風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ひなたぼっこ

2009-10-21 01:43:13 | 日々の生活
 秋深く、読書に、食欲に、スポーツに、レジャーに、良い気候になりました。
 この季節から初冬にかけて、縁側でひなたぼっこするにも良い気候になりました。ぼんやり庭の木々や空に浮かぶ雲や夕焼け空を眺めていると、近所で夕餉の用意をする匂いがほんのり漂ってくるのはいとおかしと、清少納言ではない私でもつい口ずさみたくなるような懐かしい日本の原風景です。以下の文章は、開高健さんの「知的な痴的な教養講座」(集英社文庫)に載っている、「ひなたぼっこ」についての氏の用語解説です。
 すっかり豊かになって暖房装置が行きわたり、一方で、いつも心せわしく走りまわっている日本人には、まるで無縁になってしまった習慣。しかし、欧米ではいまだに人間の最高の贅沢とされている。
 この一節を読んで、ブログのタイトルを「ひなたぼっこ」にしようかと思ったほどでした。
 マレーシアのリゾート地、ペナン島でもパンコール島やランカウィ島でも、欧米人はホテルのプールや浜辺に寝そべって、だいたい何をするでもなく、せいぜい本や雑誌を読んだり、くっちゃべったりして、のんびり過ごしていました。バリ島に来る欧米人で多いのは場所柄オーストラリア人なのですが、やはりのんびり過ごすのが中心です。心せわしい現代の日本人には耐えられない時間の過ごし方かも知れません。それは退屈さそのものに内在する問題と言うより、はるばるXXXまで来て、ただ無為に過ごすことが勿体ないと思い、休みでもせっかちに動き回る貧乏性のせいでしょう。他方、ヨーロッパ系の国々は緯度が高いので太陽が恋しいという一般的な特性が挙げられますが、それだけではなく、開高さんが言われるように、ヨーロッパの人々と日本人とでは、のんびり身体を休めることに対する根本的な価値観の相違を感じます。
 上の写真は、マレーシア・パンコール島の午後。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする