monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

古典の季節表現 秋 七月 初秋・早秋

2015年07月11日 | 日本古典文学-秋

かせわたるのたのはつほのうちなひきそよくにつけてあきそしらるる
(夫木抄~日文研HPより)

いつのまにまたはつあきのあさちはらゆふつゆちりてすすしかるらむ
(延文百首~日文研HPより)

ゆふくれはをののしのはらしのはれぬあききにけりとうつらなくなり
(夫木抄~日文研HPより)

七月朔日ごろ、男の立ち寄りて侍りけるに、風の音もをかしう聞こえければ ひちぬ石間の中務卿の宮の女
涼しさの常よりもけに知らるるは我が身に秋の来たるなりけり
返し 関白
涼しさはなべての風と聞くものをいかに慣らひし秋のしるしぞ
(風葉和歌集~岩波文庫「王朝物語秀歌選」)

秋の初めつ方、男の帰り侍りけるあしたに 言はで忍ぶの皇后宮
慣らひこし袖の別れも秋はなほ身にしむ色の露ぞこぼるる
(風葉和歌集~岩波文庫「王朝物語秀歌選」)


「別れを告げる」用例

2015年07月11日 | 日本国語大辞典-や・ら・わ行

 「別れを告げる」という用語は、日本国語大辞典・第二版では1671年用例が早い例として載っていますが、もっとさかのぼる用例があります。

故郷のわかれをつぐる鳥のねを聞きすててたつ旅衣かな
(38・文保百首、藤原実任、雑十首、18191)
『新編国歌大観 4私家集編2、定数歌編 歌集』1986年、角川書店、524ページ

恋衣かさぬるつまもなき物をわかれをつくる鳥の声かな
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、藤原季経、恋)594ページ
あかぬよの別れをつけし鳥よりも独かなしき鐘の暮かな
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、藤原隆信、恋)602ページ
『続群書類従・第十四輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1983年