妻と一緒に、笹谷峠に紅葉を見に行った。仙台へ抜ける道の脇に、一本の秋グミがるルビーのような赤い実をつけていた。我々の年代の者にとっては、グミの実はなついかしい。食べるものが少なかった時代、子どもたちにとっては、グミは空腹を満たす果実であった。いま口にしてみると、口のなかにどこか渋みが感じられる。だが全体としてほんのりした甘みは昔の懐かしい味である。妻はグミの木の下に立って、枝を引き寄せ、たわわになったグミを懐かしそうに味わっていた。秋グミは採って、果実酒のすることができる。だが今では、その赤い実が、周囲の紅葉にまじりあって秋の山を彩るのを、鑑賞に行く。食べるのも、酒にするのも、もう手間をかけることは避けるようになっている。
日々の散歩で、木の下に落ち葉を踏んで歩くようになった。2月の末から始めた、ヘルスケアによるウォーキングのトータル歩数が300万歩を数えた。アプリは、この節目にメダルをくれる。300万歩を示す3をデザイン化したのもだ。これで6つ目。次に目指す節目は500万歩だ。これを達成するには、冬を越えて満1年ほどの日数を要するであろう。アプリの励ましに動機づけられながら、どいうにかここなで継続することがでた。新たなフエイスブックのグループ「山形散歩」に加わった。ここには350人ほどの人が集って、歩いた場所を写真に収めてアップしている。山形にも、知らない名所がたくさんある。歩くことの動機付けへ、新しい試みである。
「今日の森はなんて静かでしょう。葉っぱがさやさや鳴る音もなく、ただそよ風が梢をゆらして吹いていくだけ!遠くの浜辺に寄せては返す波の音のよう。森はなんとすてきでしょう!美しい木々よ!みんなを友だちのように愛しているわ」(モンゴメリ『アンの青春』より)
赤毛のアンが愛した森の小径は、日々歩くことの喜びを共有させてくれる。コロナ感染という不幸が、人が自分の足で歩く輪を世界中の人へ広げていって欲しいものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます