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全開

2008年08月11日 | 日記・エッセイ・コラム
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月一で出掛ける理髪店。
この店は親戚の店で従兄弟がいつもカットしてくれる。
休日の午後、他愛も無い会話が実に気持ちいい。
 
待っている間にはサービスとして冷えた飲み物が用意してある。
もちろん、無料で飲み放題。
どれを飲もうかと迷いながら、大きなテレビでのスポーツ中継。
すべてがゆっくり流れる、なんとも贅沢な時間だ。 
 
「どうぞ!」
 
僕の番が来た。
 
短い頭髪をさらに短く。
カットが終われば、髭剃り。
髭だけじゃなく、顔中剃ってもらえるのが気持ちいい。
シェービングクリームを塗り、蒸しタオルを乗せる。
倒した椅子と、ほどよい蒸しタオルの感触が
眠りを誘う。もちろん目は閉じたまま。
 
ここで、思った。
 
「別に目を瞑る必要はないんじゃないか?」
 
髭を剃っている間は別にして、
ただ、タオルが乗っているだけなら、目は開けておくのが
自然じゃないだろうか?
 
目を瞑ると言えば、風呂場での洗髪。
幼いとき、親父に洗ってもらっていたときは
泡が目に入らないように、しっかりと目を瞑って、
耳の穴に人差し指に突っ込んで、ひたすらガマンしてた。
それの名残りなのか、頭を洗う時は目を瞑っていたのだが、
ある時、
一緒に風呂に入った弟に、その姿を嘲笑された事があった。
 
「なんで、目を瞑るの?」
 
それまでは特に意識しなかったが、
スーパー銭湯とかで注意深く見ていると、
確かに目を閉じて頭を洗っている人は少ない。
こんな感じで、誰に教わるわけじゃなく、
習慣として身につけてしまったが、個々では微妙に違う
習慣てのもある。
トイレでの作法とか。
 
だから、目を瞑る必要がないと考えるなら、
もしかして、剃っている間も目を開けている人が
居るんじゃないだろうか?と思った。
 
「剃っている間、目を開けてる人っている?」
 
従兄弟の答えは明確。
 
「えぇ、いますよ!」
 
「タオル乗せてる間じゃなくて、剃ってる間ずっとなの?」
 
「えぇ、全開です!」
 
そうか、居るんだ。なんか知らないけど、嬉しかった。
そうか、髭を剃ってもらってる間、目を瞑らない人って
いたんだ。
 
ちなみに確率としては
30人に1~2人ぐらいだそうだ。
 
でも、居るんだ。
 
逢ってみたいものだ。
 

 

 


コメント
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