常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

秋空

2019年10月23日 | 日記
雨が続いて、今日は朝から晴れた。空気が澄んで、千歳山も近くにみえる。秋は、雨の寒い日と晴れを、繰り返して次第に深まっていく。秋の風を白としてきたのは、古代中国の自然観である。白秋という熟語にたいして、春は青春である。芭蕉の句に

石山の石より白し秋の風 芭蕉

というのがある。昨日の即位の礼に向かう、天皇、皇后の両陛下が、身に着けたのは白妙の衣であった。その高貴な色は、まさに秋の色で、見る人を引き付けた。

しろたえの袖のわかれに露おちて身にしむ色の秋風ぞ吹く 定家

平安の頃は、別れとは一夜を過ごした朝の後朝の別れだ。その涙の色も白く、それが純白の衣に落ちる。その涙を吹き消すように、白々として秋風が吹き抜けていく。藤原定家の到達した、幽艶の境地である。昨日の、即位に礼には、こうした伝統の日本の美が随所に垣間見られた。
コメント
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