先日、80歳の女性が話してくれた幸せに暮らすための3つの条件について書いたところ、3つの条件を備えた90歳になる女性が「それだけでは楽しくないね」と言う。「そうなんですか?何が必要ですか」と聞いてみた。その女性も夫に先立たれ、息子さん夫婦と暮らしている。結構な資産家で、暮らしには苦労していない様子だ。
「家族揃って食事をするのは、お正月くらいだね」と彼女は言う。「ご家族の皆さんと一緒に食事をされないんですか?」と聞くと、「昔は一緒に食べていたんだけど、会話が全く無いのね。私は年寄りだから食べるのが遅いでしょう。嫁さんや孫はさっさっと食べて、席を立ってさっさと行っちゃうの。私一人ポツンと座っているのもいやだから、そのうち食事は私の部屋に持ってきて、一人でテレビ見ながら食べるようになっちゃったのね」。
「あのね、一人は気楽でいいわよ。テレビに一人で怒ったり笑ったりしていても、誰もなんとも言やへんでね。気楽でいいけど、寂しいもんだよ。一つ屋根の下で暮らしているのに、何にも話が無いというのもね。そうは思うけど、嫁さんも忙しいし、息子や孫もそれぞれやることがあるでね。仕方ないね。こうやっておしゃべりすることが一番楽しいね」。
そういえば、NHKのテレビ番組でアルツハイマーについて放映していた中で、予防には会話が重要だと挙げていたように思う。テレビを見たり、映画を観たり、本を読んだりすることも脳を使うということでは大切なことかもしれないが、会話は相手の言うことを聞き、自分の話すことを脳が整理しないと出来ないから、やはり脳の活動としては比率が大きいのだろう。
人は誰でも、自分のことを知ってもらいたいのだ。また逆に、好きな人のことはどんなことでも知っていたいものだと思う。だからこそ、一生懸命で会話するし、会話が途切れたりすると不安になるのだ。年寄りだから、偏屈だからと、会話を避けられてしまうと、年寄りはますます孤独になる。若い方から根気よく声をかけてもらわないと、意外に年寄りは自分からは声がかけられないものだ。
一人暮らしの方に電話したり、時には出かけていって話したりすると、30分や40分はつかまってしまう。場合によっては半日を費やすことになる時だってあった。その頃は、どうしてこんなにも話すのかわからなかったけれど、一日中誰とも話すことが無ければ人恋しくなってつい引き止めてしまう、そんな気持ちがよくわかるようになった。
男と女であれば、話すことが無ければ手をつないでいればいい。相手が年寄りならば、やはり会話を重ねていくことが何よりも幸せで大切なことなのだ。9・11から7年目の今日思う。
「家族揃って食事をするのは、お正月くらいだね」と彼女は言う。「ご家族の皆さんと一緒に食事をされないんですか?」と聞くと、「昔は一緒に食べていたんだけど、会話が全く無いのね。私は年寄りだから食べるのが遅いでしょう。嫁さんや孫はさっさっと食べて、席を立ってさっさと行っちゃうの。私一人ポツンと座っているのもいやだから、そのうち食事は私の部屋に持ってきて、一人でテレビ見ながら食べるようになっちゃったのね」。
「あのね、一人は気楽でいいわよ。テレビに一人で怒ったり笑ったりしていても、誰もなんとも言やへんでね。気楽でいいけど、寂しいもんだよ。一つ屋根の下で暮らしているのに、何にも話が無いというのもね。そうは思うけど、嫁さんも忙しいし、息子や孫もそれぞれやることがあるでね。仕方ないね。こうやっておしゃべりすることが一番楽しいね」。
そういえば、NHKのテレビ番組でアルツハイマーについて放映していた中で、予防には会話が重要だと挙げていたように思う。テレビを見たり、映画を観たり、本を読んだりすることも脳を使うということでは大切なことかもしれないが、会話は相手の言うことを聞き、自分の話すことを脳が整理しないと出来ないから、やはり脳の活動としては比率が大きいのだろう。
人は誰でも、自分のことを知ってもらいたいのだ。また逆に、好きな人のことはどんなことでも知っていたいものだと思う。だからこそ、一生懸命で会話するし、会話が途切れたりすると不安になるのだ。年寄りだから、偏屈だからと、会話を避けられてしまうと、年寄りはますます孤独になる。若い方から根気よく声をかけてもらわないと、意外に年寄りは自分からは声がかけられないものだ。
一人暮らしの方に電話したり、時には出かけていって話したりすると、30分や40分はつかまってしまう。場合によっては半日を費やすことになる時だってあった。その頃は、どうしてこんなにも話すのかわからなかったけれど、一日中誰とも話すことが無ければ人恋しくなってつい引き止めてしまう、そんな気持ちがよくわかるようになった。
男と女であれば、話すことが無ければ手をつないでいればいい。相手が年寄りならば、やはり会話を重ねていくことが何よりも幸せで大切なことなのだ。9・11から7年目の今日思う。