金木犀
2019年10月02日 | 花
金木犀が一斉に満開になった。あたりに、甘い香りがただよう。つい、3日ほど前に咲きかけて、白い蕾だったのがこのところの朝の冷え込みのせいか、一気に満開である。気温は今日も30℃近く、台風がもたらす熱気が続いている。季節はそれとは関係なく進んでいる。公園のカエデも一段と赤味を増した。
昔、戸建ての家に住んでいたころ、小さな庭があって、置石の端の方に、金木犀が植えてあった。サッシ戸を開けて、この花の香りが入ってくると、秋が深まっていくことを確認した。夏には、照葉の濃い緑の木であるが、花が咲くと木全体が濃い黄色に包まれる。中国では、桂林という地名にもなっている。この木が多いので命名されたらしい。
木犀を歴訪すべき散歩かな 相生垣瓜人
カメラを持って散歩をしていると、色んな人と話ができる。大坊川の遊歩道に、こんもりと繁る木に、吊り花を咲かせてきれいだったので、カメラを向けた。犬を連れた初老の婦人が声をかけてきた。「花を撮っているの?」頷くと、「その花はニシキギと言うのよ」と意外な花の名を告げた。「神社のところには、彼岸花がたくさん咲いていてみんな写真を撮っていますよ」と教えてくれた。
行ってみると曼殊沙華の群れが三つほどあり、白い花が混っていた。ニシキギが気になって、図鑑で調べると、マユミの仲間らしい。しかし花は春に咲くとあるので、ニシキギではないことが分かった。グーグルレンズには、アベリアという名が出てきた。こちらはウツギの種類で、花も秋まで長いと解節している。今日は、花の名をひとつ覚えた。見たかった白い曼殊沙華も見ることができて、何か得をした気分である。