お天気に恵まれている桜の京都。「今日はちょっと足をのばして、西京の大原野に行ってみよう…桜がすごくキレイなお寺があるんだって…」と、ミモロは、以前、お友達から聞いていた「正法寺」へ枝垂れ桜を楽しみに出かけます。
大原野は、桓武天皇が都を奈良から長岡京に遷されたおり、しばしば鷹狩を楽しまれた場所。藤原道真をはじめ藤原氏一門などの多くの人々が、こののどかな景色を楽しまれたそう。
ミモロの住む京都の岡崎は、今、桜見物の人たちが大勢訪れて、毎日、賑やか…。「ここは、のんびりして、いい感じ…なんかホッとするねぇー」と、目の前に広がる田園風景を眺めながらポツリ。
山へと通じる曲がりくねった道を車で進むと、やがて「正法寺」へと至ります。
お寺へと続く道には、艶やかな桜が訪れる人を迎えてくれます。
「正法寺」は、天平勝宝年間の創建という真言宗のお寺。奈良唐招提寺を創建した鑑真和上の弟子である智威大徳が隠世したのが始まり。平安時代初期には弘法大師も訪れ、42歳の厄除けのため、聖観音を彫刻されたそう。今も厄除けの観音様として多くの人がお参りに。
寺は、応仁の乱で焼失しましたが、元和元年(1615)大坂夏の陣の年に、恵雲、微円の両律師により再建され、以来、西山のお大師さまとして多くの信仰を集めています。
「ここは、枝垂れ桜が有名なんだって…」ミモロが言うように、お寺の境内には、梅、つつじ、もみじなどがあり、四季折々、美しい景色を見ることができます。
もちろん、今、ミモロは、美しい枝垂れ桜を思い描きながら、門をくぐります。
まず、大きな傘のような形の白い桜が。「まだ満開じゃないけど、キレイ…」
「あ、桜があっちに咲いてるよー」と身を乗り出して、門から下の桜を眺めるミモロ。
いよいよ大きな枝垂れ桜があるお庭へ。
「アレーまだ咲いてない…早すぎたのかなぁー」枝の先は、赤く色づいているものの、まだ花は開いていない桜です。想像と違って、ちょっとがっかりするミモロです。お寺の方のお話だと、例年は、この時期には、すでに花が見られるのに、今年は、遅れているとか。
「咲いていればこんな感じなんだー」と、枝垂れ桜が描かれた絵で、想像するミモロです。
このお庭は、白砂の石庭で、そこに艶やかな紅枝垂れ桜が彩りを添える美しいお庭です。白砂に配された石は、象、フクロウ、獅子、カエル、ウサギ、亀などの象った名石で、鳥獣戯画を見るように楽しめるそう。見晴らしのいい場所で、晴れていれば、京都の町や東山連邦が見渡せる、雄大な借景庭園です。
「えーミモロのおうちある東山の方も見えるんだー」と遠くの景色に目を凝らすミモロですが、この日は、春霞がかかり、よく見えません。
残念ながら、お目当ての枝垂れ桜は、見ることはできなかったけれど…
「でも咲いてる桜もあるよー」と、広いお庭を見渡せる縁側を歩きます。
「ちょっと来るのが早すぎたみたいだけど、春って感じがいっぱい…気持ちいいねぇー」と縁側に座りしばしのんびり。
境内の一角にある商売繁盛にご利益がある歴史ある「春日稲荷尊」からは、艶やかな桜の姿も。
これから見ごろを迎える枝垂れ桜。ぜひ、ちょっと足を伸ばして、見てはいかがでしょう。
*「正法寺」京都市西京区大原野南春日町1102 電話075-331-0105 阪急京都線「桂駅」から車で約10分。詳しい情報や、美しい桜の写真は、ホームページで。
人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね