熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

弁護士倫理

2007-11-15 22:31:32 | Weblog
司法試験基礎講座の講師が、講義の合間に雑談と称して面白い話をします。

先日も、刑法講義の合間に、興味深い話がありました。

「皆さんが司法試験合格後に、弁護士になるのかどうかは分かりませんが、もし弁護士となった場合、次のような場面に遭遇したらどのように判断しますか。」

と、前置きして、「これは実際にあった話です。ある弁護士が、暴力団の組員の弁護を引き受け、被疑者に接見しました。すると、その組員は、弁護士に小声で言いました。」
「先生、俺は人を刺していない。あれはうちの組の親分がやったんだ。俺が罪を被って刑務所に行けば、出所したら幹部になれる。だから、裁判では無罪を主張しないで、刑を軽くするようにお願いしますよ。」

「皆さんが、この弁護士だったら、法廷でどのように主張しますか。① 依頼人(被疑者)の利益を守るため、罪を認めて減刑を主張する、 ② 真実義務を守るため無罪を主張する」

この問いかけに、受講生の約90%が ① 依頼人の利益を守る ことに賛同しました。

この結果に、講師はかなり驚いたようで、「そうですか、刑事訴訟法学者は皆さんの意見と全く逆で、② 真実義務を守るため無罪を主張する が多数派でしたが」

私は、少数派の「② 真実義務を守るため無罪を主張する」 です。

現実に、このような場面に遭遇した場合、相当悩むでしょうが、これから弁護士になろうとする受験生は、「② 真実義務を守るため無罪を主張する」 を選択して欲しかったと思います。

青臭い意見でしょうか。
青臭い意見が主流になる世の中が来るといいのですが。



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