ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

『葵祭」の前夜に「下鴨茶寮」で開催された特別講座。神職に伺う「葵祭と神饌」のお話。

2015-05-18 | イベント

5月14日の夜 「下鴨神社」のそばにある料亭「下鴨茶寮」で、神職の方による「葵祭と神饌」のお話しを、美味しいお料理を頂きながら伺いました。
 
「下鴨茶寮」は、安政3年(1856)に創業された老舗の料亭。国内外の多くのVIPが訪れるところとしても有名です。京都の食材などをメインに、四季折々の厳選された食材が、目にも美しい京料理となって、訪れる人々をうならせます。ミモロは、2階のお部屋へ。高野川に面した料亭は、緑の木々にすっぽりと包まれたよう…。

窓際には、この日のお話のテーマでもある神饌(神様にお供えする品々)が、三方の上に置かれています。
  
お米、お酒、魚、野菜、果物、塩、水など、人々の暮らしにとって重要な食材が、神様に感謝をもって、お供えされるのです。
「わ~大きな鯛…美味しそう…」りっぱな鯛を目の前に、ネコの本性がキラリと光る目に現れるミモロです。


神饌の中心は、お米。日本人にとって、主食とされるお米は、もっとも神様に近い場所に置かれます。

さぁ、ミモロ、お席についてください…。「は~い」
「お洋服汚さないように…」早々とナフキンを胸に…。

食べる前に、まずは、乾杯…シャンパンが、グラスに注がれます。
「乾杯~」 
明日の『葵祭」の無事と、ここに集えたことへの感謝をこめて、乾杯を…。

話は、お料理を頂きながら伺います。ミモロの前に、初夏の料理が次々に…
 
八寸は、たらの芽 釜揚げシラス、鱒ずし、鯛の子など…「器も素敵~」と言いながら、ペロリ。
 
賀茂ナスとオクラの鉢、うにがたっぷりのったゴマ豆腐なども…。

講師の村松さんは、元上賀茂神社の神職で、現在、伏見の「乃木神社」の宮司をなさっています。
村松さんの豊富な知識と軽妙な語り口に、食べるのも忘れ、お話しに聞き入ってしまうミモロです。


「葵祭」という呼び方は、江戸時代から、それまでは「賀茂祭」とよばれていたそう。
大昔、京都盆地は、海だったそう。そこで太古の人々は、おそらく舟で岸があった北山付近にやってきたとか…。

今も広い敷地を有する上賀茂神社ですが、大昔は、今の出町柳くらいから、貴船神社の付近まで、神社だったのそう。

下鴨神社にお祀りされるご祭神「賀茂建角身命」(たけつぬみのみこと)は、八咫烏とされ、その娘、玉依媛命(たまよりひめのみこと)が、水浴びをしていたところに、矢が流れ、それを拾ったところ懐妊し、上賀茂神社のご祭神、賀茂別雷神(わけいかづちのみこと)がご誕生。彼が成人した時に、全国の神様が集められ、父親捜しが行われます。盃を父親に渡すように言われた別雷神は、それを天に投げ上げ、そのまま天に昇ってしまいます。

突然消えてしまった息子に会いたい玉依媛命は、どうすれば会えるか尋ねると、葵を葉を飾り、馬を走らせると、会えるといわれます。それが神社の神事のルーツともいわれる伝説で、両神社は、双葉葵を神紋とし、また走馬神事や流鏑馬など馬が登場する神事が多いのも、その伝説に関係してるのです。

葵祭は、欽明天皇の時代、国内が災害に見舞われた折り、それが賀茂の神の祟りとされ、それを鎮めるために、斎宮を奉仕させることが始まります。それが葵祭の見どころになっている斎王代の行列です。

徳川家の家紋、三つ葉葵は、賀茂の神社が双葉葵を神紋とするのにあやかったとも言われますが、同じ葵では、恐れ多いことから、1枚葉っぱを増やし、デザイン変更で3枚にしたとも…。

「へぇ~」葵祭の関する、お話し夢中になるミモロです。

さて「神饌」は、上賀茂神社の場合、全部で、なんと213種類の品々が用意されるそう。
上賀茂神社では、その神饌を三方ではなく、赤い朱塗りの盆の上に置くのだとか。213種類の内、23種類が上賀茂神社の神様の分で、ほかは、集まられた神様たちへのおもてなしだそう。

その神饌を写真に収めた本も、みせていただきました。
「へぇ~いろいろある~」なかなか勉強熱心なミモロです。

「すでに、ここにも日本人のおもてなしの心が見られます」と村松さん。神饌の飾り方などは、日本料理の基礎となる姿が見て取れるそう。いらっしゃるお客様に、不自由な思いをさせないというおもてなしの心遣いは、神代の昔から伝わったものなのです。

「そういわれれば、料理の盛り方って、お皿にずいぶんスペースがある。この盛り方の美意識って、神饌から来ているんだって~」
 
日本料理ほど、お皿に余白がある盛り方はほかにありません。アメリカなど西洋諸国は、お皿いっぱいに料理を盛るのがご馳走。
余白部分が多いことで、食材そのものが、目立つだけでなく、ありがたさも感じられます。「これって、食材への感謝の意味もあるかも…」食材の命を頂くことへの感謝が、日本料理の中には表現されているのです

「すごく興味深いお話しで、来てよかった~」と、ミモロに誘われ東京から参加したお友達。
  
最終の新幹線で、東京に戻っていきました。

〆は、筍と桜エビの炊き込みご飯…

「お話しもすごく面白かったし、料理も美味しかった~」と、大満足のミモロです。

このお話し会を企画したのは、京都コンシェルジュサービスの小山明美さん。
「また、普通のツアーでは、体験できないような企画をしますから、ミモロちゃんまた来てね~」と。京都おもてなし大使であり、コンシェルジュとしての豊富な経験から立てられる企画は、京都通も知らないことがいっぱい…。

「また、ぜひ声かけてね~」と、シャンペンを飲んだミモロは、いい気分に…。

次の日の「葵祭」がいっそう興味深く感じられるようになった、お話し会でした。




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コメント
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