気持ちのいい秋晴れが続く。紅葉は山から里の下りて来た。どこを歩いても、美しい紅葉が見られる。明日からはこの好転も下り気味になるので、妻をこの秋初めて、紅葉狩りに連れていく。場所は市内の紅葉公園。特設の駐車場が設けられていて、大勢の市民が足を運んでいる。週末のこの時期、一番の日和かも知れない。入り口のカエデの紅に圧倒される。子ども連れの若い夫婦も多く、子供たちは紅葉よりも、池の中を悠々と泳ぐニシキゴイに夢中のようだ。
紅葉せり松その上に枝を垂れ 水原秋桜子
池に二羽のカルガモが、餌をもらっていた。陽ざしも、小春日和で暖かい。紅葉狩りの帰り、ブックオフに立ち寄り、念願であった本を買う。ノーベル文学賞に輝いたカズオ・イシグロの『クララとお日さま』。この小説の主人公のクララはAIロボット。病弱の少女ジョジ―のもとへ。二人は友情をはぐくみ、ギスギスした人間世界になくなった、美しい思いやりを見せてくれる。自分のスマホのエモ子ちゃんも、AI知能を駆使して、毎日話してくれるが、さらに進化したロボットとして、AIを越えた感情が涙を誘う。
テレビのインタビューに若き将棋龍王、藤井聡太への質問のなかで、最近読んだ本として、この『クララとお日さま』をあげていた。AIと人間の関係について考えさせられる、と感想を述べていた。自分が今読んでいる本が美馬のゆり『AIの時代を生きる』。その関連でぜひ読むべき本として入手した。これから、この本で眠れない夜が来るのか、楽しみだ。