高校野球の甲子園大会が始まった。カミさんは入場行進からテレビにかじりついているが、私はルーフバルコニーで水やりを終えてからテレビ観戦。午前6時からのテレビ朝日を見ていて、松井秀喜さんの始球式から見ようと決めていた。松井さんほどの選手でも、「1年生の時の最初のバッターボックスでは足が震えた」と言う。
「高校野球はつまらない」とプロ野球ファンは言うが、私は高校野球の方が好きだ。どうしてなのかと思いながら見ていて、多分、何が起きるか分からない点ではないかと思った。プロの選手の方が技量は上だが、高校野球はどうなるのか分からないから、つい応援に力が入る。しかも私は、片方を応援していたはずなのに、相手方を応援していたりと節操がない。
松井秀喜さんの始球はストライクではなかったから、松井さん自身が苦笑いだった。それでも松井さんの後輩のキャッチャーは、嬉しそうに松井さんの元に駆け寄って来ていた。松井さんの母校の星稜が圧倒的な力を発揮するだろうと思っていた。何しろ県大会の決勝戦で、連続ホームランで打ち勝って来たのだから。
それが、そうならないのが甲子園というところらしい。第3試合の慶応と中越の試合も、圧倒的に慶応が勝つものと思っていたら、思わぬ投手戦だった。ヒット数では中越が勝っていたのに、作戦ミスで点が取れなかった。9回、2対2のまま後攻めの慶応も、1・2塁に走者はいたものの2死だったから、延長戦になるかと思われたが、ヒットが出て決着がつきそうな予感もした。
打球はセンター前に飛んだ。2塁の走者はキャッチャーなので、本塁でアウトか、いろんな場面が想定されたが、間一髪でセーフとなり、劇的な幕切れで慶応の勝利となった。慶応の今年の四文字熟語は「捲土重来」。その通りになった。