ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

大徳寺塔頭「瑞峯院」へ。重森三玲の庭園。ご住職のお話を伺いながら、お茶をいただく充実のとき

2016-02-06 | 寺社仏閣

「ご住職のありがたいお話が伺える機会があるけど、ミモロちゃん、ご一緒しませんか」と、お友達に誘われたミモロ。「はい、ぜひ伺いたいです」とお返事。

お友達が連れて行ってくれたのは、京都の北、紫野にある「大徳寺」です。

「大徳寺」は、臨済宗大徳寺派の大本山。創建は、正和4年(1315)。大燈国師が、紫野の地に庵を建立し、「大徳」と命名したことに由来します。

天正10年(1582)に豊臣秀吉が、信長の葬儀を盛大に挙行し、その菩提寺として「総見院」を建立、以後、武将による塔頭の建立が相次ぎます。細川家とゆかりが深い「高桐院」、小堀遠州が建立した「孤蓬庵」、一休宗純の塔頭の「真珠庵」など、歴史の教科書に登場する武将ゆかりの塔頭が、なんと20以上も広大な敷地の中にあるのです。千利休が帰依した寺院は、茶道とのかかわりも深く、各塔頭には、趣ある茶室、そしてお庭があり、訪れる人の絶えない寺院です。

さて、ミモロがお友達に案内されたのは、「瑞峯院」というキリシタン大名の大友宗麟が、22歳の時、得度して宗麟になり、1535年に創建したお寺です。
  
宗麟がキリスト教徒の洗礼を受けるのは、1578年以降なので、得度してからキリシタンになったことになります。
そして、1587年、大友家が薩摩の島津家に滅亡寸前に追い込まれ、秀吉軍が援軍を送り、滅亡の危機から形勢逆転する中で、豊後の津久見で病死します。享年58歳。宗麟は、病没した津久見の地と共に、ここ「瑞峯院」にも墓があります。
当初、葬儀は、キリスト教式で、後に仏式で行われたそう。

ここ「瑞峯院」は、年間を通じ拝観することができるお寺です。
鴬張りの廊下がめぐる方丈は、天文4年(1535)に建造。室町時代の禅宗方丈建築の遺構をとどめ、重要文化財に指定されています。「すごく響く鴬張りの廊下…」ミモロもそっと歩きます。
方丈の中には、開祖大満国師の木像を安置。まずは、そこに参拝するミモロです。
掛かる額は、後奈良天皇のもの。

さて、方丈の前には、禅寺らしい枯山水の庭が広がります。蓬莱山式庭園で、独坐庭というひとり静かに眺めていたくなるお庭です。

大きな岩が聳える蓬莱山からつづく半島…大海の荒波に打たれながらも、独坐する岩…大自然の雄大さを感じさせるお庭です。

敷地内には、3軒の茶室があり、毎月茶席が催されます。

さらに方丈の裏手には、閑眠庭と呼ばれるお庭が…。
 
「七つの石で十字架になってるんだって…。中庭には、キリシタン灯篭もある…」
これらの庭園は、昭和の作庭家、重森三玲によるものです。
「なるほど~だからすごく個性的な感じするんだ~。力強いよね~」とミモロ。

「お茶席にどうぞ~」とお寺の方に声をかけられ、ミモロたちは、お茶席へ、「和服着て来てよかった~」と思うミモロでした。
前田昌道ご住職が、点ててくださるお茶席です。
茶室には、「梅凌寒獨開」(うめかんをしのぎて ひとりひらく)の書がかかります。

「お菓子をどうぞ」と勧められ、そしてお茶を頂戴します。


「やさしいそうなご住職…」とミモロは、その場の空気から感じたよう。

「人は、生かし、生かされるから人生というんです。そして自らのことがわかるのを、自分というんです」とご住職。
その言葉が胸にしみます。自らのこと…本当にわかっているのだろうか?自分がないかも…とふと思います。
地球のすべてのものに生かされていることに、改めて感謝したくなります。

また、日々の暮らしの中で、呼吸することを意識すること。いい姿勢でいることの大切さとなども教えていただいました。

「ふ~ふ~」とミモロは、その場で深呼吸。そして、背筋を伸ばすミモロです。

「お辞儀をするときは、首を曲げないで、背中を真っすぐに前に倒す感じで…」と教わります。
「なるほど~」とミモロもその場でやってみます。

「右手は、お釈迦さまのいたインドでは、食べ物をいただく神聖な手。ですから、前に手を組むときは、右手を下にします」と。
「そうなんだ~」とミモロも右手を下に…。


ミモロは、すっかりご住職が好きになり、お膝へ…
「はい、どうぞ…」とやさしく抱いてくださいました。

「もっといろんなお話聞きたい…」と思うミモロです。

「子供は、ぜひお寺で生活をさせてほしいですね~。毎朝早く起きて、床に雑巾をかけたり、庭掃除をしたり、御経を読む、自分のすべきことをやってから、学校に行く…そういう生活の中から、学ぶことは大いにあります。最初、適当に掃除する子も次第に、隅々まで、丁寧に掃除するようになってゆきます」と。毎日の生活を丁寧に、そしてキチンとすること…
「もっと意識しなくちゃね~」と、反省するミモロです。


「ここにいると、本当に心が穏やかになる~」お茶をいただきながら、ご住職のお話を伺った後、ふたたびお庭を拝見します。

京都に暮らす楽しさを、しみじみ感じるミモロでした。


*「大徳寺 塔頭 瑞峯院」京都市北区紫野大徳寺町81 075-491-1454 拝観時間9:00~16:30 400円
年間を通じ、拝観できるお寺です。




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4 コメント

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瑞峯院 (桜三里)
2016-02-09 21:41:49
こんばんは。
数年前京の冬の旅で大徳寺の聚光院を拝観しましたが撮影全面禁止だったのでお口直しでお抹茶をいただきに瑞峯院に行きました。
しかし、お茶会があり抹茶をいただく事が出来ませんでした。残念。
返信する
また、ぜひ・・・ (mimoro)
2016-02-11 11:46:10
それは残念でしたね~。
お電話で連絡すると、ご都合がよければ、ご住職が
お茶を点ててくださるそうです。
一度、ぜひ問い合わせてみてはいかがでしょ。
返信する
大徳寺 (桜三里)
2016-02-14 19:47:25
 mimoroさん、こんばんは。
前々からずっと思っていたのですが大徳寺の瑞峯院は方丈庭園の撮影OKだったのですが普段は公開していない大徳寺の塔頭寺院及び本坊の殆どは何故撮影があんなに撮影が厳しいのでしょうか。(撮影 全面禁止)

他の臨済宗のお寺さんは方丈庭園に関しては比較的撮影OKな場合が多くて非常に親切なのですがこれは一体どう言う事でしょうか(すなわち親切心、フレンドリーさが無い)。

ちなみに僕は信仰心がありますけどあんな事ではたして再びまた大徳寺に行きたいと思うのだろうか。
返信する
uuuuー (mimoro)
2016-02-14 20:59:14
きっとそれぞれの塔頭でお考えがあるんでしょうね~。
まぁ、おつとめや修行、参拝の場所ですから…。
ミモロもブログでご紹介できないことが多いです。
とても残念だけど…。

心に焼き付けるしかありません。

撮影できるところがあると、ありがたいと思うようにしてま~す。



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