みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

不妊治療に職場支援を 両立できる仕組み必要(稲熊美樹)

2013-06-22 21:04:50 | 市民運動/市民自治/政治
雨が止んだので、そろそろ咲き終わりのビオラを抜いて、

   
ずいぶん前に買ってあったポーチュラカとマツバボタンを玄関横のスペースに植えました。
   

  

ビワもいろんだ頃だと思って見に行ったら、
なんと、熟した黄色い実がきれいになくなっていました。
木の下を見ると、食べた皮が一面に散らかっているし、
高い処の枝も折られているので、きっと留守中にサルに食べられたのでしょう。
まさかビワまで食べられるとは・・・・うーんがっかりです。。
次はイチジクがねらわれると思うので、はやくネットをかけなければ・・・。

畑の作物はだいじょうぶでしょうか。

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ところで、
昨日の中日新聞の生活面は、稲熊さんの記事でした。
不妊治療関連の記事といっしょに紹介させていただきます。

  不妊治療に職場支援を 両立できる仕組み必要  
2013年6月21日 中日新聞

 不妊治療と仕事の両立に悩む女性が増えている。生理周期に合わせて治療するため、日程を決めるのが難しく、急に休まなければならないことが多いからだ。経済的負担も大きく、働き続けるための支援が求められている。

 約四年前から不妊治療を続ける大阪市の看護師柏本佐智子さん(37)は、何カ月も先まで印が付いたカレンダーを「休みが尽きるか、お金が尽きるか、どちらが先か」と見つめる。治療費は全額自己負担で、これまで三百万円を使った。

 昨年治療のために受診したのは四十九回。時間単位で取れる休暇もあるが、不妊治療に通う大学病院は混み、一日がかりになることも。体外受精のための卵子採取後は体調を崩すことが多く、一週間ほど病気休暇を取ったこともあった。

 「糖尿病看護認定看護師」の資格を持ち、患者との面談に加え、院内外で講演する。だが、予定が立てられずに講演を断ることもある。当初は仕事で治療を休むことがあったが、職場の理解もあり、今は治療最優先。「この日は休みそう」と同僚に伝えるが、その通りにならないこともある。
     ◇
 「突然『明後日の午前、また受診して』と言われるので、仕事の予定を入れられずに困った」

 IT企業に勤めていた神奈川県の女性(40)は振り返る。受診は多いと月七~八回。治療を上司に話すと「専念した方がいい」と強く勧められ、一年前に退職に追い込まれた。

 医師に「仕事がストレスになっているかも」と言われたが、退職後は社会とのつながりがなくなり、より強いストレスを感じた。最近、派遣社員として別の職場で働き始めたが、治療のことは言えずにいる。「助成金も必要だが、働き続けられる仕組みづくりをしてほしい」と願う。
     ◇
 空港で接客の仕事をしていた神奈川県の女性(35)は「治療していることを理解してほしいとも考えたが、言い出せる雰囲気ではなかった」と打ち明ける。隠したため、仕事の都合で治療のタイミングを逃すことも。勤務は未明からの早番と、午後から未明までの遅番の二交代。平日の日中に受診しやすかったが、朝治療してから出勤し、未明まで続く仕事は体力的にもきつく、一年半前に退職した。
 「赤ちゃんを授かったときに貯金ゼロでは困る」との焦りもある。今後は、治療を隠さないつもりでいる。

◆有給や短時間勤務など望む声
 国立社会保障・人口問題研究所の二〇一〇年の調査では、不妊を心配したことのある夫婦の割合は31・1%と、五年前の調査より5ポイント増。実際に不妊の検査や治療を受けた夫婦の割合は16・4%で、子どものいない夫婦では28・6%に上る。

 不妊の人たちを支援するNPO法人・Fine(ファイン、東京)が、治療中の約二千人に実施したアンケートによると、86・6%が「仕事などに支障をきたしたことがある」と回答。「職場で治療へのサポートがない」人も63・8%と、仕事の調整に苦心する様子がうかがえる。

 理事長の松本亜樹子さんによると、治療と仕事を両立できず、悩んだ末に退職した人も多いという。「特効薬はない。まずは職場で理解を深めてもらうため、企業で研修を取り入れてほしい」と話す。注射や検査などは半日あればできるため、フレックス勤務や短時間勤務、時間単位で取得できる有給休暇などを要望する声が多い。

 国内では百貨店や大手メーカーなど、不妊治療のための有給休暇や、短時間勤務制度などを導入した企業もある。
(稲熊美樹)



  【三重】不妊治療助成、国の年齢制限検討に困惑
2013年6月19日 中日新聞

 妊娠を望んでいる県内の夫婦で、昨年度に体外受精の不妊治療で助成制度を利用した件数は、制度が始まった八年前に比べて八倍の二千三百二十五件に上った。国と県が折半する助成額は十一倍の三億二千万円に膨らんでいる。不妊治療のニーズが年々高まる中、国は財源不足に備えて対象を三十九歳までに制限することなどを検討しており、子を望む夫婦に困惑が広がっている。

 顕微授精などの体外受精は保険が適用されないため、一回につき平均三十万~五十万円の治療費がかかる。助成制度は、治療一回につき上限十五万円、年二回まで利用できる。昨年度は県内で少なくとも一千組以上の夫婦が利用したことになる。上限額を超えた場合の上乗せ補助も県と十六市町が独自に実施。東員町、志摩市などは検査や薬物療法の費用にも対象を拡大し、利用者は制度の周知とともに増え続けている。

 毎週火曜、県立看護大(津市)に開設される県不妊専門相談センターによると、年三~四回の治療を自己負担で受ける夫婦も少なくなく、依然として大きな負担に関する相談は多い。

 昨年度センターに寄せられた電話相談二百七十三件のうち、三十歳代後半~四十歳代の女性が約三分の二を占めた。国が検討している年齢制限に関して、相談員を務める助産師は「妊娠を望む四十歳以上の女性に対し、国が生き方を制限することになる」と反発。別の看護師は「治療による心身への負担を考えるとやむを得ない部分もある。年齢ではなく、その人の体力や環境に応じて一番いい選択を考えたい」と話す。

 助成件数は毎年二割増のペースで、県は本年度も三千件弱を見込む。毎年事業予算を増額計上しているが、年齢とともに妊娠しにくくなる傾向があるのも現実で、県の担当者は「年齢制限も含め、効果的な助成のあり方を見直す必要はある。国の議論を見守りたい」と話している。
(安藤孝憲) 


 特定不妊治療の助成 県や市町村が上乗せ/山形 

 体外受精などの不妊治療を行っている夫婦の経済的負担を軽減し、少子化対策につなげようと、県内の自治体で特定不妊治療の助成が広がりをみせている。県は今年度、国の制度に加えて、独自に助成回数を年1回、5年間で通算5回分を拡充。市町村では、県の助成にさらに上乗せする制度も登場している。

 特定不妊治療は「体外受精」と「顕微授精」の2種類。いずれも保険外診療で高額な医療費がかかるため、2004年度から国などが治療費の助成を行っている。母胎から採卵して体外受精などを行い、再び母胎に戻すまでを1回の治療として助成する。

 国の制度は、初年度は年3回、2~5年度目は年2回対象で、5年間で通算10回まで助成が受けられる。1回当たり15万円だが、以前に凍結した胚を移植したり、状態の良い卵が得られず中止したりした場合は、1回7万5000円となる。夫婦の合計所得が730万円未満の世帯が対象。

 県子ども家庭課によると、04年度に123件だった県内の助成利用実績は、制度の充実とともに伸び続け、12年度は774件。県は今回、不妊で悩んでいる夫婦が依然多いとして、2~5年度目も3回目の治療を受けられるように、助成回数の上乗せを決めた。助成額は国の制度と同じ。

 こうした制度を利用しても、1回当たり15万円程度は利用者の自己負担となる。このため、村山市と長井市では、自己負担分も全額助成する制度を設けるなど、県内の33市町村が助成額についても上乗せ支援を行っている。

 県はこのほかにも、治療について気軽に相談してもらおうと、山形大付属病院に不妊専門相談センター(023・628・5571)を設置している。月、水、金曜日の午前中に電話で予約し、指定された日に医師から治療や助成制度に関する説明が受けられる。
(2013年6月21日 読売新聞) 


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「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義/カラ渡船裁判◇船着き場も現場検証

2013-04-06 15:46:57 | 市民運動/市民自治/政治
昨日の毎日新聞夕刊の「特集ワイド」は、紙面1ページほどの
「続報真相 「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義」という記事。

この記事の冒頭に、岐阜でのカラ渡船の住民訴訟のことが写真付きで50行以上載りました。
というのも、この訴訟の判決を書いたのが、筏津(いかだづ)裁判長だったからです。

先週、毎日新聞東京本社の記者さんからつれあいに
 「筏津裁判長を批判する議員や関係者がいる。筏津裁判長はどういう人かをとりあげたい。」という趣旨の電話があり、
翌日、岐阜でお会いすることにして、私もついていきました。
岐阜駅の喫茶で裁判のことやいろいろ話して、現地を見たいという事だだったので、長良川を下って日原渡船を見に行きました。
そのときの写真が紙面にも載っていました。


記者さんから金曜日に載ると聞いていたので、
昨日に夕刊を受け取って、さっそく開いてみたら、とっても大きな記事でした。


2013.4.5 毎日新聞夕刊

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夕刊が届くより先に、全文がwebにアップされていたので紹介します。

  特集ワイド:続報真相 「1票の格差」で戦後初の選挙無効判決 筏津裁判長の染まらぬ正義  
毎日新聞 2013年04月05日 東京夕刊

 ◇船着き場も現場検証
 「保守的な司法界でこれだけ勇気のある判決が聞けるとは」と原告側弁護士は言った。「可能性はあると思っていたが、まさか本当に出してくるとは」。政府関係者はそうため息をついた。選挙を無効とする−−。2012年衆院選の1票の格差をめぐる全国の裁判で、最高裁の警告を無視し続けた国会に司法の一撃が下された。3月25日、戦後初の選挙無効判決を言い渡したのは広島高裁の筏津(いかだづ)順子裁判長(62)だ。黒の法衣に包まれた人物像を探った。

 ◇キーワードは公平・熱意・誠実
 判決は小選挙区の区割りを違憲と判断し、広島1区と2区の選挙を無効とした。ただ、混乱回避のために猶予期間がある「将来効判決」を採用し、新たな区割り作業開始から1年となる今年11月26日を過ぎて、無効の効果が発生するとした。
 「法廷では素人の主張を一つ一つ丁寧に聞いてくれました。よく調べ、勝っても負けても納得のいく公平できめ細かな判決を書いてくれました」
 こう話すのは岐阜県山県(やまがた)市議の寺町知正さん(59)。1990年代から50件近くの行政訴訟を弁護士に頼まずに本人訴訟で争ってきた。筏津さんとは、岐阜地裁の裁判官と原告として04年から3年間にわたって毎月のようにラウンドテーブル(円卓法廷)で向かい合った。
 「裁判官もいろいろです。提出した書類の誤字脱字を叱責口調で指摘する人や、行政を訴える市民に偏見を持つ人もいました。要するに上から目線の人が多い。でも筏津さんは違った」

  ■
 運営実態のない渡し船に県から委託料が支払われている−−。長良川河口堰(ぜき)建設に反対していた寺町さんに匿名の告発があり、情報公開条例を使って調べた。県道の代替として渡し船を運営する同県海津市と渡船組合に委託費が毎年支払われていた。でも船着き場は荒れ放題、渡し船はボロボロ、船頭は何年も客を乗せたことがないという。
 寺町さんら住民10人は、海津市などに約2200万円を県に返還するよう求め、「船着き場を見れば、運営実態は一目瞭然」と現場検証を求めた。だが裁判官はなかなか首を縦に振らない。提訴から5年目、3人目の裁判官として筏津さんが着任した。
 「『それでは現場を見てみましょうか』と当然のように認めてくれました。数多くの訴訟を起こしてきましたが、現場検証が認められたのはこの一度だけです」
 結果は勝訴。その後、高裁、最高裁を経て10年6月に勝訴が確定した。地裁で筏津裁判長が認定した基本的な事実関係が上級審で覆されることはなかった。
 「選挙無効判決のニュースをみてすぐ、ああ、あの人だと思いました」。中華航空機墜落事故(94年)の民事訴訟で、遺族側代理人を務めた海渡雄一弁護士(57)はそう話す。筏津さんは03年、名古屋地裁の裁判長として、中華航空に総額50億円余りの損害賠償を命じる判決を出した。
 「遺族感情に配慮し、非常に熱心に和解を勧めてくれたのが印象に残っています。結局、判決を出すことになったのですが、あの一件は筏津さんの判決と努力で解決したようなものです」。解決を目指す筏津さんの「熱意」が印象に残った。
 筏津さんは3年前に那覇家庭裁判所長に就任した際、仕事観を問われて答えている。「裁判所が扱う事件は、必ず当事者がいて見解の対立がある。裁判所は双方の言い分をよく聞いて公正な立場で判断する立場にいる。まずは聞くところから誠実に対応しなければならない」(10年1月14日付・琉球新報)
 「公平」「熱意」「誠実」。筏津さんの仕事ぶりを表現する言葉だ。

 ◇女性差別がひどかった30期
 筏津さんは名古屋大学法学部を卒業し、大学院修士課程2年目の75年に司法試験に合格した。第1次石油ショック(73年)で高度成長が終わって「狂乱物価」や公害問題に日本社会が直面した時代。司法修習(30期)をスタートした76年4月には、最高裁大法廷で1票の格差をめぐる戦後初の違憲判決が出ている。それから37年。裁判所が選挙無効判決に踏み込むまでにかかった歳月は筏津さんの社会人生活とぴったり重なる。
 75年の司法試験合格者は男性436人に対し女性は36人で、全体の7・6%。2年間の司法修習を終えて78年に裁判官に任官した女性は筏津さんを含めわずか6人だ。当時の最高裁には、はっきり言って問題があった。
 「裁判官になろう、弁護士になろうなどと思わず、世間によく評価される奥さんになることが女性の一番の幸せだ。日本民族の血を受け継ぐということは重要なことだとは思いませんか」。発言の主は30期を担当した最高裁司法研修所の教官だ。見学旅行の車中で、女性3人をひとりずつ呼び、30分前後をかけて説得したという。
 別の教官はソフトボール大会後の懇親会で「女子修習生は研修が終わったら、家庭に入って2年間の研修で得た能力をくさらせるのが女として最も幸福だ。2年間が終わったら、結婚して家庭に入ってしまいなさい」と発言したといわれる。当時、これらの発言について日本女性法律家協会が抗議声明を出している。
 同期で東京経済大学教授の村千鶴子弁護士が証言する。「30期は女性差別が一番ひどかったんです。私は実務修習が名古屋で筏津さんと一緒でしたが、彼女の評価は高かった。あの時代にあって、彼女は男女の性別を超えて評価されるほど優秀だったのです」。やはりただものではなかったようだ。
 修習中は外泊も許可が必要。そんな窮屈な環境でも筏津さんはのびのびしていた。休日には大学院の同窓で将来の夫となる安恕(やすひろ)さんと一緒にスキーに。その後、安恕さんは母校の教授になり、筏津さんは裁判官として全国を転々。05年に安恕さんが55歳で亡くなるまで年1度のヨーロッパ旅行を趣味にする仲の良い夫婦だった。
 研修所で同じクラスだった鴨田哲郎弁護士は「彼女は真面目でおとなしい人でした。話をしたことはなかったと思います。もっとも私は青法協で活動し、周囲にちょっと警戒されていましたが」と苦笑いする。青法協(青年法律家協会)とは、54年に護憲と平和・民主、人権を掲げて設立された若手法律家たちの組織。司法研修所の官僚体質に極めて批判的だった。
 「彼女は裁判官になってから骨のある判決を結構出してね。こんな芯のある人だったんだ、と後から印象を持ちました」と鴨田さんはいう。若いころの彼女を知る男性の多くが同じような感想を語る。長尾龍一東大名誉教授(法哲学)は「新婚のころ、ご主人と一緒に名古屋で食事をしました。おとなしい感じの方だった気がします。あんな豪胆な判決を出す方だとは」と驚く。

  ■
 昨年の衆院選をめぐる選挙無効の全国訴訟は14高裁・高裁支部で計16件の判断が出そろった。「違憲状態」が2件、「違憲・有効」が12件で、広島高裁と同高裁岡山支部の2件が「違憲・無効」だった。一般市民からはむしろ当然にも思える「無効」の判断だが、冒頭に紹介した原告側弁護士の「勇気ある判決」発言に見られるように、横並びの裁判所の体質を知る専門家からは驚きをもって受け止められている。「変わった裁判官だ」「女性のスタンドプレーでは」。そんな批判も報じられた。一方、「将来効判決」を絶妙のバランス感覚と評価する声は多い。
 同期の村弁護士は言う。「慎重な筏津さんですら、選挙無効の判断をせざるをえないほど問題が深刻になっていた、と重く受け止めるべきだと思います。それに判決は3人の裁判官の合議。女性だからとか、スタンドプレーとか、そういうふうに受け止めたら時代を見誤ってしまいます」
 そして、こう続けた。「違憲判決が少ないと言われる日本の裁判所にあって、裁判官として、現状に対して法的な正義を慎重に検討した上の誠実な結論だったのではないでしょうか」
 裁判官が着る黒い法衣は独立して職権を行う裁判官の象徴だ。黒は何色にも染まらないから。染まらずに生きる、裁判官の正義が勇気ある判決につながった。【浦松丈二、小国綾子】

 ◇筏津順子さんの略歴
愛知県豊田市出身。
76年 司法修習生(30期)
78年 京都地裁判事補
88年 津地・家裁判事
92年 名古屋地・簡裁判事
97年 東京高裁判事
99年 名古屋地裁部総括判事
04年 岐阜地・家裁部総括判事
10年 那覇家裁所長
11年 広島高裁部総括判事

==============
◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279


  1票の格差:今夏参院選翌日に選挙無効一斉提訴 全47選挙区で
毎日新聞 2013年04月02日

 衆参両院の「1票の格差」を巡って全国で選挙無効訴訟を起こしている弁護士グループの升永英俊弁護士は1日、今夏の参院選の投開票翌日に、全47選挙区の有権者を原告として全国8高裁・6高裁支部に選挙無効の訴訟を一斉に起こす考えを明らかにした。
 参院選では最高裁が昨年10月、10年選挙の最大格差5・00倍を「違憲状態」と判断し、「都道府県を選挙区単位とする方式を改める必要がある」と促した。国会は昨年11月の公職選挙法改正で選挙区定数を「4増4減」したが、それでも最大格差は4・75倍。東京都内で記者会見した升永弁護士は「(混乱を避けるため無効請求を退ける)事情判決を阻止したい。一つの例外もなく無効判決が出ると思う」と語った。
 昨年12月の衆院選を巡っては、別の弁護士グループと合わせて全14高裁・支部で計16件の訴訟が提起され、広島高裁と広島高裁岡山支部が先月、戦後初の無効判決を出した。このほか違憲判決が12件、違憲状態判決が2件と判断が分かれ、最高裁が年内にも統一判断を示すとみられる。
 
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ハーグ条約:加盟へ 国会で5月にも承認/国際結婚破綻、子の扱い 「ハーグ」加盟、首相急ぐ

2013-02-15 21:25:39 | 市民運動/市民自治/政治
最近食べた美味しいお店。

カルコスの近くのパスタとピザのお店「マシェリ」。
ちょっとわかりにくいところにありますが満員でした。
   

  

関市の「白神」のえびそばとつけめん。
  

ところで、
自民党政権になって、ネット選挙解禁の公選法改正などが今国会で成立しようとしています。
「ハーグ条約」の加盟の承認もその一つ。
昨年からブログでもこの問題については取り上げてきましたが、
懸案となっているいくつかの問題をたなあげしたまま、成立の見込みとのこと。
安倍首相が成立を急いでいるようですが、
「子どもの利益」を第一に、かんがえたものであってほしいと思います。

  ハーグ条約:加盟へ 国会で5月にも承認 
毎日新聞 2013年02月14日

 国際結婚が破綻した夫婦間の子供の扱いを定めた「ハーグ条約」の加盟が今国会で承認される見通しとなった。自民党は同条約承認案と関連法案を来週にも了承する方針で、一部に異論が出ていた公明党も同意する方向。政府は近く条約承認案と関連法案を国会に提出し、13年度当初予算案成立後の5月にも承認されるとみられる。
 自民党外交・法務合同部会は13日、ハーグ条約承認案と関連法案の対応を協議した。党内では、配偶者暴力(DV)に遭った日本人の母が子供を連れて帰国した場合の対応などを巡り慎重論も浮上。しかし、会合では大きな反対論は出ず、来週の次回会合で国会提出を了承することを確認した。
 一方、公明党の山口那津男代表は12日の記者会見で「基本的には政府・与党で条約承認と国内法を成立させる立場で臨むべきだ」と加盟を容認する考えを示した。党内には女性議員を中心に条約加盟への慎重論があったものの、19日の政調全体会議で条約承認案などを了承する方向だ。
 国際結婚と離婚の増加に伴い、一方の親が国境を越えて子を不法に連れ去る問題が多発している。日本に対し、子の連れ去り事案を最も多く提起しているのは米国で、12年9月現在で81件に上る。このため、米国は日本政府にハーグ条約への加盟を強く求めてきた。
 民主党の野田前政権は昨年の通常国会に条約承認案と関連法案を提出したが、11月の衆院解散で廃案になっていた。安倍政権は民主党政権の案を踏襲する方針で、民主党も賛成に回るとみられる。
 首相は13日の衆院予算委員会で「ハーグ条約は我が国にも重要だ。(日本へ)子供をつれて帰ってくる人がいるが、逆の場合もあり、ルール作りはプラスになる」と強調した。来週に開かれる日米首脳会談で早期加盟の意向をオバマ大統領に直接伝える方針だ。【横田愛】

 【ことば】ハーグ条約
 国際結婚が破綻した夫婦の一方が無断で子供(16歳未満)を国外に連れ去り、もう一方が返還を求めた場合、原則として子を元の国に返し、どちらが養育するかを決めると定めた条約。親権の確定は元々住んでいた国で行われることが望ましいとの考え方に基づく。欧米など89カ国が加盟(1月現在)し、日本はG8で唯一の未加盟国。ただ日本国内では、配偶者暴力(DV)被害や虐待を受け、帰国した日本人配偶者・子が安易に元の国に戻されることなどを懸念する意見もある。 



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 クローズアップ2013:国際結婚破綻、子の扱い 「ハーグ」加盟、首相急ぐ 
毎日新聞 2013年02月07日 

 ◇訪米の「成果」狙い
 安倍政権は、国際結婚が破綻した夫婦間の子どもの扱いを定めた「ハーグ条約」への早期加盟へ向け、与党内の調整を本格化させる。自民党は13日の外交・法務合同部門会議で党内手続きの協議を始め、条約承認案と関連法案の今国会成立を目指す。米政府は日本に加盟を強く求めており、2月下旬の日米首脳会談で、早期加盟を目指す政府方針を安倍晋三首相からオバマ大統領に伝えたい考えだ。
 ハーグ条約をめぐっては、民主党の野田政権が昨年3月、条約承認案と国内手続きを定めた関連法案を閣議決定し、国会提出した。関連法案は、日本に連れ帰られた子を条約に基づいて元の国に返還するかどうかを決める手続きを東京・大阪の2家裁で行うと規定。裁判所が返還を拒否できる事情として、児童虐待や配偶者暴力(DV)の恐れがある場合を挙げていた。
 しかし、与野党の対立激化で審議は進まず、11月の衆院解散に伴って廃案となった。安倍首相は1月31日の衆院本会議で「国際結婚が増加した現在、条約の締結は重要だ。早期締結を目指す」と表明。法案の再提出に向けた準備を外務、法務両省に指示した。
 米側ではハーグ条約への関心はきわめて高く、政権再交代後の安倍政権にも加盟を強く求めている。国際結婚に伴う離婚の増加もあり、一方の親が国境を越えて子供を連れ出して誘拐罪に問われるなどのトラブルが多発。国際問題化しているためだ。1月18日の日米外相会談でクリントン米国務長官(当時)は岸田文雄外相に早期加盟を改めて要請した。
 一方で、日米首脳会談での「成果」演出に向けた日米の事前調整が難航。日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加や、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で大きな進展が見込めない中、米外交筋は「ハーグ条約ぐらい何とかならないのか」と日本側に圧力をかけている。
 ただ、与党に復帰したばかりの自民党内には条約加盟への慎重論も根強い。DVに遭った日本人の母親がやむなく子供を連れて帰国した場合などへの配慮が不十分との指摘が出ているほか、保守派の間では「家族の問題に国が介入すべきでない」との声もある。
 また、公明党もDV被害者を重視する立場から女性議員を中心に条約加盟への懸念が出ている。6日に党のプロジェクトチームが非公式会合を開いたが、党幹部は「安倍さんが訪米の『お土産』で結論を出すということは絶対ない」と慎重な検討を求めている。
 このため日米首脳会談の前に与党側の手続きは終わらず、首脳会談では安倍首相が加盟に積極姿勢を示すにとどまる見通し。自民党幹部は「議論の開始で加盟に向けた姿勢は強調できる」とするが、今夏の参院選を控えて国会会期を延長しづらい事情もあり、今国会中に加盟が実現するかは予断を許さない状況だ。【横田愛】

 ◇民主の法案踏襲へ 東京・大阪家裁で審理、遠隔地の人に負担も
 安倍首相が1月の衆院本会議で「早期締結を目指す」と表明したことを受け、谷垣禎一法相は今月5日の閣議後記者会見で「条約の重要性も考え、早期に成立させたいということで提出の準備をしている」と法案再提出に意欲を見せた。また、野田政権が提出した法案と「そんなに基本が変わることはないと思う」とも発言。法案はほぼ維持された形で再提出され、施行前の事案については適用されない見通しだ。
 ただし、法案の内容については、条約加盟に賛成する立場と、反対する立場の双方からいくつかの点で問題点が指摘されている。
 その一つは、外国人の配偶者との結婚が破綻した日本人が、相手方に無断で子供を母国に連れ帰った場合、条約の原則通りに子供を離婚前に暮らしていた国にいったん戻すかどうかを、東京家裁か大阪家裁で判断するとしている点だ。
 これについて、法案を支持する関係者は「実際に国内で扱う事案は年間30件程度と想定され、特定の裁判所で手続きの仕方を蓄積し、確実な運用をしたほうが良い」との立場。これに対し、「例えば国際結婚の多い沖縄の人が当事者になった場合、大阪まで出向くのは負担。より多くの裁判所で実施できるようにすべきだ」と指摘する専門家もいる。
 また、法案では、裁判所が子供の返還拒否を考慮できる事情として「日本人親子が外国人の親の元に戻った場合、外国人の親が子供を虐待したり、日本人配偶者に暴力をふるうおそれがある」ケースなどを明記している。
 この点については「『おそれ』をどう判断するのか。DV被害者らが本当に守られるのか」と懸念する意見がある。一方で、「返還拒否が幅広く認められた場合、『離婚前に暮らしていた国に子供をいったん戻す』ことを原則とする条約の趣旨に背くことになる」との指摘もある。
 法案が再提出された場合、こういった当事者や関係者の意見にどう応えるかが議論の焦点となりそうだ。【伊藤一郎】

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 ■ことば ◇ハーグ条約

 国際結婚が破綻した夫婦の子(16歳未満)の扱いを定めた条約。どちらか一方の親が子を無断で国外(A国)に連れ去り、もう一方が返還を求めた場合、A国政府は原則、元の国に子を戻す協力をすると定めている。子の親権の確定は元々住んでいた国で行うのが望ましいという考えに基づくもので、欧米を中心に89カ国(1月現在)が加盟している。日本政府に対し、子の連れ去り事案を最も多く提起しているのは米政府で、11年12月現在84件に上っている。


ハーグ条約加盟に向け要綱案/ハーグ条約 「子どもの利益」を第一に(2012-01-29)

質問なるほドリ:ハーグ条約って?=回答・反橋希美
毎日新聞 2012年01月24日

 <NEWS NAVIGATOR>
 ◇国際離婚、子の扱い規定 日本人女性の連れ帰り問題に

 なるほドリ 最近耳にする「ハーグ条約」ってどんな条約?
 記者 正式な名前を「国際的な子の奪取の民事面に関する条約」といいます。離婚や別居した夫婦の一方が、国境を越えて子供を奪うのを防ぐためのルールを定めています。83年に発効しましたが、主要8カ国(G8)のうち加盟していないのは日本だけで、米国などから加盟を強く迫られ、国際的な問題になっています。

 Q なぜ問題になってるの?
 A 米国やカナダ、フランスなどに住んでいた日本人女性が結婚生活が破綻した後、父親に無断で子供を日本へ連れて帰るケースが問題視されるようになったからです。厚生労働省によると、10年に国際結婚した日本人は、条約発効当時の3倍の約3万人。一方で国際離婚も10年で約1万9000人と高い水準にあり、加盟しない場合、今後も同様のトラブルが増えるのではとみられているのです。

 Q 子供を引き取って育てている親が自分の国に帰るのもいけないの?
 A 欧米を中心とする加盟国は、離婚後も「両方の親が養育にかかわることが子の利益にかなう」という考えから「共同親権制」が主流で、転居や国外への旅行なども双方の親の同意が必要な場合が多いのです。そうした国では、一方の親に無断で国外に移住すると犯罪とみなされ誘拐罪に問われます。単独親権制で、離婚後に親子の交流が途絶えてしまうこともある日本とは感覚が違うかもしれませんね。

 Q 子供にとっては両方の親に会える方がいいもんね。早く加盟すればよかったのに。
 A 日本が慎重だったのも理由があります。外国から子供を連れ帰ってきた母親の中には、元夫から配偶者への暴力(DV)を受け、他の手段を見つけられずに、やむを得ず子供とともに帰国した人たちもいます。条約では「子供が耐え難い状態に置かれる重大な危険がある場合」は例外的に返還を拒否できますが、条件が厳しすぎるという批判があります。条約がつくられた当時は、普段養育している親から別居している親が子供を奪う場合が想定されていましたが、実際は逆に、普段養育している親が自国に帰る事例が多く、「条約を根本から見直すべきだ」との声もあります。各国でも議論されてきていますが、もし日本が加盟した場合は、条約の改善についても積極的に発言したいですね。(大阪学芸部)
==============
 ご質問をお寄せください。〒100−8051毎日新聞「なるほドリ」係
  



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岐阜県議選・地裁判決 余剰費用回収命じる /経費一部回収命令 モラル欠き水増し招く

2013-02-01 21:38:32 | 市民運動/市民自治/政治
昨日の続きです。

 一部勝訴!県議選の選挙公営費水増し(選挙カーの借り上げ料と燃料費)の住民訴訟の判決 

地裁判決の記事が、中日新聞の県版トップに写真入りで載りました。


2013.2.1 中日新聞(岐阜県版)

  【岐阜】県議選の経費一部回収命令 モラル欠き水増し招く 
2013年2月1日 中日新聞

 「選挙費用として請求するのは違法」。岐阜地裁は三十一日、二〇〇三年と〇七年の県議選で、候補者が県に請求した費用の一部は水増しと認定し、県に回収を命じた。原告の市民団体「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」(山県市)の寺町知正代表(59)は会見で、「候補者の公費に対する倫理観が不足している」と指摘し、チェック態勢の強化を求めた。
 判決では、候補者四人に支給した選挙カーの借り上げ費用のうち九万円が県の損害額と認められた。一日の借り上げ料を実際より多く計上するなどの手口だった。
 訴状に名前が上がった候補者は六十一人。寺町代表によると、提訴した〇八年以降、すでに候補者十人が四十九万円を県に返還した。判決で問題視された四人のうち二人も一部は返している。
 「訴訟になったから返した。根底には公費は満額使い切ってしまおうという発想がある」
 県には審査体制の確立を求める。「訴訟ではレンタカー会社と候補者との契約書類が証拠として提出されたから水増しが判明した。選挙費用の申請時に明細書などが必要な仕組みにしていかないと」と注文を付ける。
 〇七年には山県市議選でポスター費の水増しが発覚した。市民団体は、県議選でもポスター費の水増しがあったとして返還を求めて提訴し、岐阜地裁で争われている。

◆「口裏合わせたら見抜けない」
 「候補者と業者の提出書類が整っていれば、水増しされても見抜くのは難しい」。県選挙管理員会の担当者は漏らす。
 選挙公営制度では、候補者に物品を提供した業者には契約書類や請求書類、候補者には使用実態を記した証明書の提出を義務付けている。二重にチェックする仕組みだ。だが、候補者と業者が口裏を合わせたら、チェックの網にはかからない。モラルに頼るのが実情だ。
 県選管は今提訴を受け、〇九年一月の知事選から、公営制度の仕組みを説明した手引書を、候補者だけなく関係業者にも配布。選挙用以外の車のガソリン代も請求した不正事例などを載せて注意を促す。配布後の知事選、県議選では公営制度絡みのトラブルはないという。
 (寺本康弘、藤沢有哉、末松茂永)

 ■名古屋市民オンブズマン代表の新海聡弁護士の話
 候補者と業者が書類を整えてしまえば、間違いや不正を見つけるのは難しい。公費負担分は目いっぱい使わないと損と考える候補者もおり、その思いが不正につながっている面もある。公費で負担する範囲や上限額の見直しを考える必要がある。
 <選挙公営制度> 選挙運動には費用がかかるため、多くの人が立候補できるように、費用の一部を公費で賄う制度。ポスター作成費や選挙カーのレンタル代、燃料代などが対象で、国政選挙は公職選挙法、地方の首長、議員の選挙は各地方自治体の条例で規定されている。知事選と県議選の上限は、運転手、ガソリン代込みのハイヤー使用料は1日当たり6万4500円、車両だけのレンタルは同1万5300円。


社会面には「岐阜県議選・地裁判決 余剰費用回収命じる」の記事。

2013.2.1 中日新聞(社会面)


朝日新聞、毎日新聞、岐阜新聞にも載っているのですが、
webにはアップされていません。

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県民ネット事務局のつれあいの「訴訟の概要を説明してから、返還額などの説明」の部分、
「てらまち・ねっと」から転載させてもらいました。

 
●(1) 選挙カーのレンタル料金・・・大きく網をかけて、585万8529円の返還を求めたもの。
 提訴時までの返還はなかった。
 運輸局への調査嘱託、自動車を貸し出した業者への「書面訊問」(と関連文書の提出)などから次のことが明らかとなった。
   ●貸出期間が選挙の9日間を超えている分も公費請求しているケース
   ●選挙カー上の看板やスピーカー・マイクなどの設備が含まれているケース

 これらを指摘したところ、訴訟中に10件の返還がなされた。(固有名詞は略)
 合計は利息分を含めて約49万円。

(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

 上記の経過があったとはいえ、
 指摘したにもかかわらず返還しなかった者や、返還したとはいえこちらの指摘額に達していないものについてその不足分は訴訟でも返還を求めた。
 判決では、自主返還した上記10件のうち2件について不足分の返還を求め、10件の自主返還した分以外の2件につていては返還を求めた。




●(2) 燃料費・・・73万6622円の返還を求めたもの。
 先だって「ポスター代の水増し」の住民監査請求、住民訴訟を起こしていたし、提訴時までに14人が返還していた。返還額の合計は約40万円。
 判決では、その他の返還を認めなかった。


 以下、原告の準備書面(4)から  /(固有名詞は略)
・・・・・・・・・・・・・
第5 (変更申し立て後の)請求の趣旨1及び2の「燃料の使用」に関しての整理
1.2007年選挙に関して「既に訂正、返還等した者」について
原告準備書面(4)の1ないし2ページで述べたとおり、被告答弁書第4の6(12ないし13ページ)で、
2007年選挙に関して候補者らが自主的に訂正、返還等したケースについて、情報公開された各燃料業者の訂正、返還等の理由書(甲第21号証の枝番各号)からは、
14件に関して、その大部分が、全国の他の問題事例と同様に「選挙カー以外の車である随行車」の燃料も併せて請求したことが明らかである。

2. 大部分が50%台からそれ以下となった
(1)この結果、随行車を併せて請求した者の返還後の「限度額」に対する割合は、いずれも50%台からそれ以下となった。

(2) 大部分が随行車を併せて請求した  
原告準備書面(4)第1の2で示したが、情報公開された各燃料業者の訂正、返還等の理由書(甲第21号証の枝番各号)からは、
以下に示すとおり、その大部分が、全国の他の問題事例と同様に「選挙カー以外の車である随行車」の燃料も併せて請求したことが分かる。

2007年H19年選挙の燃料費にかかる法定限度額は66150円である。
   ○左の数字は 甲第21号証の枝番と同じ
○「油」とは ガソリンと軽油の単価を間違えた場合のこと
○「割合」とは、返還後の「条例規定の限度額」に対する割合

・・・・


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一部勝訴!県議選の選挙公営費水増し(選挙カーの借り上げ料と燃料費)の住民訴訟の判決

2013-01-31 21:56:30 | 市民運動/市民自治/政治
きょうの午後、岐阜地裁で選挙公営費水増し(選挙カーの借り上げ料と燃料費)の住民訴訟の判決がありました。

判決は、一部勝訴。
県議選候補者のうち4人の9万円を岐阜県知事に対して、
「怠る事実の違法確認」として返還させることを求めるもの。

昨年までに10人の候補者が自主返還、判決ではうち二人に対しては違法の差額分を認定、
あと二人に対しても、選挙運動期間の9日分を超える額を違法と認定。

判決のあと、中署の記者クラブで会見、というか約1時間半にわたって判決の説明。
この訴訟はけっこう複雑なので、記者さんたちもねっしんに取材されていました。

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明日はお天気が崩れるという予報なので、かえってから暗くなるまで庭木に寒肥をやり、
6時半からのNHKニュースを見ました。

   

   

   


   

   

 県議選経費の回収命じる 岐阜地裁、4人から9万円
(2013年1月31日 中日新聞)
 


かんたんですが、とりあえず、きょうはここまで。

続きは、明日の朝刊が出たら記事を紹介します。

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【社説】女性の国政進出 未来のため増やしたい(中日新聞)/生活保護どうなる 

2012-12-03 23:44:10 | 市民運動/市民自治/政治
第46回衆議院議員選挙は明日公示日を迎える。

今日までにジェンダー平等政策の全政党アンケートの回答が届いたのは9政党。
「日本未来の党」は心待ちにしていたが、現時点で届いていない。
「活」女性・子どもと、女性を重視した政策を発表したので期待していただけど・・・。

朝起きてから夜寝るまで一日16時間労働、というような無謀な働き方をしてきた
キャンペーンも大詰め。
公示日前のP-WAN (http://p-wan.jp )への記事のアップもとりあえず終わったし、
きょうは早めに(といっても12時だ)寝ることにしよう。

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と思ったら、ブログがまだアップしてないことを思い出した。
あぶない、あぶない・・・。

気力はあんまり残っていないので、今日目にした新聞記事のイチオシ。

ズバリ「女性の国政進出 未来のため増やしたい」。

女性議員ふやしたいね。ほんとに。

  【社説】女性の国政進出 未来のため増やしたい  
2012年12月3日 中日新聞

 四日公示の総選挙で女性議員を増やせるだろうか。国政は原発事故の対応をはじめ、この国の未来を左右する問題が山積みだ。多様な民意を反映させなければならない。女性の力が必要だ。
 二十九日に告示された都知事選には九人が立候補したが、女性は一人もいない。女性の視点があまりにも示されなかったことに落胆した有権者は少なくないだろう。
 男女共同参画社会だと言われながら、今なお政治の場で女性は少数派だ。戦後改革で女性に参政権が認められて以来、国会議員は大量当選した時期もあったが、解散前の割合で11%。地方議会では比較的多い市議会でもその割合は全体で15%ほどにすぎない。国や身近な街の問題を話し合い、将来像を決める場に、有権者の半数を占める女性の経験や感性が生かされないのでは、議論の幅や厚みを失わせてしまう。
 議員としてでなくても、地域の問題に取り組んでいる女性は大勢いる。福島第一原発事故後は放射能の被害から子どもを守ろうと、地元の行政や議会に働きかけ、放射能を自主的に測ったりして、懸命に行動する人が目立っている。
女性の国政進出が伸び悩んだ原因には、男女の性によって役割が決められがちで、政治も他の公的分野と同様に、女性が頼りにされないような風潮もあっただろう。だが、最たる原因は各政党に女性議員を増やそうとする努力が足りなかったことだ。
 世界では男女差をなくすために「クオータ(人数割り当て)制」を導入し、議員や候補者の一定割合を女性にするように決めた国が多い。政党法や選挙法の改正によって、比例代表の女性比率を一定以上にしたり、名簿に載せる候補者の半数を女性にしたり、奇数順位を女性にしたりする。韓国では二〇〇五年に女性議員の比率が一割を超え、今では15%近い。北欧やドイツなどは女性の国会議員が三割を超えている。
 一九八九年の参院選で当選し、その後、千葉県知事を務めた堂本暁子さんは、「国の意思決定の場に女性が存在することの意味、予算と権限を持つことの意味」を実感したという。
 震災や原発事故をきっかけに暮らしや命に寄り添った政治に変えようといううねりが始まった。社会保障も、経済対策も、安全保障も、教育も、どの分野でもその解決に女性の視点はなくてはならない。女性議員をもっと増やすよう、各党は競い合ってほしい。



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 生活保護どうなる 自民、維新は抑制策推進 
2012年12月2日 東京新聞

 生活保護受給者数が増え続けている。景気低迷で雇用環境が悪化していることや高齢化が背景にある。各党の公約は抑制から充実まで、制度改革の立場は大きく異なっている。 (上坂修子)

「生活保護の受給者数が過去最高を更新している原因は受給者にあるのか。デフレ、非正規雇用の増加。それは私たちのせいか」 (東京都、男性、45歳)
 うつ病を発症して会社を退職し、生活保護を受けながら療養している読者から、政府が進める生活保護見直し議論に怒りの声が寄せられた。
 生活保護受給者数は二〇〇八年のリーマン・ショック後、急増。昨年、過去最多を更新して、一二年八月で二百十三万人余に上る。一二年度予算の支給額は三兆七千億円に達し、十年間で約一・七倍になった。
 厚生労働省は九月、扶養を断る親族に説明責任を課すことや受給者の資産、収入などに関する自治体の調査権限強化を提案。財務省は生活扶助費の4%減額を提唱した。
 自民党は「手当より仕事」を基本にし、生活保護水準の原則一割カットを打ち出し、保護費の半分を占める医療扶助の適正化を公約に盛り込んだ。
 日本維新の会は維新八策で(1)支給基準の見直し(2)医療扶助に自己負担制導入(3)現物支給を中心にする-との抑制策を打ち出した。
 みんなの党も「生活保護制度の不備・不公平、年金制度との不整合などの問題を解消」と切り下げを示唆している。
 共産党は「必要とするすべての人に受給権を保障」と公約に明記。社民党は「生活保護制度を守る」とした。
 抑制に積極的な自民と維新、反対の共産、社民の中間が民主党。マニフェストに不正受給防止のため国や地方自治体の調査権限強化や一定期間ごとの受給要件の再確認を明記したが、支給水準下げは盛り込まなかった。日本未来の党は二日に公約を発表する。


  


  




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嘉田知事、新党「日本未来の党」 卒原発掲げ結成//脱原発 結集加速 滋賀知事新党構想

2012-11-28 23:18:03 | 市民運動/市民自治/政治
政党から「ジェンダー平等政策」全政党アンケートの回答が届いたり、
その内容について各政党に確認したり、
届かないところに催促したり、
30日に設定している回答の結果発表の記者会見にお知らせを出したり、、、
しながら、一日がかけあしで過ぎていきました。

合間に、テレビニュースを見ると、嘉田新党「日本未来の党」の話題で持ちきり。
もちろん、わたしたちも「日本未来の党」の連絡先を人づてに探して、政策アンケートを送りました。

政治の閉塞状況を「卒原発」で打ち破ってほしい。

  嘉田知事新党は「日本未来の党」 卒原発掲げ結成を表明
2012年11月27日 朝日新聞

 滋賀県の嘉田由紀子知事(62)は27日午後3時過ぎから大津市内のホテルで記者会見し、新党「日本(にっぽん)未来の党」を結成する、と表明した。原発を段階的に削減する「卒原発」など六つの主要政策を掲げ、「未来をつくる政治の結集軸」を目指すとした。
 嘉田氏は知事のまま代表に就く。任意団体としてスタートし、政党を含む幅広い層に賛同者を募る。代表代行には脱原発を訴える環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長が就任する。
 「卒原発」以外の政策の柱は、「活女性、子ども」誰もが居場所のある社会を実現▽「守暮らし」生活に対する不安を取り除く▽「脱増税」消費増税の前に、徹底してムダを削除▽「脱官僚」国民・地域の立場に立った行政・司法に改める▽「誇外交」食品の安全、医療制度を守り、品格ある外交を展開、とした。
 嘉田氏は「びわこ宣言」も発表。東日本大震災後初の国政選挙であるにもかかわらず、原発のない社会に向けての議論は不透明なままだ、と指摘。「自民党はこれまで原発の安全神話をつくり、事故への備えを怠り福島事故に対する反省は一切なく、原発推進ともとれるマニフェストを発表した」と批判した。
 そのうえで「多数の原発が集中立地する若狭湾(福井県)に近い滋賀県、琵琶湖をあずかる知事として、国政にメッセージを出さないことは、これまで琵琶湖を守ってきた先人に対しても、子や孫に対しても申し訳が立たない。国民の信頼を取り戻し、国民が希望を持つことができる、未来への選択肢となる新しい政治の軸を立てる」と決意を表明し、賛同を呼びかけた。
 びわこ宣言の賛同者には京セラ名誉会長の稲盛和夫氏、音楽家の坂本龍一氏、俳優の菅原文太氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、脳科学者の茂木健一郎氏が名前を連ねた。  



  【社説】「脱原発」新党 民意のよき受け皿に 
2012年11月28日 中日新聞

 3・11後、初の総選挙なのに、大きな争点であるはずの「原発」の議論が欠けていた。嘉田由紀子滋賀県知事が脱原発の新党「日本未来の党」の結成を発表した。民意のよき受け皿になってほしい。
 嘉田氏は「今のままでは投票する政党がないとの声を聞く。真の第三極をつくりたい」と述べた。
 結集軸として脱原発を前面に打ち出し、地方、女性、子どもの視点を大切にするという。これまでの政治に希望を見いだせなかった人たちに、期待は膨らむはずだ。
 十四の政党が乱立する次期衆院選に向け、各党はそれぞれ原発政策を掲げている。だが、スローガン的な公約が多く、今後の原発政策の進め方について、国民には違いが見えにくいのが実態だ。
 嘉田氏は「原発のない再生可能エネルギー社会へ向け、原発稼働ゼロから全原発廃炉への道筋をつくる」と明言した。新党は、脱原発の民意を広く受け止める役割を発揮してほしい。
 脱原発を重要公約に掲げる新党が登場しビジョンを示すことで、原発政策の議論が盛り上がることを期待したい。
 嘉田氏の構想には、小沢一郎代表の「国民の生活が第一」、河村たかし名古屋市長が共同代表の「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」、谷岡郁子参院議員が共同代表の「みどりの風」が合流や連携に動きだしている。
 石原慎太郎氏が代表の日本維新の会は、脱原発の姿勢が不鮮明になったと言わざるをえない。
 注文もある。嘉田氏は「卒原発と言っており、卒業までに時間がかかる」と言う。「十年後をメドにすべての原発を廃止」の「国民の生活」や、「予定表を作って原発と決別」の「減税日本」などと最低限の調整は必要だ。
 原発ゼロまでのスケジュールや代替エネルギー、電力供給地域の経済・雇用対策について、大きな枠組みとして統一的な考えを示せないものだろうか。そうでなければ、民意は戸惑う。
 広範な民意の結集を考えるのなら、共産党や社民党とも協力を探ってはどうか。
 琵琶湖博物館の学芸員でもあった嘉田氏は「経済性だけで原子力政策を推進することは、国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」と強調した。
 原発事故後の日本は、一体どんな選択をするのか。どんな未来を築くのか。世界も注視する選挙なのである。



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  脱原発 結集加速 滋賀知事新党構想  
2012年11月27日 東京新聞

 滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事(62)は二十六日、脱原発を旗印にした「新党」を検討していると明らかにした。まず自身が中心となり文化人らで脱原発を訴える組織を立ち上げ、そこに国民の生活が第一と「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」(「脱原発」)が合流を検討。みどりの風も連携する方向で調整している。合流できない場合は、それぞれの党を残しながら、比例代表で統一名簿をつくる案も浮上している。乱立する脱原発勢力が環境派知事の嘉田氏を軸にまとまれば衆院選でも一大勢力となる。 (衆院選取材班)
 嘉田氏は二十六日夕、県庁で記者団に対し「新党」について「皆さんと意見交換しているところだ」と前向きに考えていることを認めた。二十七日午後にも正式発表する。知事は辞職しない考え。文化人らでつくる組織には音楽家の坂本龍一氏、歌手の加藤登紀子氏らにも協力を要請している。
 嘉田氏は「国政で原子力政策を議論してほしいが(各党が)一本にまとまらない」と表明。脱原発勢力が四分五裂している現状に不満をにじませた。
 衆院選に向けては、自民党が原発を容認する立場。民主党は「三〇年代ゼロ」を訴えながら軸足が定まらない。日本維新の会は太陽の党と合流する際、従来訴えてきた脱原発を事実上取り下げた。中小の勢力が乱立していては、脱原発の声が多数を形成できないとの危機感が、嘉田氏の行動を後押しした。
 脱原発を訴える各党の間でも共倒れ回避のための連携の必要性は以前から語られてきたが、なかなか進まなかった。最大の理由は脱原発の象徴となる「顔」がいなかったことだ。嘉田氏は琵琶湖周辺の生活環境を長年研究してきた環境社会学者。関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働問題では反対を訴えてきており「顔」になり得る存在だ。
 大飯再稼働問題では維新代表代行の橋下徹大阪市長とも歩調を合わせてきたが、脱原発を取り下げたのを受け嘉田氏は「仲間を失った」と“決別宣言”。「新党」ができても維新を脱原発勢力とはみなさず距離を置く見通しだ。
 嘉田氏自身は周辺に対し、正式に国政政党化した際は、他の政党幹部にトップを譲り、自身は応援団的存在になる意向を漏らしているという。だが脱原発政党は、嘉田氏が党首を務めることを念頭に熱視線を送る。
 社民党に離党届を提出した阿部知子前衆院議員は二十六日、新党に参加する意向を早速表明。「脱原発」の小泉俊明幹事長代理は二十六日の民放番組で「生活、みどりの風と新党になる方向で頑張る」と語った。みどりの風の谷岡郁子共同代表も同番組で「嘉田氏がヘッド(党首)を引き受ける方向と聞いている」とも述べた。
 生活の小沢一郎代表は同日の記者会見で「呼び掛けがあれば政策、主張を検討して対応を決める」と述べた。

■統一名簿死票少なく
 「生活」「脱原発」「みどりの風」の各党は嘉田氏を中心に立ち上げを目指す「新党」を正式な政党とはせず、比例代表選で統一名簿をつくるための政治団体とすることも検討している。
 仮に「生活」「脱原発」「みどりの風」が合併せずに統一名簿を作れば、小選挙区では所属する政党名でそれぞれ戦い、比例代表では三党が統一してつくった政治団体名で戦うことが可能になる。
 名簿を統一した方が死票が少なくなり、比例代表の単独候補は当選しやすくなるメリットがある。
 ただし重複立候補しようとする候補は、小選挙区と比例代表を同一政党、政治団体にしなければならず、小選挙区では元の所属政党を名乗ることはできない。
 過去には、一九八三年の参院選で当時の新自由クラブと社会民主連合が統一名簿を作成して議席を獲得した例がある。
(東京新聞)


  クローズアップ2012:嘉田知事、新党結成 三つどもえ構図に一石 中小政党、利害一致
毎日新聞 2012年11月28日 大阪朝刊

 滋賀県の嘉田由紀子知事が27日、日本未来の党の結党に踏み切ったのは、日本維新の会の「原発ゼロ」方針の後退がきっかけだった。一方で、埋没を恐れた中小政党側からは「選挙の顔」として嘉田氏に期待する声があり、両者の思いが合致した。脱原発を求める国民の声の受け皿になれれば、「民主VS自民・公明VS日本維新の会」という衆院選の構図に一石を投じる可能性が出てきた。【姜弘修、加藤明子、中島和哉、平野光芳】

 嘉田氏は記者会見で「自民党は原発の安全神話を作り、事故への備えを怠り、福島事故に対する反省がなく、原発推進とも取れるマニフェストを発表した」と批判。そのうえで「(事故の)重い責任を感じることなく、経済性だけで原子力政策を推進することは国家としての品格を失い、倫理上も許されない」と強調した。
 嘉田氏の脱原発への思いは強い。昨年3月の福島第1原発事故後、段階を踏んで原発を減らす「卒原発」を提唱。今夏前には関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題で橋下徹大阪市長とともに言動が注目された。ただ、計画停電の恐れで再稼働を限定的に認めざるを得ず、国や関電との交渉で「安全協定一つ結べない。かなり無力感を感じた」と話していた。
 再稼働問題で共同戦線を張った橋下氏が今月に入り、旧太陽の党との合流で「原発ゼロ」の旗を降ろしたことに「仲間を失った」(今月20日の会見)と落胆。知事周辺は「衆院選が終わったら、『自公維』政権ができて、原発問題は顧みられなくなる。その危機感から、知事は自分の政治生命をかける決断をしたのだろう」とみる。
 10月末の会見では「第三極」結集の動きに対し「イタリアで言えば中道左派、オリーブの木のようなものも一方で求められているのでは」と発言。衆院解散が早まったことで、自分が打って出るのは「先週末がタイムリミットだとは言っていた」(知事側近)という。
 そうした中、動いたのが国民の生活が第一の小沢一郎代表だった。小沢氏は当初、第三極が連携する「オリーブの木」構想を目指していたが、維新との連携に失敗。同じく維新との合流ができなかった「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」(共同代表・河村たかし名古屋市長ら)との連携などにかじを切っていた。
 小沢氏はこれらの勢力結集のための「顔」として嘉田氏に期待。嘉田氏周辺は「10月ごろから知事への働きかけがあった」と明かす。
 小沢氏から党首への就任要請を受けた嘉田氏は、脱原発勢力の結集を条件に挙げていた。24日に嘉田氏と小沢氏の会談が行われ、結集に一定のめどがついたことから、新党旗揚げにつながった。
 ただ、生活との合流で、小沢色が強まることへの抵抗感があるのも事実。党幹部の構成などはこれからの課題で、波乱要因もある。
 地方議員らが参加する「緑の党」の須黒奈緒共同代表は27日、「脱原発勢力がまとまることは意義がある」と歓迎したが、合流は考えていないとした。

 ◇維新、存在感に黄信号
 「嘉田知事を中心とするグループはいきなり脱原発と言うが、いつまでにできるのか、誰もプランを持っていない」。27日、遊説先の山形県酒田市で、日本維新の会の橋下徹代表代行は、未来を強く批判した。さらに「どれだけ高い目標やスローガンを掲げても絶対に実行できない。嘉田知事は政治グループを束ねた経験がない」とボルテージを上げた。
 橋下氏が警戒を強めるのは、「民主、自民、維新の三つどもえの構図を演出し、存在感を際立たせる」という維新の衆院選の戦術が揺らぎかねないからだ。27日の仙台市の遊説で「自民、民主、維新が並んでいる。同じ土俵に上がった」と訴えるなど、橋下氏は「2大政党対維新」の対決を再三強調してきた。
 しかし、未来が存在感を発揮し始めれば、第三極勢力内での維新の優位もおぼつかなくなる。さらに、未来に合流する生活と脱原発の両党に対し、維新は本拠地・大阪の5選挙区で競合、関東でも激突する。合流を断念したみんなとの選挙区のすみ分けも進まず、第三極間のつぶし合いはさらに激化する。
 政策面でも、未来が前面に据える原発政策は維新のアキレスけんだ。「可及的速やかな原発廃止」「2030年代原発ゼロ」などと訴えていた橋下氏だが、旧太陽の党との合流時の合意には「脱原発」の文言さえ外し、ブレーンからも批判が出ていた。未来の代表代行に就任する飯田哲也・環境エネルギー政策研究所長も、橋下氏のブレーンの一人。維新の松井一郎幹事長は27日夜、飯田氏の代表代行就任について報道陣に問われ、「全然知らなかった。それならあまり(原発政策に)違いが出ないことになるかも……」と困惑を隠せなかった。
 「絶対に党首を受けるべきだ。原発問題を徹底して論戦しましょう」と26日に嘉田氏にメールで呼びかけ、27日朝には民放の報道番組で「脱原発の方向は大賛成」と歩調を合わせてみせたものの、夜には徹底批判に転じた橋下氏。対応に苦慮がにじむが、29日の維新の公約発表に向け、再び脱原発にかじを切るか決断を迫られている。

 ◇「地方行政甘くない」「国政へ関わりおかしくない」 兼職に知事ら賛否
嘉田氏は知事職を続けながら党首に就く意向だ。橋下徹大阪市長も日本維新の会代表を一時兼務し、現在も代表代行として党を事実上率いている。相次ぐ国政政党の党首と首長の兼務だが、その是非には議論がある。
 前宮城県知事の浅野史郎・慶応大教授(地方自治論)は「そもそも有権者は、県や市のためにしっかりと仕事をしてもらいたいと首長を選ぶ。党首就任が、有権者の望みなのか疑問がある」と指摘する。仁坂吉伸和歌山県知事も27日の記者会見で、「首長はそれぞれの選挙民から負託を受けている。私は県民のために100%献身する。あまり理解できない」。また、湯崎英彦広島県知事は同日の記者会見で「(私自身は)知事職で手いっぱいだ。地方行政はそんなに甘いものじゃない」と苦言を呈した。
 一方、元神奈川県逗子市長の富野暉一郎龍谷大教授(地方自治論)は、「知事や市長は特別職であり、国政に関わることはおかしくない。国政への関与も政党の機関決定を通じてであり、党首が国会議員である必要はない」という。

 ◇未来政治塾の塾生擁立意向
 嘉田氏は27日夜、滋賀県庁で記者団に、自らが塾長を務める「未来政治塾」の塾生を衆院選に擁立する意向を明らかにした。女性1人はほぼ決まっているという。
 ある塾生によると、約30人が24日に京都市内で集まり、塾生の擁立について議論した。「勉強したことを発揮するのは今しかないんじゃないか」と前向きな声が上がり、人選を進めている。



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「ジェンダー平等政策」キャンペーン:☆「民主党」「国民の生活が一番」「社民党」から回答が届きました

2012-11-26 23:28:06 | 市民運動/市民自治/政治
「ジェンダー平等政策」キャンペーンで、11月21日に政党に送っていた「ジェンダー平等政策」アンケートの回答が届きました。

「民主党」「国民の生活が一番」「社民党」の順番です。

このキャンペーンの事務局として、
まず、私たちのアンケートに誠実かつ迅速に答えてくださったことに感謝です。

P-WANの運営・管理もしているので、さっそく記事をアップしました。

 ☆「民主党」「国民の生活が一番」「社民党」から回答が届きました。(11.26)

私たちが11月21日に送付した「ジェンダー平等政策」全政党アンケートに対して、

事務局に各政党からの回答(FAX)が届き始めています。

【到着順】
☆「民主党」から回答が届きました。(11/24 12:09)

☆「国民の生活が一番」から回答が届きました。(11/24 11:16)

☆「社民党」から回答が届きました。(11/26 12:16 ) 


「私たちはジェンダー平等政策を求めます」キャンペーンのすてきなバナーもできました。

↑P-WANのバナーのトップページのリンクはこちらから。
↓回答書はこちらから(12.1)。


 

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11月24日の岐阜新聞夕刊の社会面トップは、
「国政に女性割り当てを」の記事。


滋賀県知事の嘉田さんを中心に、「脱原発」を旗印とする新党も結成されるとのこと。

ここへきて「女性」が注目され始めています(だしいいんだけど・・・)。

   嘉田新党、生活・みどり・脱原発と連携も 第三極二分化 
2012.11.26 朝日新聞

 滋賀県の嘉田由紀子知事(62)が「脱原発」を旗印とする新党を結成する意向を固め、27日に大津市内で記者会見して正式に発表する。国民の生活が第一やみどりの風などとの合流も視野に連携を検討している。脱原発色が薄まった日本維新の会と一線を画す動きで、第三極の二分化が鮮明になってきた。

 新党名は「日本(にっぽん)未来の党」を軸に最終調整している。脱原発を掲げる環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長も政策づくりに参画。総選挙公約の柱には「原発ゼロ」「環太平洋経済連携協定(TPP)参加凍結」「消費増税凍結」を据える方針だ。

 脱原発を主張する生活(小沢一郎代表)やみどり(谷岡郁子共同代表ら)に加え、「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」(河村たかし、山田正彦両共同代表)との連携を検討。嘉田氏は24日夜、小沢氏と会談し、合流も含めた連携の可能性について意見交換した。

 新党には社民党に離党届を出した阿部知子前政審会長が参加する意向。みどりの谷岡氏は26日午前のフジテレビの番組で「嘉田さんがヘッド(党首)を引き受ける方向だと聞いている」と述べ、脱原発の小泉俊明幹事長代理は記者団に「あとは政治的決断だけだ」と語った。

 新党との連携をめぐっては、合併して単一政党になる方式が有力。ただ、「協力したいが直ちにみどりを解体することはない」(亀井亜紀子共同代表)との異論もあり、新たな政治団体を作って統一比例名簿に候補者の名前を連ねる案も検討されている。

 嘉田氏は現在2期目。昨年の福島第一原発事故以来、「卒原発」を提唱してきた。維新の橋下徹大阪市長とは原発再稼働問題で同一歩調をとったが、原発維持の石原慎太郎氏が率いる太陽の党との合流で「仲間を失った」と語っていた。


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衆議院あす16日解散へ:「異常な選挙」の自覚もて/違憲状態で総選挙とは

2012-11-15 18:27:23 | 市民運動/市民自治/政治
日いちにちと寒くなって、庭の紅葉がすすんできました。

トウダンツツジ。
   

  

ベニシダレモミジ。手前はセンダン。
   

   

チシオモミジ。
   

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もうみなさんご存じだと思いますが、
昨日、野田首相が自民党の安倍総裁との党首討論のときに、
電撃的に「あす16日に衆院を解散する。」と表明しました。

唖然とした、のはわたしだけではないでしょう。

それほど唐突な解散宣言。
そのあとは、目が泳いでいて、心ここにあらず、の様。
それとも、首相おろしの前に、首相に専属する解散権を行使した自分のことばに酔っていたのだろうか。

対する安倍も、解散を迫っていたというのに、一瞬うろたえたようにみえた。

違憲状態の定数を是正する法律改正は、選挙後にさきおくり。
というより、「最高裁に違憲状態と指摘された衆院議員定数の削減」を交換条件に使ったのですから
あきれて、モノが言えません。

低次元の国政に対して、はっきりノーを突きつけたい気分です。

   【社説】違憲状態で総選挙とは 首相あす衆院解散 
2012年11月15日 中日新聞

 国民との約束に反して消費税増税を決めた野田内閣は総辞職するか衆院を解散するのが筋だが、違憲状態のままでの選挙強行には違和感を禁じ得ない。
 野田佳彦首相は覚悟を決めて臨んだのだろう。十四日午後行われた党首討論。首相は安倍晋三自民党総裁に対し、来年の通常国会までに衆院議員定数の大幅削減実現を確約すれば「十六日に解散してもいい」と言い切った。
 民主党内では年内解散に反対論が強かったが、首相の発言は重く、流れは止められない。政府・民主党は結局、十二月四日公示、十六日投開票の日程を決めた。

民主に厳しい世論
 次期衆院選は二〇〇九年の前回衆院選で政権に就いた民主党の三年間の業績を評価する選挙だ。有権者の判断材料は、国民との契約であるマニフェストである。
 民主党は十日から全国十一カ所で開いている政策進捗(しんちょく)報告会で、無駄遣い根絶などで十六兆八千億円の財源捻出ができなかった力不足を認める一方、農家への戸別所得補償や高校授業料の無償化などの実績をアピールしている。
 もちろん、国民はマニフェストのすべてが実現するとは思っていなかっただろう。巨額の財政赤字など自民党政権時代からの「負の遺産」はあまりにも大きい。公共事業削減や情報公開など民主党の努力で進んだものも中にはある。
 しかし、国民の民主党政権を見る目は厳しい。
 共同通信社が今月上旬に実施した全国電話世論調査によると、野田内閣の支持率は前回十月調査より11・5ポイント減の17・7%と20%台を割り込み、政権発足以来最低となった。
 来月の衆院選では、民主党に厳しい審判が下るであろう。野田氏も首相職にはとどまれず、民主党はどこかの政党と連立を組まない限り、政権転落は避けられない。

「一票の格差」放置
 その原因は、かけ声倒れの政治主導に加え、〇九年衆院選の民主党マニフェストに明記されず、当時の鳩山由紀夫代表が「上げることはない」と約束していた消費税の増税を、野田首相が強行したことにあるのではないか。
 税は議会制度の成り立ちにかかわる重大な問題だ。日本は代議制民主主義だとはいえ、公約に逆行する増税が許されるはずはない。
 その税金に関する公約を破った内閣は総辞職するか、衆院を解散して国民に信を問うのが筋ではある。われわれも可能な限り速やかな衆院解散を求めてきた。
首相は、一二年度一般会計予算の歳入の約四割を占める赤字国債を発行する特例法案を成立させるため、政権転落覚悟で自公両党が求める年内解散の約束を果たそうとしたのかもしれない。
 だとしても、首相が表明した十六日解散は、唐突感が否めない。
 その最大の理由は、最高裁が違憲状態と判断した衆院小選挙区の「一票の格差」が是正されない現行区割りでの選挙になることだ。
 小選挙区の区割りには二、三カ月、新選挙区の周知期間に一カ月は必要とされる。たとえ十六日の解散までに、最低限の格差是正策である「〇増五減」法案が成立しても、実際に格差が是正されるのは早くても三カ月後だ。
 現行の区割りで選挙を行えば、選挙無効判決もあり得ると指摘される。立法措置を講じただけでは最高裁の要請に応えたとはいえない。解散は首相の専権事項とはいえ、投票価値の平等という国民の権利を侵した選挙を強行する違法性を、首相はどう考えるのか。
 「近いうち」解散の約束を果たすのなら、もっと早くから格差是正に全力で取り組むべきだった。
 さらに、首相が党首討論で、年内解散と引き換えに、自公両党に対して衆院定数の削減を迫ったことは、理解に苦しむ。
 行政や国会の無駄削減は大賛成だが、それに努力すれば増税が許される話にはならないはずだ。
 議員定数の適正水準は衆参両院の選挙制度全体を見直す中で導き出されるべきであり、減らせばいいものではない。政府の役職に就く与党議員も増えた。むやみに減らせば国会運営に支障が出る。
 衆院定数を民主党の主張通り四十削減しても最大で年間四十億円程度の経費削減にしかならない。年間三百二十億円に上る政党交付金を削減する方が効果的だ。

消費税、原発を問う
 衆院選は政権を選択し、政策実現を委ねる重要な機会である。各党、候補者は消費税増税の是非や原発を含むエネルギー政策、社会保障制度改革など、国民の関心を集める分野については特に、分かりやすく公約を提示してほしい。
 それらを吟味し、有権者の選択に資する判断材料を提供する。それは新聞の役目だと、この機にあらためて肝に銘じたい。


 社説:衆院、16日解散へ―「異常な選挙」の自覚もて 
2012年11月15日(木)付 朝日新聞

あす16日に衆院を解散する。
 野田首相が、自民党の安倍総裁、公明党の山口代表との党首討論で表明した。
 総選挙は来月4日公示、16日投開票の日程で行われる。
 私たちは首相の決断はやむを得ないものと考える。
 社会保障と税の一体改革関連法をめぐり、自民、公明両党の党首と「近いうち」の解散の約束を交わしてから3カ月。首相がその約束をなかなか果たさないことで野党の不信を招き、政治の動きはほとんど止まったままだった。
 ぎりぎりまで追い込まれる前に、解散に打って出る。そのことで政治を前に進める契機をつくりたい。そんな首相の思いは理解できる。
 首相は党首討論で、「16日解散」の条件として、赤字国債発行法案と衆院の選挙制度改革法案を、今週中に成立させることを求めた。

■違憲状態下の選択
 民主党がきのう国会に提出した選挙制度の法案は、最高裁に違憲状態と指摘された「一票の格差」是正のための小選挙区の「0増5減」と、国会議員が身を切る姿勢を示す比例定数の40削減が盛られている。
 「0増5減」については自公両党も異存がない。
 一方で、比例区の削減には野党各党の足並みがそろう見通しはない。
 ならば、定数削減は来年の通常国会で実現する。それまでの間は議員歳費をカットして身を切る覚悟を示す。そのふたつを確約してほしい――。首相は安倍氏と山口氏にそう迫った。
 自公両党は、この提案を受け入れた。赤字国債発行法案とあわせ、今国会では最低限、「0増5減」法案を成立させる必要がある。
 そのうえで、各党にしっかりと自覚しておいてもらわねばならないことがある。
 違憲状態下のきわめて異常な選挙を、有権者に強いるということである。
 解散までに「0増5減」法案が成立したとしても、次の総選挙はいまの定数配分のまま行われることになる。具体的な選挙区割りと周知期間に、少なくとも数カ月はかかるからだ。
 このまま次の総選挙が行われる結果、裁判になれば「違憲判断」が下る可能性がある。選挙の一部無効が宣言され、やり直し選挙が迫られるという見方も出ている。
 つまり、新たに選ばれる議員は、民意を正しく反映しない選挙で選ばれるのだ。さらにいえば、次の政権はそうした議員たちによってつくられるということでもある。
 そんな政権は正統性を欠く。そう批判されても仕方がないのである。「違憲状態の選挙に投票はできない」と投票をボイコットする有権者が出ても、不思議はない。
 この事態の深刻さを、各党はかみしめるべきだ。

■公約に抜本改革盛れ
 野田政権がすでに政治を前に進める力を失って久しい。
 今の政権に、格差を是正した新制度での選挙が可能になるまでの数カ月間、仕事をせよというのは現実的ではない。事実上の「政治空白」を続けることになるからだ。
 違憲状態の選挙は、今回で最後にする。次からはきちんと正統性の担保された選挙をする。
 悩ましいが、今回はそうした次善の選択もやむを得まい。
 各党に求めたいのは、マニフェスト(政権公約)に、選挙の正常化に向けた具体策を盛り込むことだ。
 まずは人口に比例して議席を割り振る小選挙区の選挙権の平等を、どう確保するか。
 衆参両院の役割分担を踏まえた抜本的な制度改革は、首相の諮問機関の選挙制度審議会に議論をゆだね、その結論に従うことも明記すべきだ。

■次の政権の使命問え
 総選挙が一気に間近に迫ったことで、各党はマニフェストづくりを急ぐことになる。
 項目の羅列だけでは困る。次の政権の使命は何か、メリハリのついた争点を示すことだ。
 首相は党首討論で、自民党政権時代の原子力政策や膨れあがった財政赤字を「負の遺産」と批判した。
 「2030年代の原発ゼロ」を掲げた脱原発や、公共事業のあり方の改革を争点に訴えていくということだろう。
 ならば民主党はこの3年の反省をふまえ、財源をふくめ現実的で説得力のある工程表を今度こそ示さねばならない。
 その責任は野党も同じだ。
 たとえば「民間投資をふくめ10年間で200兆円」の国土強靱(きょうじん)化を公約の柱に掲げる自民党も、財源を具体的に示してもらわねばならない。
 衆参の「ねじれ」をどう克服し、政治を前に動かすかの具体策もぜひ聞きたい。
 「第三極」を名乗る各党もふくめ、活発な政策の競い合いに期待する。
 



 社説:「16日解散」表明 首相の決断を評価する 
毎日新聞 2012年11月15日

 国民注視の中、異例の解散宣言だった。野田佳彦首相は14日の党首討論で、あす16日に衆院を解散する考えを表明した。民主党内には依然、早期解散に反対する声が渦巻いているが、首相は年内総選挙に突き進む覚悟とみられる。私たちは首相の決断をまず高く評価したい。
 民主党政権が発足して3年余。首相が何かを決めようとしても足元の民主党内からすぐさま反対論が噴出してまとまらない光景を私たちは何度も見てきた。政権運営は限界に近づいており、ここは有権者の選択によって政治を立て直すのが「動く政治」実現への近道と考えるからだ。

 ◇「0増5減」立法は必要
 党首討論で首相がどこまで解散時期に踏み込むか疑心暗鬼だった自民党の安倍晋三総裁も面食らったはずだ。野田首相は衆院小選挙区の「1票の格差」を是正するための「0増5減」の法改正を実現させるとともに、来年の通常国会で大幅な定数削減を図ることなどを条件に挙げ、それを安倍氏が確約すれば「16日に解散してもいい」と逆提案した。
 安倍氏は直ちに答えられなかったが、討論後、自民党は定数削減に関しても協力する考えを表明、これで解散の条件は整った。
 野田首相が自民党の谷垣禎一前総裁と「近いうち解散」を約束してから既に3カ月以上が経過した。首相が年内総選挙に踏み切る決断をしたのは、「うそつき」と批判されるのが相当こたえていたからだろう。
 民主党は衆院でも過半数割れ寸前で今後、内閣不信任案が可決される可能性もある。追い込まれた形での解散を避け、攻めの姿勢をアピールしたい思いもあったはずだ。
 次期衆院選の台風の目と見られている日本維新の会など「第三極」の結集に向けた各党協議はまだ始まったばかりで、候補者調整も含め準備が整わないうちに選挙戦に突入した方が、苦戦が必至の民主党には得策という計算もあっただろう。
 しかし、首相が政治生命をかけると明言してきた消費増税法は成立したものの、税と社会保障の一体改革はまだ道なかばだ。民主党は小沢一郎元代表らの大量離党後も消費増税に反対して離党する議員が後を絶たない。このままでは自民党、公明党との間で結んだ3党合意も瓦解(がかい)しかねない。野田首相が最も恐れたのはそれではないか。
 反対が相次ぐ中で解散に踏み切れば、民主党には新たな離党者が出る公算が大きい。だが、それも覚悟しての決断と思われる。そもそも民主党は9月の党代表選で野田首相の代表再選を決定したばかりだ。解散は首相の専権であり、その判断には最終的に従うのが政党人の責務だ。
 ただし、「16日解散」には危惧する点がある。本当に「0増5減」の立法措置が間に合うかどうかだ。
 私たちは司法が違憲状態と認定した現在の「1票の格差」是正は与野党合意が困難な定数削減と切り離し、優先して実現を図るべきだと再三指摘してきた。
 解散後の日程は12月4日公示、同16日投票となる見通しだ。この日程では次期衆院選を是正後の新しい区割りで実施するのは不可能となる。だが、最低限、新区割りの前提となる法改正だけは成立させる必要がある。仮に法改正が間に合わないとすれば、あすの解散を1週間程度遅らせてでも実現させるべきだ。それは強く指摘しておく。

 ◇政権公約の再構築を
 言うまでもないことだが、定数の大幅削減や、それに伴う選挙制度の変更は民主、自民、公明3党だけで決めるべきではない。次の通常国会では衆院だけでなく、参院のあり方も含めて、全党で具体的な協議を直ちに始めるべきだろう。
 次の衆院選は民主党政権の3年間の実績が問われる選挙だ。消費増税など3党合意の是非や、今後、原発をどうするかをはじめエネルギー政策のあり方も大きなテーマとなるだろう。悪化する日中関係への対応など外交政策も従来に増して重要だ。「動かない政治」「決められない政治」の要因となってきた衆参のねじれにどう対応するかも選挙戦で各党が徹底的に議論してほしい。
 前回の衆院選で民主党が掲げたマニフェストは財源の手当てをおろそかにした結果、破綻した。民主党はこの点をさらに厳しく検証し、マニフェストを再構築すべきだ。無論、各党とも公約作りを急ぐべきだ。
 野田首相は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加を民主党のマニフェストに盛り込み、選挙の争点にしたい意向のようだ。TPP参加は日本の将来を左右する象徴的なテーマである。それを争点にするのは間違っていない。だが、これについても民主党内では反対論が相次いでいる。まずは党内をまとめることだ。
 TPPに関しては自民党も意見がまとまっておらず、主張はあいまいだ。これまで、ともかく早期解散を要求してきた自民党だが、今後は早急に党内議論をまとめる必要がある。他党や新党も同様である。
 ブームや風に流されず、政策が具体的にきっちりと語られる。そんな衆院選になるよう、各党準備を急ピッチで進めてほしい。


 衆院解散表明 首相の重い決断を支持する(11月15日付・読売社説) 

◆「1票の格差」是正を先行せよ◆
 突然の衆院解散の表明だった。民主党内で早期解散への反対論が噴出する中、乾坤一擲(けんこんいってき)、中央突破を図ったのだろう。
 野田首相が党首討論で自民党の安倍総裁に対し、衆院の定数削減を来年の通常国会で実現すると確約すれば、「16日に衆院を解散する」と言明した。
 安倍氏は明言を避けたが、党首討論後、「通常国会で結論を得るべく全力を尽くす」と述べ、16日の衆院解散が固まった。
 衆院選は、12月4日公示―16日投票の日程で行われる予定だ。

 ◆政治不信の増幅を回避◆
 内閣支持率が低迷しており、次期衆院選では、民主党の大敗も予想される。首相があえて解散・総選挙を断行することは、見識ある、重い決断と評価できる。
 8月に「近いうち」の解散を表明しながら、何もせずに年を越すようでは、首相発言の信頼性に疑問符が付き、国民の政治不信が一段と高まりかねない。
 首相は、追い込まれる形でなく、主導権を持って解散を断行したい考えだった。日本維新の会など第3極の体制が整う前に、衆院選に臨む狙いもあろう。
 民主党内の大勢を占める解散反対論者は、「解散は政治空白を招く」などと主張する。
 しかし、野田政権の基盤が弱体化した中で、重要な政策課題を先送りし、いたずらに延命を図る方が、内政、外交両面で、より深刻な政治空白をもたらす。
 野田首相の解散方針に反発する民主党議員は公然と離党の動きを見せている。解散は首相の専権事項であり、首相の決断に従えない以上、離党はやむを得まい。
 年内解散を前提にすれば、解散日程が遅れるほど、来年度予算の編成や成立もずれ込むことが懸念されていた。景気への悪影響を抑える意味でも、最も早い「16日解散」は悪くない選択と言える。
 年内に発足する新政権が、来年度予算を編成し、景気対策や外交の立て直しなどの重要課題に取り組むことが望ましいからだ。
 党首討論の場で、野党に「踏み絵」を踏ませるかのように、解散条件の受け入れを迫る手法の是非はともかく、野田首相が党内の反対論にひるまず、解散権を行使することは支持したい。

 ◆民自公の信頼が大切だ◆
 衆院選後も、衆参のねじれ状況が続く可能性が高い以上、民主、自民、公明3党が一定の信頼関係を維持し、協力できる体制を構築しておく意義は小さくない。
 解散までの時間は限られているが、与野党は協力して、喫緊の課題を処理すべきだ。
 赤字国債の発行を可能にする特例公債法案は、民自公3党が16日の成立で合意した。国庫が底をつかないよう、解散前に確実に成立させねばならない。
 衆院選の「1票の格差」を是正し、「違憲状態」の解消を図ることも不可欠である。
 解散を先送りする思惑から、この問題に真剣に取り組んでこなかった民主党の責任放棄の罪は大きい。民主党は今なお、小選挙区の「0増5減」と比例定数削減の一体処理に固執している。
 「消費税率引き上げ前に国会議員が自ら身を切る」ため、有権者受けのする定数削減に積極的な姿勢を示すポーズだろうが、解散前に結論を出すのは明らかに時間的に無理がある。
 「違憲状態」の解消には本来、「0増5減」の法案成立後、小選挙区の区割り作業を経て、新しい選挙区で衆院選を行う必要があるが、それには数か月を要する。
 解散前に、まず「0増5減」の法案を成立させる。定数削減やその他の制度改革は来年の通常国会で実現する。これが現実的であり、衆院の最低限の責務だろう。
 「0増5減」さえ見送ったまま衆院選を行った場合、「違憲」として、選挙無効とする司法判断が出かねない。そうした事態は回避しなければならない。

 ◆TPPや原発で論争を◆
 衆院選では、3年余の民主党政権の評価が問われる。衆参ねじれ国会の下、「決められない政治」が続いたが、民主、自民の2大政党が引き続き主導するのか、あるいは、第3極が勢力を大きく伸ばすのかも焦点となろう。
 政策面では、野田首相は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を掲げ、争点化する意向だ。自民党など他党も、あいまいな態度では済まされない。
 社会保障と税の一体改革や、原発・エネルギー、外交・安全保障政策についても、各政党は政権公約(マニフェスト)を通じて、立場を明確にしてもらいたい。
(2012年11月15日01時38分 読売新聞)



  党首討論詳報  

 14日行われた野田佳彦首相と安倍晋三自民党総裁、小沢一郎新党「国民の生活が第一」代表、山口那津男公明党代表による党首討論の詳報は次の通り。

 【首相VS安倍氏】
 安倍氏 一日も早く、国民の信を問い、国民の信を得た強力な新しい政権が経済、外交を立て直していくべきだ。首相の決意を伺う。
 首相 当時の谷垣(禎一)総裁と党首会談を行い、「近いうちに国民の皆さまの信を問う」と言ったことにうそはなかった。近いうちに(の時期)を、この討論で明らかにしたい。(衆院解散の)環境整備として申し上げた特例公債法案、(衆院小選挙区の)「1票の格差」と定数是正について早期に成立させると確約してもらいたい。約束してもらえれば、近い将来(の時期)を具体的に提示させてもらう。
 安倍氏 まずは(衆院小選挙区の)「0増5減」、定数是正で憲法違反の状況を解消する。直ちに皆さんが賛成すれば、もうあしたにも成立をする。決断してほしい。
 首相 定数削減はやらなければいけない。この国会で結論を出そうではないか。(衆院選挙制度改革の)法案を提出をした。自民党も決断してもらえるよう強く期待する。どうしても定数削減で賛同してもらえない場合、最悪のケースだ。ここで国民に約束してほしい。定数削減は、来年の通常国会で必ずやり遂げる。それまでの間は、議員歳費を削減する。国民に消費税(率)を引き上げるという負担をお願いをしている以上、定数削減をする道筋をつけなければならない。われわれの法案に賛同してもらいたい。でも、何も結果が出ないというわけにはいかない。これはお尻を決めなかったら、決まらない。決断してもらえるなら、今週の16日に解散をしてもいい。
 安倍氏 まずは0増5減、これは当然やるべきだ。来年の通常国会で、私たちの選挙公約において、定数の削減と選挙制度の改正を行っていく、この約束をしている。この場でそのことを約束する。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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小沢氏無罪:検察の“闇”を調べよ/政治とカネ、いつまで/「秘書任せ」ゆえの無罪

2012-11-14 17:01:31 | 市民運動/市民自治/政治
疑惑の小沢一郎氏の強制基礎の事件は、
一審に続いて、二審も無罪判決が出た。
市民感覚としては、納得できないけれど、取りあえず結論は出たようだ。
無罪判決を勝ち取って、あとは総選挙に突入か?

と、記事を書いていたら、たった今、野田総裁が「16日に解散すると明言」というニュースが流れた。

急いで、小沢さんの判決に対する社説を紹介しておきます。

   【社説】小沢代表無罪 検察の“闇”を調べよ 
2012年11月13日 中日新聞

 「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告は、二審も「無罪」だった。問題は検察が市民の強制起訴を意図的に導いた疑いが晴れぬことだ。生ぬるい内部検証では足りず、国会が徹底調査すべきだ。
 そもそも、なぜ小沢氏は強制起訴されたのか。一審に続いて、二審も無罪判決が出た今、あらためて市民による検察審査会の判断に立ち戻ってみる必要がある。
 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、小沢氏を政治資金規正法違反に問うことの是非について、東京地検は二〇一〇年二月に不起訴とした。検察審は同年四月に「起訴相当」と議決し、再捜査を迫られた検察は、また不起訴の判断をした。
 問題はこのときだ。再捜査の過程で、小沢氏の元秘書石川知裕衆院議員を再聴取したが、作成された捜査報告書はでたらめだった。「(石川議員が)検事から『うそをついたら選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」など、架空の内容が書かれていた。
 石川議員がICレコーダーで録音していたため、一問一答形式の文書が明白な虚偽であると判明したわけだ。さらに当時の特捜部幹部が小沢氏の供述の不自然性などについて、捜査報告書をつくり、検察審に提出した。「小沢の共謀を推認する積極証拠となりうる」などとも記されていた。
 本来は不起訴にした説明をする検察が、市民を強制起訴するよう誘導したと、受け止められてもやむを得ない内容だといえる。一審判決では「事実に反する捜査報告書で検察審査会の判断を誤らせることは許されない」とまで指摘されたほどだ。検察の恣意(しい)的な手法を断罪したに等しい。
 だが、今年六月に最高検がまとめた報告書では、「(検事の)記憶が混同した」「故意ではなかった」などと結論づけ、市民から告発された検事すべてを不起訴処分にした。かつ、今も報告書をホームページなどで国民に広く知らせていない。あまりに身内に甘すぎる調査結果であり、真相はなお“闇”の中にあるといえよう。
 検察審制度そのものへの冒涜(ぼうとく)に近い問題が露呈している。「記憶の混同」が許されるなら、どんな報告書もまかり通る。もし、検察のシナリオどおりに進んだとしたら、司法の汚点になるどころか、司法改革自体が台無しになる。
 検察が暴走したら、どう食い止めるのか…。根源的な問いも、この事件は投げかけている。



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 社説:小沢氏無罪―政治とカネ、いつまで 
2012年11月13日(火)付 朝日新聞

 政治資金収支報告書にうその記載をしたとして強制起訴された小沢一郎衆院議員が、東京高裁であらためて無罪となった。
 追加の証拠調べがなく、結論は予想されていた。高裁は、実際に報告書をつくった元秘書らについても、わざとではなく、認識不足から一部誤って書いた可能性があると結論づけた。
 元秘書らは検察によって起訴され、一審で虚偽記載の故意が認められた。高裁の別の裁判長のもとで、あすから二審が始まる。そこではどう判断されるのか、行方を見守りたい。
 刑事責任の有無をはなれ、事件は「政治とカネ」をめぐる多くの疑問や不信を招いた。
 今回の判決も、問題となった土地の取引が本来報告すべき年に報告されなかったこと、元秘書が公表を先送りする方針を決め、不動産業者らと調整したこと――などを認めている。
 金や資産の流れをそのまま明らかにして、国民の不断の監視の下におく。それが法の精神ではないか。何億円もの動きについて、事実と異なる報告がされていた点に変わりはない。
 疑惑が指摘された当初、小沢氏は会見で身の潔白をあかす書類を示して追及をかわした。後にそれは、日付をさかのぼって急きょ作成したものであることがわかった。捜査や公判を理由に国会での説明から逃げ続け、一審の法廷では「関心は天下国家で、収支報告書は見たこともない」と述べた。
 こうした行いは国民と政治との距離を広げただけでなく、小沢氏への失望を呼び、活動の幅をせばめる原因にもなった。
 その自覚と反省を欠いたまま、新しい政党をつくって「第三極」の結集をうったえたとしても、広範な支持を得るのはむずかしいだろう。
 なげかわしいのは、他の政党や国会議員も同じだ。
 事件によって、「秘書に任せていた」「法律の知識がなかった」ですんでしまう制度の不備が、再び浮かび上がった。ところが、かねて課題の企業・団体献金の廃止をふくめ、見直しの動きは起きていない。
 抜け穴の多いしくみの方が楽だし、どうせ国民は忘れてしまうさ。そんな甘えがないか。
 氏が政治の中心にいるときは思惑ぶくみで事件を利用し、後景に退けば知らんふりを決め込む。政局優先のご都合主義が、既成の、とりわけ大政党への不信となって表れている。
 衆院の解散が近い。政治とカネというこの古くて新しい問題に、各政党はどう取り組むか。国民はしっかり見ている。


 社説:小沢代表判決 「秘書任せ」ゆえの無罪 
毎日新聞 2012年11月13日

 政治資金規正法違反に問われた元民主党代表で「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に対し、東京高裁が無罪を言い渡した。
 1審に続く司法判断だ。「2度の無罪」の意味は重い。ただし、その内容も踏まえ判決を受け止めたい。
 資金管理団体「陸山会」が04年に購入した土地をめぐり、元代表が提供した4億円が政治資金収支報告書に記載されなかったとして、元秘書らとの共謀が問われた。
 1審判決は、衆院議員、石川知裕被告ら元秘書が土地購入費などを同年の報告書に記載しなかった行為を「虚偽記載」と認定。ただし、小沢代表が違法性について認識していたとの立証が不十分だとした。
 高裁も元秘書らの認識の一部を除き、おおむねその判断を支持した。
 1、2審の認定内容はこうだ。
 小沢代表は土地購入の資金として4億円を石川被告に渡した。石川被告は金の出所についての取材などを避けるため、先輩秘書のアドバイスで4億円を簿外処理し、銀行から別途借り入れを行った。こうした政治資金のやり繰りに小沢代表はそもそも関心が薄かった−−。
 小沢代表は公判で「政治資金収支報告書は一度も見たことがない」と述べた。報告書の作成を「秘書任せ」にしてきたとも繰り返した。
 無関心だったがゆえに無罪になったといえる。報告書の記載を偽ることは「形式犯」ではないし、国民への背信行為に他ならないと、私たちは指摘してきた。刑事責任とは別に、政治資金に対する小沢代表の姿勢に改めて疑問を感じる。
 高裁判決は、石川被告の4億円簿外処理について、計画的というよりむしろ「その場しのぎの処理」だとも指摘した。秘書を監督する立場の政治家としての責任も問われよう。
 小沢代表は、刑事裁判を理由に国会での説明を拒んできた。政治家として説明責任を果たさなかったことを国民は忘れない。政治状況は混とんとするが、国会が近い将来、抜け道だらけの規正法の見直しに本腰を入れるべきなのは言うまでもない。
 検察のずさんさも目を覆うばかりだった。供述の誘導があったとして石川被告らの調書の大半が証拠採用されなかった。また、検事が実際にはないやりとりを載せた捜査報告書まで作っていた。有力政治家への捜査のあり方を含め反省し、今後の教訓としなければならない。
 検察審査会の強制起訴制度について批判も出ているが、市民の常識を生かす制度の意味は小さくない。不起訴の内容によって線引きすべきだとの意見もある。もっと公開性を高め、制度を前向きに生かす方向で検討を進めるのが妥当だろう。


 陸山会事件:控訴審、小沢代表に無罪(その1) 衆院選へ動き活発化 

 ◇目を閉じ口結び、判決理由に聴き入る
 「市民の判断による起訴」への回答は再び無罪だった。資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)に対する12日の東京高裁判決。強制起訴から約1年10カ月、小沢代表の裁判は「政治とカネ」の問題だけでなく、東京地検特捜部の捜査や検察審査会のあり方など、さまざまな波紋を広げてきた。小沢代表も検察官役の指定弁護士も神妙な面持ちを崩さず、「第2幕」の結論に聴き入った。【石川淳一、山本将克】

 午前10時半、東京高裁102号法廷。小川正持(しょうじ)裁判長に促されて小沢代表が証言台の前に立った。濃紺のスーツに紺とピンクのストライプのネクタイ姿。直立不動で小川裁判長を見つめる。「主文、本件控訴を棄却する」。法廷は一瞬静まりかえり、傍聴席から報道陣が早足で飛び出した。「元の席に戻ってください」。小川裁判長に促されるまで代表は深々と頭を下げ続けた。
 主文の言い渡し後、代表は弁護士に挟まれる形で着席。目を閉じ、口を固く結んで判決理由の朗読に耳を傾けた。指定弁護士の主任格、大室俊三弁護士は時折天井を見つめた。
 1審判決は代表にとって「薄氷の勝利」だった。指定弁護士の主張に沿い、04、05年分の政治資金収支報告書が虚偽とされ、元秘書らから報告を受け、了承したと認定された。「こちらは(無罪のため)控訴できませんからね」。1審判決後、代表の弁護団の一人は指定弁護士に対し不満を隠さなかったという。
 控訴審には被告が出廷する義務はないが、9月の第1回公判に代表は姿をみせた。だが、冒頭に行われた人定質問で口を開いただけで即日結審。そしてこの日、指定弁護士の控訴から約半年でスピード判決が下った。
 指定弁護士の大室俊三弁護士は「我々の主張が理解されず残念。上告するかどうかは結論が出ておらず、今後検討する」と話した。

 ◇「反転攻勢の時期だ」−−「国民の生活」幹部
 国民の生活が第一の小沢一郎代表に対し、東京地裁判決に続いて東京高裁が無罪判決を出したことで、小沢氏は次期衆院選をにらんだ動きを活発化させる構えだ。
 生活の鈴木克昌国対委員長は12日、小沢氏の無罪判決を国会議員会館の自室のテレビで確認すると、記者団に「待ちに待った判決だ」と話し、「指定弁護士は、小沢一郎という政治家を痛めつけ政治を混乱させる上告をしないでほしい」と語った。
 別の生活幹部は「反転攻勢の時期だ」と断言。小沢氏と連携する新党大地・真民主の鈴木宗男代表も「判決後に小沢さんがどう発信するかによって、新しい動きが出る」との見方を示している。
 だが、小沢氏がにらむ「第三極」連携の軸である日本維新の会の橋下徹・大阪市長や、石原慎太郎・前東京都知事らは、これまで小沢氏と距離を置いている。小沢氏は2審でも無罪判決を勝ち取ったが、政局の主導権を握る道は険しいのが実情だ。【中島和哉】


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