私は、宅地判定士として、北海道第3隊の2班長を命ぜられ、被災宅地判定の判定を仙台市内で行いました。3月29日、30日、31日です。
仙台市内には、仙台空港が閉鎖されているため、新千歳空港から山形空港に飛び、レンタカー(災害対策車輌)で仙台市に入っています。
29日、初日、太白区の現場に着いて見て、びっくりしました。一見して、予想していた以上にひどい被害です。下の写真です。
右上のお宅に行く石積だった階段が崩壊しています。どのようにして、あの宅地を見ることができるかが、まず問題でした。写真には写っていませんが、右側の擁壁の上のお宅の庭から、倒壊せず、残っている階段にでることができ、判定をしました。
下の写真の擁壁は、破損しています。下の方で、膨らんでいるのがわかると思います。
鉄筋がむき出しになっていました。擁壁の上のお宅にはお住まいになっている方がおり、判定結果が危険であったことを告げ、早急に対策を講じてほしい旨、仙台市の担当部署に相談するようお話しました。
30日は、太白区の29日とは異なる場所の調査でした。
現場に着いて最初に目にしたのがしたの写真です。
擁壁が転倒し、家が動いています。崩れた擁壁が支えていた土砂は隣のお宅の車庫や物置を壊し、家が止めていました。
その擁壁が壊れた家の斜面の上方にあったお宅、2軒も被害が甚大です。下の写真です。
同じように擁壁が壊れ、家の前の階段が大きく傾斜しています。どのお宅も、住むことはできません。現在、避難されていました。避難された方が家に戻ってきましたので、お話を伺うことができました。全員、無事、避難できたと聞き、少し心が和らぎました。
31日は、青葉区の被災宅地の調査でした。
かなり高い駐車場の擁壁が倒壊しています。下の家のカーポートは破壊されました。崩れた土砂や擁壁の石は家で止まっています。余震や降雨による2次災害が心配されます。
下の写真は、完全に滑っている面が有ると私達は判断しました。
4軒のお宅にまで連なる亀裂です。段差は20cmも有ります。赤いお宅の向こうには擁壁があるのですが、擁壁はまだ破壊していません。しかし、今後は大きく破壊する可能性があります。
こうした危険な宅地には、私達はトップの写真のような「危険」の赤紙を貼ります。
これを貼る判断をし、そのお宅の方に危険である理由等もお話します。申し訳無く、つらい気持ちでお話します。しかし、皆さん、判定結果について、「ありがとうございます。」と感謝の言葉をかけていただきました。心が少し、楽になりました。
また、多くの方にご協力をいただきました。お菓子や飲み物、果物などもいただきました。札幌から来たことを告げると申し訳ないくらい、ねぎらいの言葉もいただきました。仙台市の方の心の暖かさを知ることができました。
頑張ろう仙台、宮城県!!私も応援します!
こうした地震による宅地の被害はテレビのニュースでは取り上げられていないようです。しかし、多くの方が被災している事実があります。
もう一度、頑張ろう仙台、宮城県!!!