長月の今日のためにと菊の花つゆしもおひて咲きにけるかな(基俊集)
ももしきにうつろひわたる菊の花にほひぞまさる万代(よろづよ)の秋(万代集)
長月やけふ折る菊の花の枝(え)に万代ちぎる雲のうへびと(宝治百首)
折る菊の露にぬれける今日よりや千年(ちとせ)の秋にあはむとすらむ(永久百首)
露ながら折りてかざさむ菊のはな老いせぬ秋のひさしかるべく(古今和歌集)
九重(ここのへ)に千代(ちよ)をかさねてかざすかなけふ折り得たる白菊の花(宝治百首)
菊のはな今日ここのへにかざしてぞ老いせぬほどの色も見すべき(宝治百首)
ももしきや袖をつらぬるもろ人のとる手もにほふ菊のさかづ き(新葉和歌集)
九重にひさしくめぐれもろ人の老いせぬ秋の菊のさかづ き(宝治百首)