石ばしる滝つ岩ねの秋の月やどるとすれど影もとまらす(続拾遺和歌集)
おちたぎつはやき川瀬にやどりてもながれぞやらぬ秋の夜の月(嘉元百首)
てる月のひかりさえ行く宿なれは秋の水にも氷ゐにけり(金葉和歌集)
天河(あまのがは)雲のみを行く月影をせき入れてうつす宿の池水(続後撰和歌集)
池水にうつれる影ものどかにて秋の夜すがらすめる月かな(新拾遺和歌集)
にごりなく千世をかぞへてすむ水に光をそふる秋の夜の月(後拾遺和歌集)
水のおもに月のしづ むをみざりせばわれひとりとや思ひはてまし(拾遺和歌集)
さもこそは影とどむへき世ならねど跡なき水に宿る月哉(千載和歌集)