秋の野の尾花をわけてゆく人のわたれどぬれぬ波や立つらん(津守国冬)
まねくとて立ちもとまらぬ秋ゆゑにあはれ片寄る花すすきかな(拾遺和歌集)
ゆく人をまねくか野べの花すすきこよひもここに旅ねせよとや(金葉和歌集)
人はいさ我は春日のしのすすきした葉しげ くも思ひみだるる(伊勢集)
よそにてもありにしものを花すすきほのかに見てぞ人は恋しき(拾遺和歌集)
思ふとも誰かはしらん初尾花まだほにいでぬ下のこころを(新後拾遺和歌集)
穂に出でぬもの思ふらししのすすきまねくたもとの露しげくして(源氏物語)