monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

寄月述懐/月前述懐

2010年09月22日 | 日本古典文学-和歌-秋

身の憂さをわすれやするとながめつつ今宵(こよひ)も月のふけにけるかな(続拾遺和歌集)

いくめぐり過ぎゆく秋にあひぬらむかはらぬ月のかげをながめて(新勅撰和歌集)

しのぶらむ我が見しほどのむかしだに思へばとほき秋の夜の月(草根集)

ありしよにかはらぬ秋の月かげはむかしの友にあふここちする(南宮歌合)

世の中のうきをも知らずすむ月のかげはわが身のここちこそすれ(玉葉和歌集)

見るままのすがたばかりか月はただ心のそこにすみけるものを(延文百首)

うき身世にながらへばまた思ひいでよたもとにちぎる有明の月(新古今和歌集)

来し方(かた)もかへるところも知らぬ身をおもへばそらに見する月かな(心敬)