京都御所の西側、京都府庁にほど近い場所に、どこか懐かしい雰囲気の一軒のお豆腐屋さんを、ミモロは、散策の途中見つけました。
大きな木の看板には、「入山とうふ店」と。
店先に掛る暖簾を見て、ミモロはビックリ!「えー文政年間創業だってー」
文政年間と言えば、今から約200年前。「すごく歴史ある豆腐屋さんなんだー」。
現在、8代目店主となる入山貴之さんとお母様にお話しを伺うことに…。
驚くのは、このお店の歴史の長さだけではありません。
なんとここの豆腐や厚揚げ、焼き豆腐などは、すべて昔ながらの手づくりの製法で作られているんです。
お店の入口近くには、大きなおくどさんとお釜が。
「もしかして、これでお豆腐作るんですか?」おくどさんのそばには薪が置かれています。
「うちで使う機械は、煮た大豆をドロドロの状態にするブレンダーだけ…。後は全部手作業です」と。
確かに店内には、機械らしいものは見当たりません。
昭和30年代まで、京都の町のあちこちに、このお店のように、お釜炊きで作る豆腐店があったそう。でも、火の調整が簡単なガスを使うようになり、なんと今や、京都の町中で、薪を使うおくどさんで豆腐を作っているのは、このお店だけだそう。
「ガスの臭いが、どうも…」とご主人。微妙な火力調整を必要とする薪を、今も使い続けています。
ここで使う大豆は、国内産。また水は、地下水で。ミモロがお話を伺っていると、近所の常連さんがお水をペットボトルにもらう姿に。「今晩は、この水で湯豆腐にするんや…」と。同じ水で作られた豆腐を、同じ水の中で湯豆腐に。「わーすごく美味しそう!究極の贅沢かも…(今度、お友達が来たら、家でやってみよう…)」と密かに思うミモロです。
「ワー大きな焼き豆腐…」
たっぷりサイズの焼き豆腐は、その表面の焼きが、ミモロがいつも目にするものと違うよう。それもそのはず、この焼き豆腐は、おくどさんの残り炭を使って、焼きを入れたもの。串刺しで焼きを入れます。「えーお豆腐って串刺しにできるんだー。すごいー」。柔らかいイメージの豆腐、でもここの品は、身が詰まった感じ。「ガスバーナーなどで焼いたものとは、味が違いますよ」と。焼き豆腐は、冬場限定だそう。
このまま、このお店のお母さまが作られた手づくりの合わせ味噌をつけていただくのがおすすめ。美味しい豆腐田楽になります。「昔から作ってるんやー。私が嫁いでから、ひとつも変わってへん。揚げ豆腐も昔のままや」と。
この店では、油揚げとは呼ばず、揚げ豆腐と。おくどさんの隣りで、1枚ずつ丁寧に、上質の菜種白紋油で上げて行きます。
「わーどれも身がすごく厚いねぇー」とミモロは、店先にならぶ揚げ豆腐や飛龍頭を見て。
「うちのは、油抜きはいらん…。そのまま炊いたらよろしい…」
上質の油を使っているので、通常、油揚げにほどこす油抜きは不要。油の美味しさが、そのまま料理にコクをもたらします。
(家に揚げ豆腐を買って帰ったミモロは、その夜、大好物のきつねうどんを作りました。「まるで厚揚げみたいにお豆腐の味がするお揚げさん。大きくボリュームがあるねぇー」と)
ミモロが、お話を伺っている間も、次々にご近所の常連さんがやってきて、みるみる品が売れて行きます。「売るのは、今日作ったん分だけ…」「あのー焼き豆腐もください!」と、慌ててミモロはお買い物を。「はい、これが今日の最後の焼き豆腐…」「よかった…ホー」。
京都でも、貴重な存在となった手づくり豆腐。大豆の味が実感できる豆腐です。
大きな焼き豆腐とお母さんお手製の合わせ味噌、そして揚げ豆腐を重そうに下げて、ミモロは、家路を急ぎました。
*「京豆腐 入山とうふ店」京都市上京区東魚屋町347 電話075-241-2339 営業時間:9:30~17:30(売切れたら、早めに終わります)日曜定休。大丸京都店地下1階の京とうふ売場でも購入可能。(数量限定にて)
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大きな木の看板には、「入山とうふ店」と。
店先に掛る暖簾を見て、ミモロはビックリ!「えー文政年間創業だってー」
文政年間と言えば、今から約200年前。「すごく歴史ある豆腐屋さんなんだー」。
現在、8代目店主となる入山貴之さんとお母様にお話しを伺うことに…。
驚くのは、このお店の歴史の長さだけではありません。
なんとここの豆腐や厚揚げ、焼き豆腐などは、すべて昔ながらの手づくりの製法で作られているんです。
お店の入口近くには、大きなおくどさんとお釜が。
「もしかして、これでお豆腐作るんですか?」おくどさんのそばには薪が置かれています。
「うちで使う機械は、煮た大豆をドロドロの状態にするブレンダーだけ…。後は全部手作業です」と。
確かに店内には、機械らしいものは見当たりません。
昭和30年代まで、京都の町のあちこちに、このお店のように、お釜炊きで作る豆腐店があったそう。でも、火の調整が簡単なガスを使うようになり、なんと今や、京都の町中で、薪を使うおくどさんで豆腐を作っているのは、このお店だけだそう。
「ガスの臭いが、どうも…」とご主人。微妙な火力調整を必要とする薪を、今も使い続けています。
ここで使う大豆は、国内産。また水は、地下水で。ミモロがお話を伺っていると、近所の常連さんがお水をペットボトルにもらう姿に。「今晩は、この水で湯豆腐にするんや…」と。同じ水で作られた豆腐を、同じ水の中で湯豆腐に。「わーすごく美味しそう!究極の贅沢かも…(今度、お友達が来たら、家でやってみよう…)」と密かに思うミモロです。
「ワー大きな焼き豆腐…」
たっぷりサイズの焼き豆腐は、その表面の焼きが、ミモロがいつも目にするものと違うよう。それもそのはず、この焼き豆腐は、おくどさんの残り炭を使って、焼きを入れたもの。串刺しで焼きを入れます。「えーお豆腐って串刺しにできるんだー。すごいー」。柔らかいイメージの豆腐、でもここの品は、身が詰まった感じ。「ガスバーナーなどで焼いたものとは、味が違いますよ」と。焼き豆腐は、冬場限定だそう。
このまま、このお店のお母さまが作られた手づくりの合わせ味噌をつけていただくのがおすすめ。美味しい豆腐田楽になります。「昔から作ってるんやー。私が嫁いでから、ひとつも変わってへん。揚げ豆腐も昔のままや」と。
この店では、油揚げとは呼ばず、揚げ豆腐と。おくどさんの隣りで、1枚ずつ丁寧に、上質の菜種白紋油で上げて行きます。
「わーどれも身がすごく厚いねぇー」とミモロは、店先にならぶ揚げ豆腐や飛龍頭を見て。
「うちのは、油抜きはいらん…。そのまま炊いたらよろしい…」
上質の油を使っているので、通常、油揚げにほどこす油抜きは不要。油の美味しさが、そのまま料理にコクをもたらします。
(家に揚げ豆腐を買って帰ったミモロは、その夜、大好物のきつねうどんを作りました。「まるで厚揚げみたいにお豆腐の味がするお揚げさん。大きくボリュームがあるねぇー」と)
ミモロが、お話を伺っている間も、次々にご近所の常連さんがやってきて、みるみる品が売れて行きます。「売るのは、今日作ったん分だけ…」「あのー焼き豆腐もください!」と、慌ててミモロはお買い物を。「はい、これが今日の最後の焼き豆腐…」「よかった…ホー」。
京都でも、貴重な存在となった手づくり豆腐。大豆の味が実感できる豆腐です。
大きな焼き豆腐とお母さんお手製の合わせ味噌、そして揚げ豆腐を重そうに下げて、ミモロは、家路を急ぎました。
*「京豆腐 入山とうふ店」京都市上京区東魚屋町347 電話075-241-2339 営業時間:9:30~17:30(売切れたら、早めに終わります)日曜定休。大丸京都店地下1階の京とうふ売場でも購入可能。(数量限定にて)
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