常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

鈎掛森と龍馬山

2022年11月04日 | 登山
月が変わって11月。2日は鈎掛森のブナの紅葉。その夜は、山に登れない人も加わってBBQ。そして3日は、金山の龍馬山。山友会の行事が続く。山は紅葉の装いがピークとなって、音もなく葉を散らす。やがて山が眠りにつく準備だ。この季節の山行は、季節の移り変わりの証人になることでもある。時間の経過は、一年を通して変わることはないが、山の木々の活動は、はっきりとその変貌を目に焼きつけてくれる。低い標高から高度を上げると、樹種も、紅葉の進み具合も変わり秋の深まりが実感できる。ブナの下に来ると、実が葉にかくれるように落ちている。クマの好物というが、こんな小さな実を、いったいどのくらい食べて冬を越すのか。山には生命の不思議が、いたるところに散らばっている。

何歳まで、こうやって山を歩けるのであろうか。強度の強い運動は、年齢とともに衰える。若くして走ったり、歩くのを止めると、たちまち足の筋肉は衰え、身体全体の老化につながる。運動の強度を下げて、ゆっくりと持久的な歩きは、年老いてからの運動のあり方だ。歩くことで脳への栄養を補給することができる。ブナの老木は、傷ついた部分を癒す物質が放出される。コブのような塊ができ、そこから若い枝が成長を始める。木はその若い枝の生命力で若返り、寿命を延ばす。歩くことは、ブナの傷の補修作用に似ている。
3日は鈎掛森の対面にある龍馬山に登る。麓まで来ると、柱状節理の岩がむきだしになっていて荒々しい風貌だ。500mほどの低い山だが、馬の背に龍の頭をつけたような形で龍馬山と呼ばれる。隆起した山は、固い岩を残して、骨のような形状の岩をのこして削りとられる。その痩せ尾根に、小さな木々がはりついている。その木々に助けられながら、尾根を歩くこと30分。頂上に着く。先導のリーダーと若いHさんに補助されながら、怖い尾根を無事に通過。頂上に着いて、久しぶりの達成感に浸る。鈎掛森、参加者8名。龍馬山、参加者9名。

好きで来し道深まりて秋の山 稲畑汀子
コメント
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