今までの冷たい雨がウソのように晴れ上がり、気持ちの良い風薫る5月がやってきました。
行楽地は大勢の人々で賑わっていることでしょう。
ただ、自由業の我が家は「混む時に出かける必要はない」という主義で、
どこにも出かける計画はありません。
冬物の片付けと家庭菜園で過ごしています。
さて歌舞伎座は4月30日の「4月大歌舞伎・さようなら公演」千秋楽後の「閉場式」を最後に、
取り壊され建て替えられる事になりました。
新しい歌舞伎座は2013年春の完成を予定しているそうです。
今回の名優総出演のさよなら公演は、絶対に見逃す事はできません。
ご近所仲間の4人で「観劇」に行ってきましたよ。
補助席も出るほどの大入り満員・・・
ご覧のとおり、歌舞伎座の前は人で溢れていました。
どの演目を見るかは、歌舞伎通の仲間のぷりんさんに一任しました。
彼女は中村屋と成田屋の後援会に入っており、
チケットもそちらで購入できるという事ですべてお任せしました。
仲間4人のうち私とK子さんはアウトドァー派ですが、ぷりんさんは断然インドァー派・・・
彼女に誘われてこの15年以上の間、年に1~2回は歌舞伎や文楽を楽しんできました。
映画にも造詣が深く、こちらは一緒に良く行きます。
山歩きもするけど「実は私、歌舞伎や文楽にも親しんでいるのよ」(年に1~2回だけど)
「単なるモサの山女ではないけんね」と一人ごちつき自己満足しています。
ぷりんさん、時々誘ってくれてありがとう
今回観たのは夜の部の「実録先代萩」と「助六由縁江戸桜」
ここで入場するなり事件発生・・・
ぷりんさんの予約してくれる席は、いつも1階の前から10番目以内のとても良い席でした。
今回も一等席なので、当然のように私たちはチケットに書かれた1階の番号席に行きましたが、
すでに先客が・・・
「スワ、ダブルブッキング」
すると我々のチケットを見た先客は「お宅たちはお二階よ」と
「うぁ~ショック」ぷりんさんはガ~ンと来ているようでした
でも、今回は特に取得困難なプラチナチケットだったのだから
「取っていただいただけでも感謝しているわ」
「いつもは中村屋の後援会に予約するんだけど、今回は成田屋に頼んだのよ」
「やっぱり中村屋の方が力があるんだわ」
「ええぇ~?そういうものなのですか?」
確かに中村勘三郎の人気と実力は今一番なので、「後援会」も破竹の勢いがあるのでしょう。
でも成田屋の海老様だって人気では負けないはず、今後に期待しましょう。
伊達騒動をモデルに、わが子を身代わりに主君の子を守る乳人の物語を描いた「実録先代萩」は
大御所の中村芝翫が乳人浅岡役を勤めます。
八十二歳の芝翫さんは頑張って、「閉場会」でも挨拶し現歌舞伎座の最後を〆ました。
守役の侍は次男の橋之助、そして浅岡の実子千代松は孫の国生。
親子三代が舞台を飾る歌舞伎は、観る側も歌舞伎の名門の「家」の歴史を見させていただく感じです。
そしてご存知「助六」は、江戸時代から団十郎の十八番だったようです。
以前、海老蔵の助六を観ましたが、それはそれは水もしたたる好い男でした
今回は父君の団十郎が貫禄で魅せています。
花魁の揚巻が玉三郎、白玉が福助と、これ以上ない華やかさでした。
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お別れ公演ということで、ロビーは「胡蝶蘭」で華やかに彩られていました。
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「助六」と言えば、叉くぐりが有名ですが、商人役の勘三郎が出てくると会場が盛り上がります。
助六役の団十郎には、「まぁまぁ兄さん、大病を克服なさってよござんしたね」
「そして、この度はおめでとうございます。孝俊(海老蔵)も結婚すれば落着くでしょう」
と言いながら、叉をくぐり会場を沸かせ
助六の兄「白酒売り新兵衛役」の菊五郎の叉をくぐる時には
「しのぶちゃんの受賞(ベルリン映画祭、最優秀主演賞)おめでとうございます」と・・・
この人のアドリブは毎度冴えわたり、大いに笑わせてくれます。
お姉さんの波野久里子さんもソックリですね。
先月、主人と新橋演舞場で「三婆」を見てきましたが、その舞台に出ていた久里子さんの演技というか仕草が
勘三郎に良く似ていました
「さようなら公演」だけあって、歌舞伎がハネても観客達はしばし立ち去りがたく
従業員さんもカメラのシャッターを押すサービスにこれ努め、私たちもロビーで4人並んで撮ってもらいました。
私たちが行ったのは4月の8日
カウントダウンの日にちも表示されていました。
名残を惜しんでユックリ写真などを撮り、歌舞伎座を後にしたのは夜の10時を過ぎていました。
「山種美術館」
話は前後しますが、私たち4人が花のお江戸に出て行く時は、目いっぱいの遊びを考えます。
夜の歌舞伎鑑賞だけでは終わりません。
この日は歌舞伎の前に、広尾にある「山種美術館」に行きました。
日本画の「奥村土牛展」をやっていました。
まずはロビーで「山種美術館」についてのあらましと画家たちの事をビデオで学びます。
S41年に開館、昨年10月に広尾の新しいビルに移ったようで、詳しい事はURLで見てください。
昔は、経済人が画家のパトロンになって手助けし、一流の芸術家として育てたものですね。
今ではそんな余裕もない世の中になってしまったようですが・・・
私もS41年に就職した会社の本社ビルに「美術館」ができ、そちらに配属された経緯がありますので
なんだか親近感を覚える美術館でした。
大器晩成型といわれた土牛の代表的な作品「醍醐」
今回の展示会のポスターにも使われた京都の醍醐寺のサクラです。
絵葉書を買いました。
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他に買った絵葉書はこの「吉野」と「牛」と「テッセン」の計四枚。
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会場で感激したのはダイナミックな「鳴門のうず」ですが
印刷された絵葉書の色は実物と違っていて、買う気になれませんでした。
「メトロで日比谷へ」
心安らぐ日本画を鑑賞してから、地下鉄で日比谷に出て、
K子さんお薦めのレストランで早めの夕食を済ませることにしました。
少々風が冷たいながらも、春のうららかな日差しの日でした。
私たちはK子さんの染めた春色のスカーフを巻き、パンプスにスカート姿で
目いっぱいお洒落をしています。
まだまだ「桜」が残っていました。こちらは「ベニシダレ」でしょうか?
路地裏を歩いて目的の「ワインレストラン」に向かいましたが
あちこちの茂みの中に傘が広がっていて、その下には可愛い猫ハウスが・・・
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エサを食べている猫ちゃんもいました。
意外なところでほのぼのと幸せそうな「銀座のニャンコ」を見ましたよ。
K子さんが中途半端な時間でもお食事ができる「ワインバー」に連れて行ってくれました。
前菜のサラダは温泉玉子つき | メーンディッシュはポークです |
ワインに合うチーズの盛り合わせも | そしてデザートはショコラケーキ&アイス |
1時間半ほどワインを飲みながらお食事をし、そしてお喋りを楽しみました。
歌舞伎の観劇では、いつも幕間の休憩時間にデパ地下で買ったお弁当を食べたり、
歌舞伎座内のレストランでお食事したりするのですが、時間的にとても慌しくて、
今回は早めの夕食を済ませてから「歌舞伎座」に行きました。
30分間の休憩時間は、ゆっくりお店を見たりして消えゆく古い歌舞伎座を堪能しました。
確かに設備は古くなっていますものね。
3年後には新しい「歌舞伎座」がどんな姿でお目見えするか、何だか楽しみになってきました。
それまで「元気」でいなくては・・・