みなつきにいはもるしみつむすはすはあふきのかせをわすれましやは
(堀河百首~日文研HPより)
てもたゆくあふきのかせもぬるけれはせきのしみつにみなれてそゆく
(好忠集~日文研HPより)
みなつきのあつさをいまのときとしてあふきのかせもぬるきころかな
(文保百首~日文研HPより)
閨扇
六月も秋たつ風はぬるからし閨の扇を手にやまかせん
(草根集~日文研HPより)
みなつきのてるひもいかてすくさましたのむあふきのかせなかりせは
(六百番歌合~日文研HPより)
てにならすあふきのかせはかよへともくさもゆるかすてるひかけかな
(新撰和歌六帖~日文研HPより)
題しらす 前中納言定家
立のほりみなみのはてに雲はあれと照日くまなき比の大空
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
夏歌の中に 前中納言定家
行なやむうしのあゆみにたつちりの風さへあつき夏の小車
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
たいしらす よみ人しらす
みな月のつちさへさけてゝる日にもわか袖ひめやいもにあはすして
(拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)
夏ふかきころ、つねに居たるかたの遣戸は、谷のかたにて、見おろしたれば、竹の葉はつよき日によられたるやうにて、まことに土さへさけてみゆる世のけしきにも、我が袖ひめやと、又かきくらさるるに、ひぐらしはしげき木ずゑにかしましきまで鳴きくらすも、友なるここちして
こととはむなれもやものを思ふらむもろともになく夏のひぐらし
(建礼門院右京大夫集~岩波文庫)