晴天に恵まれた15日。いよいよ「葵祭」が始まります。正式には、「賀茂祭」で、源氏物語にも登場するほど、昔から続く祭です。「葵祭」と呼ばれるようになったのは、江戸時代から。葵の葉を、身に着けることから、「葵祭」と呼ばれます。
古式ゆかしい装束で、斎王代をはじめ、従者たちが、京都御所から、下鴨神社、そして上賀茂神社へと進む行列が、見どころで、京都の初夏を彩る祭りなのです。
前日、「上賀茂神社」を訪れたミモロ。
「あ、準備してる~」境内の立ち砂の補修作業が…。神様が降りられたという神山に因んだ円錐形の砂の山で、憑代(よりしろ)と言われるもの。
「水を砂に含ませて固めるんだ~」とミモロは、そばでじっと見つめていました。「今度、砂場でお山作るときの参考にしよう…」と…。あのね、単なる砂のお山では、ありません。鬼門を浄める役割を果たしているのだとか。
「明日の『葵祭』の前に、整えてるんだね~」と。
さて、15日の朝、ミモロは、いつもより早起きして、近所の「下鴨神社」へと向かいました。
糺の森には、祭りの行列を見物する有料観覧席が準備されています。
「なんか以前より、有料観覧席の数多くなっているみたい…」1席2000円という特別席で、無料で、見物しようとすると、ごく限られた場所もしくは、神社の外の沿道で、見物するしかありません。
行列の到着が近づくと、厳しい交通規制がしかれ、一般見物人は、中に入れなくなります。
「今のうちに、お詣りしとこ…」と、糺の森を歩きだしました。
斎王代の行列が、到着すると、勅使が御幣物や御祭文を奉ずる『社頭の儀』などの神事が行われます。
「確か、この辺りで神事を行うんだよね~」
「あ、この幕があるところは、宮司様たちがお座りになったりする場所のはず…」
「葵祭」は、至る所に、葵と桂が飾られます。祭では、1万本以上必要とされる葵の葉。昔は、至るところに自生していたそうですが、今は、「葵プロジェクト」という葵育成を促進する団体が、小学校などをはじめ、広く一般にも株分けし、茂った葉を再び神社にもどす活動を行っています。
葵と共に、飾られるのは桂の木の枝。桂は、ほんのり甘い薫りが漂う葉を持つ植物です。
「あ、御簾が開いてる…」普段降りている本殿の御簾が上がり、遷宮できれいになった社が見えます。
まずは、神妙にお詣りを…
「お祭りが始まると、参拝できなくなっちゃうから…」と、さすが馴れたミモロです。
参拝を終えて、ミモロは、糺の森の西側に続く馬場へと向かいました。
広々した馬場…朝の空気が清々しく、本当に気持ちがいい時間です。
「そろそろ始まるかな?」とミモロが待っているのは…
「葵祭」で行われる「走馬の儀」という馬を勢いよく走らせて、神様を楽しませる儀式の予行練習です。
「あ、来た来た…」
乗り手は、頭に儀式用のかぶりものをしていますが、服装は、まだ普段着のまま…。
馬を馴らすために、馬場をはじめは、ゆっくり歩き、なんども馬場を行ったり来たりするのです。
次第に、馬の速度は上がり、終盤は、全力疾走…。
馬の蹄の音が、静寂の森に響きます。
何度も走る練習をする馬たち…。「森の中走るの気持ちよさそう…」と、馬の様子を見ながら思うミモロです。
でも、見ているミモロもとても穏やかな気分に…。
森の木々の間から降り注ぐ、やさしい木漏れ日…。時折、聞こえる野鳥のさえずり、風にそよぐ木々の葉の音…。その中に、時折聞こえる馬の走る音…
祭のにぎわいもいいけれど、こういう時間が素敵です。
前に流鏑馬を見に訪れた時は、人がいっぱいでそばで見られなかったミモロ。でも、今日は、馬が走る姿を、すぐ近くで、何度も見ることができました。
「いいなぁ~乗りたいなぁ~」憧れのまなざしで見つめるミモロです。
静寂に包まれた森…グ~と、その静かさを破る音が…
「あ、お腹がなっちゃった~」と、ちょっと恥ずかしそう…。おとの出所は、ミモロのお腹。
では、そろそろおうちに戻りましょ…「うん、朝ごはんね!」
馬の訓練は、まだ続いていましたが、ミモロのお腹がなるので、切り上げることに…。
馬場を後に、森の中を歩き、家に戻るミモロでした。
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