台風が近づいているというが、空は秋のように晴れ渡り、真っ青な空に白い雲が南東から北西へと動いていた。家を出たら風が強く吹いていた。午後から空は灰色の雲に覆われて来た。今年の暑さは異常だと誰もが口にする。盆過ぎには暑さも一段落するはずなのに、もう3カ月も熱帯のような暑さが続いている。そういえば、弟がインドネシアで事業をしている友だちが「インドネシアは寒くて、霜が降りたそうだ」と言っていた。アジア大会の会場はどんな天候なのだろう。
昨日は小3の孫娘と一緒だった。彼女が急に「人を殺して死刑になったんでしょう」と言い出した。オウム真理教の死刑囚のことだ。「ああ、でもね。どんな悪いことをした人でもみんな死刑になるのではないよ。悪いことをして警察に捕まると、裁判にかけられるの」。「裁判って?」。「裁判はねえ、本当に悪いことをしたのか、なぜそんなことをしたのか、明らかにする場所でね、この人はこういう理由でこういうふうに悪いことをしましたと説明する人が検事、悪いことはしていませんとか、悪いことをした理由はこういうことで、本人の意思ではありませんとか、弁護するのが弁護士、それを聞いて判断する人が裁判官。悪い人を懲らしめたいなら検事に、犯人の罪を軽くしたいなら弁護士に、ふたりの話を聞いて判断する人になりたいなら裁判官、あなたは何になりたい?」と聞いてみた。
小3の孫娘は「私はデザイナー」と答える。「みんなに喜んでもらえるデザイナーになる」と。そうか、死刑の話をするから、裁判に関心があるのかと勝手に思ってしまったが、全く興味はなかったようだ。「パパちゃん、話長すぎ!」とまで注意されてしまった。私が裁判の仕組みを知ったのは何時ごろだったのだろう。私は絶対に弁護士がいいと思ったのだが。