節分まであと5日、雪のないまま
大寒が終わるかと思っていた矢先
大雪になった。
但し、気温は低くない。大粒の
ぼた雪である。数時間で20㌢ほど
降ったような気がする。冬の終り
を告げる春先に降るような雪だ。
永井荷風の断腸亭日乗、
昭和16年1月25日の記事に
夕方より空くもりて風俄かに寒し。
やがて雪ならんか。人の噂にこの頃
東京市中のいずこの家にても米屋にて
も米少なし。
との記載がある。その原因はドイツの
軍用に使う糊にするため、輸出している
ためと書いている。
この年の3月、私はこの世に生を享ける
ことになるが、世界は戦争という渦巻へ
巻き込まれようとしていた。
時代がどう変化しようと、地球の四季の
営みに変わることはない。
倭は国のまほろばたたなづく
青垣山ごもれる倭しうるわし
古事記に見えるヤマトタケルノミコトが
自らの死を悟って詠んだ望郷の歌である。