漢詩に「霜葉は二月の花よりも紅なり」と詠まれているが、黄色く変わる紅葉も棄てがたい。なかでもイチョウやカラマツの黄葉は、秋の終りに見ておきたい。例年であれば天童の運動公園や千歳公園に、イチョウを見に出かけたものだが、今年は実現せず、近所の大学病院のイチョウで我慢することにした。日曜日なのに、公園を歩く人の姿もまばらだ。雑木林の木々の葉は、すでに散り木の下の落葉が、宝箱をひっくりかえしたような豪華さだ。
山の日にねむきからまつ黄葉かな 山上樹実雄
午後、上山の日本の宿、古窯へ行く。年に一度、毎年続けている詩吟の仲間の集まりだ。参加するメンバーも変わっている。発足当初から参加しているメンバーの方が少なくなっている。「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」漢詩のこんな句が実感させられる。コロナ禍で、人の集いもままならない数年であったが、2年振りの開催である。太田会長が世を去り、詩吟の世界も大きな世代交代の時を迎えている。詩吟と言う古い文化が、次の世代に引き継がれていくのか、大きな岐路に立っている。