60代の男たちが喫茶店で話す内容はどんなことが多いだろうか。政治や社会情勢、仕事や趣味、子どもや世代のこと、集まる人たちにもよるけれど話題の幅はなかなか広い。中でも盛り上がるのは、政治や社会情勢のことだ。先日も、福田総理の突然の辞任が話題になった。話の中身は、世間一般とそんなに変わるものではなく、「安倍、福田と2代続けて総理が責任を放棄したこと」についてであった。
「自民党という政党が末期的な状況にある」という認識で一致したものの、なぜ末期的なのかということでは意見が分かれた。「安倍・福田ともに2世議員で、議員の世襲がこの結果を生んだ」と言う人、「政治家が責任を放棄し、軍部の横暴を抑えられなかった昭和初期の政治状況と似ている。今は企業の言いなりになってしまっている」と見る人、「議員は自分が次に当選することに汲々とし、本当に何をしなければいけないのかを考える議員がいない。もちろん目先の利益ばかりで議員を選ぶ、有権者が最も悪い」と分析する人など色々。
自民党総裁選挙で麻生氏が20代の若者と80代以上の高齢者に人気があるのはなぜなのかについても話題になった。私にはその理由はよくわからないが、新聞の投書欄を見ていておやっと思うことがあった。福田総理が退陣表明の記者会見で「ひとごとのように言われるが」という質問に、「私は自分自身を客観的に見ることができる。あなたとは違う」と、質問した記者をにらみつけて言い放った。これは決して評価できるものではない。投書の大方も「無責任極まりない」というものだった。けれども20代の女性が「いつになく険しい表情で毅然と答え、私は胸がスッとしたと同時に、福田さんの真意を見た気がしました」と書いていた。
先の喫茶店での四方山話では、80代以上の人と20代の人とは共通するところがあると言う。「自己中心で他の人のことは全く考えない人たちだ。電車に乗る時にも整列しないし、自分のところはきれいにしても平気でゴミを外に放る」。たまたま彼が見た人たちだけでそのように断定するのか危険な気がするが、共通する何かを分析できれば説得力もあるかもしれない。80代以上は私たちの親の世代であり、20代は子どもの世代であることも世代論で見れば興味深いかもしれない。
「熟年離婚が多いことは知っているか?」と突然話題を変えた人がいた。「定年を迎えたら離婚することになっていたが、定年を前にして夫の方が病気になり、入院生活の中で定年になった。夫の方は入院中だからまさか離婚はないだろうと思っていたが、奥さんは病院に離婚届を持ってきたそうだ」。「逆の話もある。病気治療中の奥さんから突然離婚を言い出された。どうしてか考えた夫は、そんなにワシが世話をするのがいやなのか?と聞いたそうだ。奥さんはハッキリといやだと言った。それでも夫はとにかく病気が治ってからにしようと説得した。でも病気が治ってもやはり離婚だったそうだ」。
こんな具体的な話は始めて聞いたが、それにしても政治の話では元気がよかった男たちもこの時は真剣にちょっと暗くなってしまっていた。
「自民党という政党が末期的な状況にある」という認識で一致したものの、なぜ末期的なのかということでは意見が分かれた。「安倍・福田ともに2世議員で、議員の世襲がこの結果を生んだ」と言う人、「政治家が責任を放棄し、軍部の横暴を抑えられなかった昭和初期の政治状況と似ている。今は企業の言いなりになってしまっている」と見る人、「議員は自分が次に当選することに汲々とし、本当に何をしなければいけないのかを考える議員がいない。もちろん目先の利益ばかりで議員を選ぶ、有権者が最も悪い」と分析する人など色々。
自民党総裁選挙で麻生氏が20代の若者と80代以上の高齢者に人気があるのはなぜなのかについても話題になった。私にはその理由はよくわからないが、新聞の投書欄を見ていておやっと思うことがあった。福田総理が退陣表明の記者会見で「ひとごとのように言われるが」という質問に、「私は自分自身を客観的に見ることができる。あなたとは違う」と、質問した記者をにらみつけて言い放った。これは決して評価できるものではない。投書の大方も「無責任極まりない」というものだった。けれども20代の女性が「いつになく険しい表情で毅然と答え、私は胸がスッとしたと同時に、福田さんの真意を見た気がしました」と書いていた。
先の喫茶店での四方山話では、80代以上の人と20代の人とは共通するところがあると言う。「自己中心で他の人のことは全く考えない人たちだ。電車に乗る時にも整列しないし、自分のところはきれいにしても平気でゴミを外に放る」。たまたま彼が見た人たちだけでそのように断定するのか危険な気がするが、共通する何かを分析できれば説得力もあるかもしれない。80代以上は私たちの親の世代であり、20代は子どもの世代であることも世代論で見れば興味深いかもしれない。
「熟年離婚が多いことは知っているか?」と突然話題を変えた人がいた。「定年を迎えたら離婚することになっていたが、定年を前にして夫の方が病気になり、入院生活の中で定年になった。夫の方は入院中だからまさか離婚はないだろうと思っていたが、奥さんは病院に離婚届を持ってきたそうだ」。「逆の話もある。病気治療中の奥さんから突然離婚を言い出された。どうしてか考えた夫は、そんなにワシが世話をするのがいやなのか?と聞いたそうだ。奥さんはハッキリといやだと言った。それでも夫はとにかく病気が治ってからにしようと説得した。でも病気が治ってもやはり離婚だったそうだ」。
こんな具体的な話は始めて聞いたが、それにしても政治の話では元気がよかった男たちもこの時は真剣にちょっと暗くなってしまっていた。