monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

浮草・萍(うきくさ)

2021年06月24日 | 日本古典文学-草樹

(たいしらす) たゝみね 
たきつせに/ねさしとゝめぬ/浮草の/うきたる恋も/我はする哉 
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

こもりえに-ひまなくうける-うきくさの-まなくそひとは-こひしかりける 
(古今和歌六帖~日文研HPより)

 文屋のやすひでが三河の掾(ぞう)になりて、「あがたみにはえいでたゝじや」と、いひやれりける返事によめる 小野小町
わびぬれば身をうき草の根を絶えて誘(さそ)ふ水あらばいなんとぞ思ふ
(古今和歌集~岩波文庫)

(たいしらす) 源盛実 
待わひぬ/身をうき草の/うきなから/逢瀬にさそふ/水の便を 
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

みつのうへに-よるへさためぬ-うきくさの-よそへられぬる-わかみなりけり 
(永久百首-仲実~日文研HPより)

人にわすられて侍ける時 (読人不知) 
かすならぬ/身はうき草と/なりなゝん/つれなき人に/よるへしられし 
(後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

宝治百首歌めしけるついてに、寄草恋 後嵯峨院御製 
恋わひて/身をうき草と/思へとも/ねは絶すこそ/猶なかれけれ 
(続後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

宝治二年百首歌に、寄草恋 正三位知家 
さのみやは/うきに年へん/浮草の/ねも見ぬ人を/思ひ絶なて 
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

(たいしらす) 大中臣能宣朝臣 
あしかもの/羽風になひく/うき草の/定なき世を/誰か頼ん 
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

春の色のたな引空を知かほにやかてなみよる池の萍
(百詠和歌~続群書類従15上)

(はなのうたのなかに) 前参議為実 
散花は/うき草なから/かたよりて/池のみさひに/かはつ鳴なり 
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

春田蛙
小山田やまかする水の萍にかくれあらはれかはつなくなり
(草根集~日文研HPより)

長久二年弘徽殿女御家歌合にかはつをよめる 良暹法師 
みかくれて/すたく蛙の/もろ声に/さはきそわたる/井手のうき草 
(後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

 蘋随旅客遊。 萍は南北になかれ行事。旅人の浮かことしと云へり。
誰もかく春の波路にうき草やさそふ水あらはあくかれぬへし
(百詠和歌~続群書類従15上)

はるのよの-ゆめのうきくさ-ゐそたゆる-うきよをさそふ-みつのなみたに 
(壬二集~日文研HPより)

寄萍恋
人はしれ身をうき草にかへつつも柳の花のなひく心を
(草根集~日文研HPより)

さみたれの-そらのみなつは-くもるかは-つきをなかめし-いけのうきくさ 
(千五百番歌合~日文研HPより)

うきくさを-くもとやいとふ-なつのいけの-そこなるうをも-つきをなかめは 
(頼政集~日文研HPより)

ともたちの久しうまうてこさりけるもとに、よみてつかはしける みつね
水の面に/おふるさ月の/浮草の/うきことあれや/ねをたえてこぬ
(古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

亭子院歌合に よみ人しらす 
夏の池に/よるへさためぬ/浮草の/水より外に/ゆくかたもなし 
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

江上蛍火
すたきゐる萍なからみさひ江にさそふ水あれは行く蛍かな
(草根集~日文研HPより)

庭の夏草茂り合ひ、青柳糸を亂りつゝ、池の浮草浪に漂ひ、錦をさらすかとあやまたる。
(平家物語~バージニア大学HPより)

かせをいたみ-たたよふいけの-うきくさも-さそふみつなく-つららゐにけり 
(秋篠月清集~日文研HPより)

百首歌奉し時、池氷 後鳥羽院下野 
いとゝ又/さそはぬ水に/ねをとめて/氷にとつる/池のうき草 
(続後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)