常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

開花宣言

2020年04月03日 | 日記
昨日、霞城公園の桜の開花宣言が出た。偶然、ここを散策していたので一本の桜の木の花を撮ってきた。公園のなかにある標準木の桜が2、3輪咲くと、山形市の開花が宣言される。写真の桜が標準木であるかどうかは定かでないが、アップデートな写真となった。4月2日に開花宣言が出るのは、宣言開始以来、もっとも早い宣言となった。

年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず

有名な劉廷芝の詩だが、白頭の翁が花を見ながら、その心中を思いやる詩であるが、私にもこの詩が胸を打つ年代になった。

この公園は最上家がこの地を治めた霞ケ城の城址である。第11代藩主最上義光は、関ケ原の武勲を徳川家康に認められ、57万石を与えられた大大名である。義光は文武の両道にすぐれ、和歌や連歌をよくした。連歌には、連衆に里村紹巴、飛鳥井雅庸、細川幽斎ら当時の一流の詠み手と一座をともにした。

変わらじとのみ契りつる仲    飛鳥井雅庸
花ゆへに馴れそめけるも縁あれや 最上義光

公家の飛鳥井雅庸が、いつまでも変わるまいと固い約束をした二人の仲だ、詠んだのに対し、義光は春の花見がきっかけだったね、と付けている。戦国の時代に、こんな男女の機微を題材にすること自体、驚きであるが、居城の桜を頭に浮かべながらやわらかなムードをかもし出す義光の心中はどうであろうか。

この連歌を詠む2年前、最愛の姫駒姫が豊臣秀次に嫁ぎ、秀次謀反の故に斬首されるという憂き目を見ている。その翌年には、妻を亡くすという2年続けての不幸が義光の身に起こっている。連歌という一見軽く見える遊びのなかに、現実の厳しさや悲哀を消そうと試みたのであろう。

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