祇園祭が近づく京の町では、至る所から、コントチキチーという鐘の音や、ピーヒョロリーと笛の音が響きます。
「この音を聞くと、心がウキウキしてきちゃうー」と、ミモロ。「こんな笛が吹けたら、素敵だなぁー」と。そこで見つけたのが、「篠笛体験教室」です。
三条京阪の駅の近くにある京都でも珍しい篠笛専門店の「民の謡」の三条店へ。しっとりと風情漂う町家が、そのお店です。
ミモロは、さっそく中へ
「失礼します。体験を申し込んだミモロと申します」ご挨拶をしてお座敷へ。
「篠笛は、初めてですか?」とやさしい笑顔で迎えてくださったのは、南部香織先生。
「はい、初めてです。あのーミモロでもできますか?」とちょっと心配そうに尋ねます。
「今日は、体験ですから、まず笛の知識をちょっと学んでから、実際に吹いてみましょう」と。
篠笛というのは、日本に古くからある横笛で、全国各地の神社などでの神楽や祭囃子、獅子舞、盆踊りなどの民俗芸能の場で用いられます。構造は、メダケに孔をあけただけのシンプルなもの。孔は、6つか7つ、ほぼ等間隔で開いていて、ピーという甲高いまっすぐな音色や指を動かして出すピロピロとした装飾音が特徴。西洋の音楽のようにドレミの音階ではありません。また、自然の竹で作られるため、微妙にそれぞれ音色に違いが生まれるそう。もちろん笛の太さによって、音程も異なっています。
日本の横笛は、雅楽などで用いられる「龍笛」「高麗笛」「神楽笛」、能楽で使われる「能管」などがありますが、それ以外の横笛が篠笛と呼ばれるものに。
30分の篠笛体験では、音が出やすいプラスチック製の笛を吹きます。この笛は、体験後、頂けます。
(テキストは、写真以外のものが渡されます。あしからず…)
「数字とカタカナと線が書いてあるーこれが楽譜なの?」とミモロ。
篠笛の楽譜は、西洋音楽のように五線譜に音符で表すのとは異なり、孔をおさえる指使いで表現されています。
お話の後は、まず先生が、吹き方の見本を見せてくださいます。
「指使いがステキー」
「わーいい音ーこんな風に吹けたらステキー」とミモロは、憧れの眼差しで見つめます。
では、さっそくミモロも吹いてみることに…
目の前の小さな笛で練習です。
「そう、お口の下の方に笛をあてて、口を少しつぼめる感じ…。そうそう、それから息を出して…」
ミモロは、フーフーと何度も息を吹きますが、スースーと鈍い音が出るだけ…
「笛は、まず正しい口の形と笛との角度を身に付けることから…。それができればキレイな音がでるようになりますよー」
フーフーと、ミモロは、口に当てる笛の角度を調整したりしながら、何度も何度も吹き続けます。ピーと突然、笛らしい音が…。
「わー音がでた!」と、ミモロは、大喜び。
「あまり、力を入れて吹きすぎて、頭がクラクラしてきたー」と。休み休みミモロは吹く練習を…。
「そんなに力を入れなくても、音は出ますよ。でも、最初から音がちゃんと出たから、続けるといろいろな曲が吹けるようになりますよ。大丈夫…」と先生から励ましの言葉が。
孔をきちんと押さえることも大切。
音がでるようになったら、わらべ歌に挑戦です。
タコタコアガレ、テンマデアガレと、一番音が出やすい6の指を動かして曲を吹きます。
篠笛は、リコーダーなどとは違い、舌で音を切らず、指で音を区切ります。つまり息は、ずっと出し続けます。この「指打ち」というのも日本の笛の特徴。
「知らないことだらけ…」とミモロ。
指の短いミモロには、ちょっと篠笛は難しかったよう…。
「太鼓の方が、ミモロ向きかも…」と、部屋の隅にある太鼓へ。
ミモロ、諦めちゃダメよ。「ハーイ。やっぱり篠笛が吹けるようになったらステキ!お家でがんばって練習しよう」。頂いたプラスチックの笛を抱え、練習意欲に燃えるミモロでした。
*篠笛体験は、30分という短い時間ですが、日本の笛についていろいろ知ることができました。シンプルな構造だけに、始めはなかなか思うように音がでませんが、きちんとしたポジションが取れ、息が無駄なく笛に送れるコツを掴めば、楽しさも倍増。篠笛をいつか月明かりの元で吹いてみたい…そんな憧れへと近づく、小さな一歩となりました。
*篠笛体験は「民の謡 京都三条店」京都市左京区新丸太町75-9 電話075-708-2614 営業日:月・水・金曜~日曜 11:00~18:00 体験30分コース3150円、60分コース(篠笛づくり体験を含む)5250円。必ず予約が必要です。詳しくはホームページを。
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