この記事は、「特定図書排除に関する住民監査請求」で
12月9日に陳述で提出した「補充書(意見書)」。
特定図書リストについての分析-2からの続きです。
(特定図書リストについての分析-3)
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12月9日に陳述で提出した「補充書(意見書)」。
特定図書リストについての分析-2からの続きです。
(特定図書リストについての分析-3)
特定図書排除に関する住民監査請求 補充書 特定図書リストについての分析-2からの続き <「BL」という無定義なジャンル概念を、無理に、恣意的な基準でくくろうとしたことによる問題‐明らかに問題のある排除がおこなわれ暗黙の差別があらわになっている> (6)「BL」ではなく、男性同性愛の恋愛・性描写がないのに指定されている「少女小説」 3077/南図書館/図一般/304375041/保2/8/マエタ/前田珠子/孔雀の庭≪エシュラルト&ロキシム≫/スニーカーブックス/角川書店/ 通常、少女小説に分類される書き手。A5サイズのソフトカバーで、表紙は身体的接触もしていない着衣の男性二人。媒体もBLノベルズではなく、「BL」的描写も一切無い。何故選ばれたのかが完全に不明。おそらく、表紙に男性二人が描かれていることが原因と思われる。 作中に、男性にストーカーする男性、女性を愛する女性がちょい役で登場するものの、男性同性愛の行為・心理描写は皆無。性行為描写にいたっては、男女のキスと、女性が女性の指を口に含むというシーンがあるのみ。(挿絵で性行為を暗示するのはこのキスシーンのみ)(熱田) 宮乃崎桜子/〔著〕 斎姫異聞 講談社X文庫 講談社 宮乃崎桜子/〔著〕 月光真珠≪斎姫異聞≫ 講談社X文庫 講談社 「斎姫異聞」は第何回だかわからないが、講談社ホワイトハート大賞だか佳作だかを受賞して和風ファンタジーで問題図書にされたとしたら審査員もびっくりだろう。主役である「斎姫」が実は両性具有であり、政略結婚の相手との初夜にそれがばれる、というシーンがちょっとあるけれど、性的描写の中に入れるのも疑問が残るぐらいのもの。(加納真紀さんメール) (7)セクシュアル・マイノリティの日常を描いた本が指定されている 森奈津子/著 耽美なわしら 1 ASUKAノベルス 角川書店 森奈津子/著 耽美なわしら 2 ASUKAノベルス 角川書店 「耽美なわしら」は、ゲイやレズビアン、アセクシャル等の日常をかいたコメディであり、これをわかって指定したとしたらセクシャルマイノリティに対する差別としてしか考えられない。(加納真紀様メール) 作者はHPでバイセクシャルと自認しており、下ネタが多いことから来るバイアスではないだろうか。(加納真紀様メール) (8)男性同性愛描写があるから指定された? 小沢淳/〔著〕 金色の少年≪ムーンライト・ホーン5≫ 講談社X文庫 講談社 皆川ゆか/著 僕は君のためにいる≪誘惑≫ Eclipsnovel 桜桃書房 皆川ゆか/著 僕は君のためにいる 第3部 Eclipsnovel 桜桃書房 皆川ゆか/著 僕は君のためにいる 第4・5部 Eclipsnovel 桜桃書房 皆川ゆか/著 僕は君のためにいる Eclipsnovel 桜桃書房 かわい有美子/著 今、風が梢を渡る時 前編 パレット文庫 小学館 かわい有美子/著 今、風が梢を渡る時 後編 パレット文庫 小学館 小沢淳/〔著〕 茜の大陸≪ムーンライト・ホーン6≫ 講談社X文庫 小沢淳/〔著〕 神聖王国の虜≪ムーンライト・ホーン7≫ 講談社X文庫 講談社 小沢淳/〔著〕 密林の聖獣≪ムーンライト・ホーン8≫ 講談社X文庫 講談社 小沢淳のムーンライトシリーズは、国を亡くした王子と従者のゲイカップルが、旅をする話だが、どっちが受・攻かわからず、じれったい思いをしたことがある。 (直接的な描写はない) あと王子が女好きの浮気性で女性と寝るシーンも少しあったと思うが、直接的ではない。 「僕は君のためにいる」は、作者による「自己流カラマーゾフの兄弟」で、実際にそんな感じ父親殺害をめぐる三兄弟+異母弟の葛藤が話の中心であり、性描写がメインなものではない。 最後に兄弟による性描写が少しあるが、直接的ではないはず。 徳田みどりによる表紙、挿絵が色っぽかったと思うので、そう判断されたのかもしれないが、ありえない。 かわい有美子がパレットに書いたものは青年同士の恋情のほのめかしはあっても基本、BLではない。(加納真紀様メール) 緑なす丘に我らは歌う(パレット文庫),ひかわ 玲子/著; 小学館,2005.4 花の告げし人を称えよ(パレット文庫),ひかわ 玲子/著; 小学館,2005.6 金の果実に祈りを捧げ(パレット文庫),ひかわ 玲子/著; 小学館,2005.8 パレット文庫は、「BL」として売られている作品もあるものの、通常は「少女小説」として売られている。ひかわ玲子は少女小説作家として大御所であり、指定された3作品(同一のシリーズ)も表紙は着衣の男性ばかりで、性描写を匂わせるものも無い。内容を見ていけば、男性同士のキスシーン、抱き合うシーンなどがあることから指定されたのだろうか。 前述の加納真紀さんのご指摘にもあるとおり、こうした性描写が非常に少ない作品も指定されている。男女の性行為であれば、キスシーンや抱擁シーンで有害指定されるとは考えにくい。(熱田) (9)「BL」とそうでないものをノベルズやレーベル、文庫のシリーズ名で分けることは難しい 花丸ノベルスは初期はBLに特化しておらず、ファンタジーやSFも扱っており、性描写も少なかったはず。 BL作家でBLレーベルには、普通にBLを書く人でも混在するX文庫、パレット等には書かない作家もいる。 ASUKAノベルス/レモン文庫/新書館ウィングス文庫はBLレーベルではない、完全なジュブナイルレーベル。そういうテイストのものを混ぜるかもしれないが、性描写メインになるとは考えにくい。逆に言うと、そこまで子供を純粋培養して、どうするつもりなのか。 また新書館ディアプラス文庫はBLではあるが、性描写があっさりしているのを売りにしている。全くないものもある。特に菅野彰は少ないはず。(加納真紀さまメール) (10)「文学」は指定されず、「ライトノベルズ」など若者向けジャンルのみが指定されている 今回、指定されている図書の媒体・作家は、そのほとんどが若者・女性を読み手と想定しているものである。男性同士の恋愛・性行為描写が描かれた作品は、三島由紀夫や堀達夫などの一部の作品、比留間久夫や三浦しおんをあげるまでも無く、従来「文学」とされてきた分野でも枚挙にいとまない。(外国文学でも、ジョン・フォックス『潮騒の少年』、ジャン・ジュネ『葬儀』 、フォースター『モーリス』など…)しかしながら、こうした作品は一切指定されず、その内容や質的な際も議論・吟味されること無く、「BL」と認識された作品のみが有害と指定された。これは、本の貴賎を恣意的に観念されたジャンルによって決めるという、図書館がおこなうにふさわしくない行為ではないだろうか。 (熱田) (11)書き手/想定される読み手の性別による選別が、暗黙裡におこなわれているのではないか 筋違いながら安堵致しましたのは、BLに紛れて90年代初頭にBLの萌芽に紛れる様にして紹介されたゲイ文学が排除されていなかった事です。(ぶどううり・くすこ様メール) (10)との関連であるが、仮に、「ゲイ文学」と呼ばれる小説が指定されず、「BL」が指定される理由が、セクシュアル・マイノリティへの偏見ある表現があるかないかだとしよう。もちろん、BLの中にも、男性同性愛への偏見を含んだ描写のある作品があることは事実である。 しかしながら、その個別の表現が問題にされずに、「BL」というジャンルが有害とされることは、非常にナイーヴに、「ゲイ」という主体を本質化することだといえる。例えば、書き手が「ゲイ」であれば、セクシュアル・マイノリティへの偏見は作品に必ず表れないのだろうか。また、書き手が「ゲイ」でなければ、セクシュアル・マイノリティへの偏見があるということになるのだろうか。(熱田) (12)「BL」を読んでいるのは女性読者のみとは限らない-読者を一定の範囲に定義するなどということはできない BL雑誌の投稿欄に勇気を出して投稿して相談をして、幾許か救われた若いゲイの方も居たと言う事実があったとしても、彼等は冷笑をもって顔を背けるのでしょう。 ささやかながら資料の再確認をしている者の一人として、物悲しくなります。 (ぶどううり・くすこ様メール) <「過激な性描写」を理由に「BL」を排除することの恣意性> (13)性描写の程度による振り分けがなされていない 西野花さんは、完全に18禁だと思います。綺月陣さんクラスですよ。 高遠 琉加/著 世界の果てで待っていて≪天使の傷痕≫は、同衾はしていますが、それは癒しあう行為のようなもので、これが入っているのは変です。(匿名メール-千田さん経由) (14)「ストーリー」性や「文学」性があると思われる作家・作品が同性愛表現だというだけで排除されている 榎田尤利さん/BLに偏見持っている人には「夏の塩」シリーズを読んでみて欲しいです。この方は、とにかく人間の温かさということに重点を置かれてBLを書かれていると思います。 木原音瀬さん/人生の不条理ということを書かせたら一級です。三浦しをんさんも、木原さんの作品をBLでも直木賞候補に挙げたいと言っておられました。 英田サキさん/タイトな文体のハードボイルド。まるで映画を観ているようです。プロットの緻密さと甘さを排した内容は、BLという括りに入れて悪書と決め付けないで欲しいです。 栗本薫さん/大御所過ぎて、何もいえません(笑)。 花川戸菖蒲さん・鳩村衣杏さん・烏城あきらさんも、非常に良質な作品を書かれる方です。(匿名メール-千田さん経由) 秋月こおさん/Wikiより:1992年たつみや章名義で児童文学作家デビュー。2003年4月には熊本市議会議員選挙に立候補、初当選を果たしている。 本人も立派な方だし、BLでも芸術性・歴史性の高いお話を書かれる作家さんです。富士見二丁目などは、本当に音楽の薫香の高い作品です。 三浦しをんさんの、記事がありますので、参考にしてください↓。 http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20060731bk0e.htm (匿名メール-千田さん経由) (15)男女の性描写がある、男性読者向けの本は性行為の度合いにかかわらず今回指定がない 堺市の図書館では、男女の性描写を扱い、表紙にも性描写を示すような絵や写真が使われている本を、開架で貸し出している。なかには、amazonなど、一般市場での流通においてはアダルトカテゴリーに配分され、18歳未満に対して警告が表示されるものもある。 こうした本を、置くなということではない。しかしながら、下記の実例を見れば、性描写の暗示の程度において、これらの本が「BL」よりも問題が無いと、どんな点から言うことができるのか。 また、仮に、こうした本が「官能小説」や「文学」であるという理由だとしたならば、「BL」というジャンルは「官能小説」や「文学」ではないとは、誰にもいえないということは、ここまでにあげた点から既に明らかであると思われる。(熱田) 下記に、2,3例を挙げておく。 異形の宴‐責め絵師伊藤晴雨奇伝/団 鬼六/著/朝日ソノラマ/2000.4/913.6 1 北 202347233 8//タン/開架 図書一般 在庫 2中801178674 8//タン/開架 図書一般 貸出中 新編愛奴-外道の群れ外伝/団 鬼六/著/Paradigm human adult books/パラダイム/2001.4/913.6 1 南 304482979 8//タン/開架 図書一般 貸出中 ※amazonではアダルト指定されている本 爛夢-官能アンソロジー/日本文芸家クラブ/編/藍川 京/〔ほか著〕/徳間文庫/徳間書店/2008.8/913.68 1東 401489752 8//ランム/ 開架 図書一般 貸出中 (16)「BL」における性描写は恋愛を描くストーリー上、不可欠なものもある 仮に、性描写の「中身」が問題だとした場合に、下記のような意見もある。 かなり前に新聞でBLの特集があって、ある方が言っていましたが、男性向けの性描写とBLが決定的に違うのは、そこに『愛』があるかどうかだそうです。 男性向け性描写は、とにかく性的に興奮させることを目的としています。暴力もただの性的支配欲の表れです。 女性向けBLは、暴力やレイプがあっても、全ては愛に繋がっています。つまり、恋愛ごとの延長に全ての行為があるということです。 何故、女性にとって男同士の暴力はOKなのかというと、やはり弱者(女や子供)に暴力が振るわれる場面はリアル過ぎて引いてしまいます。男同士なら、暴力も所詮対岸の火事。そこでは何をやってもOKのある意味想像上の世界ですね。 そして、男同士の愛というものに、女性は男女間にない純粋な愛を夢見ているのかもしれません。 タブーの愛を貫く純愛というものに、心を動かされるのでしょうね。結婚というゴールのない、愛だけで成り立っている世界ですから。 女性向けBLではキャラの年齢が高いのも、特徴ですね。男性向けはとにかく若い娘優先ですから。BLでは、40歳だって立派な主人公です。ロマンチックな男性と違って、女性は現実的ということなのでしょうか。興味深いですね。 (匿名メール-千田さん経由) 参考文献 Butler,Judith,1997,Excitable Speech: A Politics of the Performative , Routledge, London(=竹村和子訳2004『触発する言葉―言語・権力・行為体』岩波書店) 資料・著作が20冊以上排除図書に指定された作家の、作家別排除図書指定率 ※網掛け:有害図書指定率が100%を超えている。何らかの理由で9月11日から蔵書数が減ったか、検索方法が違っていてでてこない可能性あり。 ※下線(一件):同姓同名作家がいる可能性が考えられるが、特定できていない/元データの数値に疑問があるなどのケースで、数値が正確ではないのではないかと疑われるケース。また、同姓同名作家の存在の有無については、一部を除いて未対応。 【千田有紀さんの意見】 個人的には、表現の自由は、ある一定の制限のなかで、守られる価値であると思っている。ある一定の制限のなかで、という譲歩をつけるのは、表現は無制限に守られるべきものではなく、ある表象が他者を傷つけないかぎりにおいて守られるべきだと思うからである。 つまりこのボーイズラブ排除が、性的マイノリティからのある種の表現にかんする抗議としてなされたのであるならば、無制限に表現の自由を主張することは、できないだろう。しかし、排除の理由が、「性的な表現が含まれるから」であるというのであれば、首を傾げざるを得ない。性的な表現は、図書館のなかに満ちており、それらは許容できるが、ボーイズラブだけが駄目であるとしたなら、問われるべきは、「同性愛表現を許容できない価値観」のほうだと思うからである。 この前提を踏まえたうえで、リストをみたときの感想は、やはり排除の基準がよくわからないというものであった。例えばリストには、鹿住槇さんや桜木知沙子さんの作品が多く含まれているが、これらの作家は、どちらかといえば、かなりソフトな古典的少女漫画タッチの作品を書くことで知られている。桜木さんの『金の鎖が支配する』という作品もしっかりリストに入っているが、これも性描写が出ていて桜木さんにしては珍しい挑戦だと思った記憶があるほどで、その他の作品は、家族の絆や愛情や信頼とは何かを問いなおし、ときに息苦しいほど「倫理」をみつめようとする、どちらかといえば「保守」といえなくもない作品群である。これらの作品も排除されるのかと知って、正直にいえば、驚きを禁じえなかった。 また鹿住槇さんは、昔の少女小説タッチのソフトな作品を量産される作家で、性表現の厳しいアメリカでも漫画化された作品が翻訳されている『ヤバイ気持ち』(英訳『Desire』)などは、相手への性的関心から先に関係を結んだ高校生が息苦しさを感じ、心の絆を結びなおすという、男女であったら性教育の教科書として使われてもおかしくないような作品である。その他の作品も総じてソフトで性表現も過激ではなく、鹿住さんの作品に男性同性愛が描かれている以外の排除される理由が見当たらない。 また割を食っていると感じられたのが、榎田尤利さんである。 榎田さんは、ボーイズラブとファンタジーを描く作家でもあるのだが、どれもこれも駄目という状態である。『普通の男(ひと)』などは、自分のことを「普通」であると思っていた男が、同性を好きになるという「異常」な事態に驚き戸惑うという過程が丹念に描かれており、セクシュアリティの理論書のような趣がある本である。次作の『普通の恋』でふたりが結ばれ、『普通の男』にはほとんど性描写はなかった(ように記憶している)。これも駄目なのか。また、魚住くんシリーズも、排除されている。魚住くんシリーズは、傷つきやすい魚住くんが巻き起こす青春物語で、1巻ではまったく性描写は出てこない。 なぜ1巻という限定をつけるかといえば、2巻以降は、あまりの高値に入手を諦めたからである。現在はすべて絶版であり、12月2日現在、某サイト(アマゾン)の中古品で、最終巻は最低でも3200円、最高額で5000円で取引されている。 ボーイズラブのように消費財的に読まれ、あっとうい間に消えてしまう作品こそを保存することこそが、図書館の使命ではないのか。桜木さんの作品など、ほとんどを読んでいると思っていたが、排除リストに入っているものには、知らないものもたくさんあった。絶版となり、ネットの中古市場からも消えてしまった作品は、図書館がなければ、実際にはまったくといって入手不可能となっているのが現実である。男性同士の恋愛を描いているという理由で、排除するにはあたらないのではないか。 また秋月こおさんの『フジミ』シリーズ、『要人警護』シリーズ、『ロマンセ』シリーズなどは、どれも排除の対象であった。権威主義的なことをいう気はないが、秋月さんは、別名で児童文学も書かれており、熊本市議も務められた方である。 『フジミ』シリーズは、わずかながら性描写こそあるものの、基本は優れた音楽家を目指す二人の成長譚であり、栗本薫さんは「少女マンガ的構造」をもつ物語であると論じている。この評価は同意できるものであり、決して過激なポルノなどではない。 またロマンセシリーズなどは、性描写も少なく控えめであり、平安時代を舞台としたスリリングな作品に仕上がっている。他にも、たけうちりうとさんの『薔薇とボディガード』シリーズやごとうしのぶさんの『タクミ君』シリーズなど、すぐれた長編が排除の対象になっているのは、いかにも惜しい。 製造業で働く男たちのロマンを中心にすえた、烏城あきらさんの『許可証をください』のシリーズも排除の対象であった。また人間味あるドラマを描くことで定評のある木原音瀬さんも、絶版になった作品も多いにもかかわらず、排除の対象である。 これらの作品に性描写がないとはいわないが、軽い味付け程度のものであり、この程度が排除の対象であるというのだったら、ボーイズラブ以外のほとんどの作品が排除の対象となるのではないかと思われる。 そもそも、ボーイズラブは作家買いが難しい珍しいジャンルである。というのは、どの出版社のどのノベルズから出るのかという、ノベルズに作品のテイストが大きく規定されるからである。堺市のリストを見ると、上位から、角川ルビー文庫、リーフノベルズ(倒産)、白泉社花丸文庫、講談社X文庫、Beboynovels、徳間書店キャラ文庫、小学館パレット文庫、集英社コバルト文庫と大手の出版社の性描写も大人しい作品ばかりであり、(個人的に)ポルノ的な作品が多いと思い浮かぶプリズム文庫などは、2冊(3冊?)にすぎない。つまりは購入の際に、購入図書がかなり吟味されたうえで、決定されていたことが伺える。 これらの作品を、ただ男性同士の関係が描かれているという理由で、図書館から排除するのは、いかにも行き過ぎであると思われる。 以 上 |
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