが。

 −−最近、尖閣問題の棚上げを日中首脳間で合意していたかどうかが議論になっています。真相は?

 谷野 1972年の国交正常化以降、日中首脳間でこの問題についてやりとりがあった時、私はその場に居合わせたことがないのではっきりしたことは申し上げられません。しかし、あの時の外務省担当者たちは「(少なくとも領有権問題の棚上げについて)はっきりした合意はなかった」と言っているので多分そうなのでしょう。恐らく最高実力者のトウ小平さんが「棚上げ」と言い、日本側はそれにあえて異論を唱えず、聞き置いたということではないでしょうか。園田直元外相は79年の衆院外務委員会で「(尖閣については)20年、30年、いまのままじっとしておく方がよい。今のような状態で通すことが日本の利益からいってもありがたい」という趣旨を述べています。

 その後も「尖閣の現状を変えない」という強い政治レベルの意思があったことは事実です。だから日本政府はあの島々を平穏かつ安定的に維持管理していくために、政府関係者以外は島への上陸を原則認めない措置を取っていたわけです。日本はあの島を有効に支配していましたから、それでよかったわけですね。

 −−ところが昨秋、日本政府は尖閣を国有化し、中国側が猛反発しています。マイナスの影響を小さくしていく知恵はないものでしょうか。

 谷野 尖閣について、あの島々は「古来、日本の領土」「古来、中国の領土」という硬い言い方は、私自身ちょっとひっかかります。中国は島の存在を認知していただけ。一方、日本は明治になって間もなく「廃琉(はいりゅう)置県」(いわゆる琉球処分)があり、1895(明治28)年に正式な手続きを経てこれを日本の領土としたわけです。しかし、それもせいぜい120〜130年前の話です。

 それまで、あの海域は琉球、台湾、中国福建省などが共有する「生活圏」だったのです。沖縄の有識者の方々の間ではそのような考え方が強い。日本の領有権の問題は譲ることはできませんが、その上で日本、台湾、中国の間で「共通の生活圏」というやわらかい考え方を共有し、そこから何か解決の糸口を見つけることはできないものか、と思っています。(敬称略)

   ×   ×
 後編は「河野談話」「村山談話」について聞く。

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 ■人物略歴
 ◇たにの・さくたろう
 1936年生まれ。東京大法学部卒。60年外務省入省。鈴木善幸首相秘書官、駐韓国公使、アジア局長、内閣外政審議室長を経て95年駐インド大使、98年駐中国大使。アジア局長時代に日朝国交正常化交渉、天皇訪中、駐中国大使時代には江沢民国家主席の訪日(98年)に携わった。2001年退官。12年から日中友好会館顧問。


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8月28日(水)のつぶやき

2013-08-29 01:12:15 | 花/美しいもの

橋下市長の「慰安婦」・性暴力発言を許さない 8月は、日本軍「慰安婦」問題=軍事性奴隷制度を考える月に ⑫ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=119…


<この国はどこへ行こうとしているのか>憲法よ 近現代史家・加藤陽子さん◇若者に危機回避の希望 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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<この国はどこへ行こうとしているのか>憲法よ 近現代史家・加藤陽子さん◇若者に危機回避の希望

2013-08-28 19:21:57 | ほん/新聞/ニュース
先日、三重県・長島温泉のアウトレット「ジャズドリーム長島」に行ってきました。

お目当ては、スポーツメーカーのフードつきUVカットジャケット。
ウオーキングと外出用にも着るので、紫外線をカット+吸汗速乾性も外せません。

国内最大の200超の店舗数ですが、何回か行ってるので、お店の場所はおおよそ見当がつくので、
アディダス、ナイキ、プーマとみて回ったのですが、おいてなかったりイマイチだったり・・・、
4店目のアシックスで「UPF50+」の紺色のパーカーをみつけて即購入。
着てみると、紫外線だけでなく熱も遮断するみたいで、
ひんやりと爽やかな着心地です。

最後に行ったコロンビアでは、この日いちばん気に入ったジャケットを見つけました。
試着してみたら、大きめのサイズもぴったし、UPF50で柔らかくて肌触り抜群。
 コロンビア「ウィメンズウィズザラークスフーディー」
胸のログの横にほつれがあったので、B品で半額の4000円。
ほつれはじぶんで簡単に直せそうだったので買いました。

足を棒にして、半日歩き回っての感想としては、
国内メーカーは「UPF」表示のある紫外線カットのジャケットは意外に少なかった。
店員さんに聞いても「UPF」を知らなかったり、探してもらってもなかったりして。

コロンビアは、シャツもパンツもジャケットも「UPF」表示のものが充実していました。
アメリカのメーカーなので、紫外線対応が配慮されきちんと表示されている、ということかと思いますが、
次に買う時のために、ちゃんと覚えておきましょう。


「けずりいちご」とゴディバのチョコソフトクリームも美味しかったです。

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ところで、
毎日新聞の夕刊に掲載される「特集ワイド」がおもしろいです。

少し前の、<この国はどこへ行こうとしているのか>は加藤陽子さんでした。
「婦人公論」での上野千鶴子さんとの対談のことにも触れられています。

  特集ワイド:<この国はどこへ行こうとしているのか>憲法よ 近現代史家・加藤陽子さん  
毎日新聞 2013年08月22日 東京夕刊

 ◇若者に危機回避の希望−−近現代史家・加藤陽子さん(52)

 ◇「いつか来た道」という言葉は嫌い 私たちの選択、疑うことが必要


 日本近現代史の論客、加藤陽子さんと向き合ったのは偶然にも戦後68回目の終戦記念日だった。

 「8月15日が近づくとよく語られる『いつか来た道』という言葉が嫌いなんです」

 ソプラノのような声、ゆっくりとした話し方。耳に優しいが内容は刺激的だ。「私たち日本人は、そんな脅されるような言い方でしか戦争というものを考えられないのか、それは戦争を防ぐために本当に有効なことなのか。そう思えてしまって。いらだちすら覚えてしまう」

 嫌いな言葉がもう一つあるという。「『二度と戦争は起こさない』。そんな誓いを何回繰り返しても、実行されなければ意味がない。軍事技術の発展や最新の国際情勢といった新たな戦争につながりそうな問題を解決しない限り、誓いは果たせない。今起きていることを『いつか来た道』にあてはめるだけでは、解決になりませんよね」

 2009年に出版しベストセラーになった「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」。日清戦争から太平洋戦争まで個々の戦争ごとに国民の意識に変化が生じ、戦争を主体的に受け止めるようになる過程について、中学生と高校生に講義した内容をまとめた。「人々の意識に、いつ劇的な変化が生まれ、戦争を正当化するようになるのか。その瞬間を正確に認識することは、次の戦争の萌芽(ほうが)に対する敏感な目や耳を養うことになる」。そう語るリアリストにとって憲法はどんな存在なのか。

 「9条放棄の結果が出たら日本国籍を見放す」。昨年秋、社会学者の上野千鶴子さんと「婦人公論」で対談した際に言い切った。「9条を変えられるのはすごく嫌。あれだけの戦争をしてアジア諸国や日本に死者を出した後の憲法なのだから、誰がつくっても平和主義を柱にしたはず。その象徴が9条であり戦後、アジアに警戒されずに経済成長をひた走れたのも9条のおかげです」。上野さんも「国籍放棄」に同意見だったが、さすがに活字にするのはどうかと2人で悩んだ。「けれど、やっぱり正直な気持ちを残しておこうということになって。本当にそうなったらカナダ国籍でも取ろうかしら」

 自民党の議員らが「日本を守ろうとする米軍が攻撃されているのに、日本が反撃できないのはおかしい」と主張していることにいかがわしさを感じている。「9条が改正されて自衛隊が正式に国防軍となり、集団的自衛権行使の名目で海外に派兵される。派兵の細部は法律で定めるという。でも法律に譲ってしまうのはよくないでしょう。それなのに国民に対して、そういう説明はあまりない」

 おもむろにメモ帳をテーブルに置き、中国大陸の略図を描き始めた。さらに黒ボールペンで、1931年の満州事変以降、日本の関東軍が主張する“領土”が拡大していく様を斜線で表した。「当初、関東軍が主張した旧満州(現中国東北部)の権益は南満州鉄道の沿線でしたが、やがて満州南部から全満州に広がった。関東軍はソ連、米国との戦争を支える基盤として満州全体の占領を目指していた。一方、国民に対しては中国の条約違反などをあげつらい、反中感情を巧みにあおった。国民を納得させるための説明と政府の本音には常にズレがあるというのが、私が研究から得た基本的な考え方です」

 加藤さんにとって満州は研究対象にとどまらない。父が44年に野砲兵として立った戦地でもある。この地にはソ連軍の侵攻に備え、砲台や地下壕(ごう)が建設された。父は熊本県の予備士官学校に入るために満州を離れ、終戦を米軍の上陸に備えた高知県で迎えた。その父に聞いた話から学んだことがある。「関東軍はソ連軍の侵攻に備え、38年にはソ満国境に強大な陣地を築きます。しかし現実には、日本軍の正面は太平洋の米軍であり、この要塞(ようさい)を巡る激戦は終戦時までなかった。関東軍が陣地に投じた莫大(ばくだい)な鉄材、コンクリート、人力は無駄になりました。戦況が変われば戦場も変わる。最前線で防衛拠点を拡大しようとするのは意味がない。現在の尖閣問題においても危機だからと島に防衛拠点を築いたりするより、緊張緩和に重きを置くべきではないでしょうか」

 史料を駆使し、当時の国民や為政者の心理にまで分け入ろうとする研究態度はどこから来たのか。「私ね、小学生の頃は『朝起きた時、そこがピラミッドの中だったらどんなにいいだろう』と祈りながら寝ていたの。ツタンカーメン王が死に、ミイラにされる時にも立ち会いたかったくらい」。今でいう「歴女」、しかも筋金入りだった。

 好きなテレビ番組はNHKの歴史教養番組「タイムスクープハンター」だ。「この番組は時代考証がしっかりしているし、ドラマ場面の登場人物たちは自分の頭髪をそったり結ったりしてリアル。歴史的な場面をつぶさにこの目で見てみたいという私の願いをかなえてくれるようだから」と笑みを浮かべた。

 学者として研究対象に選んだのは、日本が破滅に向かった1930〜40年代。戦後、繰り返し問われたのは「なぜ戦争への道を進んだのか」だった。加藤さんに問うと腕を組み、精神を当時に飛ばそうとしているかのように目をぎゅっと閉じた。「当時の国民や政治家は道を誤るのかとドキドキしながら戦争への道を選んだのではありません。中国をこらしめ、アジア解放を妨げる米英と戦うのは正しい選択だと信じ、戦争を正当化したのです。国民は決してだまされたのではない」

 ならば今、求められる姿勢とは何か。「この国には、いったん転がり始めたら同調圧力が強まり、歯止めが利かなくなる傾向がある。例えば、育ちのいい政治家がやることだから間違いはないと信じていいのでしょうか。政治家の言動、私たちの選択は正しいのだろうかと疑うことが必要だと思うのです」

 改憲への「同調圧力」は徐々に強まっているが、加藤さんは希望を捨てない。「自民党などが法案を提出した児童ポルノ規制が漫画やアニメに広がりそうになった時、大人は鈍感でしたが、若者たちは『表現の自由が制限される』とインターネットなどで反対の声を上げました。国防軍の問題点や現憲法の意義を分かりやすく若い世代に伝えれば、憲法の危機だって回避できるのではないでしょうか」

 過去ではなく未来にタイムトリップしたら、どのような日本が見えるだろう。再び目を閉じ、しばし考え、穏やかに言った。祈りのように。「今よりも……もっと女性が社会で活躍していて平和な時代が続いていると思います、きっと」【瀬尾忠義】

==============
 ■人物略歴
 ◇かとう・ようこ

 1960年、埼玉県生まれ。89年東大大学院博士課程修了。スタンフォード大フーバー研究所訪問研究員などを経て東大大学院人文社会系研究科教授。専攻は日本近現代史。著書は「徴兵制と近代日本」など多数。
==============
 ◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279


きのうと今日の「上・下」の連載もおもしろいので、また明日、紹介します。


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8月27日(火)のつぶやき

2013-08-28 01:08:40 | 花/美しいもの

はだしのゲン:松江市教委、閲覧制限撤回 「市教委の責任重い」 小学校長ら検証要求 mainichi.jp/feature/news/2…


フェミニズム・正義・グローバルな連帯 8月は、日本軍「慰安婦」問題=軍事性奴隷制度を考える月に ⑪ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=118…


【福島第1原発の現状】/汚染水の流出で危機的状況続く/福島の3市町村 家の中の線量 外と変わらず goo.gl/bySyeH


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【福島第1原発の現状】/汚染水の流出で危機的状況続く/福島の3市町村 家の中の線量 外と変わらず

2013-08-27 18:23:14 | 地震・原発・災害
処暑を過ぎたら、ほんとに暑さがしのぎやすくなってきました。
朝晩涼しい風が吹くようになって、
室内より外のほうが気温が低いので、
エアコンのスイッチを切って、風が吹き抜けるようにしています。

今朝は5時ころウォーキングに出かけたら、
鳥羽川に濃い霧が出ていて肌寒いくらいでした。

ところで、
福島第1原発の地上タンクからの高濃度汚染水もれは、有効な対策の施しようもなく、
汚染水をためるタンクは、長期使用に耐えるものでなかったことも明らかになってきました。
行き当たりばったりの安いタンクにとりあえず汚染水をためておけばよい、
とでも思っていたのでしょうか。

続出する問題は、何一つ解決の見通しも立たず、危機的状況を脱する見込みもなく、
原発事故の深刻さは深まるばかりです。

  【福島第1原発の現状】  急造タンク、限界あらわに  後手の対策、危機招く  

 東京電力福島第1原発の地上タンクから高濃度汚染水約300トンが漏れ出し、急ごしらえタンクの限界を露呈した。当初から耐久性が懸念されていたにもかかわらず対応は後手に回り、汚染水問題の危機は深まるばかりだ。 24日には地盤沈下の影響で解体・再利用し、接ぎ目が劣化した可能性なども浮上。 政府はタンクの強度向上も検討し始めたが、汚染は既に外洋や地下水に広がりつつある。
 「これだけ大量の水が漏れているのにどうして気づかなかったのか」

 福島県の 内堀雅雄 (うちぼり・まさお) 副知事は24日、県庁に東電の 相沢善吾 (あいざわ・ぜんご) 副社長らを呼びつけ、怒りをぶつけた。

 相沢副社長は「汚染水問題に最大限のリソースを投入する。私も福島に常駐し現場で指揮する」と頭を下げたが、内堀副知事は「県民が求めているのは謝罪ではなく実行」と厳しく突き放した。

 汚染水対策は“自転車操業”状態だ。原子炉建屋に流れ込み放射性物質と混ざる地下水が1日約400トンずつ増え続け、現在は約33万トンに。

 東電はタンク約千基で汚染水を保管するが、総容量は約39万トンと余裕がなく増設し続けている。

 タンクは接ぎ目を溶接するタイプとボルトで締めるだけの2種類ある。漏えいしたのはボルト型で、溶接型より設置しやすく重宝されてきた。

 ただ、接ぎ目の樹脂製パッキンが劣化しやすく耐用年数は5年で、信頼性は疑問視されていた。

 東電は24日、漏えいしたタンクは2011年6月に設置した際、地盤沈下が起きたため、いったん解体して現在の場所に移設したと発表。タンクの部材がゆがみ、接ぎ目が劣化したり緩んだりした可能性もあるとみる。

 東電は漏えいに備え、タンク群の周りを高さ30センチのせきで囲い、作業員が1日2回パトロールしてきた。だが、タンク群のエリアは広大で放射線量も高い上、せき内には降雨による水たまりもあり、見分けが難しい。

 23日に現地調査した原子力規制委員会の 更田豊志 (ふけた・とよし) 委員は「水たまりがあっても当たり前になっていた。点検がずさんだった」と批判した。

 漏れた汚染水300トンの行方も不明だ。一部は排水溝を通じて外洋に流れたとみられるが、規制委は地中にかなり染みこんだ可能性を指摘する。

 地中に汚染が広がれば、汚染前に地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」運用開始も難しくなる。

 政府の汚染水処理対策委員会は23日、緊急対策の検討に入った。耐久性の高い溶接型タンクへの交換も取りざたされるが、汚染水の移送先確保が難問だ。「タンク増設は時間との勝負。(今後も)溶接式でないことはあるかも」(相沢副社長)と当面、ボルト型を使い続けるしかない状況だ。
(共同通信)2013/08/26


 福島第1原発:汚染水流出 使い回しタンクから漏出 「金かけず作った」 協力会社会長が証言 
毎日新聞 2013年08月25日 東京朝刊

 地盤沈下が原因で移設されていたことが明らかになった東京電力福島第1原発の汚染水タンク。高濃度の放射性物質を含んだ汚染水約300トンの漏出は、この移設が原因なのか−−。廃炉作業に参加している東電協力会社(福島県いわき市)の会長(72)は毎日新聞の取材に「タンクは工期が短く、金もなるべくかけずに作った。長期間耐えられる構造ではない」と証言した。

 同社は事故前から原発プラントの設計・保守などを東電から請け負い、同原発事故の復旧作業では汚染水を浄化して放射性物質を取り除く業務に携わっている。このため汚染水を貯留しているタンクを設置したゼネコンともやり取りがあり、内部事情に詳しい。

 会長が東電幹部やゼネコン関係者から聞いた話では、今回水漏れを起こしたタンクは、設置工事の期間が短かった上、東電の財務事情から安上がりにすることが求められていた。タンクは組み立て式で、猛暑によってボルトや水漏れを防ぐパッキンの劣化が、通常より早まる可能性も指摘されていたという。

 会長は「野ざらしで太陽光線が当たり、中の汚染水の温度は気温より高いはず。構造を考えれば水漏れは驚くことではなく、現場の感覚では織り込み済みの事態だ。現場の東電の技術スタッフも心配はしていた」と明かす。

 現在、タンク内にあるのは原子炉を冷却した汚染水から放射性セシウムを除去した汚染水。今回のような事態が続くと住民感情が悪化しかねない。会長は「そうなれば廃炉作業への影響も出る。政府が前面に出た上で、早く敷地内への地下水の流入を防ぐ抜本的対策を講じるべきだ」と強調した。【袴田貴行】


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  【福島第1原発の現状】 汚染水対策は事実上破綻  海洋流出防げるか不透明 

 福島第1原発からの汚染水の海洋流出を受け、東京電力は護岸の地盤改良など流出防止策を急ぐが、対策の効果は不透明だ。加えて敷地内の汚染水は1日400トンのペースで増え続け、抜本的な解決策もない。廃炉に向け当面の最重要課題とされた汚染水対策は事実上、破綻している。
 「1リットル当たり23億5千万ベクレル」。原子力規制委員会が汚染水の漏えい源と疑う敷地海側のトレンチ(地下道)にたまっていた水の放射性セシウム濃度だ。東電が27日、発表した。トレンチが通る2号機タービン建屋東側の一帯では5月以降、観測用井戸で高濃度汚染水の検出が相次いでいる。

 東電は4月、港湾内で長さ約780メートルにわたって鋼管約600本を壁のように打ち込む「海側遮水壁」の工事を始めた。完成は来年9月ごろで、汚染水が海に漏れ出さないよう“念のため”の措置だった。

 ところがわずか約2カ月後、敷地海側や港湾内の海水で高濃度汚染水の検出が相次ぐと、水ガラスという薬液で護岸などの地層を固める「土の壁」の工事に着手せざるを得なくなった。

 トレンチには事故直後に流れ込んだ極めて高濃度の汚染水がたまっている。2011年4月に2号機取水口近くで汚染水漏れがあったことを受け、継ぎ目部分の縦穴を埋めて水の流れを遮断しているが、本来は配管や電源ケーブルを通すためのトレンチに、防水処理は施されていない。

 東電は早期に汚染水を抜き取ってトレンチを埋める計画だが、ここが汚染源だとすれば、完了までは高濃度の汚染水が漏れ続ける。今月26日に記者会見した 広瀬直己 (ひろせ・なおみ) 社長は「もっと早くやるべきだった」と悔やんだ。

 一方、汚染水をどう減らすのかも重要な課題だ。建屋に流れ込む前の地下水を井戸でくみ上げて海に出す「地下水バイパス」計画は地元の強い反発でめどが立たない。1~4号機の周囲の地盤を凍らせて地下水流入を防ぐ「凍土遮水壁」は15年の完成を目指すが、世界的に例のない取り組みで効果は未知数だ。「まずは流入量を減らさないとだめだが、抜本策は挙げられない」と広瀬社長は苦悩をにじませている。
(共同通信)2013/07/29  


  福島の3市町村 家の中の線量 外と変わらず  
2013年8月19日 中日新聞

 東京電力福島第一原発事故で避難している住民が帰還する際に前提となる放射線量が、除染後も国の想定ほど下がらないケースが多いことが、本紙が福島県内で実施した実測調査で分かった。国は家屋が外の放射線を六割遮ることを前提にしているが、家の中でもほとんど減らないためだ。

 国は、住民の一日の生活パターンを屋外に八時間、屋内に十六時間と想定。家の中は壁などが放射線を遮ることで、屋外の四割しか線量がないことを前提にしている。

 原子力規制委員会によると、屋内の線量が屋外の四割にとどまるとの考え方は、国際原子力機関(IAEA)が目安として示した値をそのまま引用したものだという。

 しかし本紙が今月上旬、田村市や川内村、楢葉(ならは)町で、住宅の除染が終わって一時帰宅していた住民の協力を得て実測した結果、庭先や玄関先の線量と、居間や寝室などの線量はほとんど変わらないケースが大半だった。

 窓越しに水田や裏山がある部屋では、玄関先より線量が高いケースも散見された。

 特に農家では、玄関や縁側を開けっ放しにして生活しているケースが多い。屋外からの放射線なのか、屋内に再び入り込んだ放射性物質からの放射線なのかは明確ではないが、少なくとも国が想定するような状況とはかなり異なっていた。

 川内村の農家宅で、昨年四月に帰宅してから十六カ月間、屋内に置きっぱなしになっていた積算線量計は二・四七ミリシーベルト(一年間に単純換算すると一・八五ミリシーベルト)と、一般人の上限値の年一ミリシーベルトの二倍近い値を示していた。

 国は上限値の一ミリシーベルトを下回るには、除染などにより放射線量を毎時〇・二三マイクロシーベルト(一マイクロシーベルトは一ミリシーベルトの千分の一)に下げることが必要としており、これを帰還の目安としている。

 福島の放射線量をモニタリングしている規制委事務局に、こうした事実を伝えたが、屋内の線量は屋外の四割だとする日本原子力研究開発機構の報告書を基に「線量の測り方によっても結果は違ってくる」と説明。住民の年間被ばく量を一ミリシーベルトに抑えるための考え方を見直すつもりはないと答えた。
(東京新聞) 


  福島第一原発、汚染水の流出で危機的状況続く
2013.8.7 CNN

(CNN) 東京電力福島第一原子力発電所で放射能に汚染された水が海に流出している問題は、有効な対策を求める政府の要請にもかかわらず、解決の見通しが立たない危機的状況が続いている。

原子力規制庁で福島第一原発の事故対策を率いる金城慎司氏は5日、ロイター通信とのインタビューで、東電は「危機感が希薄」だと批判し、「現状は非常事態」との見方を示した。原子力規制委員会の菅義偉官房長官は問題の早急な解決を望むと述べ、政府として全力を尽くすと表明している。

汚染水流出の問題は1年以上前から科学者らが指摘してきたが、東電は先月になって、観測用の井戸の地下水や港の海水から高濃度の放射性物質が検出されたことを明らかにした。

同社の報道担当者は今週、汚染水が湾に流れ出して止められない状態となっているのは「非常に重大な問題だ」と述べ、流出を防ぐために地下に壁を設けていると説明。それでも汚染水が壁を越えたり、横から回り込んだりして海へ流れ込む恐れがあることを認めた。
米海洋化学者のケン・ビュセラー氏は、早くから汚染水の問題に懸念を示してきた。流出を防ごうと壁を設けても、「水が高い所から低い所へ、つまり海へ向かう流れは止められない」と話す。

米国で原発の操業に関わった経験を持つ専門家、マイケル・フリードランダー氏は「問題は山側からの地下水が原発の建屋に入り込み、汚染水と混ざって流れ出していることだ。汚染水を敷地内のタンクに貯蔵する対策は一時しのぎにすぎない」と指摘する。

「最終的には汚染水を海に捨てるか、蒸発させるかの選択になるのではないか。どちらも世論の猛反対を受けるだろう」と、フリードランダー氏は語る。同氏によれば、米スリーマイル島の原発事故では、連邦当局が汚染水の蒸発処理を許可した。ただし福島第一原発は事故の規模がまったく異なり、「未知の領域だ」としている。


 福島第1原発、タンクから汚染水漏れか 毎時20ミリシーベルト
2013年8月19日 北海道新聞

 原子力規制庁は19日、東京電力福島第1原発の原子炉の冷却に使った後の汚染水を貯蔵するタンク付近で、毎時20ミリシーベルト以上と非常に高い放射線量の水たまりが見つかったと発表した。タンクから漏れた可能性が高いが、排水溝などに流れ出た形跡はなく、海への流出はないとみられる。

 規制庁などによると、同日午前10時40分ごろ、見回り中の東電社員が、タンクの周囲に水漏れを防ぐために設けられている鉄筋コンクリート製のせきの排水弁から、水が流れているのを発見。せきの設備の外側に、縦横3メートル程度、深さ1センチほどの水たまりを確認した。


 福島第一 また2作業員汚染 東電基準値超す 
2013年8月19日 東京新聞

 東京電力は十九日、福島第一原発でバス待ちをしていた二人の男性作業員の頭部が、社内基準(一平方センチ当たり四ベクレル)を超える一三ベクレルの放射性物質に汚染されているのを確認した、と発表した。国の管理基準(同四〇ベクレル)は下回った。東電によると、十九日午前十時五分ごろ、現地対策本部がある免震重要棟前に設置してある放射性物質の濃度を測る機器で警報が鳴った。二人はバスに乗り、正門近くにある作業員の出入りを管理する施設で、汚染が確認された。
 福島第一では、十二日にも、免震重要棟前でバス待ちをしていた東電社員ら十人の顔面や頭などから同四~一九ベクレルの放射性物質が検出された。重要棟前では、熱中症対策で水を霧状に噴霧する器具が設置され、近くのダムから引いた水が使われていた。当初はこの水の汚染が疑われたが、調査の結果、汚染はなかった。霧発生器は十二日以降止められており、東電は、通行車両が放射性物質の付着したほこりを巻き上げ、汚染につながった可能性もあるとして、原因の特定を進めている。


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8月26日(月)のつぶやき

2013-08-27 01:13:03 | 花/美しいもの

8月は、日本軍「慰安婦」問題=軍事性奴隷制度を考える月に ⑪ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=118…


「松江の問題」、「はだしのゲンの問題」と考えずに、「自分たちの地域の問題」、「どんな書籍が排除の対象となっても、それが妥当か否かを考えなければならない問題」と捉えていくべきだと思う。地域の図書館活動が高齢化で下火になりつつある中、防衛ラインの再構築しなければならないと思う。

寺町みどりさんがリツイート | 52 RT

過熱する憎悪:中高生、抗議の原動力 排斥デモおかしい(毎日新聞) mainichi.jp/select/news/20…


過熱する憎悪:中高生、抗議の原動力 排斥デモおかしい mainichi.jp/select/news/20…


「はだしのゲン」閲覧制限を撤回 松江市教育委員会 - 47NEWS(よんななニュース) 47news.jp/CN/201308/CN20…


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