常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

紅葉、最後の輝き

2022年11月06日 | 登山
七ヶ宿の蛤山を登った。この秋、最後というべき紅葉に出会えた。高い地点の木々はすでに葉を落とし、夕べの寒気で、対面の不忘山は雪景色に変わっていた。登山道には、散った木の葉がうず高く積っている。その葉を踏み鳴らす音を楽しみながらの山歩きだ。1000mの頂上に立つと、不忘の方から吹きおろす冷たい強風が、ごうごうと音を立てて吹きつける。寒い。すでに冬山のなかにいる。晴天の予報は、ここへきて霙のような小粒の雨さへ降って来た。11月の登山は、いつの場合も冬山を想定した準備が必要だ。

冬山の深き襞かなこころの翳 飯田龍太

仲間のNさんが言った。「紅葉は紅が混じってこそきれいだね。カエデの紅葉が好きだ。」確かに錦秋とは、黄色、紅、緑などの色の多様さに魅せられる。万葉集では、黄葉と記される歌が圧倒的に多い。

天雲のたゆたい来れば長月の
黄葉の山もうつろひにけり 万葉集

山に黄色くなる葉が多かったかも知れないが、この時代は、中国からの文化移入に熱心であったせいのようだ。中国では、最初の皇帝が「黄帝」。黄色は皇帝の色として尊ばれた。聖なる色として、奈良時代は黄色を第一とすることが、貴族の間の常識であったと、ものの本にはある。遣唐使が廃止された菅原道真の頃から、紅葉の表記が多くなり、日本人の好む紅が秋の紅葉を代表する色となって行った。

蛤山は横川の集落の端にある登山道から林道終点まで広い道を歩く。山道に入って蛤山の頂上を目指す。尾根道の周遊コースは約10㌔、休みを入れて4時間ほどの歩きだ。尾根を降りると風がなくなり、陽射しもさしてぽかぽかとした秋山歩きになった。尾根に立つと、吹き抜ける風が冷たいが、それと比較すると天国のようでもある。紅葉は、下山して集落付近で見ごろであった。本日の参加者6名、内男性2名。

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