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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

あっけらかん

2021年08月13日 | 登山
もう40年も昔の話だが、上の娘が東京の学校へ入学した。様子を見がてら上京して、友人に会って応援を依頼しながら娘を紹介したことがある。上京して間もない娘と話しを聞いた友人が、「ずいぶんあっけらかんとした娘だね」と感想を述べた。その意味を十分に理解できず、無頓着で気が利かない、という意味も含んでいるように感じて、「うん田舎育ちだからね」と返事した。この友人は女子大で教鞭をとって、同じ年ごろの子をたくさんみている人であったから、少し気になって後で辞書にあたって意味を調べてみた。

「何もせずぼんやりとしていることや、物事にこだわらずけろっとしているさま」と、辞書にはあった。なるほど、東京へ出て学校へ入る子たちは、環境に馴れるため、対人関係などで気を使うことが多いであろう。天真爛漫で何も心配していない様子に見えたのかも知れない、と納得したものだ。「あっけ」とは口を開く様子を示している。幼児に「お口をあっけして」などと使うが、呆気にとられるて、口が塞がらない驚きを示す様子の言葉でもある。

庄内の海岸にも五百羅漢像が鎮座しているが、五百のうち一、二体は、驚いて口を開けたままの羅漢だあるという。ある古語の先生は、「呆気羅漢」があっけらかんの語源ではないか、という説を主張している。あまりの驚きで口をふさぐこともできないでは、他人への気配りもできよう筈はない。わが家の娘はあれから40年も経っても、「三つ子の魂百まで」の通り、いまだに人さまの気遣いなど一向に気にもかけず、あっけらかん、として日々を過ごしている
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