昨年は、見るだけだった祇園祭。でも今年、ミモロは、京都の人といっしょに祭りを盛り上げる側になりました。それが祇園祭の風物のひとつの厄除け粽や御符を売るボランティアです。

端午の節句に食べる粽のように笹で作られたもので、姿は、食べる粽とそっくり。
「この粽は、食べられますか?」とよく観光客の方が尋ねますが、これは食べられません。そもそもこの粽は、厄病を除ける「茅の輪」をそのおこりとしているとか。「蘇民将来子孫也」と書かれた札が付いているのは、この粽を飾っている家は、厄病神がよってはいけませんよという標と言われます。伊勢地方の正月の注連縄飾りにも同じ言葉が書かれています。祇園祭の粽は、玄関脇に飾り、1年の無病息災を願います。
さて、それぞれの山鉾のそばにある町会所では、山鉾の名前が入ったオリジナルの粽や、ご神体に纏わる御符、また山鉾をデザインした手ぬぐいなどを、祇園祭の山鉾が飾られている期間、販売しています。それを求めるのも、祇園祭を訪れる楽しみのひとつです。
今年の注目のひとつは、「大船鉾」。今年、142年ぶりにご神体を納めた唐櫃で、山鉾巡行に復活します。鉾は、蛤御門の変で、焼失。現在、2年後の復興を目指し、作業がすすめられています。
ミモロは、その注目の「大船鉾」で、粽や御符を売るボランティアになりました。

朝から、浴衣を着て、イソイソと「大船鉾」の会所へ行き、粽や御符が並ぶ机のところに立つことに。

「粽どうーですかー」と「厄除け粽、どうーですかー」と、京都弁で観光客に呼びかけます。
1年間京都に住んで、ミモロは、京都弁が随分上手になりました。
「関東弁より、観光客は、京都弁の方が喜ぶよねー。これも京都のおもてなし…」と。
「大船鉾」のご神体のおひとつが、安産の神として崇められる神功皇后。会所には、安産のお守りと腹帯も並んでいます。

そして、ここだけにしかないのが、「大船鉾」と焼印された木札。

「このお守りも御符も、祇園祭の時だけしか買えないんですよ」と、観光客の方に説明も。

「どうぞ、なかに入ってお参りしてくださーい。中に、すごいものがあるんですよー」と。
会所の奥には、そのご神体や山鉾に纏わる品々が展示され、この時だけお参りすることができます。

「大船鉾」には、かつて鉾の先頭部分に飾られた巨大なお飾り。

また、鉾の周りを飾る織物。

今年新調された狩衣や能衣装も。


そして、ご神体を納め、142年ぶりに山鉾巡行を行う唐櫃も。

なかなか見応えがあるりっぱなお品です。
ミモロは、朝10時から夕方16時まで、一生懸命、粽と御符を売るボランティアをつとめます。
「粽、ひとつくださいー」と観光客の方。「はい、600円、お納めくださいー」粽の入った袋を渡すと、「あら、かわいい…がんばってねー」と言われ、「はーい、おうきにありがとうございますー」とお返事を。

お昼は、交代で、近くの料理屋さんでお弁当を頂きます。

夕方の交代まで、ミモロは、粽売りを。
「よくがんばりましたね。どうもありがとう…」と「大船鉾」の係りの方に。

「はい、これは、ボランティアのお礼に…」と、粽を頂くミモロです。

すてきな経験をした1日でした。
*今年は、3連休なので、観光客の人数も昨年を大きく超えるものに。そのため「大船鉾」の粽は、宵山を待たずして完売に。多くの山鉾でも、粽の売り切れが続出。粽を求めるなら、来年は、お早めに…

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