常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

バジルの花

2021年08月14日 | 
梅雨どきのような前線が、日本の上空に停滞して、時ならぬ大雨を降らしている。またしても、九州などの西日本に線状降水帯が出現して、川の氾濫など被害が出ている。今までの暑さが何処かへ行ってしまって、夜は夏掛けでも寒く感じる。コロナの感染爆発に加えて、大雨の洪水。この地球は、人間が生きにくくなってしまった。環境破壊を考えずにおしすすめてきた経済優先のつけがここにきて危機を作りだしている。

そんな心配をよそに、ベランダに撒いたバジルが、大きくなり食卓を彩るとともに可憐な花をさかせた。あの暑い日照りや吹くつける突風に耐えて、けなげで可憐な花である。花の咲いている先端を摘んで、水にさして食卓に置いた。バジルの芳香が食卓に漂い、気持ちを穏やかにしてくれる。トマトサラダや肉料理のトッピングにしても重宝する。

中国の故事成語に「解語の花」というのがある。唐の玄宗皇帝が楊貴妃などを従えて、庭の池に咲く蓮の花を愛でたときのことだ。玄宗は蓮の花に見入るお付きのもの向かって、「蓮の花も美しいが、ここにいる解語の花には敵うまい」と言いながら楊貴妃を指した。花顔、花のかんばせという言葉もあるが、楊貴妃を言葉を解す花と譬えたのだ。

玄宗は楊貴妃を寵愛するあまり、その親戚である楊国忠を宰相に地位につけた。その上、楊貴妃が気に入った異民族の安禄山に、辺境守備軍を統率する地位を多く与えたため、軍事力を手中にした。この安禄山が、辺境守備軍をつかっていわゆる安禄山の乱が起きた。この戦のなかで、怨みをかっていた楊国忠は近衛兵によって殺され、楊貴妃を自らの手にかけて殺さねば生き延びられない玄宗であった。「解語の花」とは、繁栄のただ中に咲いたあだ花であった
コメント (2)
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