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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「読み置く/詠み置く」用例

2015年07月02日 | 日本国語大辞典-や・ら・わ行

 「読み置く/詠み置く」という単語の日本国語大辞典・第二版の記載例よりも古い用例があるので、紹介します。

名に流れたる海人小舟、初瀬の山と読置ける、其川野辺の縁あるに、
(「玉鬘」)
西野春雄校注『新日本古典文学大系57 謡曲百番』岩波書店、1998年、271ページ

名にし負ふ難波津の、名にし負ふ難波津の、歌にも大宮の、内まで聞こゆあみきすと、網子調ふる、海士の呼び声と詠み置ける、古歌をも曳く網の、目の前に見えたる有様、あれ御覧ぜよや人びと。
(「芦刈」)~国文学研究資料館HPの岩波・古典文学大系本文データベースより

男の人の国にまかれりけるまに、女にはかにやまひをしていと弱くなりにける時、よみおきて身まかりにける
(巻第十六・哀傷、858詞書)
佐伯梅友校注『古今和歌集』(岩波文庫)、1981年、200ページ


「読(よみ)」用例

2015年07月02日 | 日本国語大辞典-や・ら・わ行

 「読(よみ)」という単語には、接尾語として、「機(はた)の筬(おさ)の数を表わすのに用いる。」という語釈があります。日本国語大辞典・第二版では、『名語記』(1275年)からの例が早いのですが、133年さかのぼる用例があります。

久しくおともせぬ人に
とよみあまり二よみ三よみ思へどもなどまどほなるきそのあさ布
(108・基俊集、127)
『新編国歌大観 第三巻 私家集編1 歌集』角川書店、1985年、470ページ