11月はもう20日以上が経ってしまった。こんなに日が経つのが早く感じるのは、生涯でもはじめての経験だ。昨日、車のタイヤを冬のものに換えた。合わせて6ヶ月の点検も。週末、ひ孫の顔を見に行くための準備だ。冬を迎えて、木の実が赤さをましている。ふと開く句集がたまらなく懐かしい。
ひといつかうしろを忘れ小六月 飯田龍太
畑を止め、外の作業は減っているのに、心のどこかで11月は忙しない。雑木林にうず高く積る落葉を見ると、やはり冬じまいが、身についた習性なのか。落ち葉を集めて、火をつけると、昔口ずさんだ童謡を思いだされる。
「さざんかさざんか咲いた道、たき火だたき火だ落ち葉たき」この歌からは、焼き芋のいい香りが漂ってくる。立冬の前の、貴重な小春日。なすこともない身ではあるが、飯田龍太の句に逆らうように、過去の記憶が浮かんでくる。