承暦弐年内裏後番の歌合に、鶯をよめる 藤原顕綱朝臣
春たては雪の下水うちとけて谷の鶯いまそなくなる
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
春きて猶雪
かすめども春をばよその空に見てとけむともなき雪のした水
(山家和歌集~バージニア大学HPより)
余寒 公相
けふもなほ松の嵐の音さえてまたとけやらぬ雪のした水
(宝治百首~日文研HPより)
つれもなきこすゑのゆきもきえそめてしつくににこるまつのしたみつ
(新葉集~日文研HPより)
うす氷清き鏡とみし物をさくらにくもる花のした水
(纂題和歌集~明治書院)
くれふかきいりのつつみのしたみつにこゑうちそへてかはつなくなり
(為尹千首~日文研HPより)
このしまの森の下水ひきかけてしめのあたりに早苗取るなり 後九条内大臣家大夫
(夫木和歌抄~「校註国歌大系21」)
いはかねにけふもかたしくこけのそてむすふもすすしまつのしたみつ
(嘉元百首-実兼~日文研HPより)
新玉津島社三十首歌に、おなし心(納涼)を 西園寺前内大臣女
すゝしさは夏の外なるすみかゝな山の岩ねの松の下水
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
ひかけこぬならのしたみつすすしさにけふこそなつをしらてすきぬれ
(為家五社百首~日文研HPより)
題しらす 入道前太政大臣
秋ちかき谷の松風をとたてゝゆふ山すゝし岩のした水
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
みなせ川この葉さやけき松風に鹿の音あらふきりのした水 慈鎮和尚
(夫木和歌抄~「校註国歌大系21」)
琵琶の道につきていさゝかうれふる事侍りける、祈申さんため妙音堂へまいりける折ふし、雪深くふりて侍けれは 入道前太政大臣
をとたえてむせふ道にはなやむともむもれなはてそ雪の下水
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
ふゆのよのこほりはさもやとけさらむおもひもよらすそてのしたみつ
(経信集~日文研HPより)
いかにせむゆきのしたみつうちとけてなになかれなむことをこそおもへ
(堀河百首-前斎宮河内~日文研HPより)
ひとしれぬこころのほかにもるものはおさへてむせふそてのしたみつ
(明日香井集~日文研HPより)